1995年
約30年前から謎の異星起源種『BETA』による侵攻を受け人類滅亡の危機に瀕した世界で1つの計画が国際連合(国連)及び日本帝国主導で開始された。
『オルタネイティブⅣ』
『BETA』とのコミュニケーションを模索するこの計画は4段階目に突入しその総括責任者として『香月夕呼』という女性を迎え、『BETA』とのコミュニケーション確立を模索していた。
しかし全ての日本人が『オルタネイティブⅣ』に好意的な印象を持っている訳では無かった。
日本帝国にあるとある日本帝国本土防衛軍の施設。この日2人の男が招集を受けていた。
「なぁ麻………真壁。なんで俺達呼ばれたと思う?」
「さぁな」
「大陸帰りの俺達が呼ばれるとしたら…………教導団への異動か!?」
「どうだろうな、真田みたく講師として派遣されるかもしれんぞ」
「…………寧ろそっちの可能性の方が大か〜。俺はそういうの向いてないと思うんだけどな」
「確かにな。…………着いたぞ。」
トントントン
「入れ」
ドスの聞いた声が扉越しから聞こえた。
「失礼致します。日本帝国本土防衛軍第11戦術機大隊所属『真壁史彦(まかべふみひこ)』大尉、『溝口恭介(みぞぐちきょうすけ)』中尉。只今出頭致しました」
「楽にしたまえ」
椅子にかける男性の一声で少し気を緩める2人。その側には眼鏡をかけた見かけぬ男が1人立っていた。
(何者だこの男…………)
真壁史彦の表情を察してか、直ぐに椅子にかける男性は彼を紹介した。
「紹介しよう。彼は『皆城公蔵(みなしろこうぞう)』。国連所属の研究員で我々が秘密裏に進める【とある計画】の最高責任者となる男だ」
(国連所属の研究員と進める計画だと…………)
「初めまして、今大佐に紹介して頂いた皆城公蔵です。よろしく」
皆城公蔵のお辞儀に合わせ両名もお辞儀を返した。
「大佐………そのとある計画とは?」
「我々の計画を説明する前に、貴様らには『オルタネイティブ計画』を説明せねばならんな」
「『オルタネイティブ計画』…………」
「なんですか大佐?その『オルタネイティブ計画』って?」
「1966年から開始された『BETA』とのコミュニケーションを模索する計画だ。『オルタネイティブⅠ』はBETAの言語・思考解析による意思疎通計画であったがまったく解明する事が出来ず失敗した。
2年後の1968年には『オルタネイティヴⅡ』が始まった。BETAを捕獲しての調査・分析計画だ。だが莫大な犠牲を払って分かった事は、BETAが炭素生命体で、各種は生物学的特徴が全く異なる生物であるということだけであった。」
「…………」
「1973年。 BETA地球襲来をきっかけにスタートしたのがソ連主導の『オルタネイティブⅢ』。ESP能力者によるBETAとの意思疎通、情報入手を目的とする計画」
「ESP能力者?」
「なんでも、『リーディング』と呼ばれる思考をイメージで投射して読み取らせる力を持つ者達だそうだ。リーディング自体は成功したものの、その能力は距離が重要らしく、BETAと接触した能力者の帰還率は6%…………しかもBETAからの呼び掛けは一切無く計画は失敗した。」
「……………」
「そしてだ。先日2つのプランの採決があり、我が日本帝国のプランを採用した『オルタネイティブⅣ』が始動した」
「『オルタネイティブⅣ』…………」
「対BETA諜報員育成計画…………でしたよね?皆城博士」
「えぇ、『00ユニット』なる対BETA諜報端末兵器を開発しBETAの情報を入手。その情報を元にBETAを殲滅する事を目標としている…………それが『オルタネイティブⅣ』です」
「BETAからの諜報…………可能なのですか?」
「……………そこでだ。我々の計画が登場する訳だ」
「!?」
大佐の合図と同時にスクリーンが降りてくる。
「『アーカディアン計画』?」
スクリーンに映し出された文字にはそう記載されていた。