冷静になって考えてみれば板垣先生って還暦を越えてるんですよね?そりゃあ、休載しまくっても仕方ないわな。
それでもキャラ達が急にギョロ目になったのは納得できない。
こっちはこっちで原作キャラの株を落とさないように気を付けながら何とか小説を面白くしないとです。
それでは、どうぞ。ごゆっくり!
アリゾナ州立刑務所.ブラックペンタゴン
この場所でのいつも通りの静かな日常が、けたたましい正門の破壊音と共に崩れ去った。
ドゴンッ!バギンッ!ズズゥゥン…!!
ウィィィィィン!!ウィィィィン!!ウィィィィン!!ウィィィィィン!!
音の鳴り響く正門の方に銃を持った数十人に職員が駆けつける。
そこには、一人の面妖な白と赤の服を着た女が立っていた。
「
職員の一人が銃口を向けて叫ぶ。
そう叫んだ瞬間、目の前から女が消えていた。
気が付けば地面が持ち上がり指一本動かせずにいた。
別の職員が発砲する。
簡単に避けられ両
別の職員がマシンガンを構える。
下半身から走る激痛。
金的を蹴り上げられ、その場に崩れ落ちる。
3人が同時に発砲する。
両手で全ての弾丸を受け流される。
次の瞬間には、腹を殴られ、首を打たれ、顎を殴られていた。
まるで合わせたかのように10人の職員がハンドガンやマシンガンを発砲する。
両腕を見えなくなる程の速度で動かし、全ての弾丸をキャッチする。
「弾丸キャッチ…ちょっと古いかな?」
突如聞こえた美声に酔いしれる間も無く恐怖により身体が動かなくなる。
時速300キロ以上で発射される弾丸を素手で捕らえる化け物。生物としての次元が違い過ぎる。
「お返し!」
早く逃げなくては…そう思うより早く弾を投げ返された。
投げ返された
「ッ~~~~~!!」
「アァァァァオオオオ!!」
「はい!拍手!」
銃弾が着弾した全員が苦悶の声を上げる。
崩れ落ちる彼等を前に女が両腕を大きく広げて拍手を要求するが誰も反応しない。
「…………」
「あ、あ………」
「なんだ、礼儀も知らんのか?」
誰も反応しない事に溜め息を吐きながら再度歩き出す。
残った5人の職員が目の前の非現実的すぎる状況に呆然としていたが、すぐに正気を取り戻し銃を構える。
しかし次の瞬間には、全員の手首の関節が外され、同時に全員が金的を蹴られてその場で意識を失い、一人残らず崩れ落ちる。
「なっ!?クッ!!」
応援に来た7人の職員がその場の惨状に驚くが、すぐに女に向かい直す。
「Fuck! Die!!」
「Fu〇k!!」
全員が拳銃を取り出そうとする。
しかし彼等より速く動いた女が職員二人の頭を左右それぞれから掴み中央に居る一人の職員を挟むように叩きつけてサンドイッチする。
「Holly Shit!!」
その光景を見た別の職員が銃を乱射する。
またも全て避けられ胸部に強力な掌底突きを喰らい、遥か後方に吹き飛ぶ。
続けざまに繰り出された回し蹴りでまた一人の職員が伸され、蹴った足を軸に放たれた前蹴りで別の職員が宙に浮き、最後の一人が強烈なアッパーカットを喰らい空中で錐揉み回転しながら飛び…鈍い音を出しながら地面に落下する。
「……弱ッ」
30人前後の職員を倒し終えた後に呟かれた一言は、誰の耳に届く事なく風に消えていった。
「何なんだ…一体何だと言うのだ!?あの化け物はッ!!」
アリゾナ州立刑務所.所長。
マイケル・ホールズは、監視塔から見た光景を信じられずにいた。
屈強な看守達30人が為す術も無くたった一人の侵入者に倒されている。
有り得てはならない事だッ!
アメリカでNo.1のこの刑務所に真正面から侵入し、あろう事か誰も止められない。これ以上の失態があるだろうか。
まるで散歩でもするように白昼堂々、真正面から侵入。
世界一厳重とも言える完璧なセキュリティーシステムを楽々と突破している。
その間、止めに入った職員が次々と倒される。
「まるで
「何故…
「バキ・ハンマがやっと居なくなったって言うのに!ミスターも機嫌が直った頃にッ!何故来たんだッ!?」
「……」
血が垂れる程に拳を握りしめた所長の魂の叫びに同じく監視塔に居た他の職員達は誰も声を上げる事が出来なかった。
一方の侵入者は正面入口を堂々と突破し、刑務所内部に侵入してしまった。
◆
「…広いな」
小さく呟いて長い廊下を侵入者…蛇神 シロナは、辺りを見回しながら歩き出した。
長く広い廊下を歩き続ける事、数分。
時折襲い来る看守を全員殺さない程度に倒しながら歩いているとアクリル板で仕切られた一つの通路を発見する。
予め受けた説明と看守を引っ叩いて聞き出した情報を照らし合わせ目的地の目星を付ける。
間違いない、この先だ。戦士としての勘がそう囁く。
ゆっくりと歩き出すと早速一枚のアクリル板が道を遮る。
「……ふむ」
アクリル板に軽く手を掛けてから一歩離れ、右手の人差し指、薬指、親指だけを軽く曲げた状態で立て、腰を引き、腕を引く。
そして目の前のアクリル板を切り裂くように手を回転させながら突きだす。
「旋風鉄斬拳ッ!」
ザキュッ!
アクリル板に円形の線が入り、少しずつずれ始め、遂には斬り落とされ人一人分が通れる穴が開通した。
「もっとセキュリティーを上げた方が良いぞ~」
こちらを観ている監視カメラに向かってそう言ってから歩き出し、10メートル置きに設置されたアクリル板を次々と斬り開けながら歩いて行った。
ザキュッ!ザキュッ!ザキュッ!ザキュッ!ザキュッ!ザキュッ!
幾度となく鳴り響く斬撃音。
やがて斬撃音が鳴り止むと
この先に
そう確信している蛇神が扉を蹴破りオリバの
「ん…ふかふか。カーペット…絨毯?」
ビスケット・オリバの居る部屋へと続く廊下を歩きながら周りの光景に驚く。
数々の名画、一目で値打ち物と分かる壺、高級な装飾品。
何よりエアコンが効いて快適な温度だ。
ビスケット・オリバは、仮にも受刑者だ。
だがこれは受刑者に対する対応ではない。
「なるほど…さすがはアメリカ最強。そして地上最自由の男、ってところだ。中々の待遇だね」
オリバへの待遇に納得し、飾ってある黄金の杯を一つ手に取ってから再度歩き出す。
「邪魔すんで~」
部屋の前に着きノックもせず、再度扉を蹴り開ける。
バン!、と言う音とともに勢いよく開いた扉の先にには、ソファに座ったままの
「待っていたよ侵入者君…まさか侵入者が
「そうかい?実を言うと私も予測していなかった。ミスター・アンチェイン、ビスケット・オリバがこんな巨体だったとはね。仮にも受刑者だろう?もうちょっと受刑者らしく振舞えよ」
ソファーから立ち上がり手を差し出し握手を求めるオリバに対し蛇神も手を出して握り返した。
「ふふん…」
「クフフ…ん?」
圧倒的なサイズ差のある両者の握手に蛇神が違和感を感じる。
握る力が増している…それに僅かながら怒気に近い気配を感じる。
なるほど…すでに始まっていると言うわけか。
「シッ!」
「オオ…ッ!?」
オリバが握る手にさらに力を加えようとした瞬間、その巨体が宙を舞った。
握手をしている手を軸に起こった回転に驚きつつも完璧な着地を決める。
握る両者の手を中心に発生したこの現象、日本の地で一度体験している。
小柄な老人、自分の半分にも満たない
「アイキ…か」
「正解、意外と物知りなんだね。私の場合、それだけじゃないけどね」
「前に一度喰らった事があるからな。先程の無礼は詫びるよ…ささ、座って座って」
「……」
離した右手を見ながら呟くオリバに対し蛇神が
相手の返答を無視してオリバが着席を促す。
自分の言葉を無視された事に少々不満を覚えながらも無言でソファに座る。
「飲み物でもどうかかな?ミス…えー」
「蛇神…」
「オーケー、ミス・ヘビガミ。上等なコニャックが手に入ったんだ」
「…頂こう」
オリバに差し出されたグラスにコニャックが並々と注がれ、オリバが対面に座る。
グラスを傾け酒を煽る。葡萄の風味が口の中に広がり何かつまみが欲しくなる。
なので念のため持って来たドライフルーツを先程勝手に拝借した黄金の杯に溢れんばかりに乗せる。
「……」
「……」
何の会話も無いまま両者の酒を飲む音とドライフルーツの咀嚼音だけが部屋に鳴り響く。
ここがアメリカ最大の刑務所で、片方がアメリカ最強.
しかし、場所も両者も、そして状況も、何一つ普通ではない。
今にも
「…ミスター・オリバ。君に勝負を挑みに来た」
「私に勝負だと?突拍子も無い話だ。もっと分かるように説明してくれないかい?」
突如発せられた突拍子も無い話にオリバは疑問符を浮かべ葉巻を取り出しながら聞き返す。
「ハァ…つまり、だ」
「っ…!」
「君を倒しに来た。理由はそれで十分だろう?」シュボッ!
葉巻を口に咥えようとするオリバから葉巻を奪い取り火を点ける。
「…やはり分からないな。私には君と闘う理由が無い。それに、君は
「……すぅ~~~~~~~~~~~…………プハァ~~~~~~~~~~~~~~~」
蛇神の行動に額に血管を浮かべたオリバだったが大人の対応で新しく取り出した葉巻を吸い再度、互いの間に
オリバの言動に落胆した蛇神が加えた葉巻が完全に燃え尽きる程に吸い、煙を一気に吐き出す。
「分かってねぇなぁ…アメリカ最強さんよぉ。アンタ喧嘩売られてるんだよ?アンタの最強の座を脅かす
「最強ってのは、いついかなる時でも勝負を挑まれたら即座に受けて、その上で叩き潰す。それ故に最強と呼ばれる。君の場合は、言い訳を繰り返し、相手を持成し、戦意を削ぎ、闘いを避けようとしている…だっせぇなぁ~~~!!」
「貴様ッ…!!」
足を組んだ状態で発された一方的な煽り言葉の数々、その一つ一つがオリバの
だがそんな数々の言葉よりも一層オリバの
「そんなんだから、最自由に縛られた、
「ッッッ!!」
蛇神が発した言葉の数々がオリバの
並大抵の学者程度では敵わない程の知識を秘めるその
己の
「……私と勝負したいと言うのだな?良いだろう、受けてやる。運動場が開いているはずだ…表に出ろ!」
「まだまだ
オリバが勝負を受けた。しかし、その本質を理解していないと指摘され疑問を浮かべるより先に蛇神が動く。
パァンッ!
破裂音にも似た爆音が響くと同時にオリバの顎に強烈なハイキックが
150キロを超す超
揺らぐだけならまだしも、キックの衝撃で脳が揺さぶられ片膝と片手を突く。
「おや?記念硬貨でも落ちていたのかい?」
「ふふっ…いやいや、良く分かった。ふんっ!」
小馬鹿にするような質問に答えず、ゆっくりと
150キロの超筋肉を過剰搭載したパンツ一丁の黒人の大男と、異常な戦闘力を保持した巫女服を着た白髪の女性が真正面から向き合った。
「やっと君の言葉を理解した。では…こちらから行かせて貰うぞッ!」
「おっ!?」
蛇神の言葉の本質を理解したオリバが腕をクロスさせ、高速で
一方で
この瞬間、
徳川の爺さんが聞けば死ぬほど悔しがりそうな
オリバが闘う気になるような事をしなければならない…となると煽るしかない。
煽る内容は…不自由さで良いか?
とか考えながら書き上げました。
次回から両者の戦闘が始まります。超筋肉のアメリカ最強VS.異世界産の超武術家…果たしてどうなるッ!?
頑張って書き切ってみます。…え?オリバが原作よりもキレやすいって?…誤差ですよ、誤差。
それでは、また次回!