色々とありふれないカズマの大冒険   作:ナハト・リコリス

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本来はミレディのゴーレムとの戦いですが、カズマを狙う敵からの刺客との戦いになります


第7話 ミレディの試練ではなく、厄災との再会

とある部屋の中、壁から放たれる青白い仄かな光が、壁にもたれ掛かりながら寄り添う俺・クスハ・シアの3人、少し離れた場所にハジメ・香織・ユエの3人がいた

 

ハジメを中心に右側にユエ、左側に香織が座り込んで肩にもたれ掛かっていて、俺の方も右側にシア、左側にクスハが同じように肩にもたれ掛かって寝ていた

 

俺達がライセンの迷宮に入ってから今日でちょうど一週間が経過した

 

その間も数々のトラップとウザイ文に体よりも精神を削られ続け、スタート地点に戻されること七回、致死性のトラップに襲われること四十八回、全く意味のない唯の嫌がらせ百六十九回近くと、最初こそ心の内をミレディ・ライセンへの怒りで満たしていた俺達だが、四日を過ぎた辺りから何かもうどうでもいいやぁ~みたいな投げやりな心境になっていた

 

食料は潤沢にあるし、身体スペックとハジメの造ってくれた装備で早々死にはしないのが不幸中の幸いで、今のように休息を取りながら少しずつ探索を進めていた

 

その結果、どうやら構造変化には一定のパターンがあることがわかり、ハジメの【マーキング】を利用して、どのブロックがどの位置に移動したのかを確かめていったのだ

 

もうそろそろ進展があるかもしれないと、そんなことを思いながら、俺達は両隣で眠る少女達に視線を向けた

 

俺とハジメは見張り役で起きていたが、ハジメの方にいるのは2人ともハジメにとっての大切な相手であり、俺もクスハは幼馴染から大切になり、この場には居ないが地球にいる千束とたきな、そして雫の3人も含めて今の俺にとって大切な存在だと認識している

 

 

そういう点では今は違うと言える寝ているシアの頭とウサ耳を撫でながら、シアからすると俺達の何処が良いのだろうと思ってしまう

 

何しろ出会いの時にしても、本人のもつ未来予知の映像を頼りに俺達に頼ると言う、自分の家族を護るために物凄く低いかも知れない可能性に賭け、そして今は俺達と一緒に行動を共にしている

 

俺とハジメの2人で話もしたりしたが、ハジメは香織とユエの2人だけで良いみたいな感じであり、俺自身もシアに関しては微妙にだが俺にとっての大切な存在になりかけていると自覚してきていたからだ

 

女性陣が目を覚ました後、俺達は何度か目になる迷宮探索に進むのであった

 

 

そして一週間前に訪れてから一度も遭遇することのなかった部屋に出くわした。最初にスタート地点に戻して天元突破な怒りを覚えさせてくれたゴーレム騎士の部屋で、今度は封印の扉は最初から開いており、向こう側は部屋ではなく大きな通路になっていると言う変更点があった

 

「ここからは俺はナイトブレイバーになって戦う。あの姿ならこの場所でも関係無いからな」

 

「そのほうが良いね。リュウケンドー達の力が十分に発揮できない場所でも、ナイトブレイバーなら最大限にこの場所でも力を発揮できるからな」

 

「あぁ。着化!」

 

そう言って俺はブレスレットから専用車であるGストライカーを出してナイトブレイバーに変身し、専用車はもう一度ブレスレット内に戻しておいた

 

警察手帳のような専用デバイスがあるのだが、これを使ってのナイトブレイバーへの変身を考えたのであるが、まだ手帳型デバイス【ブレイブライセンス】の改造が完全に済んでおらず、正規手順での変身となったのだ。因みにブレイブライセンスでの変身では一部武装等が使えない可能性があるとストライカーに使われている超AIから言われているので、一長一短がある事になる

 

 

俺達は開いている扉に向かっていき、邪魔をするゴーレム騎士を倒し、祭壇の扉を越えたから大丈夫だと思ったら、ゴーレム騎士達は扉を越えて俺達を襲うだけでなく、天井や壁を走るといった滅茶苦茶なとも言える事態になり、更にそのままジャンプして質量弾とも言える形で俺達に向かってくるので、俺はギガストリーマーを、ハジメと香織はドンナーとガンナーを使って天井や壁からそのまま突っ込んで来る殺意の塊のようなゴーレム騎士を倒しつつ、通路を進んで行った

 

そして追撃を何とかしながら通路の先には巨大な空間が広がっているようで、道自体は途切れており、十メートルほど先に正方形の足場が見える場所にやって来た

 

「ハジメ、いけるな。クスハ!シア!俺に捕まれ!ターボユニット!!」

 

「あぁ!香織!ユエ!飛ぶぞ!!」

 

俺はナイトブレイバーの高速移動用装備である【ターボユニットW】を起動させてジャンプ力を強化し、ハジメは身体強化を使って俺達は同時に通路端から勢いよく放物線状に飛び出した

 

 

だがしかし、この迷宮は思い通りにいかないので、足場になる正方形のブロックがスィーと移動と移動してしまったのだ

 

このままだと俺達全員は落下すると思ったら、ハジメはユエの魔法で少しだけ浮き、俺はクスハが持つ【如意金箍棒】を俺達が飛んだ通路端にまで伸ばし、伸びた如意金箍棒にハジメが掴み、俺達全員は何とかブロックの上に乗ることができたのだが、空を飛んでゴーレム騎士が襲ってくるので、俺達は素早く迎撃して辺りを見渡した

 

自分達の周囲の全ては浮遊していた。

 

入ったこの場所は超巨大な球状の空間で、直径二キロメートル以上ありそうである

 

そんな空間には、様々な形、大きさの鉱石で出来たブロックが浮遊してスィーと不規則に移動をしている

 

完全に重力を無視した空間であるのだが、不思議なことに自分達はしっかりと重力を感じている。おそらく、この部屋の特定の物質だけが重力の制限を受けないのだろうと思った

 

そんな空間をゴーレム騎士達が縦横無尽に飛び回って、落下方向を調節しているのか、方向転換が急激である

 

生物なら凄まじいGで死んでいてもおかしくないだろうが、この空間に近づくにつれて細やかな動きが可能になっていった事を考えると、おそらく……

 

「ここに、ゴーレムを操っているヤツがいるってことかな?」

 

ハジメの推測に俺達も賛同するように表情を引き締めた。ゴーレム騎士達は何故か、自分達の周囲を旋回するだけで襲っては来ない

 

取り敢えず、何処かに横道でもないかと周囲を見渡し、ナイトブレイバーの各種センサーも使って対応したが、ここが終着点なのか、まだ続きがあるのか分からないからだ

 

だが、間違いなく深奥に近い場所ではあるはずだと思っていた。何しろゴーレム騎士達の能力上昇と、この特異な空間がその推測に説得力を持たせているからだ

 

そして俺とハジメの2人の保有している能力でこの空間のことを調べていたら

 

「逃げてぇ!」

 

「「!?」」

 

シアの突然の叫びのような声に俺達と問い返すこともなく、シアの警告に瞬時に反応し弾かれた様に飛び退いた

 

運良くちょうど数メートル先に他のブロックが通りかかったので、それを目指して現在立っているブロックを離脱した

 

直後、

 

 

ズゥガガガン!!

 

 

隕石が落下してきたのかと錯覚するような衝撃が今の今まで俺達がいたブロックを直撃し木っ端微塵に爆砕した

 

隕石というのはあながち間違った表現ではないだろう。赤熱化する巨大な何かが落下してきて、ブロックを破壊すると勢いそのままに通り過ぎていったのだ

 

流石の事態に俺とハジメの頬に冷や汗が流れた

 

シアが警告を発してくれなければ確実に直撃を受けていた。この大迷宮のある場所かま原因でハジメは防御力を高める【金剛】が使えないし、流石に俺もナイトブレイバーを纏っているが、あんな物が当たればもしかしたら即死していたかもしれない

 

感知出来なかったわけではなかった。シアが警告をした直後、確かに気配を感じたが、落下速度が早すぎて感知してからの回避が間に合ったとは思えなかったのである

 

「シア、助かったぜ。ありがとよ」

 

「……ん、お手柄」

 

「えへへ、【未来視】が発動して良かったです。代わりに魔力をごっそり持って行かれましたけど……」

 

俺とハジメの感知より早く気がついたのはシアの固有魔法【未来視】が発動したからで、【未来視】は、シア自身が任意に発動する場合、シアが仮定した選択の結果としての未来が見えるというものだが、もう一つ、自動発動する場合がある。今回のように死を伴うような大きな危険に対しては直接・間接を問わず見えるのだ

 

つまり、直撃を受けていれば少なくともシアは死んでいた可能性があるということで、ここにいる全員が死んでいた可能性もあると理解した

 

改めて戦慄を感じながら、俺とハジメは通過していった隕石モドキの方を見やった。ブロックの淵から下を覗くと、下の方で何かが動いたかと思うと猛烈な勢いで上昇してきた。

 

それは瞬く間にハジメ達の頭上に出ると、その場に留まりギンッと光る眼光をもって俺達を睥睨した

 

 

俺達の目の前に現れたのは、宙に浮く超巨大なゴーレム騎士だった

 

全身甲冑はそのままだが、全長が二十メートル弱はあり、右手はヒートナックルとでも言うのか赤熱化しており、先ほどブロックを爆砕したのはこれが原因かもしれない

 

左手には鎖がジャラジャラと巻きついていて、フレイル型のモーニングスターを装備している

 

俺達が巨体ゴーレムに身構えていると、周囲のゴーレム騎士達がヒュンヒュンと音を立てながら飛来し、ハジメ達の周囲を囲むように並びだした

 

整列したゴーレム騎士達は胸の前で大剣を立てて構える。まるで王を前にして敬礼しているようだ

 

すっかり包囲された俺達の間にも緊張感が高まる。辺りに静寂が満ち、まさに一触即発の状況。動いた瞬間、命をベットしてゲーム殺し合いが始まる。そんな予感をさせるほど張り詰めた空気を破ったのは……

 

 

 

 ……巨体ゴーレムのふざけた挨拶だった。

 

 

 

「やほ~、はじめまして~、みんな大好きミレディ・ライセンだよぉ~」

 

「「「……は(え)?」」」

 

いきなりから言われた言葉に全員が驚愕というか、何でこんな変な事にとしか言いようが無い状況になり、オマケに故人の名前を名乗っているゴーレムが人間の姿であるなら、顔色は絶対に人を馬鹿にしている態度だろうと言えるような状況でもあったので、俺達は色々と思いながらも話を聞くような感じになっていた

 

まぁ向こうも聞いた話には返事を返してくれるので、このゴーレムに残留思念のようなものを与えるのは別の神代魔法だと分かった程度であるが、この大迷宮で得られるのは違うのだと分かった程度である

 

そして俺達に神代魔法を得ようとする理由を聞かれ、俺達は自分達の故郷でもある別次元に帰ることだと話した

 

「何しろオスカー・オルクスの手記と聞いた話通りなら、俺達のいる別次元の世界を選んだのには何か理由があるはずだろうが、俺達をそうそう簡単に返してはくれないだろうからな」

 

俺がミレディゴーレムにそう言うと、まるで納得したみたいになり、自分を倒せばこの大迷宮の神代魔法を授けてやるみたいな展開となった

 

 

俺達は気を引き締めてミレディゴーレムと戦おうと思った瞬間、事態が一変した

 

 

『お前の旅をここで終わりにしてやるよ、カズマ!!』

 

 

突然俺達以外誰もいない筈のこの場所に声がした後、謎の空間の穴のような物が現れ、そこから赤いドラゴンのような姿をした人型の化物が現れた

 

しかも、何故か俺の名前を叫んだ上に、その眼には俺を睨んでいたが、そこには怨みや怒りとも言える感情がみえていたのだが、俺からするとこんな化物を知らない筈なのに、何故か違和感を感じていた

 

「兄貴、アレを知っているのか?」

 

「いや、俺は全くあんな化物を知らないはず、何だが・・・」

 

「知らないはずなのに、どうかしたの?」

 

「何故かは分からない。だけど、何故か俺はあいつを知っている感じがある。それも、あいつに関しては檜山並のゲスと同じような、クソ外道だと言える感覚があるんだ」

 

「・・・って事は、完全に和真への逆恨み?」

 

『うわぁ~、それは質が悪そうだね、あいつ。まぁ何か嫌な予感が私もするし、私もあいつを倒すのに手伝うわ』

 

俺の言う事に戦うはずであったミレディですら納得し、俺達だけでなく、ミレディも協力すると言われた

 

『フフフ、ならばお前達全員あの世に送ってやるよ』

 

そう言うと黒いキューブのような物を手にし、そこから膨大な力の波動のようなものが発生した

 

『俺様の力が5倍になる災魔空間で、貴様等全員あの世に送ってやる!!』

 

そう言うと化物の周囲に突然空間の歪みが現れ、俺達は空間の歪みに飲み込まれるのであった

 




サラマンデスとのバトルに関しては、2話程にする予定です

理由に関しては、カズマのもつ力の1つを解放させるバトルを追加しようと思ったからになります
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