異世界から召喚した悪役令嬢?のお嬢様をメ○堕ちさせるだけの話 作:白樺の木
朝ご飯とも昼ご飯とも言えない時間帯に、カップ麺を食べてしまったので小腹が空いてしまった。勿論ほぼ同じ時間に食べたお嬢様も同じ様子で、お腹を必死に抑えている。無理ですよ鳴ってますって、隠せてないですってそれ。
さて、どうしようか。こう言う時に限って、つまめる物が無い。無いと分かると、更にお腹が空いてきた。二人でお腹の合唱をしていると近所迷惑になりそうなので、有名どころのドーナッツ、いやクレープも良いな。プリン、ケーキ、タルト、ロールケーキ、ラスク?いやラスク……ラスク!?
うーん、ちょっと遅めのおやつに、甘い物を食べたいんだよなぁ……。ドーナッツはちょっと重いかもだし、プリンにしよう。
プリン買いに行くんだけど、放置はまずいよね。でも
いやぁ、気軽に異世界召喚をするんじゃないな。無計画過ぎた。もし次があるのならもっと慎重にやろう。まあ次なんてするつもりは、無いけどね。
『次は
着いたみたいだ。横の悪役令嬢様は、初めて乗る電車に初めて見る物だらけでワクワクが止まらないらしく、興奮した犬の様だ。俺に色々と質問をしてくるから答えられる範囲で答えていた。
降りるぞと声をかけると、手を出された。ため息をついてドアが閉まらない内に、急いでお嬢様をエスコートした。
はあ……平日なのに、デパ地下は混んでいた。主におば様ばかりだったが、まあおば様達もスイーツを食べに来たようだが。俺達とは格が違う。二千円近いパフェを流石に何にも無い日に、食べようとは思わない。
俺らは煌びやかなお淑やかに笑うおば様たちが集まるフルーツパーラーを通り抜けて、スイーツの店に辿り着く。そこにはとても美味しそうなスイーツ達が行儀良く並んでいた、さながら学校の授業参観に来た様な感覚に陥る、ウチの瓶プリンちゃんはしっかりやっているかしら?
なんて茶番はここまでにしよう。シュークリームも!うわっ期間限定?駄目だって。気になるぅ……。
『このシュークリームとはどう言う食べ物なんですか?』
どう言う……説明が難しいな。生地の中にフワッフワの甘いクリームが溢れんばかりに入っていて、食べるのに困っちゃうんだよな、だから俺は外では食べない様にしてる。まあそこが良いんだけどな。
『ふむ、それでは……先ほどから言っていた瓶プリンと言うのは?』
今の説明で理解出来たのか!?って突っ込んだ方が良いのだろうか。いや、なんか真面目な顔してるし辞めるか。
プリンか、この店のプリンは食べた事ないからハッキリは言えないけどな、プリンはフワッフワで程よい甘さと、カラメルソースの相性が命なんだよ。熟練の夫婦みたいに、ツーカーで通じ合う仲みたいにお互いがお互いを分かっている味がする。本当に美味いプリンには……
『……分かりました』
分かった?な、何が?
『良く分からない事が、分かりました』
はぁ……俺も言ってて、途中で良く分からなくなってたしそりゃあそうだよな。
『どっちもじゃ駄目ですか?』
そうだな、決められないのならどっちも買ってしまえば良い。じゃあ俺も期間限定と定番を!
休みなのに、なんか疲れた。家に帰っての第一声がそれだった自分に、思わず笑ってしまう。元々外に出るのが好きな方では無いし、休みは家の中で篭っていたいけど、たまには良いか。
『どうでしょう?これ!』
アーメチャメチャニアッテル。手を洗いながら俺は背後から聞こえる声に振り向かず、そう棒読みで答える。え?冷たいって?何十回も同じやり取りをさせられるこっちの身にもなってくれ。おやつを買うのがメインだった筈が、いつの間にか洋服メインになったんだぞ。まあ色々気になるだろうけどさ、どの世界でも女性の買い物の長さは共通なんだなって分からされたよ。
まあ良いや、俺はそんな過去の事は忘れる事にした。そして袋から瓶を取り出した。
オシャレだ。俺が食べるプリンはいつも三つ繋がってるプッ○ンプリンで、瓶プリンなんて久々だ。ワクワクしながら蓋を開ける。おっと、飲み物も用意しないと。デパ地下で凄いモノが売って棚で思わず買ってしまった。それがコレ、"飲むプリン"。いや確かに飲むソフトクリームとか聞いたことあったけどさ、そのうち飲むカレーライスとか出るのかな。
これからプリンを食べるとは、思えない思考回路。何故これからプリンを食べるのにプリンを飲もうとするのか、答えは簡単だ。そこにプリンがあるから。それではプリンがゲシュタルト崩壊を起こさない内に、いただきます。
右手にプリン、左手にもプリン。この状態で右左どっちが来たとしたら、未来は確定している。
まずはプリンを飲む事にした。喉も乾いてるし、潤いが欲しい。ストローを刺してゆっくり吸う。
うわっ!目が覚める様なプリンの甘さ。これでもかってぐらいにプリンが詰め込まれている、凝縮したプリンが口の中へ流れていく。まるでウォータースライダーの様だ。
『甘い……これがプリン』
そう呟く声が聞こえる。俺は心の中で頷きながら、袋の中から瓶を取り出す。さて前菜もメインディッシュも同じだが、美味しく頂こう。
瓶の蓋を取りスプーンで一口掬い、口の中へ入れる。美味しい!?
うーん、首を傾げながらもう一口食べる。ううん……。
俺はチラッと正面のお嬢様を見る。口一杯になって頬が膨らんでいるのに行儀が良くて、優雅な小動物みたいで可愛い。
『んっ……あまぁ!』
美味しそうで、何より。なんだけど……。うーん、飲むプリンの方が、美味しく感じられる。やっぱりプリンを食べながらプリンで、喉を潤すのは失敗だったか。
どうやら、俺の舌にはプッ○ンプリンがお似合いみたいだ。まあ幸せそうな顔が見れたから良いか。おっ!飲むプリンの下にはカラメルが……あ〜プリンだぁ……。
色々言ったけど、結局美味かった。やっぱり、甘い物は正義!今度は瓶プリンだけでリベンジしたいなぁ。