いよいよ、である。
明日、ついに雄英の入試である。
全国の志に身を焦がした若人たちが明日に不安と期待をもつ中、二人の少年はいつも通り神社の境内を掃き清めていた。
出久と爆豪は軽くかかり稽古をして体の動きを確認し、あとは試験に備えるべく神域の神社の本殿へと合格祈願の参拝をした。
神楽と神舞の両方を踊り切り、自らの魂を奉納する。
二人の熱き魂に感銘を受けた社の式神が、加護を両者に与える。
とても穏やかな心になった二人は、師匠に挨拶に向かう。
「いやぁ、ほんとうにあっという間でござるな」
二人を社務所の茶室に招いた将門が、抹茶と羊羹を振舞う。
特に明日が入試だからと言って特別なことはなかった。
もう、十分に備えてきたからだ。
むしろ、この二人が見据えるは本物の実戦。
雄英の入試に合格することでも、ヒーローになることでもない。
ヒーローであり続けること。
そこまで見据えて修行を積んできたのだ。
「ッシャス!」
「ありがとうございましたっ!」
二人が頭を下げるので、いやいや、と将門が二人を制する。
「そんなことより」
ごそごそと謎の空間に手を突っ込んで、将門が取り出したブツは二本の巻物であった。
それぞれを二人に手わたす。
「開いていいでござるよ」
二人はうながされるままに、巻物をするりと紐解いて広げる。
緑谷出久、武芸の基礎を修めたことをここに認める。
爆豪勝己、武芸の基礎を修めたことをここに認める。
互いに全く同じ文面。
しかし、二人は深々と頭を下げて、その巻物を丸める。
二人は何も言わなかった。
いつの日か、さらなる高みに達した時に、次なる免状をもらえるのだろう。
基礎――スタートラインに立ったぞ、ということを将門に認めてもらえたことは、まだまだ子どもである二人にとって、ついに大人としての一歩を踏み出したのだぞ、と認めてもらえたような気がした。
「やっとだ。オレぁ、デクと同じスタートラインに立ったんだな」
「かっちゃん、伸び速すぎだよ……僕も頑張らないとなぁ」
「あぁっ? テメェはそのまま調子乗って慢心してろっ」
「うわ、ヒドっ!」
二人がキャッキャと戯れるさまをみて、将門は深く頷く。
確実に、明日の試験は合格だな、と。
雄英高等学校入学試験会場、と大きな立て看板がたつゲート。
その向こうにはそびえ立つ名門雄英高等学校の本校舎が屹立している。
数多くの受験生の群れがゲートに飲み込まれていくのを、出久はじっと眺めていた。
「俺の前に立つな、殺すぞ」
出久の巨体をほかの受験生たちが避けて通る中、覇気をにじませるのは、やはり爆豪である。
「あ、かっちゃん。気合十分だね。でも、物騒な言葉は控えなよ」
「テメェをぶっ殺す覚悟で行かねぇと、トップとれねぇだろうが!」
チッ、と舌打ちをして爆豪がゲートをくぐっていく。
確かにそうだ、と出久は気合を入れなおす。
雄英入試という猛者だけが集まる選抜儀式に挑むのであれば、たしかにかっちゃんくらいの覚悟は持たねばならない、と出久は鼻息を荒くする。
「噴ッ!!」
気合を入れて鼻息を噴射すると、それはジェット気流のように出久の体を宙へと投げ出した。恐るべき肺活量と推進力である。
しかし、出久はふわりと着地する。
むむ、と出久が周囲を見渡すが、誰も見当たらない。
「下、下だよっ!」
見下ろすと、そこには笑顔のまぶしい女子がいた。
春の木漏れ日のごとく、うららかであった。
「私の個性。ごめんね。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね」
「なるほど。君はとてもやさしい子だね」
出久は互いに頑張ろう、と拳を突き出す。
バスケットボールと野球ボールくらいの差がある、拳同士の挨拶。
二つの拳がこつん、と当たる。
「じゃっ!」
甘い香りを残して、女子はさっと受験会場へと飲み込まれていった。
各教室での筆記試験は、出久も爆豪も難なく答案を提出した。
中学程度の学科試験であれば、二人にとって造作もないことである。
ただ、何事もなかったわけではない。出久のプレッシャーを受けて周囲の受験生たちの体調不良が続出したことは、多少、雄英サイドを困惑させた。
さて、出久は次なる実技試験の説明会場たる大講堂に入り、机に張られた受験番号に従い席につく。
かなりの学生たちが、講堂の席をみっちりと埋めている。
同じ学校出身者が固められているらしく、かっちゃんが先に座っていた。
出久は「失礼」と跳躍し、かっちゃんの隣の空席へとドスン、と着地する。
「……チッ!」
それだけ言って、かっちゃんが正面を見る。
すぐにプレゼントマイク――雄英の教員を務めるプロヒーローが、個性のラウドボイスを使い、受験制度について説明する。
無論、出久も爆豪も受験案内を文字通り暗記するほど読み込んでいるため、確認のために聞くにとどめる。
その間、出久は内なる気を練るべく大呼吸を続け、爆豪は脳内で実技試験の戦術を組み立てる。ロボットと戦うシナリオが実技試験であると聞いた刹那、二人は、ただ沈黙の中で無数の敵と戦う黙想戦闘を開始していた。
常在戦場、という将門の教えを二人とも厳守しているのだ。
もちろん、メガネの生徒が立ち上がり、何かを質問していることは眼中になかった。
「Plus Ultra!! それでは皆、よい受難を!」
プレゼントマイクのトークが締めくくられ、生徒たちがぞろぞろと実技試験会場に向けて大講堂から出ていく。
「んだよ、違う会場かよ。同中同士で結託させねぇためだな」
「試験だからね」
「持ち込みアリか……テメェ、忘れて来てねぇよな?」
「あっ! 脇差忘れた……切腹できないよ……」
「チッ。脇差はお前の母さんが隠したんだろうよ」
あきれたように舌打ちをして去っていく爆豪。脇差は切腹用でもあるんだ、と教えられて黙っている親などいるはずねぇだろ、と爆豪は緑谷の母親の心配そうな顔を思いだす。
「あばよ」
「あ、うん」
そうか、たしかにここでだべっている場合ではない、と出久も慌てて指定された会場近くの更衣室へと向かう。
これは真剣勝負の場。
戦装束に着替えて、覇気をもって挑まないと、と出久は力をいれた。
実技試験会場は広く、今まで修行の場としてきた神域の森よりもごちゃごちゃとしていた。出久は市街地戦闘のシミュレートを脳内で繰り返していたが、これが初めての実戦となる。将門師匠の神社では、あくまで原野や森林、河川敷や湖畔といった大自然でしか練習できず、市街地戦闘はイメージトレーニンしかやったことがない。
その意味では、出久は他の受験生と同条件であった。
いや、むしろ出久は自身が無個性であることを考えると、少々不利であろう、とすら計算していた。
「あーもう、最悪だよ、これ……」
大鎧をまとい、兜飾りをきらめかせながら強弓を手にする出久の姿に、受験生たちが生物としての格差を感じ、戦意を喪失する。
クマや、ライオンの隣で、恐怖を感じるのは当然であり、紛争地域でもない国出身の中学生たちにとっては、恐怖を感じた後にどう行動するのが正しいかなど、誰も教え込んではいないのだ。
とはいえ、有象無象の中にも、戦士の萌芽があることを出久は見抜く。
覇気をもつ戦士たち――先ほど入口でふわりと出久を着地させた女子や、大講堂で質問をしていたメガネ男子などに気を払う。
互いに争うライバルではあるが――もしともに雄英に通うことになれば同志である。
潰しあう意識ではなく、明鏡止水――ただ内なる心の声に耳を傾け、ただ先日の己に勝利することだけを考えることとする。
『ハイ、スタート!』
プレゼントマイクの号令。
「破っ!!」
出久が真っ先に大弓を手に取り駆け抜けていく。
一番やりこそが戦場の誉、と将門師匠から習っていた通りに、この武勇の場で己がそれを成せることを証明せんとする。
『どうしたぁ! 賽は投げられてんぞぉ!』
すでに実技試験が始まったことに気付いていなかった受験生たちも駆け出す。
それはまるで、出久という総大将を先頭に突貫する大軍団のごとき絵面であった。
試験会場の細部を閲覧できるモニターに視線をやりながら、雄英高校の専任プロヒーロー教員たちが実技試験を採点していた。
気になる受験生、受け持ちたい受験生をピックアップしていくのは当然のこと。
ここはプロヒーローの卵を選抜する場であり、将来危険な命のやり取りの場に放り出しても生きて帰ってこれるよう『生き残る可能性が高い』人物を選ばなくてはならない。
プロヒーローとは、強くなければ生き残れない。
プロヒーローとは、生きのこり続けてこそ、悪に挑める。
この二つの調和こそが、現代社会におけるヒーローをヒーローたらしめる柱なのである。
「あれっ!!? おかしいなっ!?」
オールマイトが素っ頓狂な声を上げる。
今年から新人教員として赴任することになった彼は、教師としてはまだ駆け出し。
しかし、プロヒーローとしてはキングオブキングである。
誰もがプロヒーローの卵を選抜するこの場で、オールマイトの発言に注視する。
「ミドリヤ・イズク君って、この子、プロだよねっ!?」
カメラドローンが、オールマイトの指摘した人物に寄る。
モニターに映し出されるは、修羅道を体現する荒魂であった。
全身を古式の鎧兜に固めた益荒男が、メリメリと強弓を背中で引き、マッハコーンを生じさせる矢を連射する。
入試用に用意された配点なしの大型ロボ――ビルを崩し、その拳で道路を破砕できる、受験生では到底手におえないそれを……古豪の武士が易々と矢で撃ち抜いていく。
「金の弓箭……」と、射撃系ヒーローの権威、スナイプ先生が唖然とする。
曰く、かつて日本神話にて岩屋を打ち砕いたという物語を引き合いに、いかにあの益荒男の弓のワザマエがガンギマリであるかを説く。
「イヤ、デモ得点ガ無イノデハ……」
心配そうに見守るエクトプラズム先生。
「いや、よく見てください」
イレイザーヘッド――最も採点の厳しいプロが、画面をズームする。
益荒男が稲妻の如く矢を放ち続けることにより、受験生たちは大型ロボを一切気にせずに、小物を仕留めることに集中できている。
そして、カメラのズームがとらえる。
面頬に隠れて見えぬ表情。
しかしそのまなざしは雄弁。
受験生たちが必死になって競い合う場を守れたことに安堵する、菩薩のごとき眼差し。
ビルの屋上に立つその姿は、若人の未来を見守る古武士そのもの。
「救って、いるのかっ……!?」
オールマイトが口元を押さえ、グレィト、と頷く。
まさか、まさかこの場で本物のヒーローの姿を見せつけるとは――
「って、いや、そうじゃないっ!! 校長先生っ、どうしてミドリヤ・イズク君が受験しているんですかっ!!」
そうだったっ! と先生たちもネズミ校長に注目する。
あの強さ、あの魂の輝きとふるまいはもはや熟練のヒーロー。
むしろ審査される側ではなく、こちら側立つべき存在である。
我らとともにたち、子どもたちに未来を託していく側のそれである。
「えっと、彼は15歳だから……」
ネズミ校長の言葉に、全員が沈黙する。
15歳、とは?
彼が赤子として生まれ、地球が太陽の周りを15回ぐるりと回ったことだろうか?
「古来、齢15で戦場に立った英雄たちがいた歴史があります。我々は、それをただ目撃しているだけでしょう」
歴史にも通暁するイレイザーヘッドが、日本書紀から続く数多の神話の中を駆け巡った英雄たちの話をした。
それに納得した先生たちは、歴史的な存在はとりあえず置いといて――と、その他の受験生たちの採点に注力することとなった。
一週間後のことである。
出久が自宅の自室にてベンチプレスを行っているころに、母親たる引子がどたどたと封筒をもってバオァンッ! とドアを開けて乱入してきたのだ。
「ん、母さん?」
出久はバーベルをラックに戻して、母親に対して姿勢を正す。
親に孝、これぞ君子の姿勢、と将門師匠の教えである。なお毒親であった場合も孝行を尽くし、武力を以って矯正すべし、とのこと。滅茶苦茶である。
「来た、来てた!」
引子から渡された通知の封筒を開けると、そこには投影機が入っていた。
母親とそれを見守る出久。
『私が、投影されたっ!』
そしてオールマイトによって、成績が告げられる。
『えー、合格だっ! 審査の結果、レスキューポイント60点。ヴィラン撃破は0点――って、そんなことはどうでもいいっ!』
「どうでもいいっ!?」
母親のほうが驚いている。
出久のほうは――成し遂げたな、という一つの達成感を得ていた。
無個性の身でありながら、身を滅ぼしかねない修行を積みあげてきたのだ。
それが、結果となって表れた……裏切らぬ努力、というものがあるのだということ。
そして将門師匠の教えが正しかったことが、とてもうれしかった。
『まったく、ミドリヤ・イズク君! 私は、君のことをすっかりヒーローだと思い込んでいたよっ!』
その言葉を聞いた瞬間、出久は下を向き、一滴の涙を流す。
そうか。
僕は、オールマイトにそう勘違いしてもらえるほどに、修行できていたんだと。
「出久……」
母親として、引子が出久に寄り添う。
あまりにも逞しく成長してしまった益荒男たる出久には、さすがの母でも抱きしめるのは難しい状況(※サイズ的に)である。
『とにかくっ、君は君のヒーロー像をしっかりと抱いて、これからも精進してほしいっ! 期待しているぞっ!』
オールマイトのメッセージはそこで終わった。
「か、家宝にしないとね、出久っ」
「そうだね、母さん。僕が初めてオールマイトに認められた最高の記念品だよ」
二人は合格通知とともに届いたホログラフ端末を神棚に祭って、手を合わせる。
「あ、爆豪さんのところはどうなのかしら」と母親が電話をかける。
出久は師匠にメッセージアプリで、合格しました、と送る。
すぐに返事が返ってきて「当然でござる」と書いてあった。
そっか、と出久はうなずく。
スタートラインに立つのは、師匠にとっては当然のこと。
僕はそれだけのものを与えられているということだ、と握力を鍛えるべく常に握りしめているハンドグリップをめりめりと握りこむ。
アイアン〇インド製のハンドグリッパーのナンバー4(166㎏)を握りこめるのは、世界に数えるほどいない、とされるが――もしそれがヴィランだったらどうするか? こちらが中途半端な鍛え方をしていたせいで、守りたい誰かが――例えば母さんが握りつぶされてしまったら……そう考えると、出久は恐ろしくて、鍛えるのを止められない。
「出久っ! かっちゃんも受かったって! しかも、総合一位!!」
「うわぁ、さすがかっちゃん」
出久は自分のことのように彼の合格を喜んだ。
何よりも――雄英にトップ合格するような男と、これからもともに鍛錬を重ねられるのだという事実に、内なる英雄の魂が燃えるように熱くなる。
翌日、かっちゃんとともに神域に挨拶にいく出久。
しかし、二人は唖然とする。神域に至るための修験道が封鎖されており『ゴルフ場建設予定地』とされていた。
「いや、おい、これ師匠どうすんだよ?」
さすがの爆豪も想定外の展開に驚いたらしく、出久に訊ねる。
電話してみよう、と出久が提案し、スマホをスピーカーモードに切り替えてコールする。
何回か鳴り響き、ガチャリと師匠が出た。
『ん? どうしてでござるか?』
あっけらかんとした師匠の口調に、まず爆豪が切れる。
「ふざけんな師匠! テメェ、神社がゴルフ場になるって話じゃねぇかっ!」
『あー、それでござるか。その件は拙者が何とかするでござるよ。しばらく稽古はお休みでござる』
「んだとっ!! あそこがねぇと雄英スタートダッシュキメれねぇだろうがクソっ!」
出久も頷く。
かっちゃんのいう通り、全力で修行ができる場を失うのはあまりにも惜しい。
これからもっと剛の者と切磋琢磨していく以上、これからのほうが必要だからだ。
『いやもう、何とかするでござるよ。師匠を信じて、しばらく待ってほしいでござる』
そこでブツリと切れてしまう。
おい、おいっ! と爆豪が鬼コールをかけるが、電波が届かないところにいる、などという通知が流れるだけだ。
「あの野郎……」
かっちゃんが頭を抱えてひざをつく。
どうやら本気で修行に邁進するつもりだったようだ。
「市営の武道場借りて組討ちの練習でもする?」
「それはテメェだけ得する奴だっ! このクソマッチョがっ!」
確かにそうだ。個性コントロールなしの組討ち体術修行をかっちゃんとやっても、出久の練習になるだけで、かっちゃんにとってはどう抵抗するかという対抗戦術訓練になるだけだ。それはそれで意味があると思うけれど、体格的に不利な戦いばかり練習することにかっちゃんのメリットはない。
やれやれ、と弟子からの鬼コールを切り、将門は『生太刀』を構える。
彼が立つのは荒れ果てた神域。
すでにまがまがしき瘴気に包まれており、並の鬼や式神なら形を保てず雲散霧消するであろう。
「まいったでござるよ」
将門の周りに、数年来、少年たちの成長を見守ってきた式神たちが集まってくる。
霊力をまとった戦装束姿の式神たちに、将門は軽く礼を述べる。
ゴルフ場開発、という歴史を忘れた人類の行いのせいで神域の土台となる現世が乱れ――この奥山に封印されていた祟り神が暴れ始めたのだ。
このまま放置しておくと、派手に山崩れが起き、愛弟子たちが住まう町が消滅してしまう。
それはよろしくない、ということで将門が矢面に立ったわけだが。
「ふーん、クソザコおじさんが相手なんだぁ」
十六夜の山姫。
真白の着物に緋色の袴をあつらえた、キツネじみた小娘の姿。
しかし、その霊力はまさに祟り神。
そう、神通力を有するれっきとした神なのだ。
かつての幾たびもあった飢饉の際、山に捨てられた子供たちの怨嗟を柱とした祟り神である。祓えば――つまり、わからせることができれば、優れた守り神となり、土地の守り神となるであろう。
むろん、将門は、鬼神。抗する術はある。
とはいえ、すっかり恨みつらみを忘れて魂魄の角が取れてしまっている。
対する十六夜の山姫は、同じ神とはいえ、人々の恨みつらみを依り代として肥大化した呪怨の力を持つ。
「これは酷いことになるでござる……」
逆にこちらが昇天されてしまったらスマヌ、と心中で二人の愛弟子に謝っておく。
そして生太刀をぐぐりと握りしめた。
「推して、参るっ!」
将門渾身の武威神楽が、始まる。
これが最後の舞になるのかは、本人にも、ましてや弟子たちも知るところではない。
弥勒菩薩の掌で踊る小さな魂たちの運命は、どうとでも転がるがゆえに――先は分からぬのである。