新選組の人斬り役   作:薩摩一兵卒

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遅くなりました、申し訳ございません。

つい先日、「大石鍬次郎て、実在の人物じゃね?オリ主ておかしくね?」的なコメントを頂いたのでここでご返答させていただきます。

全くもってその通りでございます。大石鍬次郎は実在する人物です。ただ、「るろうに剣心」という作品上に出てきてないので、拙作ではオリ主とさせていただいております。また、史実の大石鍬次郎は明治三年に処刑されていますので、「るろうに剣心」の舞台である明治11年では架空の大石鍬次郎を交えたストーリーに仕上げていきたいと思っておりますのでご了承お願い申し上げます。


四振り目

四振り目

 

新月村。志々雄が構える館にて一人の大男が倒れ、剣心が志々雄を睨んでいた。

 

「尖閣は下した。次はおぬしだ、志々雄真実」

「そう急ぐなよ、先輩。俺たちが戦うのはまだ先の話だ」

 

志々雄は飄々として剣心から放たれる怒気を躱し、おちゃらけたように言葉を紡ぐ。

 

「世迷言を。おぬしの野望もこの新月村で終わらせるでござる」

「やれやれ、血気盛んな先輩だな。宗次郎」

「はい」

「相手してやれ」

 

一人の青年が志々雄に呼ばれた。

 

「いいんですか!うれしいな」

「こいつを貸してやる、手加減をしてやれよ」

「うわっとと」

 

宗次郎に向けて、志々雄が刀を投げてよこした。長曽祢虎徹である。日本刀の中でも名刀中の名刀とも評される一振りだ。志々雄がどこでこの刀を手に入れてかは定かではないが、志々雄がこの刀を持っているという事は志々雄一派の勢力が並大抵のものではないことを示している。

 

「そんな青年を拙者にぶつけるつもりか。影の人斬りもよほど臆病と見える」

「慌てんなよ。さっきも言ったが、あんたと剣を交わすのはまだ先だ。そん時は相手をしてやるよ。そんなおもちゃとは違って本物の真剣で斬りやろうや、じゃあな」

「待て!」

「つれないなぁ、相手をしくださいよ緋村さん。せっかく志々雄さんからのお許しが下りたのに」

 

部屋から出る志々雄を追いかけようとした剣心の前に志々雄の腹心瀬田宗次郎が立ちはだかる。

 

(志々雄が何も考えずにこのものを置いていくはずがない。であれば相当の使い手かあるいは持久に特化した戦法が得意なものと考えられる。ならば…)

「なるほどな、そう来たか。ま、至極妥当だな」

「「え?」」

 

剣心とともに新月村の調査に来た斎藤が呟いた。剣心の背後にいる旅の途中で出会ったくノ一巻町操と新月村出身の三島栄次がそろって聞き返す。

 

「へぇ、居合ですか。なら僕も」

「志々雄真実があの小僧を殿として置いていったのは何か策があるのだろうと踏んだんだろう。それを突破し、志々雄を追うには神速の一撃必殺が必要というわけだ。」

「そ、それじゃ・・・」

「ああ、抜刀斎の由来は早すぎる剣速から来ている。だがそれは相手方も知っている筈。それをあえて、同じ居合で対抗しようというんだ。かなりの技量を持っているとみていい」

(あの小僧の得体のしれなさも十分に警戒すべきだが、問題はあいつの後ろにいる編み笠の男。抜刀斎と尖閣の戦いのときもそうだが、全く微動だにしない。何をするわけでもない、そこにただ佇んでいるだけ。気味が悪すぎる)

 

剣心と宗次郎の間は目測で5m。どのくらい時間がたっただろうか、両者に動きはまだない。達人同士の仕合、伝わってくる剣気。それに気圧される栄次の顔を汗が滑り落ちる。その汗が地面で弾けた瞬間

 

「「シっ!!」」

 

初動はほぼ同時。交差する剣戟、勝負は一瞬でついた。逆刃刀が折れ、畳に突き刺さる。抜刀斎の敗北が確定した。

 

「ふぅ、居合勝負は僕の勝ちのようですね。緋村さん」

「阿呆、切っ先をよく見ろ」

 

勝利を実感する宗次郎に斎藤が訂正を加える。言われたとおりに虎徹の切っ先を見ると刃が全体的に欠けて、名刀とは程遠いものとなっていた。

 

「ふーん、まいっか。どうせ志々雄さんのだし。じゃあ、次に会うときは刀直していてくださいね、緋村さん」

「まぁ、待てよ。腑抜けた抜刀斎だけでは物足りんだろう。俺が相手をしてやるよ」

 

去ろうとする宗次郎に待ったを掛ける斎藤。剣心と宗次郎の戦いを見て、志々雄の居場所を吐かせるために凛とした顔で一歩前に出る。そんな斬り合いの誘いを宗次郎は臆することもなく淡々と言葉を返した。

 

「いやぁ、新選組の人からお誘いを受けるのはありがたいんですけど、もう斎藤さんのお相手は決まってるんですよね」

 

宗次郎の言葉とともに、微動だにしなかった編み笠の男が斎藤の前に現れる。

 

「じゃ、僕はこの辺で。後の事は頼みましたよ」

 

去る宗次郎からの言葉に男は静かに頷いた。

 

「ふん」

「・・・」

 

両者ともに刀を抜き、臨戦態勢に入っている。あたりに広がっていく剣気と剣気のぶつかり合い。

明治に入ってもなお新選組の牙が相手の血肉を欲する。右手を後ろへと引き絞り、構えた斎藤が一言。

 

「行くぞ」

 

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