沖日の葬日   作:比嘉一稀

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第2章 発災当日

二時間後、利朱駅の西二百メートル地点まで来た翔兵達は、突然強烈な揺れに襲われた。

 四分後、揺れが収まり自分達の無事を確認した三人は周辺の様子を確認し呆然としたが、直ぐに我に返った翔兵が二人に生放送の準備を指示した。

「知り合いのアナウンサーがNEHKにいるんだ。だから中継放送をして状況を伝えるん だ。準備をしてくれカメラとマイクは俺のカバンに入っているから。」

準備をして居る途中、翔兵の携帯が鳴った。

「宮城です。どなたでしょうか?」「大原だ。君たち家族は大丈夫か。」

翔兵は、電話相手にびっくりしたが、平常心を装い言った。

「大原教授でしたか。はい、俺と妹達は無事ですが、両親二人の無事の確認が出来ていません。そして報告です。」

「利朱駅周辺の建物の殆どが倒壊しています。今分かっている被害想定額を教えてください。」

「人的被害については不明で、物的被害については一兆円規模になるだろう。」

被害想定額の説明を受けた翔兵は大原教授に礼を言い、内容を梅子達に聞かせるためスピーカー設定にしていた。

「ありがとうございました。」

「今の聞いたか?」

梅子達は、頷いた。

「中継放送の準備できたわよ(よ)。」

翔兵はNEHK社員番号と衛星発信者コードをパソコンに入力し、マイク付きイヤホン(無線機能付き)を付け、中継をつないだ。

中継を開始した途端、アナウンサーの玉城明城が驚いた様子で話してきた。

「翔兵君、大丈夫なの?」

「…コホン、沖縄の宮城将兵さんと中継が、つながっています。現在の状況報告をお願いします。」

明城アナウンサーは、一度咳払いをして、翔兵に報告のお願いをした。

それを聞いた翔兵は、早速報告開始した。

「今現在、那覇市内全体・本島全体・県全体のインフラが止まり経済活動が…[兄さん大変だよ⁉]」

急に古仲が騒ぎ出したのでドローンカメラの四つ目に視点を変えると沿岸に近づく 津波を映し出した。

「揺れが収まって二十五分、津波が東シナ海沿岸に到達いたしました。第一波が那覇港に入りつつあります。今すぐ海岸から離れてください!津波は何度でも繰り返し来ます。標高が高い場所逃げてください。繰り返します…」

「自分達も危ないので高台に逃げます。無事を祈っていてください。一時的に中継停止し致します。」

「俺らも高台に逃げるぞ。配信しながらやろう(行こう)。」

梅子達にそう言って翔兵は、首里城赤広場に逃げた。

五分後、鞄型ドローンで広場に着いた三人は唖然とした。

そこで見たのは、既に近隣住民が五百人程避難した直後だった。

翔兵は、即刻中継を再開した。

「すみません。中継を再開いたします。」

翔兵が繋ぎ直して、明城アナウンサーが言った。

「再度、宮城将兵さんと中継が繋がりました。現在の状況についてお伝えください。」

「今現在、妹達と一緒に首里城正殿前の赤広場にいます。自分達が来た時には、既に目測で五百人程いました。」

その説明を聞いた明城アナウンサーは、安心したように言った。

「それでは先ほどの命懸けの呼びかけを聴いた人達が避難していらっしゃるのでしょうね。良かったですね。報告ありがとうございました。又、報告ありましたらよろしくお願いいたします。」

翔兵はそれを聞いて頷きながら言った。

「そうですね。報告がありましたら又繋ぎます。」

中継終了を見越したしたように男性が声をかけた。

「翔兵君じゃないか!」

びっくりしたように将兵は男性に向き、こう言った。

「勇三九先生じゃないですか。」

その後二十分ほど、勇三九先生と話した将兵は梅子達と明日以降の予定を立てる為話し合いながら夕飯(非常食)を食べ、被災初日は終了した。

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