スタンドオフ大海戦   作:統合幕僚長パンダ

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第六話〜嫌らしい敵〜

中央暦1643年 8月28日

神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス

 

 リーム王国への先制攻撃により、日本に対する背後の刃が払われた。

 これで晴れて日本本土の防衛に専念できるようになった頃、世界連合の政治的盟主である神聖ミリシアル帝国が、日本国外務省に向けて緊急打電を行なった。

 以前よりミリシアルは、グラ・バルカス帝国が大規模な作戦を展開することをスパイからの情報で予測していた。

 そしてこの頃になると文明圏外国に設置していた魔導電磁レーダーにて、グラ・バルカス帝国の艦隊がニューランド島方面へ激しく往来する様子を確認。予想が現実になったと、ミリシアルはその行く末を見守っていた。

 打電の内容は以下の通り──

 

 発 神聖ミリシアル帝国外務省。

 宛 日本国外務省

『我が海軍の海上監視部隊が、南半球の海上を行き来する多数の艦隊を確認した。艦種は機械式、魔力反応は無し。

その他多角的な情報から推測するに、これはグラ・バルカス帝国海軍による日本本土侵攻作戦の事前準備である可能性が非常に高い。

我が国はバルチスタ沖海戦以降の戦略の見直しにより、貴国には最小限の援助しか行えない。しかし、貴国の存在が空白になることは、我々世界連合にとっては大きな損失である。貴国の要請があれば、敵艦隊の斬減のため空中即応戦力を送る用意がある』

 

 内容としては、バルチスタ沖海戦以降の戦力の補填に手一杯で、とても日本の事は助けに行けないと書いてある。

 だがそれでも一部の空中即応戦力……つまり空中戦艦パル・キマイラなどの特殊兵器に関しては、日本政府の要請があればすぐに送れると言う。

 自国で手一杯な中、それでも戦力を送ってくれるとの事なので、ミリシアルとしては相当破格な援助である。

 様々な思惑があるにせよ、日本の損失を良しとしない姿勢は伝わって来た。

 だが日本国外務省は、その打診を蹴った。

 

 発 日本国外務省

 宛 神聖ミリシアル帝国外務省

『まずは貴国の警告に感謝の意を表する。

しかし、貴国からの打診に関してはお断りさせていただきたい。

こちらでは既に何週間も前からその侵攻を予測していた為、既に迎撃の準備が整っている。貴国が有する空中即応戦力……俗に言う空中戦艦による援護は、こちらのドクトリンに沿わず、予定にも無い戦力であり、我が方との連携なども難しい。

そのため、混乱する戦域にて誤射の危険が発生する。貴国の貴重な戦力に傷はつけたく無い、よって打診は不要とさせていただく』

 

 この内容に、ミリシアルの外務省はまずその中身を疑った。

 受け入れられないはずが無いと思っていた打診が断られた事は、それほどミリシアルにショックを与え、一時はスパイの放った偽物じゃ無いかと疑われたほどだ。

 だがいくばくかの時間の後、その内容の返事が本当に日本国外務省からの返答だということが明らかになった。

 

「まさか拒否されるとはな……」

 

 その文書を外務省から回されたミリシアルの皇帝、ミリシアル8世は頭を抱えていた。

 ミリシアル8世としては、日本が自国を守り切るにしろできないにしろ、援軍を送ってやる事で体裁を守るつもりだった。

 だが日本側はその打診を蹴り、不要だと言って来た。かなり言葉を濁しているが、要は邪魔だと言う話だ。

 

「どうやら日本国は、今回の本土防衛に相当な自信があるようです」

「見れば解るさ……」

 

 軍務大臣シュミールパオの言葉は、ミリシアル8世も意識していた。だが皇帝の懸念や疑問は尽きない。

 

「どこからここまでの自信が出てくるのやら……日本国の戦力は頭数が少ないが、防ぎ切ることは果たして可能なのか?」

 

 ミリシアル8世の言う通り、日本が持つ航空機や艦艇の保有数では、推定で900を超えると言われるこのグラ・バルカス帝国艦隊に勝てるか怪しい。

 確かにこれまで日本国は、ロウリアやパーパルディアなどの国家を捻り潰した。しかしそれは、日本が最低限の火砲も艦隊を持っていたから、技術力の差で圧倒していただけだ。

 今度の敵は訳が違う。

 流石にこれほど大規模な艦隊が相手では、技術力で対抗しようにも限界があるはずだ。にも関わらず、この自信はどこから出てくるのかをミリシアル8世は知りたかった。

 

「それに関しては蓋を開けてみなければ分かりません。しかし……日本国はマイカル沖で披露してみせた誘導弾や、高速のジェット戦闘機など、グラ・バルカスの教本には無い超兵器を多数保有しております。それに絶対の自信がある、と言うところでしょう」

「既に日本は、その誘導弾を用いてリームの軍事施設をわずか数分で無力化しております。これが艦隊戦力だった場合、待ち構えているだけでも迎撃の効果は見込めます」

 

 あくまで軍務大臣としての戦略性を語るシュミールパオに対し、国防長官のアグラは実績の面での補足を行う。

 その言葉を受け、ミリシアル8世は頭の中で第三文明圏の地図を広げ、大雑把な考察をしてみる。

 確かに第三文明圏の各所には飛行場の建設に適した島々が点在しているため、待ち構えて迎撃するには最適だ。

 だが、それでも誘導弾が900隻を超えるグラ・バルカス帝国の艦隊を撃滅する様子は、そう簡単には想像できなかった。そんな簡単なシナリオは非常識だ。

 

「……単刀直入に聞きたい。軍としては、今回の日本の本土防衛戦をどう活用する?」

 

 ミリシアル8世は、あくまでこの戦闘を自国の利益として利用するつもりだった。

 援軍すら断られたなら、ミリシアルはどうすればいいのかを、目の前に居る二人に問いただす。彼らはしばらく考えてから、まずアグラから答えた。

 

「……おそらくですが、今回の戦闘はどう転んでも長期戦になります。グラ・バルカス帝国の艦隊は強大ですが、日本もまた強力です。規模からして短期で決着がつく可能性は低いでしょう、むしろこの戦いはしばらく泥沼化します」

「その間を、我々は戦力の補填と再編成に充てるべきです。少なくともあと半年待てば海軍の新型戦艦が就役し、戦力化します。その他のエルペシオⅢ、ジグラントⅢの改良型、さらには陸軍の新編成なども約半年ほど必要です」

「ならば、日本がグラ・バルカスとの消耗戦が長引くことを願うべきか?」

「端的に言えば、それがベストです」

 

 アグラとシュミールパオは、あくまでこの戦闘が長引くことを願い、既にそれを見越しての再編成を行なうつもりでいた。

 もちろん、日本をある程度犠牲にすることによる踏み台戦略であることは、二人とも意識している。表立ってこの思惑を言うことはできないだろう。

 

「……分かった。ならば日本の防衛戦が長引く前提で戦略を練るべきであるな。早速取り掛かってくれ」

 

 ミリシアル8世も、そんな二人の思惑を知っている。しかしそこにはあえて反応せず、無視してミリシアルの為の戦略を見直すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同日午後

日本国 横須賀

防衛省 統合任務部隊"実政" 司令本部

 

 横須賀基地には、海上作戦センターが存在する。

 同施設は、自衛艦隊司令部が統合任務部隊の一つとして有事に即応するために設置されたもので、2020年から運用を開始していた。

 現在はJTF”実政”の司令部として活用されており、選りすぐりの幹部自衛官と幕僚たちが、寝る間も惜しんで張り込んでいる。

 彼らはシャワーやトイレなども必要最低限まで粘り、連日続報が入る展開を聞き逃さぬよう神経を尖らせている。

 

RG-23(グローバルホーク)、まもなく航続距離限界に達します。ギリギリまでSIGINT任務を続行」

「ナハナート王国、ハイラル基地より交代のグローバルホークが離陸。監視を引き継ぎます」

 

 司令部のオペレーターも監視体制を強化し、24時間体制での領域の監視と偵察を実施している。

 特に有用な偵察無人機であるグローバルホークは酷使され、2機しか居ない筈なのにこの広い領域の監視任務を続けていた。

 さらには近いうちにムー大陸派遣部隊に回していたグローバルホークも、一機がこちらに回航される予定だ。日本は本土防衛のため、厳重な監視ゾーンを作っている。

 

「まだ現れない、か……」

 

 そんなオペレーターの様子を隣から覗き込むのは、防衛調整官の三津木一佐。前回のリーム王国に対する基地攻撃において、輝かしい戦果を上げた防衛省の若きエリート。

 彼はオペレーターが操作するパソコンに映る第三文明圏の様子を見て、顎に手を当てながら考え込む。

 

「時期的に見て、そろそろ現れてもおかしく無いとは思いますが……」

「ふむ……やっぱり、どこかから仕入れた情報で俺たちのことを警戒しているのかもしれない。電撃的な侵攻はこれで無くなったと見ていいか」

「グラ・バルカスも、ようやく俺たちを強敵として認めたんでしょうかね?」

 

 オペレーターが言うその言葉に対し、三津木は少し笑いながら答える。

 

「そうだろうね。だけど、気づくのが遅すぎた。もう戦いは避けられない」

 

 日本もグラ・バルカスも、もはや引くに引けない地点にまで来ている。日本はグラ・バルカスの皇太子を返還せず、グラ・バルカスは本気で日本を叩こうとしている。

 あと一週間もしないうちに、本格的な戦闘が開始されるだろう。

 気づいたにせよしないにせよ、戦いは避けられなかった。

 

「ところで、ニューランド島辺りの通信量の方はどう?」

「今日も活発ですね。ほとんどが入港の為のタグボートとか、あるいは基地航空隊らしき航空無線ですね。あそこに基地があるのは間違いないかと」

「だろうね……流石に地盤を固めるところから始めるか」

「叩かないんですか? リームの時みたいにストライクパッケージを組めば、ここを早期に壊滅させることができます」

 

 オペレーターは三津木がリーム王国への敵基地攻撃を行ったその戦歴から、今回のニューランド島への攻撃も行うと思っていた。

 

「まだその時じゃ無いさ」

 

 しかし意外なことに、三津木には何か考えがあるのか、事前に叩く作戦を立案していなかった。

 だが、無策というわけではない。むしろ彼はグラ・バルカスの艦隊へ大打撃を与え、早期に撤退させる方法を模索している。

 今はまだ、時期尚早なだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央暦1643年 9月2日

第三文明圏 南西部海域

グラ・バルカス帝国海軍連合艦隊 第1先遣艦隊

 

 月の光が拡散する、美しい夜の海原。

 その暗い海に、無数の白いウェーキが引かれる。

 鋼鉄の大艦隊が、一糸乱れぬ陣形を敷きながら突き進む。月光が照らす限りの水平線に、等間隔で艦隊が輪形陣を組んで、空への鉄壁の構えを見せていた。

 これはグラ・バルカス帝国海軍、第1先遣艦隊の陣容である。グラ・バルカス帝国による日本本土攻撃作戦が、ついに開始されたのだ。

 

 本隊より先んじて出撃した第1、第2先遣艦隊は、合流せずに二手に分かれて日本の勢力圏へと進出。夜間のうちに日本側の哨戒圏内に突入しようとしていた。

 チエイズ王国で補給を済ませ、出発したグラ・バルカス帝国第1先遣隊が行動を開始した。グルート騎国から出発した第2先遣隊とは、既に同時攻撃を仕掛けようとしている。

 総数は、両艦隊合わせて400隻以上。

 その頭数だけでも、日本にとっては脅威となる存在だった。

 

「……壮観な光景ね」

 

 そう呟くのは、航海中に全く寝ないで艦橋に張り付いているミレケネス大将だった。

 旗艦となるグレード・アトラスター級の二番艦〈バルサー〉に乗り込み、艦橋で水平線の先を目を凝らして見つめている。

 

「司令、今のところレーダーに目立った反応はありません。先行させた司令偵察機も同様です。しかし、ここから先はニホンの勢力圏ですゆえ、どうなるかはわかりません」

「夜間でも全く気が抜けないわね……寝不足にならなければ良いけど」

「水兵達は交代できますが、我々は中々交代できませんからね……」

 

 参謀長デルンジャの言葉に、ミレケネスはため息を吐くように愚痴を吐いた。

 実際問題、将校クラスの寝不足はここのところ深刻だ。日本の誘導弾を警戒するあまり、寝ている暇もない。

 ミレケネス率いる第1先遣艦隊は、日本の勢力圏を突破しアルタラス島北部に展開。日本側の迎撃戦力を誘引することを目的としていた。

 監査軍No.2のアウロネスが率いる第2先遣艦隊の方は、アルタラスの南部に展開し、同じく敵を誘引する。その隙に、本隊が別ルートでの戦線突破を目指す。

 これが表向きの作戦目的だ。

 そう、表向きは……

 ミレケネスは自らこの無謀で危険の伴う作戦を立案し、それに志願している。この場にいる将兵達も、同じ覚悟を決めていた。

 例え自ら囮を買って出たとしても。

 

「……私はただでは死なないわよ」

 

 ミレケネスは海の先、日本がいるであろうその海域を睨み、そう言った。

 先遣艦隊の本当の目的……それは敵情の把握だ。

 日本側の誘導兵器の脅威を感じ、当初の作戦より地盤を固めることを優先した連合艦隊だが、日本側の作戦配置の予想には苦労していた。

 何せ自分たちのドクトリンとはまた違う、未知の軍隊の部隊配置だ。距離が遠いこともあり、飛行場の数も正確には把握できていないため、航空攻撃による奇襲もあり得た。

 そこでミレケネスは、監査軍の部隊を主力として威力偵察を行うことを自ら進言。一部の反対はあったが、最終的にはそれが採用された。

 今こうして彼女らが、危険を顧みずに進軍を続けるのはそれが理由である。

 

「これだけ艦隊が揃ってても不安ね。ニホンがどれだけの力を持っているのか、本当に侮れないわ……」

「ほ……報告!」

 

 その時、通信士が報告を叫ぶ声を聞き、艦橋全体に緊張が走った。

 

「上空の司令偵察機が、北東に大型の機体を一機発見しました! 距離400kmほど、正確な方位は062、高度は……11000です!」

「なっ、11000!?」

「単独なら偵察機……おそらくグティマウンと同じ、高高度特化型の機体ね。奴らも航空機技術に長けていると見えるわ」

 

 相手の高度に驚くデルンジャに対し、ミレケネスは納得したようにそう言った。

 

「全艦対空戦闘! 敵偵察機、および敵の空襲に備える! 艦隊は北上し進路を欺瞞しろ」

「了解です! 総員、対空戦闘用意!」

 

 敵偵察機の出現を受け、艦隊全体に警報が鳴らされた。寝ていた水兵達が飛び起き、急いで廊下を渡り、対空砲群に配置する。

 

「戦闘配置完了!」

「デルンジャ、今は夜間だけどニホン軍に夜間攻撃能力があると思う?」

「あるでしょう。誘導弾や無人機を主力兵器とするならば、夜間でも適当に飛ばすだけで敵を攻撃できます。そして、あの偵察機がその目となる機体だとすれば……」

「機上レーダーなどで、私たちはすでに発見されてそうね。ならば我々の位置は、もう既にニホンの攻撃圏内……」

 

 ミレケネスはついに来た緊張感に頭を抱えるも、すぐさまネガティブな考えを振り払い、思考を切り替えた。

 指揮官たる自分が臆していれば、そのネガティブさは将兵達に拡散していく。それは彼女の立場からすれば、あってはならなかった。

 

「敵偵察機、急速に接近中!」

「識別しに来たか……迎撃用意、撃ち落とせ!」

 

 敵偵察機は接近してきた。

 どうやら機上レーダーに移った目標の識別を行うようであり、艦隊の防空識別圏へと突入していく。

 無論高度は変えず、むしろさらに上昇して高みから見物しようとしていた。

 残念ながら、夜間なので戦闘機は出せない。出せない上に、もし出撃したとしても高度12000以上の敵機にはとても届かない。

 もどかしい状況が続く。

 

「ダメです……あの高度ですと対空砲は届きません、高角砲も無理です」

「主砲の三号対空弾なら届きますが、今度は発射速度が……」

「ほんっとに嫌らしい敵ね……!」

 

 ミレケネスは歯軋りをしながら、そのまま艦隊上空を通り過ぎていくグローバルホーク無人偵察機を睨みつける。

 グローバルホークの方は、識別を完了するとまた距離をとって退避していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

ロデニウス大陸 南西地域

陸上自衛隊 西部方面特科隊

 

 西部方面特科隊は、陸上自衛隊の中で主に火砲やロケット兵器を扱う部隊である。自衛隊内では"特科"と言われ、他国で言う砲兵に当たる専門部隊だ。

 そんな西部方面特科隊には、最近になって強力な長射程兵器が配備されていた。島嶼防衛の要として開発された新兵器、"高速滑空弾"である。

 

「発射準備完了しました」

「ふぅん……そうか」

 

 特科隊指揮官の小坪は、部下の準備完了の合図をつまらなそうに受け取った。

 彼はロデニウス各国がほとんど禁煙政策を採っていないのを良いことに、タバコを吸いながら作業の指揮をしている。

 自衛官の態度としてはあまり良い方ではないが、これでも指揮能力と上官からの評価は高かった。でなければ虎の子の長距離射程兵器を任されたりしていない。

 

「既にグローバルホークからのターゲティング情報が来ています」

「よし……ならまずは戦艦だけ狙って、一台だけ使おうか。発射間隔は90秒くらい開けよう。あくまで警告だから、最大限の恐怖を与えないとね」

「了解しました」

 

 陰湿な顔つきと喋り方をする小坪は、あくまで警告だからとして残虐な命令を下した。部下は彼の態度に慣れているのか、特に気にすることもなく発射に取り掛かる。

 既にこの高速滑空弾を装填した重装輪車両は、発射器を上空に向けた状態で待機していた。一台につき発射器は二つ、車両の方も大型だった。

 

「てぇーーーーっ!!!」

 

 部下が指揮所で発射ボタンを押すと、即座に重装輪車両のランチャーから大型のロケット弾が放たれた。

 そのロケット弾は、まるで軌道上に投入されるかのように高速で上昇していき、そしてほぼ真上の高度10万メートル以上に到達する。

 

 高速滑空弾の特性は、一度高高度に昇ってからの音速急降下だ。

 一度打ち上がってしまえば、後はグライダーのように滑空して目標へと突入していく。最初の打ち上げ以外にロケット推進が必要ないため、高高度に上がれさえすれば射程はかなり長くなる。

 この高速滑空弾は、改良型のblock.2モデル。その最大射程は2000km以上にもなる。超音速の敵基地攻撃能力だ。

 

 そしてこの打ち上げられた一発の滑空弾も、最大高度に到達すると、ブースターを切り離して滑空飛行に入った。

 グローバルホークからの偵察情報を得て、水を得た魚のように蛇行しながら優雅に滑空していく。

 その飛翔速度は音速を超え、マッハ5という超速で第1先遣艦隊へと向かう。その中心にある旗艦バルサー、そこに狙いを定めて。

 

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