テイムした魔物達を魔道具で武装させることにした俺達の話   作:電脳図書館

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待望の三作目です。二次創作を許可して下さったゆっくり霊沙様に感謝いたします。第一話をお楽しみください!


転生と出会い

突然だが俺は転生者である。いや痛い奴じゃないって!マジもんです!

転生先の世界は所謂ラノベの中世ファンタジーで生を受けたのはフレデリック王国という国の辺境にある片田舎、リュウコ村のとある平民の家だ。

文明レベルでは前世の現代の方が高いがこの世界には魔法がある為一部で、独特の文化も築かれている。こんな世界だから貴族や王族の生活に興味が無いと言えば嘘になるが、それを日常にするとか胃が死にそうなのでこれで良かったと思う。

 

それにただの平民の家という訳ではない!あのファンタジーラノベで定番と言えるマジックアイテムこと魔道具の作成を生業とする家だったのだ!いやーこれ知った時は嬉しかったな!別に転生者だからってRPGのような勇者になりたいとは思わないが、自分自身の魔道具を作るロマンに惹かれ幼い頃から両親に修行を付けて貰っている。ゆくゆくはこの村にある実家の店を継ぐと決めて・・・

 

『俺達は王族が保有する勇者召喚の儀式を転用した召喚魔法で呼ばれたから才能:勇者やで』

 

「マジか!?」

 

とまぁそんな具合でこの国の第8王子に転生した(というか転生の魔法作ったのもこの人)大皇帝ニキの尽力で作り上げた魔法『掲示板』でのやり取り自分以外の転生者の存在と転生者で作られたコミュニティに入ることになった俺は大皇帝ニキが将来貰う領地で生活するという新たな選択肢が生まれることとなった。

 

才能:勇者が集まるのだから発展するのは間違いない領地、それゆえに面倒事も起こるだろうがリターンを考えれば十分プラスだし、何より同郷の転生者の皆にリアルで会いたい!という欲もあるのでほぼ行くことになるだろうと今から準備を進めて置こう。幸い小さい頃から魔力を使う魔道具作成の修行や手伝いをしていたのでレベルは6になっているので、修業などはこのままやりつつ並行して村周囲のスライム退治をやっていけばそこそこのレベルになってくれるだろう。

 

え、戦闘と生産活動で疲労が二倍にならないかって?戦闘は兎も角生産活動はロマンでプライスレスなので大丈夫なのです!とかやっている間に数年経った。

このころになると大皇帝ニキから掲示板で教わった魔法の殆どを修得し、両親達に比べればまだまだだが小金になる魔道具や自分用のマジックアイテムを作成出来るようになったので狩りの効率も上昇し、レベルは15にまで上がっている。

 

あともう数年すれば大皇帝ニキが領地を貰って夢の魔道具販売で生計を立てるスローライフが待っている!と息巻いていたが・・・俺は忘れていたここがファンタジー世界の辺境の片田舎だということに。

 

「ゴブリンの集団だ!略奪に来やがった!!」

 

村の見張り台から鳴る半鐘の音と見張りの大声で昼飯を食べる手を止める。魔物の襲撃、他所の村では割と頻繁にあるらしいそのイベントはこの村では少なかったりする。

 

「親父、ゴブリンってことは」

 

「ああ、恐らく遠征しに来た略奪部隊だな。ゴブリンは獣よりは頭が回るからここら辺のゴブリンはこの村には攻めて来ない」

 

この村は俺達の家があるお陰で魔道具が他の村と比べても遥かに潤沢にあり、生活に浸透している。特にここが辺境と言うこともあり防衛施設や自警団の装備に関してはほぼほぼボランティア的値段で戦闘用魔道具を卸しているし、個人的に購入するもの多いので生活水準は勿論防衛力でも頭一つ抜けていると言っていい。

ゴブリンの集団程度余裕で跳ね返せるので地元のゴブリンがここを襲う事はほぼ無いといっていい、そう考えるとここを知らないゴブリン集団という可能性が一番高い・・・とはいえその場合厄介なこともまた出て来るのだけど。

 

「取り敢えず俺は装備を整えたら壁に向かうよ!」

 

「まだ7歳でももう立派な戦力だものね。私達は一旦村長の元に行くは、でも気を付けなさい部隊単位で遠征出来るということは」

 

「分かってるよ。十中八九リーダーはゴブリンの上位種だ!」

 

御袋の考え通りゴブリンだけでは幾ら数が増えようとも長期の日程が掛かる遠征は行わない。純粋にそこまで頭が回らず近場で済ませるというのも理由の一つだが、最大の理由はゴブリンの性質上統率を行なうのが非常に難しいことが挙げられる。

 

つまりのゴブリンの遠征略奪部隊のリーダーは計画を立てられる頭とゴブリンを統率出来る力が求められる・・・それを可能にしている以上リーダーはゴブリン以上の頭と力を持つゴブリンの上位種と考えるのがこの世の(辺境の)常識となっているのだ。そしてゴブリンの上位種となるとレベル的には今の俺よりも格上だが装備や戦術しだいでタイマンでも如何にか出来る範囲だ。

それに最悪皆で囲んで叩くという最強戦法も取れるので問題はないだろう。

 

「お、来たか坊主!」

 

「門番さん、敵の数は!!」

 

『ギャー!ギャー!!』

 

「軽く数百匹はいやがるぜ。まぁ見た所平均レベルはこの村近くに出る魔物とそう大した差はない(ダンジョン第二層レベル)のが救いだがな!」

 

下手な城壁より立派な村を囲う塀、通称壁に上ると引退まじかの兵士みたいな風貌の老年の男性にゴブリンの数を聞く。門番さんというのは彼がこの村で数十年門番をしていることからの渾名である。

 

「取り敢えず俺達自警団で押さえているが兎に角数が多くてな。俺達は囲まれてもどうとでもなるがこっちの防衛線を抜けてこられたら厄介だから防戦一方に成っちまってる」

 

「了解、なら俺含めた年少組が相手を混乱させますのでその後切り込んで下さい」

 

「頼む。お前ら聞いてたな!ガキどもが揃うまで押し止めろ!!」

 

『おおおーーー!!!』

 

自警団の踏ん張りで俺以外の年少組が集まり魔道具による援護が開始される。

 

「よし、皆自警団のおっさん達が巻き込まれないようになるべく遠くに投げろよ?そんじゃ魔石手榴弾第一投いくぞー!!」

 

「「「「ふっとべーーー!!」」」」

 

『ギャーーーー!?』

 

俺の声掛けに合わせて年少組が一斉に手に持った物体を投げ入れるとゴブリン軍勢の後列に複数の爆発が起こりゴブリン達が宙を舞う。

この魔道具は俺が初めて作ったオリジナルの魔道具で、初めて一から作る為構造はシンプルで手入れとか考えなくていい消耗品をチョイスした。

 

それで出来に関しては残念ながらそれほどいいとは言えない。デザインはピンが刺さった黒い筒状の物体でそこまで奇抜さはないし、中身はピンで区切った液体と魔石が収まっているだけだがこの魔石に細工がある。

元々魔道具に魔石は必須、更に魔石の魔力が尽きると使用者の魔力を注いでチャージすることで再度使用出来る。

イメージ的にはバッテリーみたいなものだ実際バッテリーの様にチャージを一定回数以上行えば魔石そのものを交換する必要もあるしな。

 

そしてこの手榴弾は内部の魔石に手を加えて過剰に魔力を溜め込むようにしている魔石の外殻を保てるかギリギリのラインだ。

そしてピンを外すことで区切られていた液体が流れ込む訳だがそれは、俺達魔道具職人なら誰しもがお世話になる基本材料の一つである「魔力伝達液」だ。これを塗ることでその物体に魔力が伝達しやすくする。

 

そんな魔力と反応する液体をギリギリ外殻を保っつている魔石に触れさせればどんな反応を起こすかは見ての通りだ。とはいえ魔石を其の都度消費するというコスパの悪さと爆風と光は派手だが威力はそこそこで純魔法使いの攻撃魔法と比較すると威力が微妙(辺境基準)なので失敗作とは言わないけど微妙な品ということになる。それこそこの辺境の様に

 

『あ、魔石が少なくなってきたな。ちょっと近場で取って来てくんない?』

 

『しゃーねぇなー、薬草採取のついでに取ってきてやんよ。その代わり今度飯奢れよ!』

 

『悪いな!』

 

みたいな会話が日常的に成立する程周りに魔物がありふれていてそれらを倒せる人材がいる環境が必要になるだろう。

 

「毎度思うけどこれを最初に作った兄ちゃんって相当・・・」

 

「はいそこ余計な事言わない!!戦列が崩れ出したから俺は自警団と一緒に追撃する。ここの警戒は任せるぞ!」

 

「「「「はーい!」」」」

 

年少組は俺を頭として動いてくれているので素直に指示に従ってくれる。

まぁ追撃もサクッと終わったんですけどね!因みにリーダーはレベル20のホブゴブリンだったのだがレベル64の門番さんとタイマンするというクソゲーの前に遭えなく散ってしまった正直同情する。

 

俺も初めてスライム以外の魔物を相手したが周りに味方が多いので左程緊張はせずに数十体を狩ることが出来た。半分以上魔石手榴弾の戦果だけどレベルは20に上がったので万々歳!なのだがリーダーを撃破した際十数体のゴブリンを逃がしてしまったので「ゴブリン相手なら大丈夫だろ!」と各自別れて追撃は続いている・・・え、先程サクッと終わったと言ってたって?そりゃお前今目の前にゴブリンの死体の山が築かれているんだからもう終わってるだろ。やったの"俺達"じゃないけど。

 

「で、アンタがやったんかい?」

 

「・・・」

 

言葉は理解しているようだが口を閉ざしてこちらにバックラーを構えカットラスを向けるリザードマン。

ここら辺では見ないが大皇帝ニキの情報でその存在は知っていた。緑色の鱗を持ち、身長は二メートル程で武器を使って戦う水陸両用の魔物だ。まぁ目の前にいる個体は鱗が"赤い"し、身体も二回りほど大きく戦いの構えも人間の戦士を思わせるほど洗練されているのだが。

 

「どう見てもリザードマンの上位種じゃないか(白目)」

 

半ば諦めたように『鑑定』を使って見る。ほうほうレッドリザードマンというのか、リザードマンに比べてステータスが高いのは当然として苦手としていた雷、炎属性の内後者に耐性を持って克服した上に炎属性の魔法も使ってくると。

元々水属性の魔法だから二種類使えるとうわ面倒・・・ん?

 

『歴戦の』レッドリザードマン Lv32

 

ぶっちゃけレベルから非常に目を逸らしたいがその前に『鑑定』さん『歴戦の』ってどういうこと?

 

歴戦個体

通常上位種はその上位種同士の交配で生まれることが殆どだが稀に下位の種族が経験値を積み上げ自力でランクアップした個体が現れる。

そのランクアップの過程で格上を複数回打倒している場合低確率で獲得出来る称号。この称号を持つ魔物は同種にはないスキルを所持し、ステータス全体が強化されている。

 

「はぁ?」

 

『鑑定』さんの説明に気絶しそうになるが如何にか意識を保つ。

試合開始前に気絶して堪るか!・・・でもこれタイマンでやれるのか?自作の魔道具装備である程度レベル差は誤魔化せるけど流石に12レベル差はエグイって、ホブゴブリンが直面したクソゲーよりはマシだけど。

かと言って格上相手に逃げるなんて無理だしやるしかないんだけどな!糞が!こうなれば採算度返しの最終手段だ。

 

「魔道具による初見殺しを絶え間なく浴びせてHPを削り切るしかねぇ!うおおおおこの数年の研鑽の成果をみせてやる!!」

 

「・・・それでいいのか人の子よ」

 

「キャーシャベッター!?!?」

 

これが人生の相棒となる魔物との出会い、そしてこの俺、スティーブン・クラフトことクラフターニキの物語の始まりである。

 

 

 

あ、別に身体は四角くないですよ?




読了ありがとうございます!レッドリザードマンとの戦闘は次回になりますのでお楽しみに!

リュウコ村
王国建国時に持ち上がった辺境開拓計画の生き残りが集まって生まれた集落の一つ。歴史は意外と長く現在もその子孫が住んでいる。
計画自体は辺境の魔物達の強さと数の前に移住民の8割が死亡or行方不明になったことで頓挫したがこんな所でも適応する奴らが現れるのが人間の強みであり、怖い所。住人は全て人間であるがこれは別に人間以外を差別しているのではなく元々計画自体が適応能力の高い人間の移住民から住んで見ようという所から始まってその段階で中止されたから。

中止当初は将来一方的に計画を中断した王国に恨みを持って害を成すのではと噂されたが数年後に普通に辺境の魔物達をぶっ倒してレベルを上げて移動できるようになった村の住人が王都に交易に来たことで払拭された(辺境の魔物の強さを知る者達は引いていた)。

この村では年齢一桁の子供でも例え戦闘が苦手な女児であってもゴブリンとタイマンしても倒せたり、男子の成人の儀として単独で一日の間に成人の歳と同じ数すなわち10匹のゴブリンを討伐するというものが過去存在した。
現代では廃止されているのだがゲン担ぎとして毎年かならず一人はやって来る奴がいるのでリュウコ村周囲しか生息出来ないレベルのゴブリン達にとって人間の子供はある種のトラウマとして子々孫々に語り継がれている。

辺境
辺境は数あれど基本的に王国ではリュウコ村のある地域を指して使われる。
場所としては世界地図で見てフレデリック王国とフット帝国の国境線に置いて明らかに帝国側に占領を避けられて周囲を囲う程度済ませられている地域が該当する。避けて通る理由は幾つかあるが、一番の理由は魔物の強さである。
リュウコ村の周辺ですらダンジョン二層レベルの魔物が普通に徘徊しており、辺境の中心部に進むほど脅威度と魔物平均レベルが跳ね上がる。

更には昔王国に向けて進軍していた帝国が事前に王国との協議で主戦場と定めた場所に向かう為にこの地域を進軍した所主戦場にたどり着く前に壊滅したという記録も残っている。しかし中心部に行くほど希少な素材を採取でき、更に閉山した国内有数だった鉄鉱山に変わる鉱山も発見されている。

しかしリュウコ村が採掘している比較的村に近い鉱山でも中は見事に鉱石を好んで食す魔物の巣窟となっており魔物平均レベルは30、ちょっと上振れただけで平然とレベル40以上の魔物複数と対面する危険がある為リュウコ村でも腕利きの自警団に護衛して貰いながら一度に数時間程度しか採掘出来ないほどなのでとてもではないが国の需要を満たす鉱石の安定供給など出来はしない。
そんなこんなで王国は開発したくても出来ない、帝国は戦力的、トラウマ的に関わりたくないという理由で双方の国を悩ませている。
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