色々とありふれないカズマの大冒険   作:ナハト・リコリス

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第2話 ハウリア族の理由とハルツィナ樹海へ

ライセン大峡谷で出会ったシア・ハウリアにしがみつかれた状態で、家族を助けてくれとなったのだが、余りにも不審過ぎるシアに対して俺達は彼女から逃げようとしたが離れず、仕方無く話を聞くことにした。

 

その際にユエの体型をシアが乏してしまう発言をして、ユエの魔法でシアが犬◯家の一族のようになってしまったが、こればかりはシアが悪いとし、同時にシア自身も見た目はユエとはまた違った感じで凄く可愛い美少女だ。

 

少し青みがかったロングストレートの白髪に、蒼穹の瞳。眉やまつ毛まで白く、肌の白さとも相まって黙っていれば神秘的な容姿とも言える、手足もスラリと長く、ウサミミやウサ尻尾がふりふりと揺れる様は何とも愛らしく、ケモナー達が見れば感動して思わず滂沱の涙を流すに違いない。

 

 

何より、この場に置いてはユエにはないものがある。シアは大変な巨乳の持ち主なのだ。

 

 

ボロボロの布切れのような物を纏っているだけなので殊更強調されてしまっているそれ凶器は、固定もされていないのだろう。彼女が動くたびにぶるんぶるんと揺れ、激しく自己を主張している。ぷるんぷるんではなくぶるんぶるんである。

 

口には出せないがこの場にいる香織とクスハと同等、悪ければシアが上かもみたいな印象もある。

 

まぁユエのお仕置きでシアに関しては百年の恋も冷めるみたいな感じになってしまったが、その際にユエからの質問をハジメもそれとなく対応していた。

 

 

そしてユエの攻撃を受けてもゾンビの如く動けるシアに俺達も驚きつつも、シアと名乗るウサミミ少女の話を仕方無く聞いてやることにした。ぶっちゃけた話、聞かないと色々と面倒そうだなと思っていたりしたからだ。

 

 

シア曰く、シア達の一族であるハウリアと名乗る兎人族達は【ハルツィナ樹海】にて数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていたらしい。

 

兎人族は聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。

 

性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また総じて容姿に優れており、エルフのような美しさとは異なった可愛らしさがあるので、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる。

 

そんな兎人族の一つであるハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。

 

兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪な上に、しかも亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えた。

 

当然一族は大いに困惑した。

 

亜人族として有り得ない子が生まれたのだ。

魔物と同様の力を持っているなど、普通なら迫害の対象となるだろう。

 

しかし彼女が生まれたのは亜人族一、家族の情が深い種族である兎人族だ。百数十人全員を一つの家族と称する種族なので、ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。

 

しかし樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。

 

魔物とはそれだけ忌み嫌われており、不倶戴天の敵なのである。国の規律にも魔物を見つけ次第、できる限り殲滅しなければならないと有り、過去にわざと魔物を逃がした人物が追放処分を受けたという記録もある。

 

また被差別種族ということもあり、魔法を振りかざして自分達亜人族を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など持っていない。樹海に侵入した魔力を持つ他種族は、総じて即殺が暗黙の了解となっているほどらしい。

 

 

故にハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが先日、彼女の存在がばれてしまった。ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出た。

 

 

行く宛もない彼等は一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。

山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシと判断したらしい。

 

 

しかし彼等の試みは、その帝国により潰えた。

 

樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。

 

女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。

 

全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。

 

流石に魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうし、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった。

 

しかし、予測に反して帝国兵は一向に撤退しようとはしなかった。小隊が峡谷の出入り口である階段状に加工された崖の入口に陣取り、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つことにしたのだ。

 

そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようとしたが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑ったらしい。

 

「……気がつけば、六十人はいた家族も、今は四十人程しかいません。このままでは全滅です。どうか助けて下さい!」

 

最初の残念な感じとは打って変わって悲痛な表情で懇願するシア。どうやら、シアはユエやハジメ、香織と同じくこの世界の例外というヤツらしく、特にユエと同じ先祖返りと言うやつなのかもしれない。

 

俺達はシアの話を聞き終えた後、俺が代表するとしてシアに答えた。

 

「シア。君には悪いが断わらせてもらう」

 

俺がそう言うとシアは何を言っているのか分からないみたいな顔をし、口をポカンと開けていたが、すぐさま俺に捕まって何故!?となったが、こっちとしては理由があるからだ。

 

「まず第一に今の俺達にとって良い事が何一つも無いからだ。話を聞いた限り、君達は帝国から追われている。更に樹海から追放されている。そして君が一番の厄介のタネであるって話だろ?つまり俺達にとっては悪い方面しかない。仮に峡谷から脱出出来たとして、その後どうするんだ?今の話通りなら、また帝国に捕まるのが関の山だ。そして捕まるのを避けたいなら、また俺達を頼るしかない。今度は帝国兵から守りながら北の山脈地帯まで連れて行ってほしいってね」

 

「うっ、そ、それは……で、でも!」

 

「俺達にだって旅の目的はある。悪いけど、君達のように俺達にとって厄災を齎す者達を守る事はできない。例え君達の今の現状が悪いのは分かるけどね」

 

「そんな……でも、守ってくれるって見えましたのに!」

 

「……さっきも言ってたけど、それはどういう意味だ?君の固有魔法と関係あるのか?」

 

一向に折れない俺達に涙目で意味不明なことを口走るシア。

 

そう言えばと考え、何故シアが仲間と離れて単独行動をしていたのかという点が疑問であった。その辺りのことも関係あるのかと俺が尋ねた。

 

「え?あ、はい。【未来視】といいまして、仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか?みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……そ、そうです。私、役に立ちますよ! 【未来視】があれば危険とかも分かりやすいですし! 少し前に見たんです!貴方が私達を助けてくれている姿が!実際、ちゃんと貴方に会えて助けられました!」

 

シアの説明する【未来視】は彼女の説明通り、任意で発動する場合は、仮定した選択の結果としての未来が見えるというものだ。

 

これには莫大な魔力を消費し、一回で枯渇寸前になるほどである。また、自動で発動する場合もあり、これは直接・間接を問わず、シアにとって危険と思える状況が急迫している場合に発動する。

 

これも多大な魔力を消費するが、任意発動程ではなく三分の一程消費するらしい。

 

シアは元いた場所で、俺達がいる方へ行けばどうなるか?という仮定選択をし、結果、自分と家族を守る俺達の姿が見えたようだ。そして俺達を探すために飛び出してきた。こんな危険な場所で単独行動とは、よほど興奮していたのだろう。

 

だがしかし、そんな能力があるならフェアベルゲンの人達や、帝国から逃げられたのではと思って聞いたら、友人の恋路を調べる為に使ってしまったらしく、流石に俺達も呆れてしまった。

 

そしてシアのもっている未来視の事を聞いてハジメ達と一旦話をした際に、ユエからの援護的な事案があった。そして俺がシアに話し合った結果を言った。

 

「分かった。なら、君達を助けてやる」

 

俺がそう言うとシアは喜んだが、俺は条件が有るとした。

 

「助ける代わりに俺達を樹海に案内して欲しい。それだけだ」

 

そう言うとシアは喜んでいたが、話し合いでオルクス大迷宮であったオスカーの書記に書かれていた樹海にある大迷宮を調べる為とし、後は彼等ハウリア族次第にしようと話を済ませていたので、シアには悪いが後はハウリア族次第なのは言わないでおいた。

 

そしてシアに俺達の名前を言った後、シアに関してはハジメのサイドカーに乗って貰い、ユエは小柄な体型を活かしてハジメの前に座ってもらった。

まぁ本来なら道路交通法違反のような事案なのだが、異世界だから良いかとしておいた。

 

シアはシートの柔らかさに驚きながらも、俺達はシアの家族でもあるハウリア族のいる場所に向かって移動した。

 

その際に移動しながら話をし、ハジメ・香織・ユエの3人が自分と同じで魔力操作ができると知り、自分と同じ存在がいる事に涙を流したが、俺達もシアから話を聞いていたので、自分と同じ存在がいないのは彼女にとって色々と精神的な重石にはなっていたのだと理解はしていたからだ。

 

そしてハウリア族の隠れている場所に来ると、6体のワイバーン?みたいな存在に襲われていたが、俺・ハジメの射撃で1体を撃破した後、仲間を殺されて残りのワイバーン?が俺達に襲って来たが、アッサリと俺達に迎撃されるのであった。

 

因みに後で聞いたら、このワイバーン?は《ハイベリア》と呼ばれる名前で、シアを襲った双頭のティラノサウルスである《ダイヘドア》と同等の危険存在として有名な存在だと教えられた。

 

 

そして俺達は42人のウサミミであるハウリア族の面々を引き連れて渓谷を脱出した。

 

本来なら自殺行為的な事案だが、俺達が渓谷にいる魔物を何の苦も無くあっさり倒すので、ハウリア族の面々も色々とおかしくなっていたのは仕方ないと思うことにした。

 

そしてライセン大峡谷から脱出できる階段がある場所にたどり着き、シアから俺達に帝国兵と、人間と戦えるのかと聞かれたが、俺達からしたらハウリア族の面々はハルツィナ樹海での道案内の為だけに雇うだけで、それ以外はハウリア族の面々で対処しろと言ってある。

 

故に邪魔をするなら人間だろうと倒す事は決めているし、俺とハジメの2人で人の命を奪うことも視野に入れている。

 

これは俺もハジメもできたら女性陣の手は人の血で汚すような真似はしたくないと思っており、相手の人命を奪う事態になるなら、俺とハジメの2人だけと決めているからだ。

 

俺自身も【命大事に】の信念を持つ千束の事があるので、人殺しをした事を言ったら思いきり俺のやった事を怒るだろうし、一緒にいたくないと思うかも知れないが、俺もハジメも《自分にとっての大切》を守る為ならこの両手を血で汚す覚悟はオルクス大迷宮で話し合っているのだ。

 

 

そしてライセン大峡谷の崖を登りきると、そこには30人程の帝国兵がいた。

 

帝国兵は兎人族達を完全に獲物としてしか見ていないのか戦闘態勢をとる事もなく、下卑た笑みを浮かべ舐めるような視線を兎人族の女性達に向けている。兎人族は、その視線にただ怯えて震えるばかりだ。

 

帝国兵達が好き勝手に騒いでいると、兎人族にニヤついた笑みを浮かべていた小隊長と呼ばれた男が、ようやく俺達の存在に気がついた。

 

だがしかし、俺達と一緒にいる香織・ユエ・クスハまで兎人族と一緒に寄越せとなり、俺達が断ると四肢をバラしてとなったので、俺とハジメは近くにいた帝国兵を殺した。

 

倒された事に驚いていたが、俺からすれば馬鹿でしか無かった。

 

「悪いが、俺達の敵に容赦する気は無い。どうせこの場所なら、死んでも誰も文句もないも言わんだろうしな」

 

そして俺とハジメの2人だけで帝国兵を殺していき、最後の1人となった奴に他の兎人族の事を聞くと、全部帝国に移送したらしい。

 

但し、人数は絞ったと話したので、老人等、彼等にとっての価値の無い存在は殺したのだろうと予想がつき、最後の1人は俺が殺すのであった。

 

因みに俺は覚えた剣術も何も使わず、純粋にハジメの造った剣を振るった程度で倒せたので、初の対人戦?と言えるのかと思った程度であった。

 

同時に初めて人を殺したのであるが、罪悪感等は感じていなかった。ハジメも同じなのか、自分の大切に手を出すと言った時点で罪悪感等は沸かなかったらしい。

 

俺としても兎人族の姿を見た時と、クスハ達の容姿を見て発言した言葉もあり、外道と思う事にしたのも要因なのかと思った程度である。

 

ただ、日本に帰ったら色々と駄目だろうから、武器関係に関しては封印するが、精神面に関しては病院で対応してもらうかと話をするのであった。

 

 

そして俺達は無傷の馬車と馬を手にし、馬車にはハジメのバイクを繋げて動けるようにし、この場にいる中で馬に乗れる者に乗って貰い、俺もスピーダーを出してハルツィナ樹海に進むのであった。

 

因みに殺した帝国兵達からは装備と金になる物を一部だけ回収し、遺体に関しては魔法が使えるようになったユエに頼んで風魔法で崖に落として貰った。

 




投票に関しては後二・三話後で終了とさせてもらいます
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