異世界から召喚した悪役令嬢?のお嬢様をメ○堕ちさせるだけの話   作:白樺の木

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異世界から召喚した悪役令嬢?のお嬢様をメ○堕ちさせるだけの話

 

 

やっと……。長かった。異世界モノのブームが来てから探し回って、遂に見つかった。"異世界召喚の書" 〜悪役令嬢……編〜。まあ本当は、女騎士やハーフエルフとかが良かったんだけど、そこまでやると死んでも達成出来そうに無いから諦める。

 

「さ〜てと……今日は仕事休んで、異世界召喚をしよう。仕事なんて行ってられるか!」

 

まあ最近仕事無いし、休んでも構わないだろ。

 

体調が悪い仮病ボイスを使って、会社への電話が終わった。その後準備をして、異世界召喚が出来る様になった。

 

蝋燭を円状に並べ油で魔法陣を作り、その真ん中に蝋燭を置き、異世界召喚の書を燃やす。

 

すると……異世界から、悪役令嬢が召喚されるらしい。よく分からん。

 

まあでも半信半疑でやってみた、そしたら出来てしまった。今更だけど、コレ誘拐してるのと同じだよね。どうしよう……自首しようかな。

 

『ここは……何処かしら。私は数刻後に処刑される筈だったのに、これは神様が残り少ない私にくれたチャンスなのかしら』

 

うわっ……。ハード系の悪役令嬢?いや、悪役令嬢ってもっとアレなんじゃないの?もっとほら、明るい感じで人を馬鹿にして煽って痛いところをついてくる。そう考えると、悪役令嬢ってメスガキなのでは?

 

駄目だ。パニックで訳分からない事を考えてしまった。

 

『私はやりたい放題だったけれども、全ては民の為。でも私は許されないのです』

 

詐欺じゃん。何処が悪役令嬢なんだ、正反対の聖女じゃん。腹立ってきた。折角異世界召喚が成功したのに。

 

あーもう、何だよ。腹が立ちすぎてお腹も文句を言っている。なんか食べて怒りを忘れよう。カップ麺で良いか、俺はそう思って電気ケトルでお湯を沸かしている間に準備をする。

 

『な、何?音が……』

 

新鮮なリアクションありがとう、いやあそれにしてもどうしようこの子。一緒に暮らす事になるのもそうだけど、可愛いなこの子。なんて事を思っているとお湯が湧いた。

 

後は三分待つだけだ。

 

悪役令嬢?のお嬢様は全く落ち着かず、周りをキョロキョロと見回していた。

 

顔が強張ってる、緊張してるなぁ。

 

初めて友達の家に来る感覚だろうか?いやもっとか。

 

考え事をしていると、すぐに時間が経つ。カップ麺の蓋を開けると、湯気と共にとインスタントラーメン特有の匂いが主張してくる、醤油の匂いが堪らない。独特だよなぁこの匂い。

 

「久々だなぁ、カップ麺」

 

思わずそう、独り言を言いながら箸を割る。海老や肉もどき、卵が急かしている様だ。俺のお腹もぐーぐーと騒ぎ立てる。

 

そろそろ食べるか。良くかき混ぜて掴み、猫舌だから念入りにフーフーして麺を啜る。

 

あー美味い。久しぶりに食べるとあまりのジャンクさで胃が目覚めるけど段々とコレコレってなるんだよなぁ。美味い!

 

夢中で麺を啜っているといつの間にか残り少なくなっていた。途中食べているのに、お腹がぐーぐーとなっていたのが気になる。

 

そして、忘れてはいけないのは具だ。名称不明のお肉と卵、ふと思ったけど何で四角いんだろう。

 

が気にしない。俺はカップを傾け、スープを一口飲んだ。ほぁぁ、美味い。いやぁ毎日だとアレだけど、たまに食うとメチャクチャ美味い。まあそれは何でもそうだけど……

 

カップを置いた時、再び腹が鳴った。が鳴ったのは俺じゃなくて……

 

ググ〜ギュルルルル………

 

鳴っていたのは、悪役令嬢さんだった。どうやら俺よりも腹が減っているらしい。急いで水を温めると二個目のカップ麺を作った。

 

「どうぞ」

 

精一杯に繕った笑顔でカップ麺を渡すと、不思議そうな顔をしながらラーメンを食べていた。

 

リアクション的には悪くなさそうで良かった。と言うか優雅にそれでいて凄い美味しそうに食べるので、お腹が空いてくる。やっぱり可愛い子が食べてる姿は良いね。

 

「美味しかったですわ……どなたか分かりませんが、最後に最高のご馳走を有難うございます」

 

お陰で、と言って、緩んでいた顔がキリッと覚悟を決めた顔になった。かっこかわいい。

 

「お陰で心残りなく……」

 

だが、その顔が一瞬歪んだ。俺はそれを見逃さなかった。その顔には、しっかりと"名残惜しい"と書いてあったからだ。

 

俺は彼女の耳元で囁く。それは悪魔の様に甘美で卑劣な一言。美しい蝶を堕落させる、魔法の言葉。

 

他にもそれよりもっと美味しい食べ物があるのに。それで満足して良いんですか?

 

驚いた表情の後に、にやける様に笑い。

 

「わ、私はまだ満足してません、もっと美味しい物を食べて満足するまで生き延びる事にしますわ」

 

こうして、俺と舞踏会に行く様なドレスを着た悪役令嬢のお嬢様の不思議な同居生活が始まった。

 

 

……澄ました顔してますけど、涎垂れてますよ?お嬢様。

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