SDガンダム物語(ストーリー) 作:千生鉄斗羅
結構タイトル詐欺な気がしますが、許してください。
「まさか、あんな強敵がいるとはな」
「ええ、予想外でした。油断さえしていなければ、多少はマシだったと思いますけどね」
「だが、いい足しにゃあなったんじゃねぇか?」
天地は、
「ですが、これで終わりではないはずです。まだ、新生闇軍団は存続しているはずですから・・・・・・」
「浮かれることなく、堅実に行きたいものだ」
「ですね」
そう言っている間に、日が暮れてきた。
向こうから、人が走って来るのが見えた。その人物は、黄金にも橙にも見える色をしていた。ところどころに挟まる青が、補色としてさらにその輝きを際立たせている。
「・・・・・・おや? あの人はもしや・・・・・・」
そしてその人物は、
「
その人物は、風車の百式。かつて、烈光=
百式は、新世大将軍の命により
「百式さん!」
「いやはや、ご無沙汰しております。・・・・・・と、そちらは・・・・・・?」
「ああ、彼らは、
「ふうむ・・・・・・。まあ、長旅で疲れたでしょう。この辺りには宿場町があります、泊まっていきましょう。超将軍の方々も、異論はありませんな?」
もちろん、誰も異議を申し立てなかった。何せ、かなりの長旅になる。こまめに休息を取らなければ、いずれのたれ死んでしまうだろう。
彼らが泊まった宿では、それはそれは美味な料理が提供されていた。
「これがお品書きだロン」
「しっかり読んで選ぶポン」
独特な語尾の料理人である。
「百式さん、この人たちは?」
「ああ、彼らは、蒼天丸と紅天丸。突然現れた、スゴ腕の料理人なんだ。
「・・・・・・聞き慣れぬ音がする。明らかに大自然の法則に反するような音だ」
「その通り。彼らは、"こんろ"なる謎の道具を使って料理をしているんだ。まあ、美味しいからいいんだが」
「いいんですね・・・・・・」
そう。この二人の
「そういえば、ここはとても安全に思える。何か、対策でも練っておられるのですか?」
雷鳴が訊く。
「ああ、それはですね。近頃、謎の幻獣が現れるようになったのです」
「幻獣、とな?」
「ええ、獣王殿。といっても、四聖獣の類ではありません。目撃情報をまとめて特徴を洗い出したところ、まるで人が乗っているようだとか、鍋蓋みたいなものがついてる、包丁みたいなのがついてる、まるで麒麟のようであると言ったものが挙げられました。まあ、無害と言えば無害なので、上奏はしておりませんがね、ハハハ」
幻獣──麒麟。百式のいう麒麟とは、
彼らは、うどんを食べた。お品書きを読んで「ウ〜ン」と唸っていたところ、「うどんだポン」「うどんを作るロン」と勝手に判断されてしまったがゆえである。これが、この二人の悪癖である。元とはいえ諜報部員のくせに、人の話を最後まで聞かず早とちりしてしまうのである。しかし、やはりというべきか、味は絶品。文句を言おうとしていた彼らも、思わず黙ってしまった。
***
その夜のこと。
「おのれ、今まで煮え湯を飲まされ続けていたが、それも今日までよ! この宿場町を滅し、我ら闇軍団の面目躍如といこうではないか!」
そう意気揚々と叫ぶのは、闇軍団は死霊武者の一人、武者
彼は、配下の兵士五十人を引き連れて、宿場町に向かっている。
ズカズカ歩いていると、程なくして到着した。
「ヨォシ野郎ども! 突撃じゃあ!」
大声でそう叫んだところ。
「うるさいポーン!」
「夜なんだから静かにするローン!」
と、怒号が飛んできた。蒼天丸と紅天丸である。翌日の仕込みをしていたのだが、闇軍団が騒音を撒き散らすので、怒って出てきたのだ。
「おのれら、いつもいつも邪魔をする武者どもか! 今日こそぶっ殺す!」
「やかましいポン!」
「お前たちの方を料理してやるロン!」
二人は、鎧を装着した。といっても、蒼天丸の方は、エプロンのような部分が肩鎧となり、ツノが百八十度回転しただけであり、むしろ鎧変形というべきであろう。また、紅天丸の鎧は、鍋とコンロである。初見だと、度肝を抜かれること間違いなしである。
「フン、あの姿にさえなられなければこちらの勝ちだ! 者ども、かかれェーッ!」
「うるせーっ!」
「うるさいですね!」
「やかましい!」
「今何時だと思ってんだ!」
「せっかくたっぷり寝てたのに!」
「ジャングルだってもっと静かだぞ!」
「うるさくて眠れないですぅ!」
そう、超将軍一行である。明日に備えて熟睡しようとしていたにもかかわらず、
「ぬう、なんだ貴様ら! と言いたいところだがしかーし! いかに超将軍とやらでも、寝起きならば大した脅威にはなるまい!」
「みくびってもらっちゃあ困るね! オイラはジャングル育ちの野生児だ、寝込みを襲われたことだって何度もあるんだぜ! 行くぞ、
トノは、目が冴えていた。ジャングルは、何が起こるかわからない領域だ。
それは、大将軍の長男としてはあまりにも異質な姿への掛け声。
それは、友と一つになり、力を最大限発揮するための姿となる掛け声。
「
ワカは、
「我こそは
「うぬう、何がぢゃんぐるの王だ! というか、ぢゃんぐるとはそもそもなんだ! いや、そんなことはどうでもいい、者ども、やれぇい!」
『オオ!』
「兄上、大丈夫ですか?」
「任せとけ!」
寝起きの超将軍たちは、威勢よく飛び出してきたはいいが、なにぶん装備が不完全だ。
また、ワカも、鬼の鎧を召喚する為の気力、装着に要する体力がないという有様であり、まともに動けるのは
「ん・・・・・な・・・・・・」
四本の触腕が、二百の死霊武者を一撃で葬り去るのを見るまでは。
「なんだ、期待はずれだな。ああやって威勢よく叫んでた割に、大したことなさそうだね」
「貴ッ様ァ! どんなカラクリを使ったァッ!」
「そんなこと言われてもなー。見ればわかるでしょ。そうだろ、ワカ?」
「もちろんですぅ! 兄上と
読者諸君には、
ここまで言えば、もうお分かりだろう。
そう、
「な、なんだとォ!? 斯様な武者が存在しておったとは・・・・・・! ええい小癪な!」
「そうやって虚勢を張ってはいるけどさ、もうお前一人だぜ? どうするつもりだい? ま、オイラは逃げも隠れもしないけどさ」
と、
「貴ッ様ァ〜ッ! 許せん! もはや、ただでは済まさんぞ!」
どうやら
だが。
「全く、馬鹿の一つ覚えじゃないんだから」
そもそも、殺そうと思えばいつでも殺せるのだ。殺し切らないのは、良心が痛むからではない。
「
「でも、拘束は解いてほしいポン」
『あやつは、我らの手で直接討たねばならないポン(ロン)!』
そう、毎晩のように迷惑を被っている、蒼天丸・紅天丸兄弟にとどめを譲るためである。
「よーしわかった。じゃあ、大将軍の長男として、これだけは命令しておこう」
「絶対に」
少しずつ、
「トドメを刺すんだ」
「よくもこの俺をコケにしてくれたなあ! 今こそ逆襲してやる!」
棍棒を構え、
だが。
『強ッ! 大ッ! 合ッ! 体ッ!』
蒼天丸と紅天丸は、心と体を一つに融合させた。その姿はまさに、麒麟そのものであった。ジラフ、と英語で呼ばれる、動物園やサバンナにいるキリンではない。朱雀、青龍、玄武、白虎。その中央に位置するとされる聖獣の姿である。キリンビールの絵を思い浮かべてみると、想像しやすいだろう。
これぞ、蒼天丸と紅天丸の最強の姿、
「なんだありゃあ・・・・・・。ホントに武者だってのかよ・・・・・・」
代表して、天地が思わずつぶやいた。ワカと
これまで(七人の超将軍編まで)に登場した武者の中で、四足歩行形態になれるのは、武者
「そう。オイラたちの時代の、頼れる武者さ」
「げっ」
『逃すか!』
嗎をあげ、
『くらえ、必殺ッ!
「ごひゃあああああ!?」
全力の突撃に加え、さまざまな武装の総攻撃を喰らった
翌朝、超将軍たちは宿場町を発った。
「彼らは、多分オイラたちが大将軍の子だとわかってて、あえて触れなかったんだと思う。そうでなくとも、今の大将軍は新世大将軍、初代から数えても五代目の治世だ。下手なことを言ったら混乱が起こるってわかってたんだろうね」
トノは、二人の気遣いに感謝した。
∀∀∀
「新世大将軍を連れて参りました」
「よくやった、信長よ。下がれ」
「はっ」
呪術師
「フハハ、大将軍も形なしか。神将軍も、もはや我が手中にあり。恐るるに足らぬわ」
そう言って、
「おのれ信長ッ! 贋物を掴むとはどう言うことだ、それでも第六天魔王かッ!」
それよりも、一つ気がかりなことがあった。死霊武者が、立て続けに破られるという出来事があったのだ。死霊武者の『目』から、
「
──まずは、
彼らが
「もし
∀∀∀
宿場町を出て数分、超将軍たちは違和感を感じた。前方に、小高い丘のようなものが見えるのだ。
「あれ、こんなところに丘なんてあったかな」
「・・・・・・遠回りをした方がいいんじゃねぇか? なんだか嫌な予感がする」
「同感だ。あれからは、何か良くないものを感じる」
獣王らの意見によって、彼らはこの丘のようなものを避けて通ろうとした。だが、丘は、獣王の言葉を聞くや否や、即座に動き出した。
「ギシャアアアアアッ!」
「うわっ、動きやがったぞこいつ」
丘からは、八本の首がじゃえているのが認識できた。
「まさか、これが父上の戦ったっていう、
「もしや、理性を失っているのか・・・・・・。畜生に堕ちるとは下品な!」
そう言って、雷鳴は雷砲稲妻を展開し、即座に発射する。しかし、その一撃は、かすり傷すら与えることはできなかった。
「な、なに・・・・・・ッ」
「そんなあ、父上の嘘つきッ!」
「ヒートアップ!」「融合強友ッ!」
ワカは鬼の鎧を装着し
「ワカ、合わせろよ!」
「了解ッ!」
「!?」
「ワイヤーアクションだ!」
急速に触腕を短縮し、右手に持った
「やった!」
「いや、油断するのはまだ早い」
「なんだってんだこりゃあ・・・・・・」
「チッ、全部一気に切らなきゃいけねえってことかよ!」
「厄介な・・・・・・」
超将軍たちは、その恐るべき再生能力に戦慄した。
「これって私の出番ある?」
『ない!』
「トホホ・・・・・・」
百式は、自らが力不足であるという確認を行い、「では私は、闇軍団の動向を探るべく
「・・・・・・さて、どうしたものか」
「こういう奴の相手をしている暇なんざねえわけだが、果たしてどうするべきか・・・・・・」
「こういう時は、大体全部の首を落とせばいい・・・・・・」
「でもオイラじゃ、ちょっと厳しいかもしれない。いや、オイラはいいんだ。でも、
「せめて、不思議の鎧があれば・・・・・・」
「・・・・・・だったら、俺がやる!」
『
「あれだって、父上が倒したっていうんだろ!? 父上にできて、息子の俺にできない道理はない! 俺が引きつけるから、みんなは早く
「無茶を言うな! いいか
「
天地らは、難色を示す。当然だ、彼は大将軍の第一子、世継ぎである。そもそもこんなところにいること自体本来は異常事態である。その上、自ら死地に殴り込むとは・・・・・・。それに、
「・・・・・・だったら俺も残るぜ」
「
「とっとと
「なら、俺もだ。こう言う若い奴は、なんだかんだほっとけないんでな。それに、無駄に体力を使いすぎて全員戦闘不能ということは避けておきてえ。最大火力を誇る雷鳴殿、遠距離も近距離もこなせる獣王殿、それにワカとトノは休んどいてくれ」
「・・・・・・そうと言われては、従わざるを得ませんね。任せましたよ」
雷鳴と獣王は、引き下がった。四人は、物陰に隠れた。
「・・・・・・で、
「全員で、一気に全部叩っ切る!」
「だと思ったぜ。だが、あの首がどう動いてくるか・・・・・・」
天地がそう言った瞬間、二本の首が
「ンだと!?」
「チッ、離しやがれ!」
「
二人をとらえた首を
「
「助太刀はいらない! うあああ!」
冷静さを保てなくなった
「・・・・・・くっそお」
身動き一つ取れないこの状況。どう打破するか、締め上げられる痛みに耐えながら思考を巡らせた。
その時、頭の片隅に、母方の祖父にあたる人物、轟天
──良いか
そこで告げられたのは、奇しくも父が轟天から鎧を借り受ける時と同じ掛け声だった。
──そうだ、今こそあの言葉を叫ぶ時だ・・・・・・!
「・・・・・・天・来・変・幻ッ!」
すると、はるか雲の彼方から、高速で金色の鳥が飛来した。
「おおっ、これは・・・・・・! すごい、力が溢れてくる!」
この
「ようし、これなら・・・・・・!」
「飛燕・竜巻返しッ!」
竜巻は、
「・・・・・・やった・・・・・・」
そして、
「・・・・・・しばらくはここで休みましょうか。トノ殿、
雷鳴の決断で、一行は束の間の休息を取ることになった。
しかし、彼らは知らなかった。
闇軍団はすでに、新たなる刺客を送り込んでいたということに。
そして、新たな仲間もまた、こちらに近づいているということに・・・・・・!
次回を待て! BY TETORA
いかがでしたか?
宿場町の
そして、肝心の
それにしても、どうして
さて次回は、ついに超将軍が揃う! 予定です。
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