君は無邪気な夜の暴虐   作:ミカ推し

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虚無に耽溺した獣たちよ

 

 

サオリの懇願によりアツコが“謎の儀式”によって生贄にされると言う事。

そしてその儀式は明朝、夜明けと共に行われると言う事で先生とアリウススクワッドたちはまだギリギリ残っていたカタコンベへの入り口である地下道の中を進んでいた。

 

だがその途中で出会ったのは─────聖園ミカ。

間違いなく聖園ミカはブチ切れていて人を軽々とつの字にして吹っ飛ばせるほどだ。それもアリウスとして訓練を積んでいた上澄みの少女兵が、だ。

 

「やっほ☆……いやぁ奇遇だね。」

 

もしこのまま見つからないのならキヴォトス全土を駆けずり回らないと行けない所だったよ☆とどこまでも軽々と告げるミカを前に動く事が出来ない。

 

「……戯言を」

 

「んー?…バレた?☆」

 

そんな中でサオリだけ苦し紛れに呟いた。……ミカは少なくともトリニティの裏切り者としてアリウスの出入り口やある程度の内情を知っている。だからこそこの通路に来れたのだろう。アリウススクワッドが確実に通るであろうこの道を。

 

「……いやぁ。まあ、さ?……確かに君たちを利用していたのは私も同じだよ?」

 

(………来るっ!!)

 

瞬間。銃を構えていた筈のサオリは思考を止める。

確かにミカとサオリの距離は数メートルは開いていた筈…なのにミカが呟いた瞬間には腕の届く範囲にミカはいた。

 

(……………は?)

 

「……でもさ。セイアちゃんを傷つけろ。とまでは言ってないよね?」

 

サオリは反射的に引き金に手を掛けた。と同時にミカが片手でサオリが発砲できない様に抑え込む。でもサオリを抑え込んだだけならヒヨリやミサキが居るのだが……ミカはその2人を視線だけで下し、攻撃できない様にする。

 

「まあと言うわけでさ。私はトリニティとしての居場所も、幼馴染との親友も……そして何よりも大切で大切な妹がさ。お前たちに奪われてるわけ。」

 

満面の笑みをしていると言うのにミカの目はむしろ絶対零度より薄寒い眼差しでアリウススクワッドたちを見下す。そこに込められた意思は紛れもない敵意。

 

「じゃああなた達も同じ様に奪われないと不公平だよね☆」

 

まず、お前。錠前サオリ、貴方だけは確実に殺す☆

銃を抑えていない方の片手でサオリを指差し、ミカは自身の意思を示す。

もはやこうなってしまえば相互理解、停戦なんて出来るはずがない。互いを呪い合い、傷つけ合い……そして立つのはどちらか1人だけだ。

 

「………っっ!!」

 

「……あは☆……何そのパンチ」

 

もう言葉では尽くせないとサオリも気がついたのだろう。

まだ組み伏せられていない片手を引き抜き、ミカの腹に掌底を打ち込もうと繰り出すがそれもミカにとっては見抜いていた物なのだろう。逆に手首を掴み上げ、サオリの両腕を完全に捕らえた。瞬間だった。

 

「原始人並みだね☆」

 

「………っ!!聖園、ミカァァァァァアァ!!!」

 

そのままミカは身体を捻り、全力でサオリを叩きつける。横薙ぎに壁と地面をバウンド弾の様に吹っ飛び壁に叩きつけられた瞬間、これを機とばかりにサオリは数発の弾丸をミカに返す。

 

「はぁ……それで?貴方達は?」

 

「………っ!」「やらないと、いけないですよね……」

 

時間に直せば数秒の応酬。だけどその数秒でミカの実力は並外れているとヒヨリやミサキは強く感じた。流石はあのミハの姉だろうと歯噛みしながらも援護しないわけには行かないとミサキもヒヨリも陣形態勢に動く。

 

「……ほら。来なよ☆……どうした?」

 

まるで余裕があるかの様にアリウススクワッドたちの陣形が整うのを待って、ミカは指でこっちに来いとばかりに挑発する。ミカは未だに銃を引き抜いていない。アリウススクワッドとミカの間にある大きな差は未だに高い。

 

「数ではそっちの方が勝ってるとおもうけど?」

 

(……どこがだっ!!)

 

数では勝とうがそれでも1000の一と10の三では大きな差が生まれるのは赤子だって分かる道理だとサオリは噛み締める。……だけど今ここでミカを相手にしているほど暇はない。何故ならこの地下道は後数十分もしないうちに閉ざされる。

 

(時間を稼ぐ……いいな?)

 

(むしろそれ以外取れないでしょ……!!)

 

ならその閉まるギリギリを見繕ってミカの攻撃を防ぎギリギリで地下道を抜け、ミカをアリウススクワッドと遮断する。むしろそれ以外に取れる手段は少ないだろうとミサキもヒヨリも分かっている。

 

「作戦会議はもう終わり?……じゃあさようならのお時間だね☆」

 

「それは、お前だっ!!」

 

ここでサオリが取れる手段を考えよう。間違いなくミカは自らの拳でサオリたちを潰すつもりなのだろう。そうでなければ最初の時点で発砲しているはずだ。……だがまあサオリにとってはそっちの方が有難いだろう。

 

(ミハと同じインファイター……ッ!!)

 

「あはは☆そんなへなちょこが、当たると思う!?」

 

拳という手段を取られたせいでサオリたちは一発でも拳を食らえば気絶では済まないと考えている。それはミハと同じだ。……だけどミハとミカの間には大きな格差が存在していると何度かミハと戦闘訓練をしたサオリだから分かる。

 

(振りかぶった後に隙がある…!ミハほど素手の練度は高くない……!!)

 

(……っ!こいつ……っ!!)

 

というかミハほど戦闘をしてこなかったミカがミハと同じほどの武芸の練度がある方がおかしいのだが、それを差し引いたとしてもミカの素手は基本的に大技が多い。ミハと言う間違いなく最上級を知っているからこそサオリはまだ対処出来ているのだ。

 

それにミカも気がついたのだろう。明らかに間合いを理解した攻勢。

危なげなく躱わされるサオリや撹乱に全力を出してくるヒヨリやミサキがさらにミカの苛立ちを加速させる。

 

「………ああ!!もうっ!!」

 

「………っ!!………今のは危なかった……」

 

地面に足を叩きつける…技名で言うのなら震脚もどきを使ったミカはその衝撃で一瞬判断が遅れたサオリを確実に刈り取ろうと、顎に昇龍拳が当たる感じで拳を突き上げた筈だった。

 

だけど流石のサオリだ。ミカの狙いが顎だと分かった瞬間、バックステップで距離を取りホルダーに閉まっていたいざという時のナイフを引き抜く。…これ以上、近接で戦うのなら、間違いなく銃器より刃物の方がミカを怯ませられる。

ならこれからサオリが取る戦法は……

 

「ヒットアンドアウェイに徹して……死ぬ気で……生きる!!!」

 

(しぶといなぁ……☆これほど耐久力あったけ?)

 

サオリの吐き捨てる様な口上を前にミカは目を細める。

明らかに動きに迷いがない。危うい避け方だがそれでも間違いなく間合いを理解した動きだとミカは考える。この銃での撃ち合いが基本にして絶対であるキヴォトスにおいて近距離…徒手空拳での戦闘は非常に稀だ。

 

だと言うのに……

 

(ふーん……?)

 

(フェイント!?……いや。落ち着け……!)

 

サオリに当たる瞬間に、拳の軌道を力技でズラす。勿論、避けられるとミカもわかった上での行動。でもこれでハッキリしたとミカは内心ほくそ笑む。

 

(妙に避け方が……ああ。そういうことか☆)

 

そう。ミカから見てサオリの避け方はどうも答えを知っている行動…答えだけを丸々書き写したかの様な中身のない避け方の様に感じた。明らかにサオリが認識しきれていない攻撃もサオリは避けた。逆にサオリでも分かりやすい攻撃でも捌くのではなく避けた。単に掴まれるのを忌避してなら分かるがそれにしてもナイフという近距離戦闘の割には受け身な行動……

 

ミカは確かに頭の足りない所があるのは否定は出来ないが、それでも全く暗愚という訳ではない。どちらかと言えば勘や思考能力は高いミカが一つの結論に辿り着くのもまあおかしな話ではない。

 

(サオリ……お前ミハちゃんから訓練か何か受けてるね☆)

 

ミカが出した結論、それはミハから近接格闘について学んでいると言うことだ。考えてみればなんら不思議ではない。同じアリウスに所属していたと言う事を考えてみればミハがサオリに手解きしていてもおかしくない。そしてその手解きされたサオリがミハの拳を覚えているのがこのサオリの異常な回避率の説明がつく。

 

………まあ、それがなんだと言うが

 

「あはは………これで、おしまい☆」

 

「っ!!……くぅ……っ!」

 

瞬間、ミカが繰り出したのは拳ではなく掴み。それも狙うは首筋。まるで捕食者が非捕食者にトドメを刺す時の動きの様にミカの右手は一寸のブレ無くサオリの首筋を掴み壁に叩きつける。

 

「貴方との因縁もこれでおしまい。錠前サオリ」

 

「ぐ………がはっ……!!!」

 

叩きつけられた時の衝撃で落としたナイフをミカは脚で動かし、サオリがどう頑張っても届かない位置に動かしたのを片目で確認した後、サオリを虚無の眼差しで見届ける。

 

「そこで見ていると良いよ☆……貴方の全部、全て。ぐちゃぐちゃにされていくのを」

 

「………っっ!!手を、離せ……っ!!!」

 

もはや怒りに“冷静に”狂ったミカにどんな命乞いも、どんな嘆きも聞こえない。ただ憎悪と怨恨の思うがままに破壊して、殺して……全部を更地にした後にようやくミカの憎悪は眠りに付く。むしろ、そうしないと収まらないのだろうとまだ何処か冷静に客観視出来ているミカの何処かが小さくそう考えた。

 

「「(サオリ)姉さんを………離せっ!!」」

 

勿論、そんなサオリを見て動かないミサキとヒヨリではない。

今までにない程目を吊り上げ発砲する2人の腕は、恐ろしいほどミカだけを貫かんとする弾道で放たれる。勿論、それだけでは聖園ミカは倒せないと分かっているのだろう。2人は文字通り過去最速でリロードを終え、またまた神がかった弾道で聖園ミカを狙う。

 

「はあ☆……じゃあまずは…‥貴方」

 

ミカの掴んでいない方の指がミサキを指差す。瞬間、ミサキの足元に浮かぶ色鮮やかな星々が浮かんでいる深い夜を写したかの様な円環EXスキル:Eiryk Nosieleと周囲の赤色がミサキの脚を絡め取る。

 

「逃がさない……そもそも、逃げられるわけないでしょ?☆」

 

(…………に、げ…られない………終わり?)

 

間違いない。ミサキの本能が、全神経が訴える。これを受けてしまったが最期ヘイローが砕け散る死ぬということが。逃げられるのか。いや、逃げられない。まるで脚萎えの呪いかのようにミサキの脚を硬くキツく拘束し、この一撃をモロに受ける。

 

サオリの血反吐を吐く絶叫が聞こえ。

ヒヨリが泣き叫ぶ声を聞き届け。

 

ミサキは諦めた様に瞳を閉じた。

 

「“ちょっと待った!!!”」

 

──────────声が響いた

 

 

「は?……先生?」

 

そこに立っていたのは間違いなくシャーレの先生。どうしてこんな所にいるのか?何故こんな所に居るのか。ミカは想像もしていない人の乱入に混乱して、ついミサキに向けていた攻撃を止めてしまう。

 

「“ミカ……君はどうしてこんな所にいるの?”」

 

先生は辿り着いたこの場所でサオリが壁にグッタリと脱力し、ミサキの荒い吐息におそらく先ほどまで泣いていたヒヨリの姿を見て穏やかではないと先生は強く推定こうなった元凶であろうミカに問う。

 

「………えーっと……私はね………」

 

慌てるミカ。瞬間的にミカは二つの案が脳裏に浮かんだ。一つは“正直に打ち明ける事”…スクワッドが憎くて憎くて仕方ないので復讐がてら嬲っていました。最後には全員のヘイローを破壊するつもりです。あともう一つは“誤魔化すという事”…だけどこれを使うのには大きな問題がある。ミカはアリウス誘致の件で監獄に軟禁されていたし、ミハの裏切りで弱っていたミカとも先生は会っている為、中々言いくるめは効かない。となるとミカが選んだ手段は……

 

「そんなことより!…どうして先生はスクワッド共と一緒にいるの?」

 

誤魔化しの一歩先。もはや逆ギレにも近いはぐらかすという手段だった。

今まで先生を見てきたから分かる。この復讐が決して許される物ではないという事を。……でももうミカ自身も止まる事が出来ないのだ。

 

そう考えていた所だった。

 

「ごほっ……も、もう…時間がない……!!」

 

先生の足元で蹲っていたミサキが咳混じりに呟く。そう、サオリたちが今いる場所は後数分も経たないうちに閉ざされアリウス自治区へ向かう術が無くなってしまう。もうなりふり構ってられない。先生はそのミサキの呟きを聞いて、1人ずつこの先に押し込んでいく。

 

「“私が最後に入るから……急いで!!”」

 

「ぐっ……すま、ない」

 

1人で動けるヒヨリに先行して貰って、動けないミサキとサオリを立たせてどうにかここを越えるように肩を持って動かしていく。そうこうしていると目視でも分かるほど、通路が狭まってきた。

 

「“……っ!ミカも来て!!”」

 

「へ……?」

 

後は先生自身が通路を越えるだけと言うところで、後ろで棒立ちになっていたミカの腕を掴む。もしここでミカが暴走に近い形で追ってきたのならば大人しくトリニティに戻る様に伝えて1人で越えていただろう。……だけど今のミカは全部に裏切られた上で、その上で特にミハを奪ったアリウスへの復讐のためにここまで来ているのは一目見た時から分かったと先生はミカの眼差しを思い出しふと武者震いをして考える。

 

(“もしこのままミカを放っておいたら……!!”)

 

それこそどうなるか分からない、ミカの事だ。単身でカタコンベに乗り込み“運良く”アリウス自治区を見つける事ぐらいは出来るしその執念がある。と先生はせめて自分の元で手綱がある程度握れている方が良いだろうと考えた。

 

「…………っ!分かった。先生!」

 

「“………うおっ!!”」

 

そんな先生の意図はさておき。ミカとしては先生が頼ってきた事に報いようと先生をお姫様抱っこするかの様に首と脚に手を回して地面を蹴り上げる。その速さは先生が必死に走るよりも数倍も速い。

 

「………っ!舌噛まないでね!!」

 

「“だ、大丈夫……”」

 

急激にかかる速度の圧に一体どれだけ速いのかとミカの両腕の中で半分ジェットコースターに乗ってるかの様なワクワク感を得ながら地下道の境目を抜ける。あと少し、あと数秒遅ければ間違いなく扉は閉ざされていただろうと分かるほどギリギリにミカと先生は飛び込んだのだった。

 

 


 

 

更に先生とアリウススクワッドwithミカのアリウス自治区への歩む道は止まらない。

ミカを連れてきた事に少し一悶着あったが、おそらくアリウス自治区で最も鬼門になる筈のミハを止められる唯一の人材として、ミカはアリウス自治区の奥にミハを誑かした〈マダム〉という謎の女がいると言う互いの目的と利点が合致した事による休戦でひとまず落ち着いた。

 

『ああ。……もし射線に飛び込んできても撃つからね☆』

 

『それはこちらのセリフだ。聖園ミカ』

 

…………落ち着いたのだろうか?

 

 


 

 

〈アリウス自治区・廃墟〉

 

スクワッドたちの案内の元、先生たちが辿り着いたのはアリウス自治区“だった”所。もはや打ち捨てられて建物の基礎の基板だけが残ったが、逆にそれが強固だからこそ戦乱が続いたアリウス自治区でも完全な形で姿を保っている建物だ。

 

「少し休もう……おそらくもう向こうには侵入した事がバレている筈だ。」

 

「いやー?……そうも言ってられないみたいだよ☆」

 

屋根もあり入り組んでると言うこともあって、軽く焚き火を焚きながら休憩しても見つかることはないだろうとヒヨリのバッグから着火剤を出して欲しいと先ほどから何故か視界が揺れるサオリが言おうとした所だった。ミカが暗い物陰を見ながら言ったのだ。

 

「“…………ミカ?”」

 

「暗闇からコソコソ覗いてる」

 

「“!?”」

 

ミカの呟きが聞こえてスクワッドの全員が銃を構えてミカの見ている闇の先を注視する。確かに先ほどまでいざこざがあったとは言え逆にそれがミカの実力を保証しているのだから皮肉な物だ。……物陰一つ揺れない暗闇の中、何もいないだろうと先生が湧き出た唾液を飲み干した所だった。

 

「随分と不躾な視線を寄越すんだね………これでいて尚、顔見せを怖気つく様な臆病者は私の侮蔑と共にさっさと尻尾巻いて帰った方が良いんじゃない?☆」

 

(“なんでここで挑発するのかな……”)

 

ミカの嘲笑と共に“何か”が居るという暗闇を挑発するミカ。こちら側に姿を見せないと言うことは臆病者であると言うミカの言い分に、先生は頭を抱えたくなった。…一体どんなのが居るのか想像もつかないがそれでも軽策を取るのはどう考えても良いとは言えない。

 

「…‥私を不躾と笑いますか」

 

「“!?”」

 

暗闇の奥深くからおどろおどろしい女の声が響く。

怨恨?憎悪?…いや。違うこれは──────

 

「自分の慈しむモノに手切られた敗者の癖に…よくもまあ」

 

「…………っ!マ、マダム……」

 

奥から姿を現したのは真紅を身体に塗りたくったかの様な女。そして特徴的な異形の頭部。巻かれた白い髪には幾つもの瞳が蠢いている。先生はこの瞬間、今まで会った経験上即座に理解した。……この女は、ゲマトリアだ!!

 

「スクワッド……いえ。もう少し聞き分けの良い駄犬だと思っていたのですが…」

 

「先に約束を破ったのはそっちでしょ」

 

その女はスクワッドが裏切った事を悲しむかの様な白々しい手つきで木が幾つも絡み合った様な杖を持っていない方の手で涙を拭う様な真似にミサキが吐き捨てる。確かに、最初アツコがアリウスに連れて行かれる条件でこれ以上スクワッドたちを傷付けないと言う交換条件で大人しく連れて行かれたのにそれを〈彼女〉はアツコが連れて行かれたその直後に裏切った。

 

「ええ。……まぁ?所詮は口約束………」

 

そんなミサキたちの嫌悪の眼差しを嘲笑い〈彼女〉は言う。そもそも交渉というのはおおよそ対等である物が行う行為。“失敗し、物資も無駄にした傭兵”に交渉する価値は無いのだから。

 

「っ!……マダム、いや。“ベアトリーチェ”、アツコを返して貰う!!」

 

「威勢だけはいい事で……ならここで証明してあげましょう」

 

サオリの切った啖呵にベアトリーチェは杖を構える。

 

「アリウススクワッド……あなた達がただの“モノ”に過ぎない事を」

 

 

「そんなの……どうでもいい」

 

 

 






ちなみに今さっき使ったミカのEXスキル表示は少し変わってます。……分かってたかな?


「ミハちゃんの……居場所は?」

「先生!どうせ貴方は………!!」

次回、『ベアトリーチェ』

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