蛇神様IN刃牙ワールド   作:揚げ物・鉄火

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三話目にして迷走しかけた…それでも何とか軌道修正しました。
勇次郎と互角と散々匂わせているし、それならこれをやるしかないかなって…

それに本編で散々株を落としてこれ以上落とせない所まで来た好きだったキャラを救済する意味でも書きます。

蛇神様サイドから話が始まります。
それでは、どうぞごゆっくり!


次の相手は…まさかのアメリカ最強ッ!?(その前に金欠問題をどうにかしろ!)

マホメド・アライjrを倒して章ボスリストの一人を攻略出来た事に満足しながらミラさんが取ったホテルに行きロイヤルスイートの部屋へと入る。

 

「おーい、ミラさんや。さっそく一人片づけて…って、あれ?」

意気揚々とミラさんに報告しに向かった私を待ち受けていたのは、机の上に並べられた大量の書類を前に頭を抱えているミラさんだった。

 

普段ならウィスキーでも飲みながら余裕のある態度で私を出迎えるはずなのだが、何か様子がおかしい。

ふと気になって適当な書類を一枚手に取るとニューヨークにあるビルの買取契約に関する書類だった。

別の書類を取ると仮住まいのアメリカ滞在の拠点にしようとしたマンションの支払い請求書だった。

また別の書類を手に取るとミラさんが勝手に行った高級レストランの支払いの領収証。

他にも勝手に行った高級ブランドのショッピング代金や勝手に買った高級酒の領収書。

それに部屋を見渡すとホテルのルームサービスを使った経歴も観られる。

 

「ミラさんや。いったい幾ら使ったんじゃ?」

「えーとね…全部」

「は?」

「全部使っちゃった…」

手元の書類を見ながらミラさんに質問するととんでもない答えが返って来た。

全部?全部って?全部?

この世界に来た時に持って来た3億全部?滞在期間1週間で全部使いきったのか?

まだ偽装パスポートとか偽の戸籍やら旅費とか諸々を用意しないといけないのに?

 

「馬鹿なのか?」

「ごめんなさい…」

「まだ四人も残ってるんだぞ?どうする気だ?」

「あっ、早速一人倒したんだね!おめでとう、祝勝会でも…「顔面に轟気空烈拳ぶち込むぞ?」ごめんなさい…」

ふざけた事を抜かすミラさんに対して握り拳を見せるとさすがに黙った。

 

だが、さすがに金銭面の問題をどうにかしないとマジでやばい。

最悪どっかの武術大会に出場して金を稼ぐか、裏社会の賭け試合に出場して報酬(ギャラ)を貰うか。

それが無理なら手持ちの宝石を売りに出して金を作った上で少々イカサマをしながらカジノで荒稼ぎするか。

とにもかくにも何とかして金を稼がないと帰るどころじゃ無くなる。

 

「カジノか…裏社会か…」

コンコンッ

「ん?誰?」

「ルームサービスです。お食事の用意が出来ましたのでお持ちしました」

「…そうか」

どうするべきか考えているとルームサービスが来て食事を持ってきてくれた。

すぐにドアを開けて対応したが食事の量が凄い。

ロイヤルスイートルームのテーブルが埋め尽くされる程の量。パーティーでも開く気か?と素直に思った。

出ていくホテルマン一人一人に100ドルのチップを渡しながらミラさんを見る。

 

「あの…えーと…」

「言い訳は?」

「お腹空いたなーって…」

「そうか…」

ミラさんの返答を受けて部屋のドアにロックを掛ける。

 

~3分後~

 

「ま、前が…前が見えなひ…」

「反省してろ…はぁ、どうしよう」

ルームサービスで届いた料理を食べながら顔面が凹んで部屋の中を彷徨っているミラさんを横目に見つつ今後の事を考え始める。

 

さっきのホテルマンに聞いた所、このロイヤルスイートとルームサービスやらの値段の支払いだけで既に20万ドルを超えたらしい。

20万ドル…約2000万と少し。これを手っ取り早く稼ぐ方法…やっぱり宝石を売るしかないか?

 

 

「ねぇねぇ、ふと思ったんだけどさ」

そう考えていると顔面が元に戻ったミラさんが話し掛けて来た。

 

「なんだ?金ならもう無いぞ」

「いや、そうじゃなくてさ。とりあえずこの石炭を本気で握ってて」

「はあ?」

いきなり声を掛けて来たかと思ったら訳の分からない事を言って来た。

本当に意味が分からないが…言われ通りに手渡された石炭を本気で握りしめる。

私が石炭を握っているのを見たミラさんが再び口を開いた。

 

「この世界って、さ。範馬 勇次郎…?って人が最強なんでしょう?」

「まあ、『地上最強の生物』って肩書きを持ってるな」

「それでさ、アメリカ合衆国と友好条約を結んでるんでしょ?」

「んん…らしいね?」

「って事はさ…彼の実力は、大国が平伏(ひれふ)す程のもので、それは(イコール)彼の出費は全て合衆国の負担って事になってるんじゃないの?」

「んん?」

「だってさ、彼の多少の出費を合衆国(彼等)が負担するだけで自分たちに敵対しないって保証されてるようなもんじゃん?」

「……??そうなるのか…?」

「って事はさ。彼、範馬 勇次郎と同等の存在が現れたら合衆国は、何としてでもソイツと手を結びたくなる訳でしょう?あの(オーガ)と同等の力を持ったもう一人の化け物が現れたら、さ」

「……つまり?何が言いたい?」

ミラさんの言葉を頭の中で整理しながら次の言葉を待つ。

 

「鈍いなぁ…君がもう一人の『腕力家』に成っちゃえば良いんだよ!!」

「はいぃ!!?」ガキュッ!

訳の分からない結論に達したミラさんの提案に驚きつつも一応話しを聞いてみる。

 

「君がもう一人の『腕力家』になったらアメリカ合衆国は恐れる。そして絶対に君と友好条約を結ぼうとしてくる。それがどれだけ不利で不平等な条約であろうと必ず結ぼうとする。そうすると今の負債は、全て合衆国が負担する。それでほぼ無限に金を使わせてくれる出資国家(パトロン)が出来るって事よ!」

「はぁ…」

指を一本ずつ立てて説明してミラさんの言葉に納得しながら最大の疑問を投げ掛ける。

 

「具体的にどうやって説得する?私が新たな『腕力家』に成れるって」

「ふふんッ!君の達成するべき条件は二つ!まず一つは、『章ボスリスト』の一人、アメリカ最強の男『ビスケット・オリバ』を倒す事。そしてもう一つは、合衆国大統領に直接会って話しを着ける事」

「どうやって大統領に会う?ホワイトハウスに潜入しろって言うのか?」

「範馬 勇次郎が潜入すると思う?正面から白昼堂々、まるで我が家のように入るでしょ。貴女もそれをする。手土産は…今握ってるそれで十分じゃない?」

説明を終えたミラさんがそう言って指差した先…私の手の中を見てみると太陽の光を受けてキラキラと光る金剛石(ダイヤモンド)があった。

 

 

 


 

 

 

アメリカ合衆国.アリゾナ州立刑務所

 

上空から見たときに六角形に見えるその構造からか、それとも全米から犯罪のスーパーエリートが収監されるからか、いずれかの理由により『ブラックペンタゴン』と呼ばれるこの超巨大刑務所へと向かう道を一人の人間が歩いていた。

その人物を一言で言い表すなら、『異質』。

このブラックペンタゴンに向かう道に歩いている事…どころかこのアメリカに居る事が明らかに異常な外見。

 

背丈の程は、160センチを少し超えた程度。170には届かないだろう。

まるで初雪のような背の半ばにまで達する純白の髪は、赤い髪紐で一括りにされている。

同じく新雪のように穢れを知らぬが如き白い純白の肌、細くしなやかな手指、非力としか形容出来ない細腕。

熟れた桃のようにほんのり色の付いた頬。

さくらんぼのように赤くプルンとした張りのある唇。

小さくも黄金比率で計算され尽くしたかのような鼻と口。

その口から覗くのは、白い歯と発達した犬歯。

吊り上がった目の中に佇む、深紅の宝石を溶かし入れたような瞳。同じように吊り上がった白い眉。

だが一番目を引くのは、その人物の服装。

下半身に緋袴を履き、上半身に掛け襟と襦袢、その上から白衣を羽織り、腰帯と上指糸で留める。

足元には、白い足袋を履きその上から草履を履いている。

 

100人中、95人が振り返り3人がプロポーズ、残り2人が卒倒する絶世の美女と表現される女性。

彼女の名は、『蛇神(へびがみ) シロナ』。蛇神様と呼称され、もう一人の『腕力家』に成るため怪力無双.ビスケット・オリバを倒しに行くよう説得された生物学上の()である。

そんな彼女が祭事に使う巫女服に身を包みブラックペンタゴンに向かいながら、ぶつぶつと独り言を呟きながら歩いている。

 

「いや、確かに?説得された私にも問題はあるよ?でもさ…わざわざ勝負服とか用意する?範馬 勇次郎とかピクルと闘う時に使うと思ってたんだけど?それに『予約しておいたから遠慮なく会いに行って大丈夫だよ!』って、明らかに一方的に要件を伝えただけだったよね?大丈夫?ちゃんと通してくれる?最悪の場合、実力行使しても良いらしいけど…本当に大丈夫?」

とか何とか言っている間に刑務所の前まで辿り着いた。

 

「まあ、なるようになるさ」

自分にそう言い聞かせた蛇神がブラックペンタゴンの門を全力(・・)で殴った。

刹那、正門に巨大な亀裂が走り…そのまま一気に爆ぜた。

 

「お邪魔…!」

崩れた正門だった物の踏み付けながら歩みを進める。

これが後に『第二の腕力家』として世間に知られる女の、輝かしい第一歩である。

 

 

 


 

 

 

何でもないいつも通りの日常だった。

いつも通りトレーニングを済ませ、読書をし、10万キロカロリーの豪勢な食事を済ませて食後の葉巻(シガー)を楽しんでいた頃だ。

 

(なんだ?何故か妙に胸騒ぎがする…勇次郎(オーガ)の倅、刃牙が私に直接会いに来た時にも似た…いや、それ以上の胸騒ぎだ)

すでに刃牙と闘った時の傷はすっかり癒えて日常生活を過ごしていた。

しかし、今朝から続くこの胸騒ぎのせいでトレーニングにも読書にも食事にも集中出来なかった。

吸っている葉巻(シガー)にも満足出来ずにいた…ちょうどその時だった。

 

 

ドグンッ!

 

「!」

どこからともなく聞こえて来た巨大な心音()

ほんの数日前に聞いた心音()

それを聞いただけで理解(納得)させられた心音()の持ち主の実力(強さ)

 

ドグンッ!

 

「ふふ…なるほどな」

通りで胸騒ぎがする訳だ。

化け物が自分に会いに来た。

比較対象が(オーガ)、範馬 勇次郎しか思い浮かばない程の化け物。

 

ドグンッ!

 

冷や汗が止まらない。

柄にもなく緊張している?馬鹿馬鹿しい!そう言えればどれだけ楽か…

見た事も無い相手に勝てないと理解してしまっている。

 

ドグンッ!

 

「それでも歓迎しよう。アメリカ最強としてッ!」

アメリカ最強としてのプライドがオリバのの頭から逃亡と言う選択肢を完全に消し去った。

 

その十数分後。

 

 

ドッゴーン!!

ドッグン!

 

 

「流石に…ちょっとヤバいかな?」

正門方向から聞こえて来た爆発音と今まで以上の(心音)にオリバが小さく呟いた。




思ったよりも短くなって驚きました。

次の相手は、アメリカ最強、怪力無双、ビスケット・オリバッ!
昔は勇次郎と同格の扱いを受けていたのに…相撲編でかませ犬になって株が一気に大暴落しました。
それでも…この作品では救いたいッ!

あとストーリーを進めやすくする為にこの展開しか思いつきませんでした。
蛇神 シロナを第二の腕力家にすると言う展開…大丈夫か?


解説.
巫女服
蛇神 シロナの勝負服。
普通の巫女服に見えるが、とんでもない耐久力を誇る。
防刀・防弾・防塵・防滴・防水の全てに於いて完璧な本気の戦闘の時にのみ使う勝負服。


あとミラさんは、この展開を予想して金を全て使い果たしました。
一言相談した方が良かったですね。

それでは、また次回!
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