野望も抱けずにひたすら生き残ろうとしてる畠山政頼さんの転生物語   作:区星

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えー大変遅れて申し訳ない

小説へのモチベーションを完全に使い切ってエンジン切れになってました


28話 播磨戦線異常無し

 長宗我部元親との同盟を結び、一部想定外もありながら畠山勢だけ播磨へと合流させた。

 

「政頼、長宗我部元親は追い返せたのかしら」

 

「もちろん、おまけで同盟も結べた。まあ多少の対価は支払うことになりそうだが……まあそれは長宗我部元親の夢を打ち砕いた分だろうしな」

 

「デアルカ」

 

「フハハハハ、畠山政頼。壮健のようで何よりだな!貴様だけは我が魔眼で捉えられぬので心配していたのだぞ?」

 

 ああもう、こいつはいつも変わらねぇな、池田勝正。

 

「畠山様、お久しぶりですね」

 

 水も滴る美男子、というか姫武将と言われてもまあ納得しそうな見た目をしている朝倉景恒も駆け寄ってきた。

 

 朝倉景恒は姫路城に陣取り、書写山に睨みを利かせつつ、いざと言う時の為に控えていたらしい。

 

「播磨戦線での活躍は噂に聞いてるぞ」

 

「それは……大変光栄です」

 

 などと相良家臣団と親交を深めつつ、三木城包囲陣へ向かう織田家一同を追いかけて俺も三木城へ進んだ。

 

〜〜〜〜〜〜

 

 伊予、来島。来島村上水軍の長、村上通総が根拠とする地で、村上通総は思案していた。

 

「お兄ちゃん、帳簿なんだけど、正直どうもおかしいんだよね。あたしの目算ではもっと通行税の利益は出ないはず」

 

「って言うと、なんだ。誰かが意図的に俺らに利益を流しているってことか?軍資金を与える訳では無く通行税として誤魔化しが効く手段で渡すとかわざわざ迂遠にも程があるが……」

 

 帳簿をペラペラと捲りながら、兄の得居通幸に通総は語りかける。

 

「淀屋の船の往来がかなり激しくなっているね。それも、従来なら能島の武吉義兄さまに来ていたはずの船もこっちの海路を使うことが増えてる」

 

「淀屋が御用商人になっている大名家から考えると、怪しく見えてくるのは畠山政頼や織田信奈だが……織田信奈の評判からしてこんな搦手は使わんだろ」

 

 通総は頷き、彼女の主君である河野道宣からの書状を取り出した。

 

 そこには長宗我部元親が伊予攻略を再開した、と書かれていた。

 

「長宗我部元親が畠山政頼と同盟を結んで伊予攻略に乗り出してる、と同時に河野道宣の家臣であるあたしに通行税と称して資金提供を行う。

 

 点と点が線になって来たかも」

 

 おそらくあたしを調略することで河野家を弱体化させて長宗我部に毛利の後背を突かせる、そういう策なんだろうね。と通総は微笑んだ。

 

「どうすんだ、通総、これに乗るのか?」

 

「そうだね、お父様の代からの悲願であった独立。畠山政頼が描く策が本当に上手く行くなら………叶えられるかも」

 

「正直なところ、武吉義兄様を敵に回すのは得策ではない、無いんだけども、それ以上にこの吊るされた餌はあたし達にとって魅力的すぎる」

 

 村上通総は深呼吸し、こう言い切った。

 

「畠山政頼、君はあたしを踊らせようとしてるみたいだけど。あたしに取ってもこれに乗っかったらお父様の悲願を叶えられるかもしれない。だから──踊らされてあげる」

 

〜〜〜〜〜〜

 

 一方その頃、播磨では半兵衛が無事に蘭奢待によって起き上がり、松寿丸は無事だったことが判明していた。

 

 まあ、間に合って良かったと言うか、むしろ間に合わんかったら今後大変なことになるので余計なことを播磨にしなかったのもある。

 

 原作知識によれば次が一番しんどい戦いになる、影の軍師にしろ、近衛にしろ牽制はしていないのでおそらくきょうにょは動くはずだ。

 

 天王寺砦は今の所畠山家が抑えている以上、うまいこと本猫寺を刺激しないように増援を入れたいところだが……

 

「……面白い情報が入ったぞ、越中の神保長職が家中の親上杉派の重臣、小島職鎮の専横に不満を抱いてるようだ。更に能登では当主の畠山義慶が上杉派家臣が多くを占め、独自の戦略を取れずにいる」

 

「算正、実際面白い情報ではあるんだが、正直今は能登や越中まで手を付けてられない」

 

 算正は更に書状を俺に一枚渡し、こう続けた。

 

「それと、能登の重臣長一族の孝恩寺宗顒が信奈と面会したいらしい、一応伝えておくぞ」

 

〜〜〜〜〜〜

 

 三木城、包囲陣。

 

「……信奈様に会いたい?」

 

「はい、父上からの書状を直にお届けいたしたく………」

 

「わかった。すぐにお呼びする」

 

 …………

 

 ……

 

「あんたが長続連の娘の孝恩寺宗顒ね、用件は一体何かしら」

 

「はい、詳しくは父上の書状を見てもらえると助かるのですが、実は能登畠山家内部で不穏な動きがありまして……単刀直入にいいます、上杉謙信が上洛の準備を進めており、その結果として七尾城でも上杉謙信に内々で味方しようとしている将が散見されます。今は当主の義慶様が目を配らせていますが、それもいつまで保つかわかりません」

 

「………で、あるか。それで?わたしになにをして欲しいのかしら」

 

「率直に言います、信奈様から直々に義慶様に激励の書状と官位、所領安堵。それから将軍様からもご一筆をいただけないかと……」

 

「わかったわ!その代わり七尾城はなんとかして保たせなさい、勝家が到着するまでに陥落したら所領安堵も無しよ!」

 

「ありがたきお言葉、感謝いたします……」

 

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