前世の記憶を使って夏油傑を絶対に幸せにしようと思います!   作:秋元琶耶

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五条悟と婚約しました

夜蛾先生から渡されたのは、一封の封筒。

表には宛先も差出人の記載もなく、切手が貼ってあるわけでもなくただ真っ白。しかし私に手渡されたということは、宛先が書いてなくとも私宛なのだろう。

いつもの郵便なら寮にまとめて届けられるのに、と思いながら何の気なしに裏を確認して、私は思わず息を飲んだ。

 

そこに封緘印として押印されていたのは――禪院家の家紋だった。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

いつもの無茶な出張要請かと思っていた幸音は、やれやれと思いながら封筒を裏返して唖然とした。

 

「や、夜蛾先生、これは……?」

「わからん。だが、この通り正式なものだ」

 

そう云う夜蛾も渋面であり、心なしか顔色も悪い。

しっかりと封がしてあることから、夜蛾がこの封書の内容を読んだわけではないことはわかる。ならば何故そんな顔をするのか。

 

「…………。」

 

視線で封を開けるよう促された幸音は、少し躊躇して、しかしこれは放置できるものではないと判断したのか、意を決して慎重に封を開けた。

 

「……召喚状って」

 

そこに記されていたのは、要約すると話があるので禪院家まで来るように、ということだった。

日時は七月一日。

今日が六月三十日なので、つまり明日である。時間の指定は正午だから、もし応じるならば朝一とは云わずとも時間に余裕をもってそこそこ早めにこちらを出なければならないだろう。

急な話だし、召喚状などと銘打って随分と大袈裟で一方的だ。

禪院家が御三家で呪術界では権力のある家柄だとしても、普段から関わりのあるわけでもない東京校の生徒を呼び出すにしてはやりすぎているような気もする。

書類の最後には禪院家現当主である直毘人の署名と、改めて禪院家の家紋が記されていた。

疑いようもなく禪院家からの正式な呼び出しだった。

 

「ど、どうして私が?」

 

幸音が戸惑うのも無理はない。

何せ、いくら御三家が有名で一方的に幸音がそのことを知っていても、禪院家からすれば幸音はただの高専生であるはずだ。しかも、血統と術式を第一に見ている家系にとって、非術師家庭出身且つほとんど使い物にならない幸音の術式など取るに足らない末端以下の存在だろう。いくら補助監督として優秀であっても、それは禪院家には意味のないことなのだ。

だというのに、何故。

 

「幸音、何をやらかしたんだい?」

「まさか御三家相手に喧嘩売ったわけ?」

 

同席していた夏油と家入が、いつもの調子で軽口を叩く。

いつもならば心外だと憤慨するところなのに、しかし幸音は召喚状を見つめたまま固まっていた。生憎と、軽口を返せるほどの余裕がない。

 

何故、どうして。

今の幸音の頭の中にはその言葉しかない。

誓って御三家相手に喧嘩など売っていないし、これから先も売る予定はない。むしろ出来れば五条以外との御三家となんて関わり合いになりたくないのが本音だ。甚爾と恵はもう伏黒家だから除外する。

というか、特に禪院家とは関わり合いになるはずもないと思っていた。

禪院家は血筋に強いこだわりを持つ傾向がある、男尊女卑の血統至上主義。この世で一番お呼びでないのが自分だと幸音は思っていた。

だからこちらから何かしない限りは一生関わらずに終わると思っていたのに、この召喚状。

疑問以上に、得もいえぬ不気味さと恐ろしさに身構えてしまう。

 

一方、何も云わないのは五条も同じだった。

同じ御三家の暴挙に思うところがあるのかもしれないが、召喚状と幸音の反応を見て以降、静か、静寂、静粛とは程遠いほどに騒がしい五条からは考えられないほどに深く考え込んでいる様子だ。

そんな五条に気付いた夏油がどうしたのかと問うと、五条は深く息を吐き出し、鬱陶しそうに頭を掻いた。当然この鬱屈した気持ちは夏油に向けているわけではない。

苦虫を噛み潰したような顔は、今彼の頭に浮かんだ禪院家の思惑へ向けられている。

 

「……お前を胎にするつもりなんだよ」

「は?」

 

五条は静かに云った。

一瞬何を云っているかわからず反射で返して、幸音は考える。

胎。

それはつまり?

 

「お前は去年の交流戦は出てないから知らなかっただろうけど、禪院には俺らの一つ下の本家筋がいる。大方、歳も近いそいつと婚約でもさせるつもりなんだろ」

 

胎。

婚約。

 

ここまでの単語が出て何もわからないような無知はこの場にいなかった。

理由は置いといて、禪院家が幸音をその血筋に取り込もうとしているということだけは確からしい。

わざわざ夜蛾から渡させているということは、禪院家はこれを秘密裏にするつもりはないようだ。

むしろ、一般家庭の凡人を嫁にしてやるというのだからありがたいだろう、我々は心が広いだろう、くらいのことは平気で思っていそうである。

断られるなどとは端から考えておらず、取るに足らない補助監督を嫁にするだけなのだから誰も文句はないどころか手放しで祝福されて然るべきだという姿勢を見て取れた。

上流階級特有の上から目線も、ここまでくると異常だ。

 

幸音の率直な感想としては『冗談じゃない』、だ。

どんな理由があるにせよ、いきなり嫁にしてやると云われて『はいそうですか』なんてなるはずがない。

百歩譲って幸音が呪術界の由緒ある血統であれば、お家の為だと諦めもつくのかもしれないが、現実としてそんなものとは無縁の一般家庭出身だ。

血筋や術式のための婚姻なんて旧時代的思考に付き合う謂われは幸音個人にはないのである。

その上、幸音には小牧という彼氏がいる。

術師になる前からの付き合いで、幸音が意識不明になって数か月音信不通になっても戻ってきた彼女を優しく受け入れ、変わらぬどころか深い愛情をもって幸音の心を支える大切な恋人がいるのだ。

まだお互いに学生だから具体的な話は出ていないが、幸音はずっと彼の傍にいたいと思っている。前世で叶わなかった結婚という夢は、出来れば彼と叶えたい、というのが密かな幸音の夢だ。

そんな相思相愛の彼を差し置いて他の人間と婚約だなんて御免だし、それが関わり合いになりたくないと思っている御三家相手ならば尚更のこと。

 

何故。

本当に心当たりがないからこそ幸音は恐ろしい。

少し特殊な立ち位置であることは否定しないが、幸音自身は周りの人間からしたら目立たない存在だ。

仕事はそつなくこなすが、それが禪院家の目に留まり認められた、とは考えにくい。彼らにとっては仕事の内容よりも血筋と術式の方が重要だからだ。いくら仕事が出来ても、血筋もなく術式も中途半端では、禪院家にとっての価値など皆無なはず。

だからどうして自分のような存在に白羽の矢が立てられたのかが全く分からない。

もしや今までの執拗な関西方面への出張要請は、これに関係していたのだろうか。

そう考えると随分前から要請は受けていたから、いつ頃からの計画だったのかと思うとゾッとする。

 

しかし、一般家庭出身で4級術師で単なる補助監督でしかない幸音が、御三家からの申し出を断るなどそれこそあってはならない話だ。

幸音のような存在が御三家に見初められるなど傍から見れば夢のような玉の輿だし、仮に恋人がいたとしても、そんなものは取るに足らないものだと一蹴されるのが呪術界だ。

それに、呪術界というのは明確な言葉にされていないだけではっきりとした上下関係がある。いうなれば昔の貴族社会のような、立場によってはどんな横暴も受け入れるしかない、腐った社会文化。

つまり、呪術界トップである御三家に対し、格下も格下の幸音が異議を唱えること自体許されないのだ。

 

地獄のような召喚状を握り締めながら、幸音は歯を食いしばる。

今はただ、禪院家に呼び出されているだけ。

内容は書かれていないから、五条の予想はあくまでも予想でしかない。

もしかしたら単に世間話をして終わる可能性だって、ほんの僅かにあるはずだ。まぁ、それこそ砂漠の中から砂一粒を探すような、ほとんんどないに等しい可能性かもしれないけれど。

 

杞憂であればいいと思うのに、術師としての本能が警鐘を鳴らしている。

召喚に応じれば、明るい未来は待っていない。

けれど応じないという選択肢が幸音には与えられていない。

最悪な状況だった。

 

「おい、幸音」

 

重い空気を割って発言したのは五条だった。

じっと難しい顔でなにやら考えている様子だったので、同じく考え込んでいた幸音はともかく、夏油も家入もとてもじゃないが茶化せる空気ではなかったので押し黙っていたから、やっと五条が口を開けて内心ホッとしていた。この空気は耐えがたい。

顔を上げた幸音に、五条は真剣な顔で云う。

 

「お前、禪院家に入るつもりなんかないよな?」

 

確認するかのような五条の言葉に、思わず幸音は大声を上げた。

 

「あ、当たり前じゃん!! 嫌に決まってるでしょ!?」

「わかった。じゃあ、俺と婚約しろ」

 

それからあっさりと吐き出された言葉。

訪れた、沈黙。

そして。

 

「「「「――は!?」」」」

 

は、の大合唱だった。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

詳しくは後で説明する、と云って、五条は教室を飛び出した。今日に限ってケータイを部屋に置き忘れたとかで、いっそそっちで連絡をしてくるというのだ。

夜蛾も少し調べ物をしてくる、と云って労わるように幸音の肩を叩いてから教室から出て行き、再び教室には沈黙が落ちる。

呆然としている幸音に、夏油も家入もどう声をかければいいのかわからなかった。

間違っても笑わせられる雰囲気ではないけれど、下手な慰めも逆に虚しくなりそうだ。

 

しかし夏油は、今自分がすべきことを正確に理解していた。

彼自身も随分と動揺しているが、自分の動揺など幸音に比べたら屁でもない。

大きく深呼吸し、しっかりしろと自分に云い聞かせた。

 

「幸音」

 

夏油に肩を叩かれ、幸音はゆるゆると顔を上げる。

その顔色は紙のように真っ白で、表情は今にも泣きだしそうなものだった。

抱き締めたいと、夏油は思った。

自分の好きな人がこんなにも打ちのめされていて、抱き締められる距離にいる。

けれど、賢い夏油は知っていた。

 

「幸音。私が小牧先輩を呼んでくるから」

 

――幸音を抱き締めるのは、自分の役割ではないことを。

 

「大丈夫。悟が何の考えもなしにあんなことを云うはずがない。きっと策があるんだよ」

 

根拠はない。

しかし五条悟とはそういう人間だ。

彼の親友である夏油は、確信をもってそう云える。

 

不安げな目を更に涙で滲ませた幸音を家入に託し、夏油は自身の持つ呪霊の中で最速のものに飛び乗り高専を出た。アラートが鳴ったがそんなものは今はどうでもいい。

移動しながら小牧に短く一緒に来てほしい旨を伝えると、勘の良い小牧は驚きながらもすぐに了承してくれた。夏油が小牧に連絡を取るのはたいてい幸音関連だが、メールではなく電話、しかも切羽詰まった声だったのがいかにも緊急事態であることを示していたというのもあるだろう。

さすがに小牧の家まではわからなかったので、待ち合わせには区民ホールを指定する。あそこならば、イベントをやっていないときは人気も少ないので呪霊で降り立っても大丈夫そうだったからだ。

 

公共交通機関を使えばそれなりの時間はかかる場所も、空路で一直線に進めばあっという間だ。しかも、ありったけの速度を出しているので十分とかからなかった。

そうしてやってきた小牧をすぐさま呪霊の背中に乗せて、高専にとんぼ返りする。

初めて見る呪霊という存在に小牧は唖然としていたが、それよりも幸音の身に何かが起きているという事実の方が重要だ。見た目が少々グロテスクだが、夏油が大丈夫というのだから大丈夫だろう。見た目とは裏腹に、小牧は驚くほどに豪胆だった。ついでにいうと、乗り心地は意外なほどに良かったらしいというのは小牧の後日譚。

 

高専への道中、夏油はかいつまんで幸音の置かれた状況を説明した。

権力者から婚約するよう圧力をかけられそうなこと。

今はまだ予想の段階だけれどそれはほぼ確定しているようなものであること。

断るにも幸音の立場が弱すぎて簡単な話ではないこと。

五条が自分と婚約することでこの状況の打開を狙っていること。

その婚約が単純なものではないこと。

小牧は夏油の話を黙って聞き、そう、と一言だけ零して押し黙った。夏油もそれ以上の説明はしなかった。下手な推測や希望的観測でものを云うには、この状況はあまりにも最悪だからだ。

 

五条は夏油に、小牧を呼ぶようには云わなかった。しかし夏油はこの判断が間違っているとは思わない。

一時的にでもなんでも五条と幸音が婚約するならば、その場に小牧がいなくていいはずがない。

夏油は幸音のことを好きで、叶うならば彼女にとっての一番になりたいと願っているが、それは小牧を蔑ろにしていい理由にはならなかった。

何故なら夏油自身が、小牧という男を嫌いになれないでいるから。

悔しいけれど今の幸音の傍にいるべきなのは夏油ではなく小牧だ。

だから夏油は、幸音のために小牧を連れてきた。

 

本来高専敷地内に非術師であり高専とは無関係の人間を入れるのはタブーだが、この際そんな細かいことはどうでもいい。

アラートも無視して高専に戻った夏油は、小牧を連れてまっすぐに教室に向かった。

 

「幸音ちゃん」

 

黙って夏油の後についていた小牧は教室に足を踏み入れると、家入に手を握られたまま俯いている幸音の名前を呼んだ。

 

優しく、温かく。

大切な、その名前を。

 

「せんぱい」

 

小牧の姿を見た幸音は、これまで張りつめていたものが弾けたようにぼろぼろと涙をこぼし始めた。

その姿はあまりに痛々しく、儚い。

溢れる涙で頬を濡らし、小さな子供のように小牧に手を伸ばす。その手を小牧が優しく握りしめると、幸音はいっそう泣きながらぽろぽろと言葉を吐き出していった。

 

「ごめんなさい」

「何――……」

 

小牧に言葉を挟む間もなく、続ける。

 

「ごめんなさい、私、自分でも何が起きてるのかよくわからなくて」

「幸音ちゃん、」

「だって御三家が好むような術式なんて持ってないし、そもそもあの人たちからしたら私なんて路傍の小石以下の存在なのに、なんでこんなことになるのか全然わからないんです」

「ちょっと落ち着いて……」

 

御三家だ術式だと小牧に理解できないことを、遠慮なしに呟く幸音は普通の精神状態ではなかった。

いつもならば小牧には呪術師としての細かい話はぼやかすか別の言い回しをするのに、今はそんなことに配慮する余裕もない。

 

「悪目立ちしてたかな。五条も夏油も硝子もすごいのに、同じ学年に私みたいなのがいたから逆に興味持たれたのかな。だとしてもわざわざ本家に呼び出すなんてわけわかんないし、私程度の術師を家に取り込んでも何の役にも立たないのに。後ろ盾も何もないんだから人質にもならないのに、ああもう、本当に何考えてるんだろう」

「幸音ちゃん!!」

 

心中の吐露で気分が晴れるのならばそれもいい。

しかし、今に限ってはそれが逆効果になるのは明白だ。

小牧は幸音の手をギュッと握り、少し大きく名前を呼ぶ。

ハッとした様子で口を噤んだ幸音に、小牧はそっと云った。

 

「不安だよね。どうしたらいいかわからないよね。僕も、ここに来る途中に夏油くんに説明してもらったけど、正直よくわからない」

 

それは小牧が非術師だからということだけが問題なのではない。

あまりにも突然すぎる事態に思考が追い付かないのだ。

けれど、小牧の方が幸音よりも少しだけ冷静だった。

混乱しきりの幸音の話を辛抱強く聞き、落ち着いた言葉で宥め、殊更穏やかな声で云う。

 

「でも、だからみんないてくれるんだよ。どうしたらいいか、みんなで一緒に考えよう」

 

――すとん、と。

 

小牧の言葉が胸に落ちて、嵐のように荒れ狂っていた胸中が、その言葉で途端に穏やかになった。

魔法のようだと、幸音は思った。

そうして幸音は、ハッとして周囲を見渡す。

 

ずっと傍で幸音の手を握ってくれていた家入。

自分のためにこの状況の脱却方法を考えてくれている五条。

小牧を連れてきてくれた夏油。

そうして、小牧。

 

幸音は一人ではなかった。

 

泣いても混乱するだけでも状況は変わらない。

だから、自分のためにみんなが傍にいてくれる。

一人ではないことの、なんと――心強いことか。

未だに頬を濡らしていた涙を急いで拭うと、幸音は頷いた。

 

「――はいっ」

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

七月一日、正午、禪院家。

広い屋敷の無数にある部屋の、その中でもかなり上等な部類に入るであろう応接間に幸音はいた。

緊張はしている。

けれど今は、恐ろしくはない。

ゆっくりと深呼吸をして、相手の出方を待った。

 

「お前が花森幸音か」

「はい」

「なるほど、パッとせん女だ」

「よく云われます」

 

立派な樹木から切り出されたのであろう一枚板の座卓を挟んで向かいには、禪院家当主の直毘人。もちろん幸音からしたら雲の上の人なので初対面だが、前世からの記憶のおかげで顔だけは知っていた。実際に会ってみると思った以上に貫禄がある。

それと、直毘人の少し後ろには幸音は初めて見る同世代くらいの男子がいた。おそらく彼が、五条たちが云っていた禪院家本家筋の一つ年下の子なのだろう。

彼は幸音の知る原作の展開の中にはいなかったから、続きに出てくるか、或いは漫画に出るまでもない小物かどっちかだ。なんとなく後者な気がする、と幸音は失礼なことを考えた。

 

絵に描いたような呑兵衛の持つ瓢箪を手にし、それを一気に煽った直毘人は、ゴンッ、と座卓に乱暴に瓢箪を置くといかにも高圧的な態度で云い放った。

 

「面倒な話は好かん。単刀直入に云うが、こやつ――禪院直哉というが、こやつと結婚し子を産め。禪院家に迎えてやる」

 

上層部の連中は揃いも揃って遠回しな嫌味しか云わないので、むしろ直毘人のようにはっきりと要件を云ってくれるのは好感が持てる。もっと時間をかけてねちねちと逃げ場を奪いながらの舌戦になるかと思っていた幸音は、逆に拍子抜けしてしまった。

しかし、願ったりかなったりである。

絶対にこの場を切り抜けられるカードを持っているとはいえ、やはり敵の本拠地に長居はしたくない。

幸音は改めて居住まいを正すと、小さく頭を下げた。

 

「大変光栄なお申し出ですが、それは出来かねます」

「何?」

 

丁寧な、しかしはっきりとした拒絶。

一瞬で場の空気が凍ったことを察したが、ここで引き返すわけにはいかない。

顔を上げた幸音は、まっすぐに直毘人の目を見た。その目には不快の色が浮かんでおり、ただ見られているだけで謝ってしまいそうになるほどの威圧感があった。

怖くないかと問われれば、怖いに決まっている。

幸音は直毘人の術式までは知らないが、どんなに楽観的に考えても幸音が勝てる相手ではない。

逆上して襲われたら碌な抵抗も出来ないだろうが、だからこそ幸音は禪院家に足を踏み入れるにあたり、一つの条件を付けていた。

懇切丁寧に下から申し入れた結果、それも一理ある、ということで渋々ながらも幸音の条件は受け入れられ、おかげで少なくともこの場で幸音が殺されるという心配はない。

まぁ、それでも恐ろしいものは恐ろしいのだけれど。

 

幸音と直毘人が見合っていたのは数秒だろう。

この刺すような沈黙を破ったのは、直哉だった。

 

「どの立場で断るっちゅーんや、雑魚の分際で」

 

それまで浮かべていた上辺だけの笑顔を取っ払った直哉は、心底軽蔑したような冷たい目で幸音を見た。なまじ容姿が整っているから恐ろしいが、普段から美形に囲まれている幸音から見れば直哉程度ではなんとも思わない。それに禪院家顔でいうなら甚爾の方がよっぽど格好いいし、色っぽいし、何より怖い。

忌々し気に顔を歪める直哉からしてみれば、この話は幸音が了承して当然の話だった。了承、というのもおかしな話だ。これは命令であり、三下とはいえ術師の端くれであれば命令に従うのは当然なのだ。

だというのに下っ端が御三家に盾突くなんてふざけた態度を取るなら殺していいと思っているし、なんなら当主直々に話す機会を作っているのも面白くない。当主が――もちろん自分も――雑魚と同じ空気を吸うこと自体も不愉快だった。

理由は聞かされていないが、非術師家庭出身で術式もパッとしない女と結婚しろと命令されただけでも腹立たしいのに、その上お断りなんてされたら赤っ恥もいいところだ。

結婚したいのではなく、結婚してやるという立場のこちらが断られる道理はないはずである。

それをこの女は、にべもなく断った。

本来ならば弁解も何も聞かずに殺してやりたいところだが、あいにく幸音の"切り札"がそれを許さない。重ねて面白くなかった。

しかし直哉の視線に怯みもせず、逆ににっこりと――且つ、照れくさそうに頬をほんのり赤く染めながら幸音は云った。

 

「実は私、五条悟と婚約しているんです」

 

「――は?」

 

唖然と言葉を失っている二人が固まっている隙に、幸音は更にまくしたてる。

 

「京都に来たのも、実は正式にその手続きをするためでして。お互い忙しくてずっと先延ばしにしていたのですが、今回こうして禪院家からの召喚状を受け取ったのを機に、つい昨日正式に五条家の方々にご挨拶させて頂きました。ありがたいことに、私のような者でも歓迎して受け入れて頂き一安心しております。昨夜は五条家に滞在し、本日は五条家から直接伺わせていただいた次第です」

 

呆気に取られたように動かない二人に、表面上綺麗な笑顔を浮かべながら幸音は内心ガッツポーズをした。

 

もしかしたら、ある程度ごねられると予想はしていたかもしれない。

最低限、幸音を家に取り込もうとしたのであれば身辺調査もしただろうし、そうすれば幸音に恋人がいることもわかっていたはずだ。

それを理由に婚約を渋るのであれば対処の仕様もあったかもしれないが、なんとこの場で出た名前は禪院家と同格の五条家。

これではさすがの禪院家も無視はできない。

 

「お疑いのようでしたら、どうぞ五条家に問い合わせて頂いて結構です。手続きも書類もすべて済ませておりますから」

 

ここまで云うのであれば本当なのだろう。この場で嘘を吐いたところで何の意味もないし、根本的な解決にはならないからだ。

仮にこの場を凌げたとしても、嘘だとわかった時点で再度婚約を申し付ければいい。今度こそ、逃げ場をすべて潰して。

 

「禪院家に呼び出されるような心当たりがまったくなかったもので、まさか私のような者に婚約の話を頂けるとは思っておりませんでしたから、このような形でお断りしなければならないこと、誠に申し訳なく思います」

 

自慢じゃないが演技は得意だ。

補助監督としての仕事上、気難しい性格の大人たちと渡り合うことが多く、嫌でも表面を取り繕う技術が身に付いた。今はその集大成を発表しているような気分だ。

申し訳なさの中に五条悟と婚約した照れのようなものを滲ませながらの謝罪は、どこからどう見ても嘘には見えないだろう。

実際、幸音と五条は正式に婚約した。

法的なものではないが、五条家のしきたりに従った手続きを踏んでいる。禪院側が調べても、婚姻を裏付ける結果しか出ないはずだ。

 

直哉は怒りのあまり機能停止したままでいるが、しばらく考えるように黙していた直毘人は、ややあって皮肉そうに唇を持ち上げた。

 

「――なるほど。先んじて他の御三家と婚約をしていたわけか」

「そういうこと」

 

ここで面白そうに声を上げたのは、五条だった。

彼こそが、禪院家を訪れる上で幸音が提示した一つの条件であり"切り札"。

 

『召喚状に従い馳せ参じたいところですが、何ぶん自分は非術師家庭出身の凡人の身であるので、御三家当主のような天上人にお会いするにあたり礼を失する可能性は否めなません。よって禪院家と肩を並べる御三家である五条家の次期当主であり学友でもある五条悟を同伴させて頂かなくては、とてもではないが恐れ多くて禪院家の敷居を跨ぐことは敵わないでしょう――』

 

幸音は伝達用の式神でこう訴えた。

理不尽な呼び出しに対し、単純に断るのではなく、あちらが却下しにくい理由と相手を伴って受け入れる。これならばあちらにも必要以上に角を立てることなく、且つ幸音の身の安全も保障出来た。

自分も幸音と一緒に行くと云い出したのは五条だが、このもっともらしい理由を考えたのは小牧だった。なかなかどうして彼は頭が良い。

実際、普通の礼儀作法ならばまだしも、旧家の御三家相手の礼儀など幸音は知らない。いくらお断りするつもりでも、それは失礼をしていい理由にはならない。最低限の礼儀は弁えるべきなので、五条を同伴するというのは最良の手だ。

何より、五条がいれば禪院家も幸音に手出しは出来ない。立場などももちろんのこと、現代最強である五条悟は、これ以上ない護衛なのだ。

 

幸音の訴えに案の定最初は渋る返事をしてきた禪院家だったが、客観的に見てもおかしな訴えではないことから、何度も粘り強く交渉した結果、渋々承知したと返事を送ってきた。

が、同伴は許しても幸音との話し合いの最中に部外者たる五条は口出し無用の旨も釘を刺してきた。抜け目のないことである。

 

「悪いけどこいつは俺のもんだから、禪院にゃやらねーよ」

 

なのでつい先ほどまで五条は大人しく黙っていたのだが、幸音が五条の婚約者であることを話した今、五条は部外者ではない。

満を持して遠慮なく口出しさせてもらったわけである。

五条の挑発にカチンと来た直哉が立ち上がろうとしたのを、直毘人が制した。

 

「その女には他に恋人がいるようだが?」

 

やはり知っていた。

その上で婚約話を持ってくるのだから、非術師の恋人などなんとも思っていない証拠である。脅すか、金を握らせるか、あるいはもっと暴力的な方法で消してしまえばいいと思っているに違いない。

恋人の存在を指摘され、覚悟はしていても一瞬身を固くしたのは幸音だけで、五条は予想通りだと云わんばかりに肩を竦めた。

 

「結婚したらこいつは五条家から出さない。だから、それまでの間の社会科見学だよ」

「ほぉ?」

 

面白そうに声を上げた直毘人に、動揺を驚異的な精神力で押し込めた幸音は笑顔を浮かべる。

 

「このことは彼も承知の上です。もしこちらもお疑いでしたら、確認していただいて構いません」

 

これも嘘ではない。

小牧は、幸音と五条の婚約を知っている。

何故ならこの話はある意味で茶番だ。

幸音にも五条にも結婚の意志はない。

これは禪院家という御三家に対して対抗できる五条というカードを切ることでこの場を乗り切るための方便だった。

ただし、口約束だけではいずれボロが出る。

だから五条は、自分の立場と権力を存分に揮って本当に幸音と婚約した。もちろん将来的にはそれなりの理由をつけて円満に婚約解消することが前提だ。

 

例え嘘でも、小牧以外の男と婚約するなんて本当は嫌だ。

けれど、今はこれ以外に禪院家に幸音から手を引かせる方法はなかった。

悩む時間すらもなく、幸音はこの方法に縋るしか出来なかった。見ず知らずの男と強制的に婚約させられるより、嘘でも五条と婚約していることにしたほうがずっといいと他でもない小牧に説得されたのもある。

五条と婚約するとなれば、すぐにでも手続きのために五条家に向かう必要もあったから、やはり幸音に考える時間などない。

小牧が幸音のためを思って云っているのはわかるから、幸音は腹を括って五条との仮婚約を受け入れた。

 

そうして、小牧を交えた話し合いの後、幸音と五条はその日のうちに五条家に入り、諸々の手続きを済ませた。それがつい昨夜のこと。

当然五条家にすべての理由を説明するわけにはいかないから、五条はただ幸音と結婚したい、どうも禪院家が幸音を狙ってるから早急に手続きが必要だと準備を急がせた。

こんな急な話で絶対に反対されたり渋られたりするだろうと幸音は覚悟していたのだが、幸音の思いとは裏腹にあっさりと手続きは進められて拍子抜けした。

念のためそれとなく理由を訊いてみたところ、五条はこの年までに数人の婚約者候補がいたらしいが、最終的にすべて破談になったそうだ。

この顔でこの家柄でこの実力なので、多少と云わず五条の性格に難ありでも構わない、子供さえもうけられたら浮気しようが家に帰ってこなかろうが構いはしない、という非常に心の広い家・娘ばかりだったのに、気付けばあちらからお断りの返事が来る始末。しかも理由も判然としないものばかりで、追及しようにも煙に巻かれて話にならない。

しかし五条家としてはなんとしても五条家次期当主である五条悟に、結婚して子供を作ってもらわなければ困るわけだ。お家の存続はすべて五条の双肩にかかっている。

めぼしい家と娘にはお断りされ途方に暮れていたところに、なんと五条本人が結婚を望む娘が現れた。

優秀な術師の家庭出身ではなくとも彼女自身は一応術師で、補助監督としてはそれなりに評価もされているときたら、五条家に反対の理由などなかった。

むしろ、やっとまともに婚約まで漕ぎ着けられる相手が出現し、この娘を逃がしてなるものか、という気概すら感じられた。

 

おかげで幸音は五条家関係者から信じられないくらいの歓迎モードで出迎えられ、中には涙ながらに感謝してくる古参と思わしきお手伝いさんなんかもいて、良心が痛んだ。

実はこの婚約は仮で偽装で、本当だけど嘘で、お互いに結婚の意志なんてこれっぽっちもないなんて知ったら、この人たちは首でも括ってしまうのではないかと思ってゾッとした。

しかしネタバラしするわけにもいかないから、幸音は心の中で謝り倒しながらも、笑顔で婚約の手続きを済ませた。いろんな意味で胃が痛い。

 

どこをどう調べようとこの婚約は本物でしかなく、不義理をされていると思われている小牧自身がすべてを承知しているわけで、つまり禪院家がこの婚約にケチをつけられる穴はない。

それだけは自信をもって云えるから、幸音は恐怖を飲み込んで直毘人を見返した。

すると、しばらく幸音から目を逸らさないまま無言でいた直毘人は、不意に瓢箪の酒を煽って短く笑った。

 

「どうやら頭は悪くないらしい。つくづく、非術師家庭出身であることが悔やまれるな」

 

ため息交じりの直毘人のその言葉は、本心のようだった。

禪院家当主ともあろう男が、幸音という存在を惜しんでいる。

 

「……あなたのような方にそんなことを云っていただけるとは思いませんでした」

 

だから思わず、幸音は笑みを零していた。

方法は最悪だったけれど、血筋のことには目を瞑り本家筋に取り込もうとしたのは、彼なりに幸音を認めたからだったらしい。しかも、幸音の頭の良さを買っているのは間違いなさそうだ。

それは幸音では想像もつかないような利益などを鑑みた結果なのかもしれないが、何にせよ直毘人のような立場の人間に認められるというのは素直に嬉しい。

 

「式には呼べよ。面白いからな」

 

そう云って直毘人は部屋を出て行った。

五条はその背中に舌を出していたけれど、幸音は深々と頭を下げた。

直哉は気付いた時にはいなかったので、まぁこんなことがあっては今度二度と会うことはなさそうだし、と気にしないことにする。幸音は案外シビアだ。

とにかく、どうやらこの場はうまく乗り切った。

すべてが解決したわけではないけれど、ひとまず幸音はホッと息を吐いた。

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

外に控えていた下人に案内され、二人は禪院家をあとにした。

途中で何か妨害や何かしらあるかと構えていたのだけれど、すんなりと門の外に辿り着いたことに拍子抜けする。

 

「……思ったより物分かりがいいね、禪院家」

「そーだな。直哉はぐちぐち云ってくっかと思ったけど、あいつも当主の決定にケチつけるほど馬鹿じゃなかったってことか」

 

幸音は今日初めて直哉に会ったが、五条は以前から直哉と顔見知りだったのだろう。しかも、関係が良好とは云えないらしい。

それに、今日抱いた印象から、とてもじゃないが五条と直哉の相性がいいとは云えなさそうだ。

直哉を嫌っているというよりも心底興味がなさそうに零された五条の言葉に苦笑していると、歩きながら改めた様子で五条は云った。

 

「で、わかってると思うけど、俺とお前が婚約したって話はもう呪術界に広まってるからな」

「うん、わかってる」

 

呪術界というのは膨大に広いように見えて、その中身は閉鎖的で鎖国的だ。

二人の婚約は昨日ポッと湧いたものでも、一日経った現在では少なくとも主立った呪術師家庭や上層部にはこの情報は伝わっているとみていいだろう。

徹底したカモフラージュのために、手を繋いだり腕を組んだりまではしないが、友人の距離感ではない距離で並んで歩く。

傍から見れば仲睦まじい婚約者たちの散歩に見えないこともないだろう。片方が、この界隈では知らないものはいない超有名人である五条であり、もう片方が見た目はパッとしない術師としてもパッとしない小娘であることに目を瞑れば、至ってよくある婚約者同士だ。

 

「いつかは婚約解消するとはいえ、最初からそのつもりだったなんてバレたらこの計画は全部おじゃん。今度は禪院家だけじゃなくて、あらゆる派閥がお前に興味を持つことになる」

「……うん」

 

禪院家が婚約を持ち掛け、それを偽装婚約という手を使ってまで五条家が阻止した娘。

そんな話になれば、彼らが手に入れられなかった娘を手に入れて御三家に一矢報いることが出来るなどと考える輩が出てくるのは必須だし、最後の御三家である加茂家も黙ってはいないだろう。本家に迎えるとは云わずとも、傍流に加えようとはするかもしれない。

また、一度は本当に婚約するという力技の偽装という手を使ってしまった以上、今後は物理的に強硬手段で幸音を手に入れようとするだろう。

つまり、幸音を拉致監禁するだとか、手っ取り早く手籠めにして無理矢理子供を作らせるとか、そういう口にするのも吐き気のするような方法で。

そんなことにならないためにも、今幸音は明確に五条の婚約者である必要がある。

すでにこの可能性は昨日の話し合いの時点で出ており、今改めて五条が口にしたのは確認のため。それだけ重要であるということだった。

幸音も重々承知しているから、しっかりと頷く。

 

この後は一度五条家に戻り、どうしても幸音の顔を見たいという五条家の中でも重鎮的存在の親戚筋と顔合わせだけを済ませて、夜には東京に戻る予定だ。

緊急事態なので昨日と今日は任務を放り出した二人たが、本来あちらでやるべきことが山ほどある。

おそらくこの件で上層部からは何かしら云われることになるだろうし、一難去ってまた一難だ。

 

賑やかな席で大歓迎され、難しい子だがよろしく頼むと改めて頭を下げられ恐縮し、手土産だと云って渡されそうになった高級な着物――さすが御三家、手土産の規模が違う――を何とか固辞してどうにか帰りの新幹線に飛び乗る。

五条は実家が疲れたのか、早々に駅弁と名物アイスを食べたら寝てしまった。

幸音も精神的にも肉体的にもくたくたで眠ってしまいたかったけれど、明日の朝までに提出する書類がある。辛うじてノートパソコンだけは持ってきていたので、東京に着くまでに終わらせてしまうつもりだった。今日くらいサボればいいのに、と呆れる五条ももっともだが、これが幸音の性分なので仕方ない。

アナウンスが品川到着を知らせたところで漸く書類を書き終え、ぐっすり夢の中の五条を起こしながら一度大きく伸びをする。

新幹線の窓を滑っていく景色に目をやりながら、幸音は考えた。

 

直毘人は、幸音の補助監督としての優秀さを見込んで婚約話を持ってきたわけではない。

もちろん初対面で存在すら知らなかった同世代の直哉の嘆願というわけでもない。

今日の話し合いで、直毘人が幸音を選んだ理由を明確に口にすることはなかったけれど、血筋も術式も論外な幸音を本家に迎え入れる理由は絶対にあるはずだ。

幸音はまだ、それを知らない。

 

「禪院家が、どうして私に目を付けたのか……知らないと」

 

 

 

 

 

 




主人公

なんとこの度正式に五条の婚約者になってしまった。まさかの展開過ぎて胃が痛い
漫画みたいな展開だけど笑えな過ぎて吐きそう。夏油傑幸せ計画の前に自分が終わりそうな気がしてとても気が重い
ちなみに主人公が知ってる呪術廻戦は原作の渋谷事変途中までなので直毘人の術式は知らない


五条悟

主人公の尊厳のために自分の婚約者になる提案をした、今回一番の功労者。五条がいなかったら主人公は直哉の婚約者にさせられて高専も辞めさせられて禪院家に閉じ込められるところだった
主人公のことは友人として好き。Loveではない。でも彼女の不本意で直哉と婚約させられて人生ぶっ壊されるのを黙ってみていられなかったので後悔はしていない
親友の片想いの相手を一時的とはいえ自分の婚約者に据えることに思うところはあるけれど、これも親友のためだと云い聞かせて割り切っている


夏油傑

片想いの相手がいきなり親友の婚約者になって情緒が死んだ。が、冷静に考えて今はそれ以外の手段が見つからなかったので断腸の思いで賛成した
主人公と五条の間に恋愛感情が一切ないのはわかっていても、五条はあれで実は結構主人公のことが好きだし、主人公も五条には優しいし、もしものことがあったらどうしよう、とは思っている。二人にはとてもじゃないが云えないので、賄賂を持って時々家入に泣き言を聞いてもらっている


小牧先輩

蚊帳の外の世界の出来事なのに、いきなり問題のど真ん中に放り込まれた可哀想な一般人。しかし持ち前の驚異的な理解力と包容力で現実を受け止め、主人公を支えると決めたとんでもない精神力の持ち主
多分この人が一番ヤバい


禪院直哉

かませ犬にもなれなかった
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