「……ゲマ様、やはり今日はお休みになられたほうがよいのでは……?」
「オレもそう思います。なんというか、今日のゲマ様は少し変っすよ」
「バッ……! おま、ゴンズ、もう少し言葉を選べ……!!」
「……心配をかけてしまってすみませんね。実のところ、私自身もどうしたものかと悩んでいるのです」
「悩み、ですか? 差し支えなければ、どのようなものなのか教えて頂いてもよろしいでしょうか?」
まぁそうだよね、おかしいよね。俺、ゲマ様じゃないからね。
でも、その疑心のおかげで切り口は作れた。ここから攻め込んでみるとしよう。
「……そう、ですねぇ……。……では、少しばかり、質問をさせてもらってもよろしいでしょうか? 気楽に答えてもらって構いませんので」
「は、はぁ……。ゲマ様の悩みを解決できるような回答ができるとは思えませんが……」
よしよし、乗ってきたぞ。
ここからさらに畳みかけていこう。
「ではまずジャミから。アナタ、人間のメスを犯したことはありますか?」
「は、はぁっ!? ……いやそりゃまぁ、ありますけど……。それが何か……?」
「いえいえ、他意はありませんよ。次にゴンズ、アナタは人間の作った食事を食べたことがありますか?」
「人間のメシ、っすか……? んー……。……あぁ、そうだ。一回野営をしてた人間のメシを食った気がします」
よしよし、想定通りだ。
……しかし、コイツらの性格というか、立ち振舞い、なんか見た覚えがある気がするんだよな……。なんだっけ……。
そうか、カ◯ジに出てきた石◯と沼◯だ。
え、じゃあ俺が班◯? それはやだなぁ……。
……まぁいいや、そんなことより、説得の続き続き。
「ではゴンズ、その時の食事の味を覚えていますか?」
「そう、っすねぇ……。結構ウマかったと思いますよ? 少なくとも魔界で出されるメシよりは何倍もウマかったっすね」
「なるほどなるほど……。ではジャミ、アナタは人間のメスと、魔族のメス、どちらが好みでした?」
「そりゃあ断然人間っすよ! 肌が柔らかくて抱き心地もいいし、変な臭いがすることもないし……!」
おおぅ、思った以上にジャミがノリノリだ。
ゴンズは手っ取り早く説得出来そうだったけど、この調子ならジャミの方も大丈夫そうだな。
「……ジャミ、そこまでで結構です。……さて、ジャミ、ゴンズ。ここでアナタたち二人に尋ねます。……アナタたちは、人間界を征服した後、何をしたいですか?」
「「……?」」
……おっと、思考が追いついていないらしい。
じゃあ、改めてさっきの情報を突き合わせてやろう。
「ゴンズ。例えば、このまま人間界に居座り、美味しい食事を作ってもらう、というのはどうでしょう?」
「そりゃあ……。最高っすね! ゲマ様! オレ、人間界でウマいメシを食いまくりたいっす!」
「ほっほっほ、それはいいですね。ではジャミ、アナタはどうしたいですか?」
「そう、っすね……。じゃあ、オレは人間のメスをたくさん囲ってハーレムを作りたいです! あ、でも毎年生贄にさせるってのも……!」
ニヤニヤ笑いを浮かべながら、あれこれと妄想を始めた二匹を見て、俺もにんまりと笑う。
うむうむ、想像していた通りの反応だ。あとは、爆弾を投下するだけ。
「……二人とも、素晴らしい生活を想像していますね。……ですが、その幸せも長くは続かないと言ったら、どうします?」
「「……え?」」
――かかった。