蛇神様IN刃牙ワールド   作:揚げ物・鉄火

6 / 10
もう最近ね…刃牙らへんが凄い事になっててね…うん。

一ヶ月半ぶりの投稿です。
…お待たせして申し訳ないです。

VS.オリバ戦、今話で決着です。


走る報せッ!(新たなる強者)

オリバボールの状態になったビスケット・オリバに対し蛇神がゆっくりと近づき攻撃を仕掛ける。

 

ゆる~…

 

ゆっくりと手を上げて脱力をしてから構えた蛇神が行った攻撃、それは…

 

バチーンッ!!

 

ただの平手打ち?

否!

 

バチーンッ!!

 

オリバに対して行われた攻撃、それは…

 

バチーンッ!!

 

「だぁぁあああおぉぉぉおおお~~~~~~~~~!!!!!!?」

中国武術の中でも『コロンブスの卵』と目される打撃。

 

炸裂ッ!秘拳・鞭打!

 

相手の皮膚そのものを対象とした攻撃。

例え防御(ふせ)ごうとも、どんなに完璧に受けようとも、オリバ並の筋肉を搭載していようとも、生物である限り等しく激痛(いた)いッ!!

生娘の柔肌から鍛え抜いたアスリート。赤子から範馬 勇次郎まで等しく通じる打撃。

それが三連発。

ゲバルの攻撃を受けきったオリバが、刃牙の攻撃を受けながら真正面から殴り合ったあの(・・)ビスケット・オリバが思わずのけぞってしまうほどの痛み。

オリバボールを解いて痛みの発生源たる背中に手を回してしまう。

それにより頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、脊髄…背骨を無防備にさらしてしまう結果となった。

 

「期待通りの反応を返してくれて、ありがとう…それを待っていた(・・・・・・・・)ッ!!」

仰け反ったオリバに対して腰を深く落とし半身を捩じり、拳を腰溜めで構えた蛇神は、音速にも匹敵する速度で正拳突きを繰り出す。

 

 

ドグンッ!!

 

パァンッ!!

 

 

「ゴバァ………ッッッ!!!??」

衝撃(インパクト)瞬間(タイミング)に蛇神の心臓が爆発的に脈動し、放たれた防御不能の一撃。

 

我流・音速拳+魔拳・爆心開放拳+中国武術・攻めの消力(シャオリー)+伝統空手・正拳突き=防御不能の一撃。

名を持たぬこの防御不能の一撃は、オリバの筋肉の鎧を突き破り、骨と内臓を易々と貫通し、胸部から衝撃波が飛び出した。

その凄まじい衝撃波は、両者の戦闘(たたか)いを見ていた看守達の目にも映るほどハッキリとしたものだった。

 

「見えたか?」

「ああ、見えた…」

「ミスターの胸から衝撃波が飛び出した…よな?」

「どんな威力の技だよ…」

「そもそも、あれって技なのか?」

「俺が知るかよ…」

眼前の光景を理解出来ない。己の目を疑ってしまう。

人外の領域に達したとしか思えない攻撃を繰り出した化け物。

その化け物の攻撃を喰らい150キロを超すビスケット・オリバの巨体がゆっくりと前のめりに崩れ落ちる。

 

「……耐えたか」

「…………ッ!!」

コンクリートの地面にビスケット・オリバの巨体が倒れようとしたその時…突如として落下が停止(止ま)った。

止まった原因を見るとオリバが右手を地面に突き立て、片膝を突いている。

 

崩れ落ちるオリバの巨体を支えたのは、丸太のように太いその腕か?

 

否ッ!

 

ならば、アリゾナ州立刑務所No.1の意地か?

 

否ッ!

 

それなら地上最自由としての矜持(プライド)か?

 

否ッ!

 

それともアメリカ最強の誇りか?

 

否ッ!

 

(オリバ)の巨体を支えたモノ、それは…(オス)としての誇りッ!

 

己がアメリカ最強である以前に、地上最自由である以前に、このアリゾナ州立刑務所のボスで以前に、自分()は一人の()だッッ!!!

少女(ガール)なんかに負けていられるものかッ!!

 

自分に残った絶対に捨てられない誇りを守るためにオリバが立ち上がる。

 

「……グゥ!」

と、息巻いたのは良いものの、ダメージは深刻。

あと一発か二発、同じ技を喰らったら確実に勝負が決まる。

 

今の自分に残されている手段は少ない。

相手は無数の武術を使う既存のものから未知の武術まで選り取り見取りだ。

それに加えて複数の武術の複合技まで扱える。

無数にある武術の中から最適な武術を選出し即座に切り替える。

こちら側の防御を一切無視した打撃も使用(つか)える。

相手(蛇神)は、1000を超す技を使用(つか)えても何ら不思議ではない。

 

「なら…私が取るべき手段は、これだッ!」

一瞬の間にそこまで考えたオリバの取った行動は防御。

腰を深く落とし、背中を丸め、両腕を顔の前で組み、体勢を低くする。

上半身だけをオリバボールに似せた防御の姿勢を取った。

 

「悪くないな…ならばこれで行こう。雷心流・夢幻歩法…」

対する蛇神は、防御姿勢のオリバの周りを特殊な歩法で歩き出した。

 

オリバの作戦は、単純明快。

全ての攻撃を受けきり、連撃が止んだ瞬間に繰り出されるであろう防御不能の一撃に対しカウンターを決める事。

先ほどオリバはアノ一撃を喰らった瞬間、わずかに見えた。

どっしりと構えて溜め気味に拳を放つ所を。故にオリバは考えた。

先程の一撃は、放つのに数瞬の隙が出来る。狙うならそこしか無いと。

 

 

「………雷閃!」

だが、この技の弱点は使用者である蛇神が一番良く分かっている。

故に新たに選択(えら)んだのは、暗殺術。

それも一度だけ(・・・・)見て覚えた速度に特化した一撃。

威力は落ちるが狙いは、あくまでもオリバの防御を下げる事。

倒す事も殺す事も目的ではない。オリバの防御を下げる為だけに暗殺術を使用(つか)う。

 

「グッ…!!」

右脇腹、肝臓を高速で殴られてオリバの巨体がふらつく。

オリバがふらついた事で生じた巨大(おお)きな隙を蛇神は一切追撃する事なく静観した。

 

何故、追撃しなかったのか?

追撃出来なかった?否ッ!

警戒し過ぎた?否ッ!

余裕の表れ?否ッ!

追撃しなかった事への答えはただ一つ。

 

「…やっぱりバレてたか」

「タヌキめ…感触が違うんだよ」

追撃が来ない事に気付いたオリバがゆっくりと立ち上がる。

蛇神の言う通り先程の一撃(雷閃)でオリバにはほとんどダメージは無かった。

衝撃の直前に全身の筋肉を一気に硬化させてダメージを体内に浸透させずに表面だけで受け切り、あとは喰らったふりをしていただけである。

 

「……」

「どうした?もう終わりかい?」

攻撃が来ない事に疑問を持ったオリバが相手を煽るように問うが蛇神は一切反応を返さない。

 

「はぁ…面倒だな」

防御を下げさせる為の攻撃でさほとんどダメージが無い。

防御不能の一撃は、少しだけ溜めがいる。

巨大な岩山の如き絶対防御の体勢を取ったオリバを攻略する方法を思い付いた蛇神が両腕を上げて構えを取る。

 

「オーガ…」

両腕を上げた構えを取った蛇神にオリバはオーガ(勇次郎)を幻視した。

この己の半分にも満たない体重(ウェイト)の、己よりも遥かに小さい(低い)、未知の武術を使用(つか)う、ただの女(・・・・)に、地上最強生物(範馬 勇次郎)を視た。

 

「旋風流水…」

「Jesus…」

その直後、オリバは悟った。自分の敗北を。

 

交牙竜殺拳!!

瞬間、武術の名を冠した暴力の嵐がオリバを襲った。

 

 

 

 

 

はい、間違いありません。

ミスターは、一切の攻撃を受けるつもりでいました。

それは表情(かお)からも見て取れました。

 

確かに攻撃は受けていました。

最初の方は、我々もミスターの意図を読み取っていたんです。

恐らくミスターは、相手の攻撃が止んだ瞬間にカウンターを決めるつもりだったのでしょう。

 

でも、ガトリング砲の連射のような速度で叩き込まれる連撃に隙を見つけて反撃なんて絶対不可能です。

かのオーガなら或いは…?ですがミスターには不可能でした。

ガトリングの連射に匹敵する速度でマグナムのような威力を誇る連撃。

ミスターは、その圧倒的な耐久力で攻撃を全て受け切りその上で反撃して相手を叩き潰す戦闘スタイルを良く使います。

 

もちろん豊富な知識を持って相手の武術の弱点を突いて倒す、と言った手段を取る事もあります。

しかし今回の相手は、全く未知の武術を使い、その上ミスターを全ての面で上回っていました。

ミスター以上のスピード・パワー・スタミナ・テクニック・耐久。

それほどの化け物が放つ連撃…耐えられるわけありません。

 

はい、決着はその直後でした。

 

 

 

 

 

ビスケット・オリバを倒す上で必要な圧倒的な耐久力の攻略法。

最初の攻撃を仕掛けた瞬間から蛇神は既に攻略法を導き出していた。

オリバの圧倒的耐久力の攻略法として蛇神が導き出した答えは、反撃もクソも無い連撃で防御を破壊し、最後に防御不能の一撃必殺を叩き込む事。

言うは易く行うは難し。

 

「シィーッ!!」

「ヌゥアアアアアアアアア!!!!」

しかし蛇神の攻撃は、確実にオリバの両腕を粉砕していた。

いくらオリバの耐久力が高かろうと、いくらオリバの筋肉の鎧が堅牢であろうと、いくらオリバの精神が強靭であろうと、所詮は生身でしかない。

痛覚は存在し、筋肉にもダメージが溜まる。

 

息つく暇もない程の連続攻撃。

変則的な打撃(流水岩砕拳)が筋肉の鎧を破壊しに掛かる。

切り裂く打撃(旋風鉄斬拳)粗塩(あらじお)を塗り込んだ肌を斬る。

切れにくいはずの皮膚に無数の裂傷が走り出血が収まらない。

 

看守達が見た光景。

あまりの速度に発生した残像によって二人に見えた蛇神が…増えた。

二人が三人。三人が四人。四人が五人。五人が…六人が…七人が…八人が…九人が…十人が………数は増える一方だ。

 

 

「15人…?」

看守の一人がポツリと呟いた。

 

すでに15人にまで増えた蛇神の残像。

残像だけで15人見える程の高速の攻撃は、着実にオリバの防御(ガード)を削って行った。

 

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 

 

爆発音にも似た打撃音。

永遠にも思える連撃。

しかし全ての出来事に終わりは訪れる。

 

そしてついに…

 

 

ボギンッ!

 

 

「……ッッ!!?」

この度の連撃で筋肉より先に限界を迎えたのは、オリバの骨だった。

 

超高速で放たれ続けた連撃を受けて筋肉の破壊より先に骨が限界を迎えた。

両腕の骨の破壊により発生した激痛(痛み)

その激痛にオリバが筋肉の硬化を一瞬だけ解いた。

 

「シュゥゥゥゥゥ―――ッ!!」

オリバが筋肉の硬化を解いた瞬間、連撃が止み深く息を吐いた蛇神が再び構えを取る。

 

それを見たオリバが再びガードを取ろうとするが両腕の骨が破壊されて使用(つか)えない。

オリバが両腕を使用(つか)えないのを思い出し、再び筋肉の硬化を行うが…時すでに遅し。

筋肉を再び硬化させるまで数瞬、それを見逃すほど甘い最強(蛇神)では無かった。

 

 

ドグンッ!!

 

パァンッ!!

 

一発

 

ドグンッ!!

 

パァンッ!!

 

二発

 

ドグンッ!!

 

パァンッ!!

 

三発

 

 

三度響く鼓動音。

同じように三度響いた破裂音。

 

 

「…………………」

オリバの胸に三連続で叩き込まれた防御不能の攻撃。

オリバの圧倒的耐久力を軽々上回り、その衝撃は内部を破壊した。

 

「ゴッバァ!!?」

口から大量に吐血したオリバが膝を突きそのまま地面に倒れ伏す。

 

コンクリートの地面の上に倒れたオリバに動く体力も気力も砂粒程に残っていない。

 

アメリカ最強の男。

地上最自由の男。

ブラック・ペンタゴンの王。

繋がれざる者(アンチェイン)

 

数々の異名を欲しいがままにした怪物ビスケット・オリバが一人の侵入者を相手に敗北を喫した。

 

 

「……」

ビスケット・オリバを破壊した一撃。

蛇神 シロナは、この技に名を与えた。

 

相手を内部から喰らい破壊する獣の如き一撃。

名を…

 

 

 

『牙王』

 

 

 

「……」

倒れ伏し指一つ動かないオリバを一瞥した蛇神が袖から再度一枚の紙を取り出し、ビスケット・オリバの名に取り消し線を引いた。

 

 

 

(範馬 勇次郎)
(ジャック・ハンマー)
(最凶死刑囚のいずれか)
(郭 海皇)
マホメド・アライjr
ビスケット・オリバ
(ピクル)
(範馬 勇次郎(二回目))
(宮本 武蔵(クローン))

 

「残り三人…」

 

 

 

 

 

 

この次の日、日本にいるグラップラー達に一つの報せが届く。

 

 

ビスケット・オリバ 敗北!!

 

 

 




やっと終わりました。耐久力お化けのオリバを倒しつつ、オリバの株を落とさない方法…防御無視の新技で内部から破壊!

通常攻撃での攻略が不可能な上、連携奥義を捨て駒にして、防御不能状態に追い込んでから、防御無視の新技で倒す。王道展開だけどこれしかない…そう考えて書きました。

次回から他のグラップラー達(メインキャラ)が動き出す…前にアメリカ大統領に会って来ます。

では、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。