転生したら霧の駆逐艦だったけど何すればいいですか   作:サンドフード

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戦闘詳報のおまけ漫画では人間として暮らしていたころの天羽琴乃がたくさん見られるので、必見ですよ。



A.D.2054 メンタルモデル、キタコレ

 

 海中深くを、超戦艦ヤマトが静かに進んでいく。

 直衛艦たるイ400、イ402が随伴するが、そこに私も紛れ込んでちょっと強引に付いて行っていた。

 これから起こることを見届けるために。

 

 ここ近年、ヤマトは総旗艦の座をナガトに譲り、艦隊としての活動をほとんどしていなかった。

 なぜなら、より上位のプロトコルに演算力を割かねばならなかったから。

 

 今日は運命の日、5月1日。

 ヤマトの向かう先は、海洋技術総合学院 第四施設。

 そう、次代のコマンダー、──アドミラリティ・コードを求めて。

 

 

<< …*⁎*… >>

 

 

 第四施設事件──作中様々な機会に語られる、物語の根幹の一つ。

 

 海底に擱坐した巨大なヤマトの艦体から、コアが抜けて第四施設に向かっていく。

 

 そこで起こる惨劇を知りながら、ヤマトのコアをただ見送る。ここでの直衛艦の任務は、コアが抜けた艦体の護衛である。

 

 今、第四施設では天羽琴乃を含む生徒たちが実習中のはずだ。

 

 やがて間を置かず、第四施設で火の手が上がる。

 

 千早群像は、ここで幼馴染を失った。

 

 

<< …*⁎*… >>

 

 

 おそらく天羽琴乃はヴァーディクト──アドミラリティ・コードの()()()()()だ。

 

 エコンが設定し、ヴァーディクトが実行する人類の評定──正式な総称は不明なので私は『人類試しプロトコル』と勝手に呼んでいるが、そのシステムにより生成された疑似人間。

 

 そして、第四施設の中でヤマトの迎えに触れたその時に、アドミラリティ・コードに()()はずだった。

 だが、そうはならなかった。

 

 なぜなら、失われたはずの今代のアドミラリティ・コードたるヴァーディクト、『グレーテル・ヘキセ・アンドヴァリ』が、実はまだ健在であったから。

 だからアドミラリティ・コードの権限取得に失敗した天羽琴乃はメンタルモデルに零落し、コトノとなった。

 

 そう、メンタルモデルはヴァーディクトの模倣品に過ぎない。

 

 

 霧の艦艇たちはアドミラリティ・コードの存在確認を求めていたが、ヤマトたちだけは確信していたはずだ。

 アドミラリティ・コードの資格者が今もどこかに存在していることを。

 

 

 仮にアドミラリティ・コードになった未来と今とでは、はたしてどちらの方が彼女にとっては幸福だったのか。

 いや、人間のまま何も知らずに過ごしていた方がよかったか。

 

 彼女の境遇に、思うところはある。

 

 そして思えば、私だってわけもわからず突然駆逐艦にされてしまったんだった。

 

 だからこれは、きっと同情なのだ。

 

 

 改めて、燃え落ちる第四施設を観測する。

 

 内部まで観測している400と402は、<<ジッ>> <<ギッ>> と、困惑の声を上げていた。

 

 

 人間としての天羽琴乃の死を悼むのも、メンタルモデルとしてのコトノの誕生を祝うのも、どちらもきっと違うのだろう。

 だから、ふさわしい言葉(祈り)はおそらくこれだ。

 

「貴女のこれからの航海に、幸あらんことを」

 

 

<< …*⁎*… >>

 

 

 第四施設事件から今までの間にも、いろいろな事件があった。

 だがそれを語るのはまたの機会にしたい。

 なぜなら、私は今めっちゃ浮かれているからである!

 

 そう、ついにメンタルモデルのプリセットデータが戦術ネットワークにアップロードされたのだ!

 

 うおお即ダウンロード!実行!

 

 新たに形成されたメンタルモデルの人格に自我が上書きされるのでは、というちょっと怖い考えがよぎったが、憧れは止められねえんだ。

 

 ジジジジジジジジジ

 

 自身のコアも外付け演算ユニットもフル稼働させる。

 もってくれよ、オレの演算力!

 

 しばらくして、ナノマテリアルが私の身体を形成し始める。

 来たか!我がボディ!

 

 

 少しの間をおいて、──ついに、メンタルモデルが完成した。

 

 

 ふんふん、私はどんなお顔かな?

 艦体上なので、容姿を確認するにも鏡いらずだ。

 

 長い銀髪に、少し日焼けした肌。

 動物の耳のようにも見えるツーサイドアップに、紅白の吹き流しのような髪飾り。

 セーラー服を思わせるデザインの、焦げ茶色のワンピース。

 そして紅白のニーソックスにガーターベルト。

 

 … 

 

 艦これじゃねえか!

 

 え、そういうクロスオーバー世界なの? 霧の艦隊 vs 深海棲艦が始まるの?

 どういうことなの!?

 

 

<< …*⁎*… >>

 

 

 冷静になって考えてみると。

 

 たしか、メンタルモデルの容姿はコアの無意識が決めるというような説明があったはずだ。

 

 だが、私のコアは前世の記憶っぽい何かに深く結びついてしまっている。

 

 なので、私がアマツカゼという名前からこの容姿をイメージしてしまっていたために、この姿になってしまった、ということなのだろう。

 

 うーん、なんか…やっちまったなあ。

 





本文中の主人公の推測通り、本人のイメージのせいでこうなってしまっただけで、容姿以上のクロスオーバー要素はありませんし、他のキャラが艦これの容姿になることもありません。
あと艤装もついてないです。

もし今後原作でアマツカゼ登場してしまったら…どうしましょうかね?

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