ブルーアーカイブ ~先生は「ブラックライダー」~ IF√ 作:クラウディ
3周年ブルアカらいぶ見てテンション上がったので筆が動きました。
本編も更新したいです()
…………おかしい……。
……なんか誰かに見られてる気がする……。
俺――「遠山カケル」がそう感じたのはここ最近……というか、このキヴォトスなる学園都市のシャーレなる所で
少し前、それこそシャーレどころかキヴォトスに来る前に住んでいたアパートに住んでいたときには一切感じなかった……いや、
そんな感じでう~んう~んと唸っていると、今日の当番であるユウカちゃんが声をかけてきた。
「……? どうかしましたか先生?」
「ん~、それがさ、何か分からないけどやたら誰かに見られてる気がしてさぁ……。敵意がないのは感じるんだけど、なんか……ねっちょり? してる感じの視線だからさ、こう、背中がずっとむずがゆく感じる、って状態なのよ」
「…………心配しないでください先生。あとで解決しておきます」
「お、おう……」
なんか妙に圧を放つユウカちゃんに若干引きながらも、自分の手元にある書類を何とか捌こうとする。
……………………………………駄目だ、全然分からん……よくわからん視線のようなものと、書類の内容という二重の意味でよう分からん……。
「先生、ここはこのようにすると……」
「あー、すまん。ありがとねユウカちゃん」
「いえいえ、先生を支えるのが私達の仕事なので」
「お、おう…………」
支えることは当たり前とでも言うかのように、ニッコリと擬音が付きそうな笑顔で微笑みかけるユウカちゃん。
その姿に少し違和感を感じながらも書類作業を続けていく。
もちろん、ユウカちゃんには手伝ってもらいながら。
「んにぃ~……はぁっ……終わったぁ……」
「お疲れ様です、先生♪」
「いつもありがとねユウカちゃん……」
ある程度して書類を捌き終えた俺は脱力しきって思いっきり机に突っ伏す。
そうなることを読んでいたかのように俺の傍にお茶を置くユウカちゃんは手慣れた様子だった。
あれだけ苦戦した書類が終わったことで一息入れようとお茶を手に取り、グイッと飲み干そうとしたところでふと思ったことがある。
「…………そういやさ、ユウカちゃん達って俺と昔に会ったことってあるっけ?」
「っ……ど、どうしてそんな質問を……?」
「ん~…………なんとなく? ユウカちゃん達はすっごい親しげに接してくれるからさ。昔に一度会ってたりしたのかな~って、思ってさ」
「なんとなく……そ、そうですか……」
ユウカちゃん達と出会ってから俺はそこまで時間が経ってないと思う。
こっちに来てドタバタするようなことが色々あったけど、多分それでもひと月程度しか経ってない。
その割には、ユウカちゃん達は俺のことを結構知っているのか、俺のミスしやすいところとかを補助してくれている。
俺の苦手な書類仕事なんかその最たる例だ。
そして一番は、さっきから感じるような視線を
「……ま、あんまり気にしてないし、むしろ助けられてるから特に言うこともないさ」
「……そうですね。
「触らぬ神に祟りなし、ってやつだな!」
軽く微笑みを浮かべて返してくれたユウカちゃんと笑いながら椅子に座りなおした俺は、あることを思いついた。
「あ! そうだユウカちゃん! 今度カフェに行こうぜ! 奢るからさ!」
「そ、それって!? デートってことですか!?」
「え、あ、うん。一応そうなるのかな?」
「ぜ、絶対行きます!!」
「お、おう……。そ、そういやコタマちゃんから送られてきた贈り物の中身、詳しく調べてなかったな……後で整理しとくか……」
ユウカちゃんが顔を真っ赤にして俺の手を握りながら、興奮したように話す姿を見て若干引きながらも、予定を組んだ。
なんか捉えられ方が違った気もするけど……ま! いっか!
そう思っていたら……
ピロン!
ピロン!ピロン!
ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!……
「うおっ何事!?」
「ど、どうしたんですか先生?」
「な、なんかすっげぇ通知音が来て……。えっと、まずハルナちゃんから『先生! カフェには私も同行しますわ!』って来てて、ミカちゃんからは『先生~? あなたのお姫様を放っておくの~?』って。他にはシロコちゃんとかアリスちゃんとか、おぉう……いろんなところからめっちゃ来てるな……盗聴でもされてたのか? ……ん? 盗聴……? コタマの贈り物……ハッ!? まさか!?」
「……十中八九、コタマさんが原因ですね……」
「コタマちゃぁああああああああああああん!!!! これ君のせいかぁああああああああああああああ!!!!」
この鬼のような通知音の原因となった子に説教をするべく全力で俺は走り出す羽目になったのである。
ちなみに、後日皆でカフェを貸し切ることになったのはまた別の話だ。
カケルがコタマに説教をするべく飛び出した日の夜、ミレニアムへと戻ったユウカはオペレーションルームにいた。
彼女の視線の先にはパソコンへ向かい合っている親友――「生塩ノア」がいる。
そんな彼女は過度な集中をしているのか、傍に立っているユウカのことすら気づいていないようだ。
「…………」
「ノア……」
「……? ……あぁ、ユウカちゃん、戻ってきてたんですね」
「……ちゃんと寝むれてる? 疲れてるように見えるけど」
声をかけられてやっとユウカに気づいたノアは空いている椅子に座るようユウカにすすめながら、はにかむように笑った。
「ふふっ、少し興奮しちゃっただけです」
「はぁ……本当に気を付けなさいよ? 私だけじゃなく、先生も心配するからね?」
――「先生も心配する」その言葉をユウカが口にすると、ノアは困ったように頬を掻く。
「……先生を引き合いに出されると何も言えませんね……ごめんなさい……」
「まぁ、私も言えた義理じゃないけどね。それで、
「えぇ、ノイズが掛かったように朧気ですけど」
そう言ってノアは、先程まで向かい合っていたパソコンの画面をユウカに見せる。
画面には、荒廃した街並みとそれら全てをのみ込もうとする黒い"ナニカ"、そしてそれに向かって飛翔する神々しい"光"が映っていた。
一見すれば、どこかの映像作品のワンシーンにありそうな光景だが、彼女達にとってはそんな生易しいものではない。
「『色彩』……ブラックさんはそうとだけ言っていたわね」
「はい。そして、それはキヴォトスを破滅させられる災害だとも」
キヴォトスを破滅させられる災害――『色彩』。
画面に映っている黒い"ナニカ"のはそれなのだと、二人は確信をもって言った。
であるならば、のみ込まれている街並みはキヴォトスのどこかなのだろう。
――だが、
それはどういうことなのか……その答えは二人の会話にあった。
「そして、先生が『
「自分の命と引き換えに、ね……」
そうだ、カケルが『奇跡』を起こしたからなのだ。
それも、奇跡と一概に言っても並大抵の奇跡ではない。
「まさか
「皆も最初は混乱してましたね。でも、私達はハッキリと言えます。あの思い出は決して夢なんかじゃないんだって」
「「『もう一度、貴方との思い出を』」」
二人は声をそろえてそう言った。
だからこそ、大切な人……カケルを失いたくないと全員で決めたのである。
「ふふっ、本当にうれしいですね」
「ええ。本当に」
あの頃と何も変わってない、少し抜けてて、でも心の熱い青年の姿を思い浮かべ、二人はパソコンへと向かい合うのであった。
「あ、そういえばユウカちゃん。私も今度のデートについていきますからね?」
「……まぁ、いいわよ。どうせアリスちゃん達も来るみたいだし」
「ふふっ、楽しみです」
真タイトル:もしも、カケル先生以外の皆だけ『記憶がループ』したら
とりあえず皆とイチャイチャしているカケル先生が書きたくて思いついた世界線です。
多分気分転換に更新するシリーズになるかも。