異世界から召喚した悪役令嬢?のお嬢様をメ○堕ちさせるだけの話   作:白樺の木

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9話

 

「はぁ……満足」

 

部屋の中はチキン臭で充満している。まるで全身でチキンを味わっている様な気分だ。

 

『どれも美味だった。私はもう良い』

 

『美味しかったです』

 

二人も満足そうに笑いながら寛いでいる、幸せそうで何より。美少女の笑顔はメシウマだね。チキンパーティーの後片付けをしながらそう思った。

 

あれ?何か忘れてる様な気が……。

 

そうだ。

 

「二人とも甘い物あるけど食べる?」

 

今日はクリスマス。クリスマスと言ったらチキンに。

 

ケーキでしょ!

 

『甘い物!』

 

お腹をさすりながら幸せそうに目を瞑って、クロちゃんに体を預けていたお嬢様は勢い起き上がった。

 

『うわっ何?』

 

『甘い物ですよ食べます?』

 

『うーん良い、今日はこの幸せな感じのまま寝たい』

 

『だそうですよ?』

 

「じゃあ折角だから食レポをしながら食べようか」

 

脂っこい物の後に生クリームはキツイなとは思ったんだけど、体が糖分を求めていた。何でも甘い方が良い。

 

箱を開けてケーキを取り出す。中にはカラフルな景色が広がっていた。

 

『うわぁ……白、茶色、カップに入ってるのもありますね!』

 

ケーキ屋さんに並べられたショーウィンドウの中のケーキって、宝石屋さんのダイヤと同じぐらい輝いてる気がする。どれもこれも綺麗で選ぶ事が出来ない。

 

でももし、お金待ちになって全部!店ごと買えたらこうやって選ぶ楽しみも無くなるんだろうなぁって思ったら悩ましい。

 

『じーっ』

 

やばい、お嬢様が待てなくて箱ごと食べそうだ。早急に決めてしまおう。

 

って事で今回はホールケーキじゃなくて、一個一個別の奴にした。理由は……色々ある。だって一個同じだと好き嫌いあるだろ?一人なら同じ物でも良いけど。一人でホールはきついし、同じ味で飽きそう。

 

それからホールだと切らなきゃいけないじゃん。包丁に生クリームベッタリ付いてさ、洗わなきゃいけないんでしょ?皿も出さなきゃいけないじゃないですか。洗い物が面倒臭いんですよ。

 

って事でバラバラのケーキにした。皆でワイワイ選ぶ楽しさがあって良いと思うんだ。二人しかいないけど。まあヨシ。

 

「お嬢は何食う?」

 

こう言う時は譲った方が良いって、婆ちゃんから聞いた。ゴリ押しで物事何でも解決してたのにも関わらず、外の人からの好感度が良かった婆ちゃん元気かな。

 

『そうですね。どれも美味しそうで選べないのでお先にどうぞ』

 

ゆ、譲られた。婆ちゃん、こう言う時どうすれば良いんだ?問い掛けても返って来る筈も無く俺が選んだのは……。

 

んじゃ。

 

「『頂きます」』

 

三人に二個ずつ買ったけど流石に二個は食べられないので、一個だけ食べる。俺はショートケーキ。そしてお嬢様はチーズケーキと言うセレクトだ。the定番。無難が一番だ。

 

スプーンで端っこを削る前に、ちょこんと上にのる苺を頬張る。うん、甘酸っぱくて美味しい。前にも食べた変わらないいつも通りの味。

 

とてつも無い安心感が俺を支えてくれる。やっぱりスポンジ、クリーム、カットフルーツの三重層が醸し出す三重奏(トリオ)は最高だ。特別じゃない、当たり前なのに。だからこそ凄い美味しく感じられる。

 

「あー美味いなやっぱり」

 

思わずそう漏れるこの大きさで満足出来る。俺がそれに感動しているとお嬢様が難しい顔をしていた。

 

『……』

 

目線にあったのは空になったケーキが載っていた紙皿。暫く難しそうな顔をした後、何か思い付いた様でハッと顔を上げてこちらを見つめた。

 

『……です

 

「え?」

 

声が小さくて聞こえなかったので、思わずもう一度聞き直す。すると彼女は申し訳無さそうな顔をしながら教えてくれた。

 

『美味しかったです』

 

「そっか、それは良かった」

 

どうやらお嬢様に食レポはまだ難しかった様だ。まあ俺だって出来る訳じゃないし、偉そうな事言える立場じゃないけど。




ネタ切れ+スランプ=モチベ0

暫くイベントネタで書いていくつもりです、元々続ける気が無かったので。次は年越し蕎麦かな。ぜんざい?


《追記》

ネタはそこら辺に転がっていました、次回はちょうど良いのでそんな転がっていたネタの回収回にします。
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