テイムした魔物達を魔道具で武装させることにした俺達の話 作:電脳図書館
「戦争より5層攻略に戻りたいのだが(白目)」
「私としてはバッチこいなのだが・・・」
「カメー」
4層の攻略を終え、落胤英雄ネキと共に5層を攻略していたのだが戦争が始まると言うことで仕方なく、仕方なく、仕方なく!戦列に加わった俺だが任されたのはヤクの森のIポイントと言われる所だった。他にもDポイントとかあったのだが元自ニキ曰く「クラフターニキは、銃使うよりも自作の魔道具使った方が強いから」という理由で鉄条網が無いポイントに配置された。
「おー来た来た。よし、まずは亀吉いったれ!」
「カメー!!」
「『任せろ』だそうだ」
事前の話し合いで、俺達が先鋒を務めることになったので亀吉に攻撃を指示する。
亀吉はレベルを上げ40レベルまで達している。そして如何やらウッドタートルのレベル上限は30だったようで、35レベルで進化した。現在は『ビッグウッドトロピカルタートル』という種族だ。どういう種族かというと全能力の向上は当たり前としてビッグというだけあり、全体が進化前より二回り大きく実る木の実も最初からあったリンゴっぽい果実(如何やら出身地で実る木の実は変わるらしい、環境によるのだろうか?)の他にブドウとバナナっぽい果実の二種が実るようになった。
ウッドタートル系の凄い所は実る果実が、丁度食べごろの熟した状態で初めから実るのだ。
リンゴは最初から赤いし、バナナも黄色なのだ!しかも外的要因でもない限りその品質を保ち続け、決して腐らないという冷蔵庫要らずの食料革命的なことを種の能力として獲得している所だろう。
実際ブドウを使ったワイン造りを俺達の中でも料理バ、ゲフンゲフン料理愛好な奴らと一緒に進めていたりする。
後言語は発せないがこちらの言語は理解出来る頭もある・・・この種をテイムする需要が増えそうだな。
さて、話を戦争(笑)に戻そう。
「カッメ―!!!!」
「じ、地面が!!!」
「あの魔物の仕業、ま、待て落ち着け馬よ!あああー!!」
「馬鹿ないつの間に地面が沼地に!?」
亀吉がドシーンと地面を足で踏みつけると、相手の軍勢の足元が地震の様に揺れる。立っている者は尻もちを付き、騎乗していた者は落馬する。
そしてこっからが亀吉が発動したスキル『土壌変質』の恐ろしい所だ。
このスキルはその名の通り対象の土壌を様々な性質の土壌に変質させる農家垂涎物のスキルだ。その土壌では絶対有り得ない土壌に変質させることは出来ないものの、逆に言えば可能性があればどんな土壌にでも変えられる。
今回はそのスキル範囲を俺が、事前に用意した装飾品型の魔道具により対象範囲を向上させて一軍を範囲内に収め、その範囲内の地面を沼地に変えたのだ。
「よし、これで機動力は奪ったな。悲惨な奴は足だけじゃなくて顔面ダイブして窒息しているが、まぁどうせ死ぬまで誤差だしいいか」
「カメー」
次は俺の番だ。俺のレベルは46にまで上がっているが、今回は相手と刃を合わせる予定はない。戦争が始まると言われ、キレた(素材収集が出来なくなるのが主な理由)俺が作った広範囲殲滅魔道具の出番だろうと『縮小』を解き、懐から取り出す。
「吹き荒れろ『芭蕉扇』!!」
西遊記でお馴染みの芭蕉扇を模した大きな芭蕉の葉型の扇の魔道具。
当然ではあるがまだ俺の腕ではその性能の完全再現など無理なので、鉄扇公主と金角・銀角兄弟が、それぞれ持っていた芭蕉扇という同名の扇の性能の一部を併せ持った性能をしており、仰げば強力な風と炎が同時に吹き荒れる広範囲殲滅魔を可能とした戦争用の運用コストを無視した魔道具だ。
まぁ魔道具単品で高度な合成魔法を使用者が素で使えなくても行使出来るようなものなので、そう考えれば安い消耗だろう。
「そして使い慣れればこういう事も出来る」
「扇から風と炎が吹いて・・・いや、あれは火災旋風だと!?なんて大きさだ!!」
この様に使い慣れればただ風と炎をぶつけるだけでは無くある程度、自由に動かせる空を見上げる程の巨大な火災旋風を複数起こすことが出来るようになる。これにより、敵をより的確に狙えるようになるのと周りに木々に燃え移らないように制御することも可能だ。
「さぁ、薙ぎ払え!」
「ギャアアアアーーー!!!風に腕が切られて、アチイイイイ!?」
「風で身体を切断し、其処から火あぶりだと!?貴様それでも人間「煩い」あ、風が、まままってアアアアアア!!!」
火災旋風が戦場を切り刻み、燃やして行く。このまま殲滅、しちまうと皆に経験値が行き渡らないよな?それに燃やしてばかりだと人間の素材がダメになるし。
「さて、露払いはこれでいいか?何かもう6割消えている気がするが、この軍勢の指揮官っぽい奴は生きてるから大丈夫だろ。お前ら!経験値と手柄の稼ぎ時だぞ!なぁに敵軍を足を止めてるんだ!止まってる的なら数撃ちゃ馬鹿でも当たる!魔法とか何でも撃ちまくれーー!!!」
「「「「「「「「おおおおおーーーーー!!!!」」」」」」」」
「よし、後は紅玉の仕事次第だな」
士気を上げつつ、いつの間にかいなくなっている相棒の仕事が成功をすることを祈っていると魔法がバンバン地面に降り注いでいた。
あ、あと妨害だけでは無く敵を倒したかったのか、亀吉も獣の牙の様な形の鋭い地面を複数隆起させて、敵を串刺しにする土属性の魔法『アークファング』で攻撃している。これも魔道具で効果範囲が上がっているので、結構敵兵を串刺しにしていた。
「終わらせて来たぞ」
「おう、悪いな暴れさせてやれなくて」
少しすると紅玉が"地面"から現れた。彼女の鎧は実家の辺境にある川と砂漠エリアに存在する水生魔物と砂漠を泳ぐ砂生魔物の素材を掛け合わせた物で、純粋な防具の性能の高さと身軽さだけでは無く、リザードマンの強みである水中活動の補助、そして地中を水中の様に泳ぐことが出来るようにしたり、水中に居る時のみ使えるスキルを地中でも使えるようになったりなど便利機能を搭載している。
とはいえ水中活動に慣れている紅玉でさえ、少々コツがいるらしく、種族的な適性や水中活動に慣れていない人間が同じ魔道具を装備しても使いこなすにはそれ相応の訓練が必要になるだろう。
「構わん、私も奇襲で攻撃してみたが学ぶ技も無い者達だったからな」
「そうか、それで捕虜に出来た?この軍勢の幹部クラスの奴を確保したかったけど、ここの戦力見た時手を打たないと全員消し炭になりそうでな」
「一人捕らえたぞ。人間の騎士の雌だが奇襲を終えた後の攻撃とは言え、私の攻撃を二合耐えたぞ。指揮官の様な男の近くにいたから側近なのではないか?この軍勢の騎士の中では一番強そうだったな」
「へー、まぁその指揮官はさっき上から降って来た石柱に押しつぶされて死んでたが、側近ならいい情報源になりそうだ。実験にもなる」
紅玉のレベルは57とどっちが主従か分からないレベルなので、それを二合持たせるとはやるな。紅玉が地面から引っ張り出したまだ息のある女騎士に『鑑定』を使用する。
名前 アリシア・グローデェン
種族 人間
状態 重症
LV 50
「ほう、20代前半にしては優秀だな。紅玉は手足押さえとけ『ハイヒール』!」
「う・・・ここは!」
『ハイヒール』で目を覚ました女騎士は、直ぐに状況を察し暴れようとするが紅玉に取り押さえられているので、意味を成さない。
「ご想像通りアンタから見たら敵陣だよ。要は捕虜だな」
「く、だが私は情報は喋りはしない!さっさと殺「あーはいはい、くっころ展開とかいいから」がぁ!?貴様何を埋め込んだ!?」
「『寄生の種子・改』だ」
俺の地元の辺境は中心部に向かうほど危険度は増すが、外縁部よりも内側に入ったエリア辺りで遭遇する『マリオネットツリー』という植物型の魔物は、他の動物に『寄生の種子』という種子を埋め込み、寄生させ隷属することで自分を護衛させるという習性を持って居た。これはその種子を改良して作り出した物で、製作過程で俺の血を入れることで俺を主人として隷属されるはずだ。魔道具というより錬金術の技術に魔道具の技術を応用して作った感じになるが。
「隷属・・・!?があああああ!?」
「少し身体を弄っている。死にはしないさ、舌を噛み切ろうとしても神経を既に浸蝕しているだろうから身体は動かせないしな」
「使って良かったのか?確か実物は一つで、その作成に一年くらい掛けていたと思うが」
「構わないさ。俺だって善良な人達にこんなものは使いたくないし、かといって其処ら辺の賊に使うのも勿体ない。今回は丁度良かったよ」
どの道素材となる寄生の種子はもうないので、今の所は作れないし、理論上は勇者として魂が強靭な『俺達』や自分よりレベルが上の存在に種子を植え付けても枯死するはずだ。
因みに今の俺のレベルはさっきの『芭蕉扇』乱舞で既に軽く50の大台は超えているので問題は無い。
「あ・・・あ・・・、ウーザ、様」
「ウーザ?ああ、もしかして指揮官のことか?ならさっき石柱に潰されて死んでたが」
「そ、そんな・・・」
指揮官の死を告げると等々心が折れたのか、抵抗を示さなくなった。
「隷属と言うがどれくらいのレベルなのだ?」
「さぁ?元の奴はゾンビ並みに知力とか下がるから良く分かっていない。でも『チャーム』と違って隷属された者が死ぬ命令を出しても実行したり、家族が呼び掛けても効果が無かったとは聞いたな。俺が作ったのは色々改良して、元と変わらない知性を保つようになっているからそれでどれくらいのレベルかは分かるだろ」
「ふむ・・・起きた様だな」
完全に寄生が完了したのか、アリシアが起き上がった。さて、どれほどになって「あ・・・」あ?
「あ・・・ありがとうございます!!偉大な"神"よ!貴方様のお陰で私は偽りの運命から脱却することが出来ましたわ!!」
「「え」」
「ああ、なぜあのような下らない教えを信仰していたのでしょう・・・真の神は、主は目の前にいたというのに!!今までの信仰など主に真の信仰を捧げる為の踏み台だったのですね!」
「「・・・」」
俺達の想定を遥かにぶっ飛ぶ勢いの隷属の強さに二人して目が点になる。俺、隷属の力は弄っていないはずなんだけどな?口調も変わってない?え、これが素?
「情報ですか?勿論お話します!こう見えても側近の騎士、ヘンリー男爵の機密もほぼ存じていますわ!あ、文章に書き起こしましょうか?」
情報の聞き取りは引くほど順調に進み、今回のこととは何の関係もないが重要な情報と機密が出るわ出るわ。
「この軍勢の指揮官のウーザ様のことですか?軍歴30年のベテランでこの別動隊の指揮官に任命されていました。あと私を愛妾にして頂きましたわ。とはいえまだ私は若いので変なやっかみを避けるために、功績を上げるまでは公表しないという方針でしたが・・・え、今も愛しているか?嫌いではありませんが私の愛は今では全て主に捧げておりますので、それに主のお仲間に討たれたことはウーザ様に取っては誇ることでは?」
「私の願いは主の望みを叶えることですので、どうぞご命令を。必要とあらばこの場で命を絶ちますわ」
「「ああ、うん。これは家族の呼び掛け程度では、確かにどうにもならないな(白目)」」
「カメ~(さっきから何言ってんだこの女)?」
その後アリシアから得た情報をヤタガラスに渡すと、彼女の身柄は俺に預けられる事になった。
そして俺は、自主的に『寄生の種子・改』のレシピを厳重に、厳重に、厳重に!封印したのだった。
「なるほど、これが俗に言うNT「言わせねぇよ!?というか誰に教わったその言葉!!」落胤英雄ネキだが?」
「あの女!?紅玉に変なこと教えるんじゃねー!!」
この森の何処かの戦場で、落胤英雄ネキが突然くしゃみをしたのは唯の蛇足である。尚これらのことで、掲示板が良くも悪くも賑わったのは言うまでも無い。
読了ありがとうございます!おかしい、俺は「意外と短くかつ細かく戦争の内容が描かれているから矛盾しないように暴れるよりもちょっと盛る程度でにして、コンパクトに収めよう!」とか思ってたのに何故一日で文字数が、4600文字を超えている話を書き上げているのだ?