原作には無い部分ですので、難産でした
序にもう一人被害を受けます
突然の八重樫雫の発言に、この場にいた全員が唖然とする。
時間にしてはほんの数十分か、2・3時間前に自分達の目の前で起きたクラスメイトであり、自分達が【無能】と思っていた南雲ハジメへの援護として放った攻撃魔法が当たった事案の犯人が、同じクラスメイトの檜山だと、クラスメイトの中でも有名人である八重樫雫から言われた事に、この場にいた全員が少しの間沈黙してしまった。
流石の檜山が雫に対してそんなはずが無いと言うのだが、雫はその言葉を即座に否定した。
「悪いけど、あの時偶然にも見たのよ。貴方が使った攻撃魔法が誘導されて、南雲君に当たったのをね」
「な、何を言って『悪いけど、私も見たよ』なっ!?」
「悪いけど私も偶然なんだけど、見たんだよね。あんたが使った魔法がハジメ兄さんにぶち当てたのを、ね」
流石に事案が魔法の誤射等ではなく、恵里まで参加し、完全にハジメを狙ったものであるとなると、話は完全に別物であるからだ。
「ふ、ふざけんな!?俺が《火球》を南雲にぶつけたっていうのかよ!!」
「あんた、馬鹿でしょ?私も恵里も《魔法》ってしか言ってないわよ?《火球》なんて一言も言ってないわ」
自分から自爆したとも言える発言にこの場にいた全員が檜山を睨みつけた。
同時に檜山の攻撃魔法の適性で強いのは風なので、次点で火の属性魔法なのだが、あの状況で適性が低い方の攻撃魔法を使ったと証言した時点で、ハジメへの殺意が無いとは言えないとされた。
「まぁあんたは南雲君を恨んでいたもんね。香織とよく話したりしてるのをよく睨んでたしね」
「毎回お兄ちゃん達をキモオタとか言ってたしね。まぁあの場でハジメお兄ちゃんを殺せば、後で香織さんを手に入れられるって思ったんでしょうけど、実際はハジメお兄ちゃんと一緒に奈落に落ちる原因を作ったもんね」
流石の2人からの理由込みでの発言に、クラスメイトや騎士団の面々ですら非難の冷たい目を檜山にぶつけた。
その時、天之川河が檜山を擁護した。二人が見たのは偶然であり、檜山の使った魔法がハジメに当たったとするのは無理があるとしたが、即座に否定された。
「だったら適性高いのある魔法を使えばいいでしょ?わざわざ適性が低い魔法を使ったのを見たから、不思議に思ったのよ。そしたらこいつが放った火球はこっちに向かって走っていた南雲君に当たるように誘導されたのも確認したわ」
「僕も同じ。あの状況下で、しかも檜山に関しては特にハジメお兄ちゃんを嫌ってたからね。念の為にと思って見てたら、その魔法がハジメお兄ちゃんに誘導されたのも確認したからね。つまり、誤射とかじゃなくて、完全に殺人になる事案だからね」
それでも天之河が檜山を庇おうとし、檜山はその場で土下座し、使った魔法の誘導に関しては、自身の手違いみたいなものだとした。
そして天之河も檜山がこんな風に誠心誠意謝っている態度を見せているのだから、許してやれと言ってきた。
流石の発言に雫と恵里の二人は呆れたようにため息をついた後、条件付きで許すとした。
「いいわよ。その代わり、私達がどんな条件を言おうと、それに文句を言わないなら、許してあげるわ」
「僕もだね。まぁ本来ならここでするのはアレだけど、僕達の条件を飲むなら、檜山のした事に関しては許してあげるよ?」
流石の二人からの発言にメルド団長達、騎士団側は驚いた様子であったが、天之河は檜山に二人が許してくれて良かったなと言った。
そして檜山も何度も土下座をし、許してくれるならとして、二人からの条件を飲むとしたのだ。
「それじゃ先に上の階に上がりましょ。入口付近まで登ったら、檜山の許す為の条件は言うから」
「僕もだね。流石にこの場でするのは怖いからね。またダイブされるのは嫌だし」
そう言って皆が上の階に向かって歩き出したが、クラスメイト達も、騎士団も檜山とそのとりまき達への見る目は冷ややかになった。
そしてそれは、勇者の天職をもつリーダー的な存在であった天之河にも向けられた。
その間に雫と恵里は小声で話しながら、歩いていくのであった。
そして大迷宮の出口付近になり、皆が安堵すると同時に、雫と恵里が檜山への許す条件を言うとした。
「メルド団長とクラスメイトの皆、悪いけど、あのバカ勇者を地面に叩きつけて動けなくしておいて!」
雫がそう言うと、メルド団長が勇者である天之河を地面に叩きつけ、更には天之河の上にクラスメイトの大半が乗って動けなくした。
流石の事態になにかしろヤバいと感じて逃げようとした檜山だったが、騎士団の面々が檜山の逃げ道を塞ぎ、更には動けないように四肢を素早く拘束した。
そこに恵里が歩み寄り、同時にクラスメイトと騎士団の中で回復魔法が使える存在を呼んだ。
「僕達からの条件はね、かつて地球に存在していた刑罰の執行だよ。しかも、内容的には《死刑の次に重い罰》とされたものなんだよ」
「な、何する気だよ!?」
「大丈夫だよ。今からするのは《宦官(かんがん)の刑罰》。物凄〜いくらい馬鹿な君に分かりやすく言えばね・・・」
そう言って檜山の下半身を完全に外に露出させ、動けなくされている檜山は羞恥心で顔を真っ赤にし、恵里は檜山のモノを触っていたが、その反対側の手には短剣が握られていた。
流石の檜山もこんな体制で、しかも恵里の片手には短剣が握られているのを見て、恐怖に怯えていたが、恵里は騎士団に頼んで檜山の口を布を使って塞がせた。
「君のコレ、今から切り落とすのさ(とびっきりのいい笑顔)」
流石の内容に檜山を拘束していた騎士団ですら顔を真っ青にし、受ける側の檜山も顔を真っ青にしながら、この場から逃げようとしていたが、騎士団の拘束からは逃げられず、恵里の持っていた短剣で檜山のモノは切り落とされた。
流石の痛みに檜山も口を塞がれているが、大きな絶叫を上げ、痛みで気絶したのかピクリとも動かなくなった。
恵里は切り落としたモノをゴミのように遠くに捨て、檜山に回復魔法をかけるように言うと、流石の状況にクラスメイトは何もできなかったが、騎士団が行ってくれた。
その後に関しては天之河は拘束から解放されたが、雫や恵里に檜山へのやり方に異議を言おうとしたが、メルド団長に天之河は無理矢理気絶させられ、そして大迷宮から皆は外に出るのであった。
そして数日が経過した。
オルクス大迷宮から出てきた面々は一度王国に戻り、この大迷宮への遠征で4人もの使徒が迷宮で命を失ったことと、その原因が同じ使徒である檜山大介による嫉妬による殺害事案が始まりだとし、更に本人に関して行われた罰も報告された。
他の面々に関しては大半が今回のことで自分達が死ぬかも知れないと言う恐怖心が襲い、部屋に引きこもる状態になり、一部の人間だけが鍛錬を行うようになっていた。
その間に恵里に関しては今回檜山に対して行った事案の話を聞くとし、教王のイシュタルさんや王様、他の貴族等がいる場所で恵里は正直に発言した。
檜山に対して行ったのは、かつての地球で行われていた刑罰の1つであり、その内容は死刑の次に重い罰である事と、この罰を行ったのは自分達クラスメイトと、この王国にいるの女性陣の安全を得るためだと発言した。
「君達側と王国側の女性陣の安全を得るためとは、どういうことですか?」
「簡単ですよ?アレは嫉妬を理由に人殺しを行ったんです。そして欲しかった意中の人は得られる機会を永遠に失った。これから先で皆さんの敵である魔人族からすれば、アレは簡単に利用できる存在になります」
「・・・つまり、彼が我々を裏切り、魔人族に着くと?」
「その可能性が高いと言うよりも、確実に向こうの仲間になりますね。何しろ魔人族側からすれば、神の使徒と呼ばれている存在だろうと、自分の敵より仲間にできる方がマシです。更に仲間になった時の条件として、自分達に協力すればリリアーナ王女や王妃様、他の女子生徒達全員に対して何をやってもいいみたいな話になってもおかしくありません。オマケにアレと何時もいる三人も一緒に魔人族に協力すれば楽しめるんですから、絶対に裏切らないって事は無いでしょうしね」
「・・・つまり、彼へのあの制裁は今回問題をおこした檜山氏の仲間である他の三人への見せしめと、女性陣の貞操を守る為と言うことですね」
「命をとらないだけマシだと思いますよ?それに仲間殺しを行った人間に対し、騎士団や他のクラスメイト達も、アレに対してもはや信用も信頼も持てません。何かあった際に、同じ目に合うことになったら嫌ですからね」
恵里との話により、恵里のやり方に関しては酷いものであったが、行った理由が理由なので、最終的には無罪となった。
と言うもの、もう一つ恵里が無罪放免になった理由があるのだ。
実はこの話し合いで檜山のした事に関しては教王様による直々の箝口令をしいてもらい、大迷宮での事件に関しては元々無能とされていたハジメがヘマをし、彼を助けようとした香織・和真・クスハの三人が犠牲になった事にする話にするとし、そして世間的には檜山のした事案に関しては、運が悪い名誉の負傷とする扱いにすることになったのだ。
何しろ世間的には自分達はこの世界の神であるエヒト様が別世界から呼んだ神の使徒で、その使徒の一人でもある檜山が同じ神の使徒を殺害したとなっては世間的に体裁が悪過ぎる上に、他の国と連携していかなければいけない対魔人族との戦いにおいて、この事実がバレたら王国・教会が他の国等から支援等を受けられない可能性が高いからである。
そういう点もあるとし、今回の檜山の事件に関してはある種の不問とし、結果的に教王様が恵里の考えに賛同し、恵里へのお咎めは無しになったのだ。
だがしかし、恵里を無罪とする判決に対して反論したのは勇者である天之河であった。
そして無罪になって数日後、騎士団の管理する場所でメルド団長達を含めた騎士団全員と、他のクラスメイト達の前で恵里を魔女裁判のように天之河が断罪するような形になっていた。
実際の状況等を偶然来ていた愛子先生は知らなかったのか、天之河の発言を聞いて驚いていたが、何故恵里にそんな真似をしたのかとなったが、雫と恵里は冷ややかに二人を見ていた。
檜山もこの場にいたのだが、雫と恵里の二人を憎しみのこもった目で見て罵詈雑言を言っていたが、流石の内容に騎士団によって拘束され、地面から動けないように四肢を拘束されていた。
因みに愛子先生に関しては箝口令が敷かれていたので、嘘情報とこの場での天之河から話しか聞いていないのか、《恵里が檜山に対して滅茶苦茶な制裁を行った》と言う感じで、本当の理由を知らないみたいだったので、メルド団長達も愛子先生の発言には頭を抱えていた。
「愛子先生・・・まぁ箝口令を敷いてもらってますし、面倒ですから何も言わずにここで話を聞いて下さいね。分かりにくい所はメルド団長にでも聞いて下さい」
「序に言えばね、何であんたの言葉に耳を傾けなきゃいけないのよ?檜山に対して殺しはしない代わりに、アレが私達が話し合って決めた最大限の譲歩なんだよ?」
「だからと言ってあんなのはやり過ぎだ!檜山もちゃんと謝ってたじゃないか!!」
天之河は檜山が土下座してまで謝罪をしたのに対し、あのような仕打ちは異常だとしてきたが、二人は呆れるように天之河を見ていた。
「ふ〜ん、それってつまりさ、天之河君は私のお兄ちゃん達に【死んでほしかった】って事でいいんだよね?」
「そうとっても仕方無いわね。檜山のした事は誰に聞いても《殺人》なんだし、それを《謝罪した姿をしたから許すべき》って言って庇う時点で、南雲君達兄弟は死んでほしかったって見ても仕方ないわよ?」
二人から天之河が南雲兄弟に対して【死んでほしかった】と言った発言に、騎士団や他のクラスメイト達、教師である愛子先生ですら時が止まった。
「そ、それは一体どういう事なんですか?何で南雲君達兄弟を天之河君が死んでほしかったって思っているみたいな言葉を言うんですか?」
震えた声で教師である愛子が二人に対してそう言うと、二人は不思議そうにし、他の教師から天之河の話を聞いてないのかと言うと、愛子は全く知らないみたいな感じになった。
「・・・あぁ~、よくよく考えたら愛子先生には性格的に無理、だったわね」
「あぁ~確かに。愛子先生、何か別ベクトルで天之河君と同じに近いから、他の先生達も愛子先生には言わなかったのかも知れないわね」
二人は少ししてから納得するような答えを出すと、教師として他の先生達からも信用が無いのかと思ってしまったが、二人からは逆に愛子先生を守る為とした。
流石にこの場にいた大半が意味が分からないとなったが、恵里は天之河が自分の義理の兄二人に死んでほしかったとした理由として、天之河がこの世界に来た時に、イシュタルさんがこの世界の状況を話をした後に言った言葉だとした。
「あの時さ、天之河君は皆に宣言したよね。『人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!』って」
「檜山が南雲君に対してあの時に殺害をしようとした時点で、あんた、誰も救えてないじゃない。それなのに土下座して、誠心誠意謝罪の態度を示したから無罪にしてやれって、おかしくない?それだとあんたは人殺しをした檜山は元の世界で家に帰ってよくて、南雲君は私達を助ける為に頑張ったのに、元の世界に、家に帰る資格は無いって言ってるのと同じよ」
流石に天之河は論点が違うと反論するのたが、話を聞いている他のクラスメイトや騎士団の面々からも、天之河の発言はおかしいとなってきた。
普通に考えれば雫の言う通り、殺人を犯した檜山は元の世界に帰ってよくて、自分達を助ける為に頑張っていた南雲ハジメが元の世界に帰らなくていいというのは間違っていると思うからだ。
「序に言えばなんだけど、平気で仲間殺しをした人間と一緒に行動するなんて、私は嫌だよ。これからこいつと仲間として一緒の宿にいるなんて、何かあった時に部屋にやって来て無理矢理襲われる可能性があるようなのといるなんて、絶対無理!!」
「私もよ。檜山のあの時の土下座なんて信用するわけ無いでしょ。どうせあんたがいれば周りを説得して、これから先も何事も無く過ごせるみたいに思ってるような奴を、平気に庇うような真似をするあんたもだけど、一緒に行動するなんて無理よ」
天之河も反論をしようとしたが、これ以上は流石に駄目だと判断したメルド団長に止められ、恵里の行動はやり過ぎ感はあるが、檜山に対して行った行為がかつての地球に存在した刑罰だとは行う際に言われており、恵里もそれに同意した。
「今は手術でしか無いけど、昔は王様の王妃様や側室とかの人達を守っていた警備の人達用の処置とかでもあったからね。後だけど、私達なら韓流ドラマとか、古代文化のアニメとかの時代では実際に行われていた処置だからね」
「まぁ罪人に対して死刑に次ぐ重い罰扱いだし、このトータスでも採用してもおかしくない刑罰だもの。命を奪われないだけマシだと思いなさいよ」
そして天之河と檜山の二人は悔しそうにしていたが、それ以外の面々からは檜山に対して行われたのは正当な行為としてみられた。
こんな感じであったので今日の訓練は行われず、話し合いが終わった際に二人に対して坂本が現れ、天之河への態度の件で話となった。
坂本から話を聞いていた二人は、坂本が天之河がかつて何をしたのかを知らないとなり、呆れながらも二人は天之河がかつて何をしたのかを別室で話をするとなった際に、二人に声がかかった。
そこには愛子先生・谷口 鈴・遠藤 浩介・園部 優花・清水 幸利の5人がいて、天之河に対してここまでする本当の理由を知りたいと言ってきたので、二人はメルド団長に声をかけ、夕食後にメルド団長同席での話し合いが行われる事となった。
もう一人の被害者は勇者の天之河光輝になります