品行方正だと思ってた勇者がオレ(TS聖女)似の風俗嬢に入れ込んでるってマジ?? 作:おちゃいろ
それは、オレ達勇者パーティが魔王幹部である「
夜、オレはいつものようにこそこそと裏路地を通り……風俗街に赴く。
露出の激しい女性が色の付いた煙を吐き、
でっぷりと太った男性が怪しい店に吸い込まれていく。
前世であれば派手なネオンサインがいたるところにあるような、スラムに近い風貌の路地を何度か通り過ぎると、とある店にたどり着く。
「あンら聖女様じゃない! いつもの娘、空いてるわよ」
「うへへ。じゃ、それで」
「1名様、ごあんな〜い♡」
いや、だってね?
自分へのご褒美っつーか。
やっぱねーちゃんと触れ合いたいじゃん。
前世ならともかく、この姿なら警戒心もなくかわいがってくれるし。
娼館に聖女がいても、ここで働く女性たちの治療のためだと勘違いしてくれるので問題はない。
たまには実際に治療することもあるし。
さてと。
オレの貧相な体にはない、むちむちの
「あ、ノイン様、また気持ち悪い顔してるニャ」
毎回お気に入りで指名をしている獣人のパーニャちゃんに体を預け、しっぽをモフる。
「誰が気持ち悪い顔だ。オレはかわいいんだぞ」
「たしかに顔はすごくかわいいニャ。でも透けて見える心がキモ」
「それ以上言うな!」
危ない。
これ以上喋らせると心にダメージを負ってしまうところだった。
獣人はハッキリものを言うからな。
種族柄、嘘をつくことを知らず、遠慮をしらないのだ。
「まーそれはいいけどニャ。今日はどうするニャ?」
「……? どうするって、何が?」
「
「!!」
パーニャはいわゆる……その、張形を手に持って揺らした。
現代的に言えば、ディルドである。
「す、するわけないだろ!?」
「なんでニャ。ここは娼館ニャ。メス同士でも気持ちよくはなれるニャ」
(い、いやだって、オレは……!)
オレは男だ。
身体が女でも、心は男なのだ。
だ、だからオレは……。
「かーっ、
はあ!?
オレがビッチだと思われてんのか?
聞き捨てならないぞ、それは!
「オレは処女だ!馬鹿!ユニコーンに誓ってな!!」
ユニコーンは処女しか背中に乗せない。
オレは旅の途中、何度か足に使ったことがあるので、それは確かだ。
「…………ニャ?」
「なんだその不思議そうな目は」
「じゃ、勇者様はノイン様に手を出してないのかニャ?」
え?
なんでアルス?
「どうしてアルスの名が出てくるんだよ」
「ニャニャ!? も、もしかして、……勇者様とノイン様は
パーニャは信じられないという顔で俺を見る。
つがい?
つがいってたしか、その……。
「あああ当たり前だろ!!?」
「そ、そんニャあ」
アルスはみんなの勇者で、俺の大切な弟分だ。
それなのにオレがアルスと……って、何でだよ。
なんでか顔が熱い。
もう少し冷静になろう。うん。そうだ。
「なんでそんなふうに思ってたんだ?」
「いや、だってニャ。勇者様、たま〜にうちの娼館を使うから、欲求不満なのかと思ってニャ」
え。
アルスが、娼館に?
あの、品行方正で清廉潔白な、アルスが?
「う、嘘、だろ?」
「ほんとニャ。信じられないなら帳簿でも見るニャ」
「…………いや、いい。 うわ、マジかー」
獣人は適当な嘘をつかない。
それは確かなのだ。
だからといって……信じられない。
女性と手を繋ぐことすらしないと思っていた弟が、実はヤリチンだったなんて。
なんだか裏切られたような気持ちだ。
意気消沈したオレの頭をよしよしと撫でられる状態が数分続いたところで、なんだか疑問を感じた。
「なあパーニャ。なんでアルスが欲求不満だとオレが……その、番いってことになるんだ?」
結局、それが分からない。
アルスが娼館に行ったとして、オレには何の関係もないことだ。
むしろ同じ男として、理解さえできる。
「ああ、それはだニャ」
「勇者様がよく指名する娘が、ノイン様とよく似た銀髪の人族だからニャ。というか勇者様、その娘としかヤッてないんだニャ」
「はぇ?」