沖日の葬日   作:比嘉一稀

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忘都日本第三章震災2日目

翌日朝五時に起きた翔兵は、デイゴの香りの汗拭きシートで全身を拭き、炊出しを一時間程手伝い、起床してきた梅子達と朝食をとった。

 朝食終了後、勇三九先生が二人の女性アナウンサー(フリー)を紹介してきた。

「翔兵君、梅子ちゃん達おはよう。ちょっと紹介したい女性が居るんだがいいかな?」

 将兵達は出発の準備を止め、肯定した。

「おはようございます。いいですよ。」

勇三九先生は紹介を始めた。

「こちらは、フリーアナの宮良祥子さんだ。これから先中継する事があるだろう?その時に使ってやってくれ。そしてもう一人は、同じくフリーアナ兼同時翻訳家の小笠原海未さんだ。二人とも君と同じ私の教え子だ。まあ、君達(翔兵達三兄弟・祥子・海未)は、最近の遺伝子検査で遠い親戚であることが分かった。大変な時期に会わせて悪いが一緒に行動してくれ。」

翔兵達五人は悠作先生の衝撃の暴露に驚きながらも、握手を交わした。

五人は守礼門のある公園入り口で中継をした。

「宮城翔兵さんと昨日に引き続き中継が繋がりました。お願い致します。」

明城アナウンサーがそういうと、翔兵は祥子さんに変わった。

「翔兵君の親戚の宮良祥子です。フリーアナウンサーです。今現在の状況をお伝えします。」

明城アナウンサーは祥子さんの名前を聞き改めて紹介し直した。

「元日本衛星放送協会株式会社所属アナ宮良祥子さんです。今現在の状況をお教え願いますか?」

祥子さんは状況を伝え始めた。

「今現在、本島沿岸では、特に県経済の大動脈である国道五八号線が完全に水没しており、復旧開始時期が見通せない中、その他の被害の全容解明には数ヶ月かかるとおもわれます。また県庁のある泉崎周辺は十メートル強の浸水になっていて、完全に県庁の上層階は陸の孤島になっています。」「また、翔兵君の知り合いの沖縄地方地震学研究所・大原博樹准教授によりますと現在の人的被害は推定不可能という見解です。ですが、建造物等の被害額に関しては一戸六千万と仮定して計算した場合、全損・半壊合わせて三九兆四千億円に上ると推定されます。」「沖縄県だけで経済損失は十年間で五兆円になるでしょう。」

祥子アナウンサーの説明を聞いた明城アナウンサーは、お礼をってから翔兵に変わるように言った。

「祥子アナウンサーご説明ありがとうございました。翔兵君に代わって頂きますか?」

 

祥子さんは、翔兵に話して変わった。

「翔兵君、明城アナが変わってほしいと打診が来ました。」

翔兵は、インカム付けながら中継担当を祥子さんから受け取った。

「移譲確認。はい今変わりました。明城さん。」

将兵の声を確認し明城アナウンサーはこれからの予定を聞いた。

「翔兵君、これからどうするんでしょうか?」

将兵はこれからの予定を説明した。

「まずは両親二人の無事の確認ですね。他に自宅周辺の被害状況の調査とかですね。」

「これで中継を終了していいでしょうか?」

数分間今後の予定について話した翔兵は、終了の承諾を得ようとした。

「ええ、いいですよ。四十五分間中継を繋いでくれてありがとう。」

直ぐに承諾の返事が翔兵は面を食らったが、こちらも礼をいい中継を終了した。

中継を終了直後、県庁知事室から大原教授が緊急の連絡を翔兵によこした。

「翔兵君と梅子ちゃん達の緊急招集が知事からかかっている。確か君達は緊急時にも使える鞄(変則式ドローン付・畳込式ホバークラフト付)を持っているよな?詳しい説明は、県庁に来てからするつもりだ。」

「わかりました。切ります。」

将兵は、すぐ返事をして通話を切った。

翔兵達五人は、緊急時案と認定し数分話し合い、直ぐ県庁に出発した。

三十分後、県知事室の入り口についた。そこには大原教授が待っていた。

知事室に入ったら、沖縄県知事・比賀弘が礼をいった。

「いやはや、君達が宮城翔兵君、梅子さん、古仲君か。今回の災害の件では大変な時期ではあるが色々と手伝って貰っていいかね?被害状況については君達のおかげで南部地域は大方把握できたよ。ありがとう。」

将兵は急に呼び出した理由を聞いた。

「緊急招集なんてイレギュラーな呼び出し方しなくても、要請でも来ましたのに。だけど、急に県知事からくるなんて、どうしたんですか?知事辞職するとか言わないですよね。」

知事は、苦笑いしながら言った。

「翔兵君には気付かれていましたか。臨時的処置として選挙を実施せず県の要職を君達六人に譲渡し十年間は就いてもらう。これについては、県議会にも緊急条例として今日未明に承認してもらっている。会見を二時間後に開く。」

その二時間後、会見が開かれた。

弘知事は、開始早々に臨時辞職を報告した。

「現在、大変な状況にかかわらず集まって頂きありがとうございます。ここで臨時的措置として自分達、県上層部は辞任し、被害に詳しい四人の優秀な市民(県民)に任せ早期の復興を実現します。宣伝部長にフリーアナの二人を就任(こちらは自身の責任で急遽起用)させます。」

「今日から十年間はこの県の政治関係はこの四人に任せます。しかしながら、県外・海外の政治関係については、私自身が行います。」

この発表を聞いた記者達は、各々憶測を立てまくり騒ぎ出した。しかしながら、大半の記者の中で大手配信社の記者は、矛盾している部分を突いてきた。

「辞任するといいましたが、実際には辞任せず、県内・県外(国外)で担当の県上層部を分担するとことでいいですか?」

弘知事は、この質問に答えながら翔兵達五人の紹介が始まった。

「ええ、その通りです。これからの県知事など県の要職に就任する勇敢な六人の県民を発表します。」

「県知事は、沖縄地震学研究所所長・大原宏樹准教授、副知事は私立宮義高校二年・宮城翔兵君、昨日新設された県医療推進室・室長には私立宮義高校付属利朱中学校二年・宮城梅子さん、今日新設したボランティアセンター対策室兼宣伝室・室長は豊那覇(那覇市が豊見城市を編入・合併した二年後に改名)市立利朱小学校五年・宮城古仲君とフリーアナの宮良祥子さん、副室長にフリーアナ兼同時翻訳家の小笠原海未さんです。」

翔兵達六人は、知事の紹介の後に入室し各々挨拶をした。

その後、一人三十分の持ち時間で質疑応答に応えた。

休憩三〇分を除く四時間で会見は終了した。

「お疲れ様でした。」

翔兵達六人は、知事に労いの言葉をかけた。

「いやはや、君たちもお疲れさま。これから大変だぞ。県政は君達に任せたのだから。私は、アメリカのほうに緊急訪問してくるから。政府は緊急経済対策も打ってくるはずだけどそれ以上の支援策をアメリカ政府から提案が来るはずだし、行ってくる。」

この会話で翔兵達は知事の背中を見送った。

 

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