目が覚めると見知らぬ建物が目に入る。
「え・・・?」
思わず口から言葉がそう漏れる
あたりを見渡し自分の中にある最後の記憶、自分の部屋でベットでいつも通りに眠っていたはずだったのだが。
今、自分の見えている景色にはどう見ても自分の部屋ですらなくそもそも外だ。
それだけならまだしも現代日本では、考えられないような建物群しかない。
(中世・・?ヨーロッパ・・?外国だろうか?)
再度辺りを見渡すがやはり何故自分がここにいるのか、またその景色に見覚えはない。
しかし、周りに人はいるもののどう見ても日本人には見えない。
金髪の人がかなり多く顔の作りも明らかに日本人のそれではない。
(黒に近い緑色の髪の人もいる。あっちは茶色かな、黒色は・・・)
そこまで考えた所で時々自分を見ている人がいることに気付く。
自分の頭をチラと見ている人が多いい、やはり黒髪は珍しいのかと思い先ほどからこちらを見ている子供もいる。
「え~っとどうしたのかな君?」
子供に目線を合わせ問いかける。
「お兄ちゃんその髪真っ黒だね!泥が付いてるの?
」
(日本語なのか・・・違和感が凄いな、でも言葉が通じそうでよかった丁度いいから色々聞くか)
「いや泥ではないよ!?生まれた時から黒色だね。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、ここどこかな」
「生まれた時からなの!?すっごいね!ここはパスト通りだよお兄ちゃん?」
(パスト通り?聞いたことすらないぞ。いやそもそも完全に日本ではないことだけがわかったが、まじでどこなんだ・・・)
「えっとこの国の名前と、その・・仕事とか出来る場所あるかな?」
「お兄ちゃん別の国から来た人なの・・?ここはアルワスト国だよ?お仕事なくなっちゃたの?」
(アルワスト国ってどこだよ・・・お金が日本と同じとは限らないしな・・・しかも自分の着てる服、見たことがないぞこれ)
聞き覚えのない国、茶色のズボンそしてボタン付きの白いシャツ。
白いシャツならまだしも茶色のズボンを持っていた記憶はない。
財布らしき物も見当たらず下手をすればただの無一文でここにいることになる。
せめてこれがただ、夢から覚めていないだけではないかとにわかに疑ってはいるものの、ここまで意識がはっきりしていればそれも期待できない。
「ああ~まあ、そんな感じかな手持ちもあまりなくてね。仕事を紹介してくれる所とかないかな?」
「なら兄ちゃん仕事一緒にしない?簡単だよ!!これをいっぱいにするの!!」
おもむろに小瓶を4個出して見せてくる。 一杯ということは何か入れるのだろうか?
「それに何を入れるんだ?」
「ゼリーをたくさん入れるの!兄ちゃん冒険者登録もまだでしょ?一緒に行こう!!」
とりあえずついて行く事にした自分は、頭を混乱させながら必死に考えていた。
(いやいやいや、ゼリー?冒険者登録ってまじで言ってるのか?外国どころか異世界じゃないのか?)
「ゼリーはどこで集めたりするんだ?あと冒険者登録って何か必要なものとかあるのかお金とか」
「ダンジョンのぶよぶよから集めるんだよ。冒険者登録は特に必要なものはないけど、最初に何か書かなきゃいけないよ」
(何かってなんだよと言うよりダンジョンもあるのか本格的に異世界だなぶよぶよは、よくわからないが)
次から次へと疑問ばかりが湧いて出てくる歩きながら周りを見てもレンガのような物で作ってある建物ばかりだ。
所々明らかに人間ではないであろう見た目をした人もいるが何より目を引くのは、ガチガチに装備を来た人たちだろう。
腰に剣を指し金属の兜を被り皮の胴当てや鎧を着ている人がちらほらいる。そしてその多くは進めば進むほど装備を着込んでいる人は増えていく。
大丈夫なのかと不安になりつつも前にいる少年に付いて行くしかなくその背を追う。
やがて大きな建物が見えてきた。
扉も非常に大きく同時に何人も出入りできるようなほどである。そのまま中に入る少年。
建物の中もかなり広々としている。一角にはテーブルと椅子が置いてありそこで談笑をしている人と何やら黒板のような所で紙を熱心に見ている者もいる。
(すげえ!耳が上に付いてる!?獣人かあれ!?あそこ全員獣人かすげえな。)
人型ではあるが耳や所々毛が生えている獣人?をみて心を躍らせる。
そして極めつけは大きなカウンターだ20人近く座っている男女の比率としては女性が多そうだ。またそこにかなりの人数が並んでいる。
(やっぱ女性の所に並んでいる男が多いいなあ。まあ綺麗に越したことはないんだろうけど)
因みに余談ではあるが男の好きなタイプは地味な感じが非常に好みでありミステリアスな感じがいいとのこと
だから他が無理とかではないのだが・・・
少年はそこから初老の男性(比較的列が空いてる)所に並ぶ。少年に置いてかれまいと同じように並び声をかける。
「凄い人の数だな。こんなに並んで皆何をしているんだ?」
「え、クエストを受けに来た人とかその納品に来た人とかじゃないかな?」
クエストもあるのか・・・と言うことは魔法とかもあるのだろうか。心なしか少しの不安が薄れ少し楽しみになってくる。
現状ではどうやったら帰れるのかなど全く分からないしとりあえず住むとことか探さないといけないなあ・・・と思考を巡らせつつ
回りを再度観察する。
綺麗な女性の受付に顔を崩し笑顔で話しかけている男性とその手元に瓶に何か青色の液体が入っているものがある
(あれポーションかな、やっぱあれ使って回復とかするのか?)
またカウンターの横に上に続く階段もあるが二階の様子はここからでは余り見えない。
(上の部分がぽっかり空いて照明だろうでかいのがぶら下がっているがカウンター上とかはここからだと見えないな。やっぱ資料とか図書館とかそういうのがあるのか?)
そのまま思考を巡らせていると、以外にも早く順番が巡ってきた。
「おお、クァルツの小僧じゃねえかどうしたんだこんな朝早くに?」
「兄ちゃんの案内と登録しに来たの!あと小瓶を4個追加で欲しいの!」
ジロリと視線がこちらに向く、少しビビりながらも言葉を話す
「ええ、このあたりの事とこういった事を始めてするので教えてもらってるんです」
少しその男は考えるようなそぶりを見せたがすぐにそうかと不愛想に告げるとカウンターの下から紙とペンそして小瓶と小さな木板を出す。
「小瓶で鉄貨12枚な、兄ちゃんは字は書けるか?書けねえならこっちで簡単に書くぞ」
チラと視線を紙に送るもなんて書いてあるかが全く分からない何語だこれ・・・?
横で腰に付けた袋から鉄の硬貨を出す少年を尻目に、お願いしますと言うと質問が飛んでくる。
「アルワスト国出身か?それ以外か?魔法とかスキルの技能はあるか?」
(とりあえずアルワスト国でいいだろう何村とか聞かれたらやばいけど他を知らないしな・・・やっぱ魔法とかあるんじゃん!)
「アルワスト国出身です。魔法とかスキル今の所はないですが・・・技能は計算ができます」
「ほーう計算かいいじゃねえか。とりあえず木札渡しとくぞ無くすなよ。髪が黒ってことはドワーフのガキか何かか珍しいな、後クエストを1つクリアするごとに印を1つ付けるから10個付いたら言いに来い」
「10個付けたら何があるんです?あと魔法とかスキルはどうすれば手に入れれますかね?」
「ああ?10個付けたら鉄の札で魔力登録も行うからだよ。魔法は諦めな持ってねえなら今後も無理だぜそもそも魔法持ちは貴重だしな。スキルは特訓したら手に入るぞ」
魔法ダメなのかと少し残念に思うもスキルと聞き心が躍る。そうこうしている内に少年から瓶を渡される。
「じゃあ兄ちゃん行こ!おじちゃんありがとー」
「おじちゃんじゃねえお兄さんと言えガキ!!!まだ51だ!!!」
アハハーと笑いながら手を引かれ少年に付いて行く。(51は立派なおじさんだろう)
外に出ると少し歩き近くの大きな建物に少年が入る。
扉は最初から開いておりその前の扉の左右に騎士のような綺麗な装備に身を包んだ人が人々を監視するかのように立っている。
(入っても大丈夫なんだよなこれ?いきなり襲い掛かってきたりしないよな?)
不安になりながらも自分以外にもかなりの人数が行き来している為そそくさと中に入る。
先ほどの建物の負けず劣らずの大きさだが周りに芸術的な模様がそこかしこにかいてあり中心部分には巨大な階段が下に続いている。
非常に神秘的な建物だが階段のほかに特徴的なものが模様しかない。
階段に注目するとかなりの人数が階段を降りて行っているが少年も続くように降りている。
ある一定の場所まで行くと暗闇に吸い込まれるかのように人の姿が徐々に消えていっている。
(階段の下はかなり暗そうだが明かりとか持ってる人居なさそうだし特にこれといった物が置いてないしやっぱここを降りるのか?)と少し恐怖しつつ瓶を持ちながら少年の後を追うようにして下っていく。
少年がついに暗闇の中に入っていき全く姿が見えなくなる。余りの怖さに目を瞑りながら1段ずつ慎重に降りていく。(もちろん瓶を落とさぬように)
いつまでそうしていればいいんだと途中で目を開けるも暗闇しか見えず再度目を瞑る意味など全くないがこうでもしないと落ち着かなかった。
自身の恐怖がどんどん膨れていきどんどん不安に駆られていた時にようやく声が聞こえた
「何してるの兄ちゃん?なんで目を瞑ってるの?」
暗闇から一筋の光が見えるように少年の声が聞こえてくる。
目をゆっくり開けるとそこにはきれいな緑の草に覆われ木が全くなく見慣れたそれでいてどこか違う空の淡い海のような青空が広がっている・・・
言い知れぬ高揚感が自分を包み込む。
先ほどあった不安などどこにもなかったただ綺麗な光景を目を奪われていた
自分の冒険はここから始まった
いかがでしたでしょうか。
今後も投稿していく次第ですが続けてみてくださればとてもうれしいです
古き良き小説が好きで昔のいろんな小説を読んでいますが良作を見つけるのにいつも何時間もかけてるうちに書いてみたいと思うようになりました。
またお会いしましょうでは