「あれ~、倒しちゃったの?」
そこに響く声はどこか幼く自信に満ちた、クソ生意気なガキの声だった。
弓型の《固有霊装(デバイス)》を持ちながらどこからともなく姿を現したのは…
「桐原君…」
「ん?あれ、まだ君学校にいたんだ。黒鉄一輝君」
少年の名は桐原静矢。
一輝と”元”同じクラスの『首席入学者』にして、前回の七星剣舞祭の元代表者だ。
周りにはかなりの人が集まってきている。
相当な人気者らしい、とてもさっきまでテロが起きていたなんて分からないくらいだ。
「何でまだ学校にいるの?一輝君」
目を細め、嘲笑うかのような視線を送ってくる。
この表情と言葉に対して雫珠とステラが怒りをむき出しにする。
「さ、行こうか?皆。今日はもう遊べないからね」
すると、人質の方から何人かの少女達が桐原の方へ歩いて行く。
何故か後ろめたそうな表情をしてこちらを見ない。
感謝はしていても、話しかけにくいという感じだ。
でも、皆の不満を軽く吹き飛ばす一言がどっかの誰かさんから放たれる。
「え?お前何もしてないのに何でそんな偉そうなの?まさか頭悪い子?」
「なっ…!!」
サラッと猛毒を吐く翼に皆の視線が行く。
確かに何もしていない桐原が先輩面をしてこの場にいることはおかしいのだが、あの音もなく神出鬼没な能力を見ると皆が皆、ビビッて大抵は何も言えない。
だが、それを言ってしまえるのには理由があって…
「誰だい?君。随分と生意気だね。」
「いや、だって普通そうでしょ?お前何もしてないじゃん。」
「確かに、お礼もなく消え去るのは頂けないですね。そこの女どもも礼儀がなっていないようで。くっつけているもとが”あれ”なら分からなくもないですが。」
ここで、リタイムも参戦してくる。
リタイムに関しては、助けてもらったのに”ありがとう”の”あ”の字も言えない女性達にだが。
「それは別に良いんだって、俺はあの子供と子供の母親を助けられれば良かったんだ。そこら辺にいるのは全員おまけ。」
「翼が言うなら、”ここでは”引きましょう。」
そう言って、食い下がるリタイムだったが相手の方は食い下がらない。
女性の方は何となく申し訳なさそうな雰囲気を出しているが、桐原は全く引く気が感じられない。
むしろ、持ち続けている《固有霊装(デバイス)》に手をかけている所だった。
「今年の後輩は生意気が多いな、”ある程度速い奴”と”惨めに歩む奴”。どれも虫唾が走るやつらばかりだ。」
静かに弓を引く…
「ここで少し痛い目に会ってもらおうかな。」
そこで、引いた矢を手放す――――――――ことはなかった。
何故なら…
「”ある程度速い”?”惨めに歩む”?」
手放した弓に対して”初速”で追いつき、魔力で作られた弓矢を素手で握る者がいたからだ。
クリーム色の髪に、鋭い目つき、襟足を細く束ねる男が…
「それのどこが虫唾が走るって?」
今にも、殺されそうなほどの怒りを爆発させた翼が桐原の目の前にいた。
翼はもう《固有霊装(デバイス)》を手元に出現させている。
――――― 今にも殺せるぞ ―――――と言っているのだ。
「次はねぇぞ?」
「……っ!!」
「帰れよ、今日はお前の顔は見たくねぇ。」
「言われなくても帰るとこだったよ…」
ここで、本当の一件落着だった。
「翼さん?でいいのかしら。改めて宜しくお願いします。黒鉄珠雫です。」
「私はアリスでいいわよ。翼君」
「私の名前はわかるでしょ?ツバサ。ヨロシクね?」
「あ、あぁ。皆ヨロシク」
「どうしたんだい?片言になってるけど…?」
「妹、男、外人。この覚え方で良いと思うか?一輝。」
「うん、ダメに決まってるよね。」
「だよな。ゆっくり覚えていこう、うん。そうしよう。」
色々な種類の友達ができたと思ったら次は学生証が鳴る。
この学園の学生証は電子で出来ているので、携帯と一緒みたいなものだ。
翼が何で携帯を持っているのかは、師匠と連絡を取るためだ。
一輝にも色々な事情があるのから持っているのだろう。
そこに記されていたのは…
『七星剣舞選抜 第一回戦 白帆翼VS桐原静矢』
ここからペース上げるぜぇぇぇえええ!!!!
なんせ、早く七星剣舞を書きたいんだ。