色々とありふれないカズマの大冒険   作:ナハト・リコリス

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ありふれの原作開始になります


第1話 異世界召喚

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺こうこうや然とした微笑を見せた。

 

「・・・何か嫌な予感がするな、これは」

 

俺は皆がある種の困惑の中で、そんな周りを見たことで少しだけ落ち着きがとめ、同時に今のこの状況そのものが嫌な予感がであると思うほどであった。

 

だがそれ以上に

 

「(腹、減ったなぁ~)」

 

昼飯を少ししか食べていないため、腹が減って仕方なかったりする。

 

 

事の起こりは数時間前に遡る。

 

 

俺とハジメは最悪なことに三徹し、親の仕事を手伝ったのだが、妹の絵里はこの手の専門的な知識等も必要な手伝いは無理で、食事等の方面で協力してくれていた。

 

そして今日は月曜日で、何とか学校には遅刻しないで来れたのだが、滅茶苦茶に眠くてたまらなかった。

 

この前は千束とたきなとの関係が変わったのが原因で、ハジメと絵里から家に帰ったら速攻で根掘り葉掘り聞かれる始末であった。

 

因みに何でそんな風に聞くのか理由を聞いたら、両親は家族の感で、絵里は女の感らしいが、ある意味怖いなぁと思ったほどだ。

 

 

因みにハジメはあの事件の後に正式に恋人となった白崎香織と一線を越えており、絵里に関しては恋人未満友達以上とも言える【清水幸利】との関係を少しだが変えようとしていた。

 

 

 

清水に関しては俺達兄妹が1年の時に同じクラスで、更に清水は俺と絵里と共にクラスの班別の研究学習で同じ班になったことが理由で話し合いをする事になり、そこからの仲である。

 

だがしかし、当時の清水に関してはコミュニケーション能力が非常に低く、俺とは偶然席が隣同士だったのだが、最低限の受け答えしかしない上に、何かあった際にはブツクサと不満を小声で言うので、個人的に好きになれなかったのだ。

 

そんな時に同じ班の研究学習となったが、清水の態度にとうとう俺と絵里がブチ切れ、手を出すのではなく、教師同伴での話し合いとなったのだ。

 

まぁ大部分は俺と絵里による清水への不平不満を全部ぶちまけ、その上で清水の言い分をこっちで論破する事態で、同伴させられた教師も困った状態だったのだ。

 

こんな事件が原因でお互いに言いたいことを言いあったら清水も少しは良くなり、絵里ともそんな感じになっていたのだ。

 

 

そして始業チャイムギリギリで、寝不足気味でキツい身体を押して教室の扉を開けたのだが、クズグループの檜山達四人から俺達を《キモオタ》とか言ってきたが、完全に無視して自分の机に向かった。

 

流石にクズグループ四人の声等のデータもそこそこあるので、明日にでも学校に提出しようと思っていたので、少しの間でも停学処分でも受ければ良いと思っている程なのだ。

 

そして学校で三女神と呼ばれる香織・雫・楠葉のから挨拶をされたので返事を返した。

因みに絵里は今日は当直当番で先に学校に来ており、俺達とは別行動なのだ。

 

だがしかし、その態度を天之河と、天之河と幼馴染みである坂上龍太郎に文句を言われたが、朝の挨拶すらしない奴等なので無視をした。

 

無視したので怒られたが、朝の挨拶すらしないから返事をしないと言ったら天之河が怒ったが、こっちからすればどうでもいいことだ。

 

坂上に関しては俺達も天之河と一緒にいる存在として交流等を持たないが、性格的には不真面目な態度をとる輩は嫌いというような感じの存在なので天之河よりは好意は持てる。

 

だが天之河の言う事は正しいみたいな部分もあるので、俺達も極力関わり合いを持とうとは思わないし、学校に来る際も絵里は違うが、大半俺達は遅めに来ているので心象としては悪いのは仕方ないと諦めている。

 

因みに学校内ではクスハ以外の香織達のことは名字で呼んでいるが、これは天之河が余りにも学校内で鬱陶しいのでしているだけである。

 

 

そして昼休みになった

 

俺とハジメに関して昼飯に関しては持ってきていない。というよりも、持ってこない理由があるからだ。

 

「ハジメくん、お昼一緒に食べよ」

 

「はい。和真くんのはこっちだから」

 

「「ありがとう」」

 

そう言って香織はハジメのを、俺は幼馴染みである楠葉(以降の表記はクスハにします)から昼飯の弁当を貰った。

 

基本的には俺とハジメの昼飯に関しては、基本的に弁当は俺達が自分で作るか、両親が作るかなのだが、両親が仕事で忙しくて手伝いをしている時は香織・雫・クスハ・絵里の四人によるローテーションで俺達二人分だけを別で作ってもらっているのだ。

 

元々俺達も料理は余りしなかったのだが、俺は千束と一緒に生活していたのが原因で、ハジメに関してはあの事件後に手が痺れて動かすのが難しいといった事があり、リハビリ目的で料理をする事にしたのだ。

 

その結果料理の楽しさを知り、少しだが自分達で料理をする機会が増えたのだ。因みに絵里は元の家庭事情もあったが、現在は清水の胃袋を掴むために日々腕を上げている。

 

前は幼馴染みであるクスハに頼んでいたのだが、話を聞いた絵里が香織と雫に連絡をいれて四人で話し合い、最終的にローテーションで弁当を作って貰う事になったのだ。

 

因みに本人達には後でちゃんと弁当代として金銭も払っており、同時に四人にとっては料理の腕を上げるのに良いらしく、楽しんで弁当を造っているのだ。

 

まぁ絵里の場合は弁当が三人前になる時もあるのだが、本人的には腕を上げられるので良いらしいから何とも言えない。

 

とはいっても、この部分を周りにはそれとなく言っており、俺達の家での手伝い内容等は言っていないが、未だに理解していないのは天之河個人と檜山のクズグループ位である。坂上に関しては一応は理解している。

 

まぁこんな真似をしたら毎度のごとく天之河が香織達の行為を否定するような事を言ってきたが、こちらからすればいい迷惑である。

 

「こっちは昼の弁当を作って貰うのを頼んでいるし、後々で家にまで行って金銭を支払っている。白崎達も家族の話では料理の腕が上がるって言われてる。何度言ったらいいんだ?」

 

「それでもだ!お前達が弁当や購買のパンとかを買いに行けばいいだけだろう!!」

 

「僕達は白崎さん達に最初から弁当を作ってほしいなんて頼んでないよ。元々幼馴染みのクスハに頼んでいたのを、絵里が大変だろうと思って白崎さん達にも話をして、それから白崎さん達の好意でしてもらってるんだよ?僕達も好意とは言え材料費とかだけでもって話をして落とし所もつけたんだ。それに、僕達も偶に自分達で作った弁当を持ってきてるよ。最近はしてないけどね」

 

こんな感じで人の食事の邪魔をするので、天之河に関しては俺からすれば無視していたいほどなのだが、向こうから勝手に色々と言ってきては対応しなければいけないので面倒なのだ。

 

そして腹が減りすぎてキツいので、天之河を無視して少しだが弁当を食べている最中に、天之河の足下から光り輝く魔法陣のような物が現れ、更にその現れた魔法陣が巨大化し、教室全体に広がる形になり、そして俺達は逃げる間もなく、輝きを増した魔法陣の光と一緒に意識を失うのであった。

 

 

 

後にこの昼休みにおきた学校での事件は、謎の神隠しとされ、弁当や生徒達のカバン等が残されたまま、一つのクラス全員と一人の教員を含めた人間が消えたのであった。

 

 

 

そして目を覚ましたら、外国にある大きな教会や宮殿のような感じのした場所で目を覚まし、イシュタルと名乗った爺さんとの出迎えになったのだ。

 

俺は周りにハジメ、クスハ・香織・雫・絵里の面々が近くにいたので、周りにバレないように小声で話をした。

 

「(おい絵里。これってお前が前に言ってた案件だよな?)」

 

「(うん。日付とかまでは覚えてなかったけど、まさか今日だとは思わなかったよ(汗))」

 

絵里から事前に聞いていた異世界転移の話であったが、現実味を帯びると結構キツいなぁと思うのであった。

 

この異世界転移の話に関しては、絵里自身も前の人生では天之河だけしか見ていなかったに近い状態だった上に、自分が何故か生きていると理解した時にこの時のことを思い出そうとしても、所々忘れている部分が有ることを教えられているからだ。

 

 

その後当初いた場所から変わり、本職のメイドとも言える存在達が現れ、男子からすれば美女・美人のメイド達であったが、俺からすれば『ハニトラ』としか思えなかった。

 

因みに俺の隣にはハジメがいて、ハジメの前には香織、俺の前にはクスハがいた。雫に関しては天之河が前にいたので、ある意味貧乏クジを引いている感じであった。

 

 

そして全員に飲み物がいきわたると、イシュタルさんがここはトータスという名の異世界で、この世界の唯一の神様である【エヒト様】と呼ばれる存在が俺達をこの世界に召喚したと言われた。

 

 

 

分かりやすく言うと、このトータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族・魔人族・亜人族である。

 

 

 

人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしく、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。

 

魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。

 

それが、魔人族による魔物の使役だ。

 

魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。

 

今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。

 

これの意味するところは、人間族側の《数》というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。

 

そんな時に神様であるエヒト様から神託を受け、その神託で召喚されたのが俺達らしいのだが、イシュタルはどこか恍惚こうこつとした表情を浮かべている。おそらく神託を聞いた時のことでも思い出しているのだろう。

 

イシュタルによれば人間族の九割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の信徒らしく、度々降りる神託を聞いた者は例外なく聖教教会の高位の地位につくらしいが、《神の意思》を疑いなく、それどころか嬉々として従うのであろうこの世界の歪さに言い知れぬ危機感を覚えた。

 

「(概ね絵里から聞いた話と同じか。だが、イシュタルさんのあの目と今の話し方の感じからして、滅茶苦茶にヤバいな、これは)」

 

「(だね。オマケにあの目、完全にヤバい系列の異常者だよ。それに話し方も【魔人族が絶対悪】みたいな話し方だしね。多分だけど、最初から天之河君を狙った発言のやり方だね)」

 

俺とハジメは後ろのメイドさんにもバレないように小声で話をしたが、ガチで今の状況が危ないのは理解していた。

 

まぁその間にも唯一の大人である畑山愛子先生がイシュタルに戦争参加はしないとした感じで話をしたが、それらを含めても話内容的には【絶対に地球に帰れる保証】すらされていないのだ。

 

 

そして天之河が俺達を戦争に参加させるような話をし、坂上がそれに乗ったので、周りも天之河が言うならみたいな感じで戦争参加になりそうであったのだが、俺は手を上げて口を出すことにした。

 

「すみませんが、俺は〘現状では参加できません〙」

 

「はぁ!?何を言ってるんだ!!魔人族をどうにかすれば、俺達は地球に『何か勘違いしてないか?』はぁ?」

 

「俺は〘現状では〙と言ったはずだ。すみませんがイシュタルさん。自分はイシュタルさんが望むような力があるのか今は全く分かりません。それとこの世界にも有るのかどうか分かりませんが、自分は元の世界でも訓練用の木剣に近い物なら少しですが握ったり振るった事はありますが、実剣を持ったことは一度も無いんです」

 

流石のイシュタルも俺の言おうとしている事に気づいたのか、少しだけ嫌そうな顔をした。

だがしかし、少しだけ向こうの思惑とは違う部位も入れておく。

 

「なのですみませんが、先に参加すると言った二人以外の他の面々に関しては、戦闘訓練と付随して、この世界における常識とかを知りたいのもありますので、色々と教えてもらった後に再度決めされてもらえませんか?」

 

「この世界における常識ですか?それは一体どういうことでしょうか?」

 

イシュタルさんも不思議そうにし、他の面々も不思議そうにしていたのだが、俺は僅かに残っている飲み物のグラスを手に持ち、イシュタルさんの方に顔を向けた後、顔を横に向け口を左手で隠して残りを飲むという真似をした。

 

まぁ天之河の馬鹿がふざけた飲み方をするな!と怒ったが、俺は学の無い天之河を反論にした。

 

「馬鹿はお前だ天之河。これ【韓国】での酒の飲み方だそ?しかも目上の人がいる際の」

 

「これの中身は酒じゃないだろ!?それこそお『お前本当に馬鹿だろ』何だと!?」

 

「まずイシュタルさん達このトータスの人達は知らないので先に言いますが、我々のいた世界には多数の国や地域があり、場所によりますが複数の神々による信仰と考え方があります。さっきしたのは本来は目上の人の前で目下の人が酒を飲む際の作法ですが、他にも食事等の材料における戒律的な事案等が沢山あるんです」

 

「なるほど。つまりあなた達にとっては普通のことでも、この世界では非常識な部分があるかも知れないから、と言うことですね」

 

「はい。何しろ我々はあなた方が信仰するエヒト様に呼ばれたと言うなら、召喚されましたが、自分達の国のやり方で生活しますというのは違うと思いますので。下手をしてこの世界を救うために我々を派遣したエヒト様の御心を蔑ろにするのは悪いので」

 

流石のイシュタルさんも俺の言いたいことを理解し、この世界における常識等やマナー等を教えてくれることになった。

 

 

そして俺達はこの【神山】と呼ばれる場所の麓にある【ハイリヒ王国】に移動したのだが、王様達がいる場所にまで移動と、玉座で座るべき王様が《立ち上がって待っていた》事と、イシュタルさんの手に軽く触れないか程度のキスをしたので、この世界では【神の意思】によって動かされていると判断できた。

 

 

そして晩餐会が開かれ、食事が終わった後には各自一人ひとりに部屋が用意され、天蓋付きのベットなのに困惑したが、精神的に疲れていたのもあり、思いきりベットの上で眠るのであった。

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