野望も抱けずにひたすら生き残ろうとしてる畠山政頼さんの転生物語 作:区星
摂津池田氏と繋がりのある一族の出、自他ともに認めるツンデレ
そのうちまた出てくる
5話 厨二病患者に見えて実は本物
「我、池田勝正がいる限り、信奈様には指一つ触れさせんよ、フハハ!」
「そうだな」
「貴様の命運は読み難い、しかし凡庸な運命を辿らないことだけは確約しよう」
「なるほど」
織田信奈が若狭攻めに動員した将は柴田勝家・丹羽長秀・明智光秀・松平元康・前田犬千代・そして松永久秀、さらに外様の摂津守護池田勝正、そして俺、畠山政頼。
元々彼女ーー池田勝正は三人衆方であったことも含めてあまり関係がいいとはいい難く、無限に喋る勝正とそれに相槌を打つ俺という地獄空間が発生していた。
「メスガキ……こほん、もとい教正とはだいぶ違うのな」
「我からみれば貴様に比べればあの小娘は台風の前の葦にすぎん、矮小すぎて見る価値すら感じんよ」
お前も信奈に比べれば大したことないけどな、と喉から出掛かった言葉をすんでで飲み込む。
「麒麟を呼べる姫たる織田信奈と比べれば我など路傍の石であろう、しかして路傍の石とて道を構成することはできるのだ」
身の程をわきまえているのかいないのかなんだかよくわからない女である、とは言え一族内闘争を勝ち上がってこの場にいることだけは確かだ、油断すると喰われそう。
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越前、金ヶ崎城。代々の敦賀郡司が守るその城に朝倉景恒は詰めていた。
「やれやれ、織田信奈はやはり攻めて来ましたか。……私も死兵たる覚悟で迎え撃ったほうが良さそうですね」
越前に龍虎ありと謳われた龍がいま瞳を開く。
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金ヶ崎城は思った通りに攻めあぐねてた、さすがは朝倉景恒、十倍以上の大軍相手にようやっとると言うべきか。
というか三好対策で松浦や義継が連れて来なかったせいで三千しか連れて来れず、主力として貢献できないので比較的暇ではあるのだが、まーボコボコと攻め手が払われてる。
後詰めの朝倉景鏡が到着する前に落とさないとまずいのだが…………
「これ落ちる城ですか、政頼様」
隣に座る信教の愚痴を聞きながら今後の展開をうっすらと考える。
浅井の裏切りが発生するかはさておき、この城は落ちるか相当怪しい。万が一浅井と後詰が一緒に到着したら色々終わりである。
「何とかならない城ではないんだけどな、あまりに朝倉攻めの準備がなさすぎた。朝倉景恒が守っている以上少なからず下準備が必要なんだが……、まあ時期見て撤退を具申した方が良さそうだ」
「フハハ、信奈様が本陣で軍議を行うとのことだ、政頼、貴様にも呼び出しがかかっているぞ」
まさか撤退?いや信奈がそう諦める気がしない、総攻めだろうか。
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「明日総攻めを行うわ、勝正や政頼にも出てもらう」
「ここまで手こずると朝倉景鏡が到着するのも近いでしょう、15点です」
だろうなぁ。と思っていると陣の外から慌てる声が聞こえてきた、その使者は急報を携えてきた。
「浅井家が、謀反した。織田軍は今、この小豆袋のように京への退路を断たれている」
「サル、何を言ってるの?長政はどういうわけか勘十郎と仲良くしているじゃない。最近じゃ人柄まで丸くなっちゃって。今頃は朝倉の旧恩と織田との同盟の間で板挟みになっているだろうけど、天下布武のためには謙信より先に北陸を固めておく他に道がないことはわかってるでしょう。見て見ぬふりをしてくれるはず──」
「越前を攻めればこうなることは俺には最初からわかっていた。ただ、俺は……どうしようもないバカだった!お前が言葉通りに若狭を攻めると思いこんでいた!俺の手抜かりだ!お前に越前を攻める意志があるかどうか、前もって確かめておくべきだったのに……!」
「……でも……どうしても、信じられないわ」
おーおー名場面名場面、とはいえ完璧に死地なので洒落になってない。
「信澄は城を抜け出して、その小豆袋をお前に渡すつもりだった。途中で追っ手に追いつかれ、俺が受け取った。隠居した浅井久政がしゃしゃり出てきて、長政を幽閉してしまったらしい。俺たちが浅井家に無断で朝倉を攻めたと憤っているんだろう」
「いくら久政が愚物でも、そんな愚かな真似を、まさか」
「信奈。有り得ないことなんかじゃない。久政は、お前の親父とはまるで出来が違う」
実際のところそうである、が。今の老大国の顔をしたただの大国である朝倉家相手に断りもなく攻め込んで苦戦してるようならまあ切り捨てる選択もバイアスかかってなかったら俺ならやってしまうかもしれん。
………………
…………
……
「相良、朝倉景恒の逆落としだけは止めてやる、後は何とかしろ。金ヶ崎が落ちなかった以上朝倉の城兵の追撃、特に初動の一撃は避けられない」
「それだと逃げ遅れることになる、頼む、撤退してくれ」
「アレを止めるのはお前じゃあ無理だ、俺でも手に余る、殿やりたそうなやつもいるしな」
なぜか残っている彼女……池田勝正を見ながら
「フハハ、未来から来し日輪の子相良よ。最大の窮地のようだな」
「あんたは……」
「池田勝正、摂津三守護の一人よ。相良、その覚悟恐れ入った。我も殿に加勢する」
「いや、何で……」
(そういえば金ヶ崎の退き口で話題になるのは藤吉郎のおっさんだが撤退戦の主力は池田軍だったとTwitterで見たことがあるな、それってこういうことだったのか)
「我など信奈様にとっては代えが効く国人衆の一人にすぎん、さらに言えば我が野で土塊と化したところで喜びこそすれど悲しむ池田の将はおらん」
この言葉は真実である、歴史上において彼女の代えは効いてしまう。さらにいえば家中を力で制圧した彼女には敵は多い、中川や荒木ですら内心では彼女に反発している。
「だが貴様はちがう、貴様が欠けては織田家は成り立たん。貴様が殿を務めるのは構わんが我も加え入れよ」
池田勝正、彼女が迫り、吐き出す言葉には迫力があり、相良も渋々頷いていた。
「…………わかった、勝正。よろしく頼む」
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「鶴翼の陣をひけ、朝倉景恒は必ず突撃を仕掛けてくるはずだ、一撃は受け止めてしかるのちに撤退する」
城兵が逆落としを仕掛けてくる、重く。それでいて鋭い一撃。
同数であればとてもじゃないが耐えられない
「あなたが、畠山政頼ですか。一度あなたの顔を見たような気がします」
男装の麗人と疑うような風貌ながら、こいつは男らしい。景鏡が言っていたから多分間違いない。
「まあな、織田信奈を止められなくてすまんな、こっちの事情もあるんで厳しかったわ」
「実のところ、後詰め決戦に敗れれば降伏を打診しようと思っていたのですが……浅井の思わぬ動きで御破算になりました。我が軍は現状半分程度ですので本領発揮はまた後日、ということになりますね」
まあなぁ、1800じゃあ守りに徹して精一杯だろう。俺でも無理ぞ。
「景鏡殿の到着まで城で待機いたします、撤退!」
判断も早い、流石は朝倉の龍。こちらも一旦退かせてもらおう。
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「どうだった、畠山政頼は」
「優秀な指揮官ではありますが、それだけです。私が同じ数を率いれば彼以上の成果を出せるでしょう」
「なるほど、な。それで追撃はどうする、手厳しくいくか?二度と朝倉の領土を踏みたいと思わないほどに」
「……正直なところ政の方はよくわからないのですが、朝倉家としてはそれで正解なのでしょう。ですが朝倉義景の家臣としてその選択は正しいのでしょうか」
「ふぅ、まいったな、一つ考えることが増えたぞ」
朝倉景鏡は、首を横に振りつつ思案した。
政治的にみてこのまま猛追撃を仕掛けるのが、果たして本当に良いのかを。
「景恒、八百長は出来るか?他の一門衆に怪しまれない程度に追撃を緩めたい、ここで織田の主要な将を討ち取っても困る」
朝倉はまだ妥協が出来る、裏切りをした浅井と違って。その妥協点を保つために遺恨を無理して作るのは明確に損である。
どのみち戦国大名としては朝倉は浅井を飲み込めなくなった以上は巣穴から出れない山椒魚のような物である。織田信奈と妥結出来るならそれに越したことはないのだ。
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「フハハ、雲霞の如き敵軍ですなぁ!良晴、どうするつもりだ?」
「勝正さん、ここは十兵衛ちゃんに借りた鉄砲50丁を活かして追っ手を威嚇しつつ撤退だ!」
「ふむ、鉄砲か。我が部隊にも50丁ばかりあったな」
だが相良の部隊には鉄砲を撃てる兵士はいなかった。殿軍は一騎当選の英傑揃いだが得物はバラバラ、種子島の名手などいるはずもないのだ。
「━━そうだ‘’三段撃ち,,だ!」
相良は手早く三段撃ちの説明を始めた。弾を込める部隊、火縄に火をつける部隊、種子島を撃つ部隊に分かれて高速で連射する。
「我らも実行するぞ、迷ってる間隙などありはしないのだからな!」
100丁もの鉄砲が火を吹く、3連発で敵軍が混乱をおこした。その隙に服部党が忍び込み、轟音。どうやら爆薬を着火したらしい
「フハハ、今のうちに逃げるぞ、良晴」
━━地獄のような撤退戦を行いながらも、彼女の表情もテンションも何一つ変わらない。怖いほどにいつも通りである。
池田勝正の支援と、前鬼が呼び出す霧、良晴考案の三段撃ち、半蔵の撹乱陽動。それらが組み合わさったことによって、朝倉軍は三度追撃を振り切られていた。
最も追撃に勢いを感じないことは前鬼や半蔵、勝正にはうっすらと伝わっている。
とはいえ朝倉領は抜けたのでここからは若狭を経由してもどるだけ…………なのだが。問題は若狭に残っていた。
10話終わったら人物一覧とか現実世界の畠山政頼とか投稿したいけど要る?
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要る
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いらない
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まだ早い