色々とありふれないカズマの大冒険   作:ナハト・リコリス

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今回はハウリア族の大改造となります


第4話 ハウリア族の大改造

フェアベルゲンから離れた俺達は大樹近くに拠点を作って一休みしていた。

 

クスハに関しては自分達の崇める四神の巫女と言うことで、ハウリア族の面々はクスハには完全に頭を下げる状態であったので、クスハも色々と困惑している状態になってしまった。

 

俺達はハウリア族と話し合い、十日後に自分達の用事が終わったらこの樹海にはもう用が無いので、ハウリア族の面々だけでもこの樹海で生き残れるように戦闘訓練をするとした。

 

流石のハウリア族も理解していない様子で、俺はハウリア族に理由を話した。

 

まず第一にハウリア族兎人族はこれまで戦う力が無いからと逃げや隠れるに徹した存在であり、これまでならフェアベルゲンと言う隠れ家があったが、今はフェアベルゲンと言う隠れ家にすら住めない。

 

戦闘能力が無いと言って逃げてたり隠れていた兎人族のハウリア族であるが、今は俺達の庇護下にあるが、それも十日後には俺達がこの場から去るとなれば、この樹海に住む魔物達だけで無く、フェアベルゲンに住む他の亜人族が襲撃をしてきてもおかしくないのだ。

 

「そ、そんな・・・我々はあなた達の元にいて、四神様の巫女様と一緒にいる我々に流石に彼等も手出しはしないのでは?」

 

「カム、お前はアホか?クスハは確かにお前達亜人族の崇める四神の巫女で、お前達を俺達の仲間だとしたが、俺達が樹海から離れれば庇護下では無くなると判断するか、巫女様を俺達みたいな奴等から助けようと考える存在がいてもおかしくない。つまり、お前等はこれから戦う術を会得しない限り、これから先一生安心して寝る事もできず、最悪の場合はハウリア族の滅亡だ」

 

俺の言うことに愕然とするハウリア族の面々であるが、弱いと言う理由で逃げようとしたが、ハジメが少し前の過去の自分の事を話した。

 

ハウリア族も今のハジメの強さを見ており、そのハジメがかつて仲間内から【無能】・【最弱】と言うレッテル持ちで、亜人族である自分達よりも弱かったと言うのを信じられないと言った顔をし、更に香織が自分の天職は治癒師だと言った上に、槍術を覚えてまだ3ヶ月程度だと話すとハウリア族全員が驚愕した。

 

何しろ香織の槍術をこの場にハウリア族全員が渓谷や樹海の中での移動中に何度も見ており、一番最初に俺達と出会ったシアですら香織の槍術の腕前は滅茶苦茶に凄いと思っていたのだが、それがまさか槍術を習って3ヶ月程度だと知って開いた口が塞がらない状態になってしまった。

 

「因みに俺もお前達や亜人族の前で使った剣技も同じ3ヶ月程度でしか無いぞ。しかも教えてくれた師がいたとかじゃなくて、書かれていた書物の内容から習得しただけだ。それまでの俺はそこら辺の奴等と変わらないとしか言えない実力だぞ?」

 

ここまで来ると流石のハウリア族の面々も全員がカラ笑いとしか言えない状態になったが、それと同時に今から少しでも鍛えれば強くなれると話をしたのだ。

 

「但し、これはお前等に基礎中の基礎を教えてやるだけだ。それから腕を上げるのはお前達の心次第だ。いいな?」

 

そしてハウリア族の特訓が開始された。

 

シアは魔力操作が使えるので、知識さえ何とかすれば魔法陣を構築して無演唱による魔法が使えるだろうとし、香織・ユエ・クスハと何処かに行き、稀にシアの悲鳴が聞こえるが無視した。

 

そして俺とハジメの2人でハウリア族の戦闘訓練を開始したのであるが・・・2日目にもなれば流石の俺達でも青筋を立てるしか無かった。

 

「ハジメ・・・どうする、これ?」

 

「やる気はあるんだろうけど、ねぇ?」

 

何しろハウリア族の面々の特訓景色は頭が痛いとしか言いようが無いほどに酷いものであった。

 

武器に関してはハジメがオルクス大迷宮で製作していた練習用の武器をハウリア族には渡した。

 

渡した武器は日本の小太刀のような武器で、これはハジメが精密錬成を鍛えるのと、後々で仲間になる予定の雫の専用武器であり、雫の使い慣れている日本刀製作のために作って貰っていた練習品である。

 

タウル鉱石製なので衝撃にも強く、その細身に反してかなりの強度を誇っている。

 

ハウリア族の強みは索敵と隠密能力なので、奇襲や連携による集団戦法をいずれ身につけられるようになればと思っていた。

 

俺達は専門的な事は教えられないが、奈落で覚えた合理的な戦闘のやり方と、俺達がもつ書物の力も借り、元々戦闘が嫌で逃げに徹する性質のハウリア族に戦い方を教えた。

 

彼等も自分達の性質に逆らいながら、言われた通り真面目に訓練をしているのは理解しているし、怪我を負いながらも何とか魔物を倒しているのも理解している。

 

 

だがしかし・・・

 

 

魔物の一体に、ハジメ特製の小太刀が突き刺さり絶命させる。

 

「ああ、どうか罪深い私を許しくれぇ~」

 

それをなしたハウリア族の男が魔物に縋り付く。まるで互いに譲れぬ信念の果て親友を殺した男のようだ。

 

ブシュ!

 

また一体魔物が切り裂かれて倒れ伏す。

 

「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! それでも私はやるしかないのぉ!」

 

首を裂いた小太刀を両手で握り、わなわな震えるハウリア族の女。まるで狂愛の果て、愛した人をその手で殺めた女のようだ。

 

バキッ!

 

瀕死の魔物が、最後の力で己を殺した相手に一矢報いる。体当たりによって吹き飛ばされたカムが、倒れながら自嘲気味に呟く。

 

「ふっ、これが刃を向けた私への罰というわけか……当然の結果だな……」

 

その言葉に周囲のハウリア族が瞳に涙を浮かべ、悲痛な表情でカムへと叫ぶ。

 

「族長! そんなこと言わないで下さい! 罪深いのは皆一緒です!」

 

「そうです! いつか裁かれるときが来るとしても、それは今じゃない! 立って下さい! 族長!」

 

「僕達は、もう戻れぬ道に踏み込んでしまったんだ。族長、行けるところまで一緒に逝きましょうよ」

 

「お、お前達……そうだな。こんな所で立ち止まっている訳にはいかない。死んでしまった彼(小さなネズミっぽい魔物)のためにも、この死を乗り越えて私達は進もう!」

 

「「「「「「「「族長!」」」」」」」」

 

とこんな感じで、流石に俺とハジメも当初は彼等の性格や性質的に仕方ないかと思っていたのだが、初日に何度も注意・指摘をしたのだが変化が無いのだ。

 

そこにカムと言う子供が来て、その際にハウリア族の面々が妙なタイミングで歩幅を変えたり、ジャンプをしていたのが、自分達の足元にある花を守ろうとしたとなり、まさかと思ってカムに聞いてみたら、虫でも同様にしていたとなり、俺達2人は完全にキレた。

 

 

ブチギレた俺達2人がハウリア族の面々に何をしたのかと言うと、とある某軍曹がラグビーメンバーにしたのと同じ教育である。

 

本来なら俺達2人もここまではやらなかったであろうが、流石のハウリア族のもっている自分達の現状に対する甘さに腹が立ったのだ。

 

「ハジメ、こいつ等をしっかりと躾けるぞ。まぁ今から7日間はコイツでしっかりと教育してやる」

 

「そうだね。状況によっては甘くするだけでなく、しっかりと躾けないと駄目だって分かったからね。今日から7日間くらいは徹底的に教育してやらないとね」

 

「まぁ、8日目には変な方向に向かっていたら大変だから、しっかりとオン・オフをできるようにしないといけないが、そこは俺達でしてやるぞ」

 

「そうだね。何しろこれ、やり過ぎたら色々とめんどうだもんね」

 

2人がハウリア族の面々にブチギレた上に、ストッパーになる女子がいないのもあり、2人は7日間の間、ハウリア族に対して某軍曹が行っていた新兵教育を行うのであった。

 

 

そして十日目になった。

 

シアの方に関しては女性陣の中でユエがシアとの戦いを担当し、クスハと香織は一緒に練習用の木棒と木剣を使っての模擬戦闘訓練を行っていた。

 

因みにクスハの武器が木剣なのは、龍王機から剣の練習もして欲しいと言われていたからで、剣と棒術の練習をクスハはしている。

 

 

シアの訓練相手がユエなのは、ユエは魔法による多彩な攻撃ができるからであると同時に、シア自身が香織達に話した一世一代の約束を話した際に、シアへの試練としてユエに1つでも傷をつけたら自分達の旅に同行させるとなっているからだ。

 

シアから武器作成の話を聞いたハジメが女性陣から許可を貰って作成した超重量の大鎚が使われているのであるが、ハジメも和真も何か理由があるのだろうが聞かず、オマケにどんなに頑張ってもシアとユエでは実戦経験の差もあるから大丈夫だろうと判断したのだ。

 

 

そしてハジメがいる場に女性陣が現れ、シアとユエの案件がどうなったのかと聞くと、シアがユエに勝ったと言ったが、あまりにもウザかったのかユエにビンタされて地面に激突し、少しの間動かなくなった。

 

そしてユエからシアとの模擬戦に関しては、シアの魔法特性は無いに等しいが、身体強化に化物レベルで特化していると宣言した。

 

しかも今の現状で素の状態の今のハジメの6割と言われ、ハジメも驚き、更に訓練次第で更に上がるとされ、ハジメも唖然としていた。

 

「そう言えば、和真は何処に?」

 

「あぁ~。兄貴なら」

 

ハジメが和真のいる場所を言おうとした瞬間、ハジメ達がいる場所から少し奥の方で爆音が響いた。

 

「な、何なんですか〜!?」

 

「あぁ~、兄貴流のハウリアの皆に対しての総仕上げ。やっぱ〆なきゃ駄目だったか」

 

「〆なきゃ駄目って、一体何があったんですか〜!!」

 

シアの絶叫とも言える声が響き、ハジメ達は和真とハウリア族の面々のいる場に歩むのであった。

 

 

ハジメ達が場所に着くと肩にトライシャフトを担いでいる和真と、ハウリア族の面々がいたのだが、ハウリア族の面々は全員が地面に倒れている状態であった

 

「お前等もいい腕になった。だがしかし、優しさは忘れるな。流石に短期間でお前等を鍛えるのと、性格を少しでも戦いに関してやりやすいように色々としたが、花を慈しむ慈愛と慈悲の心は忘れるな。でなければ、お前等は帝国兵とかと同じ外道に堕ちる。戦いをする為の意味をよく考えろ」

 

「・・・はい。二度と私達は堕ちません。私達のボスはここまで凄い人達なのですから」

 

カムがそう言って終わったのだが、実際はハウリア族の面々が規定以上の物を持ってきたりし、更に言動がヤバいと感じて和真が対人訓練をするとしたのだ。

 

結果で言えばだが、警棒1つでハウリア族の面々をボコボコにし、性格面の矯正をしただけであるが、和真自身も本気で戦闘したのであった。

 

これに関しては本気でヤラないとハウリアの面々を変えるのが難しいと判断したからでもある。

 

その後、ハウリア族の偵察から熊の亜人が集団でこの近くまでやってきているとなり、1人も殺さずに捕縛しろと命令を下すと、数分後には熊の亜人達は全員新生ハウリア族の面々にボコボコにされて捕縛されていた。

 

その後でボコボコにされた熊人族の面々にフェアベルンの長老衆に《貸し一つ》としておいた。

 

そして俺達は歩いて15分くらいして大樹の元にやって来たのだが、大きさに関しては想像通り途轍もない。直径は目算では測りづらいほど大きいが直径五十メートルはあるのではないだろうが、明らかに周囲の木々とは異なる異様だった。周りの木々が青々とした葉を盛大に広げているのにもかかわらず、大樹だけが枯れ木となっているからだ。

 

「大樹は、フェアベルゲン建国前から枯れているそうです。しかし、朽ちることはない。枯れたまま変化なく、ずっとあるそうです。周囲の霧の性質と大樹の枯れながらも朽ちないという点からいつしか神聖視されるようになりました。まぁ、それだけなので、言ってみれば観光名所みたいなものですが……」

 

俺達の疑問顔にカムが解説を入れる。それを聞きながらハジメは大樹の根元まで歩み寄った。そこには、アルフレリックが言っていた通り石板が建てられていた。

 

 

石版には七角形とその頂点の位置に七つの文様が刻まれていて、オルクスの部屋の扉に刻まれていたものと全く同じものだった。ハジメは確認のため、オルクスの指輪を取り出すと、指輪の文様と石版に刻まれた文様の一つはやはり同じものだった。

 

俺とハジメは大樹の周りを触ったり見たりしたが何も無く、石板の裏に表と対応するかのような窪みが刻まれているのをユエに教えてもらった。

 

ハジメが手に持っているオルクスの指輪を表のオルクスの文様に対応している窪みに嵌めてみる。

 

すると……石板が淡く輝きだした。

 

何事かと、周囲を見張っていたハウリア族も集まってきた。しばらく輝く石板を見ていると、次第に光が収まり、代わりに何やら文字が浮き出始める。そこにはこう書かれていた。

 

〝四つの証〟

 

〝再生の力〟

 

〝紡がれた絆の道標〟

 

〝全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう〟

 

「……どういう意味だ?」

 

「……四つの証は……たぶん、他の迷宮の証?」

 

「……再生の力と紡がれた絆の道標は?」

 

頭を捻るハジメにシアが答える。

 

「う~ん、紡がれた絆の道標は、あれじゃないですか? 亜人の案内人を得られるかどうか。亜人は基本的に樹海から出ませんし、ハジメさん達みたいに、亜人に樹海を案内して貰える事なんて例外中の例外ですし」

 

「……なるほど。それっぽいな」

 

「……あとは再生……私?」

 

ユエが自分の固有魔法〝自動再生〟を連想し自分を指差す。試しにと、薄く指を切って〝自動再生〟を発動しながら石板や大樹に触ってみるが……特に変化はない。

 

「むぅ……違うみたい」

 

「……ん~、枯れ木に……再生の力……最低四つの証……もしかして、四つの証、つまり七大迷宮の半分を攻略した上で、再生に関する神代魔法を手に入れて来いってことじゃないか?」

 

「かも知れないな。しかも再生に関する神代魔法を手に入れないとここの大迷宮には参戦不可能って事は、恐らくここの大迷宮は他の大迷宮以上に何かがあるかも知れないな」

 

目の前の枯れている樹を再生する必要があるのでは?と推測するハジメの言葉に俺も同じ答えとしたと同時に、このハルツィナ大迷宮で得られるだろう神代魔法には何かしらの秘密があるのだろうとした。

 

 

そして俺達が外に出ようとしたら、カム達ハウリア族も共に行くとなったが、俺達が却下すると簡単には引き下がらず、最終的には次に来るまでに使えるようなら部下として連れて行くと言った。

 

因みに、もしも嘘なら町で新興宗教の教祖の如く祭り上げると言われ、流石の俺とハジメもやり過ぎたかもと思うのであった。

 

 

そして樹海の境界線でハウリア族の面々と別れ、新たに俺達の仲間になったシアを連れての移動となった。

 

バイクであるGスピーダーでは3人乗りは無理なので、俺の出した車であるGストライカーの後部座席にシアは座ってもらい、助手席にクスハに乗せてハジメと並走しながら近くの町であるブルックに進むのであった。

 

 

因みに夕方前にブルックの町の近くに来たのであるが、俺はハジメに声をかけ、ここら辺で野営し、明日徒歩でブルックの町に向かうとした。

 

流石のハジメや周りも驚き、特に久々に町の飯や宿のベッドで寝たいと思っていたハジメ達からはジトッと睨まれたが、俺は自分達の移動手段が下手に世間にバレると面倒なのと、俺とハジメ以外のメンバーは女性で、しかも美人や美女と言われてもおかしくない美貌をもつ面々なので、町に入ったら速攻で厄介事に巻き込まれる可能性が高いとした。

 

そう言うと全員が納得し、シアの首にはめられている黒を基調とした首輪は、小さな水晶のようなものも目立たないが付けられているかなりしっかりした作りのハジメ特製の首輪を俺が着け、後の面々は俺達の仲間とした。

 

「うぅ〜、私だけ仲間外れです〜」

 

「仕方ないだろ?兎人族は奴隷の間でも人気があるし、シアの顔やスタイルを考えたらこれが一番なんだ。それにそれは首輪に見えるだけで、何の効果も無い物だ。お前を守るためにはそれしか無いから耐えてくれ」

 

俺がそう言うとシアは嬉しそうにし、同時にクネクネしていたが少し無視した。

 

俺は地下室を造れるアイテムを使い、2つの居場所を造っておいた。因みに2つにしたのは簡単で、俺とハジメで別々にしたいからだ。

 

「シア、お前はこっちだぞ」

 

「へっ?あ、あの・・・」

 

「変な事はしないから。流石にハジメには逢瀬が必要だからな」

 

そう言ってシアを連れて俺とクスハと一緒の場所で寝泊まりするのであった。

 

そして朝になって様子を見に行ったのだが、逢瀬でやり過ぎた感じなのであった様子だが、俺も呆れながらも何とかハジメ達と話をし、ブルックの町に行くのであった




アンケートの結果、シアはカズマの恋人になります

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