Muv-LuvのAlvis   作:naomi

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第漆話 2人のエース

翌日

 

朝鮮半島の光州で国連軍と大東亜連絡軍の撤退が始まる。真壁紅音率いるティターン中隊は光州から北東約6kmにある山道の警戒をしていた。

 

「ティターン6、ティターン9、ティターン12!突撃級の足元を狙え!奴らは直進することしか脳が無いから動きを止められる!」

 

「了解!」

 

ティターン3の号令で突進する突撃級に攻撃が集まる。

 

「ティターン4、ティターン7、ティターン10。撃ち漏らした突撃級は側面から確実に仕留めるわよ。鉄壁な前面に比べて後方は脆いわ。」

 

「了解!」

 

 

ティターン1が小隊を率いて突撃級を確実に仕留めていく。

 

「要塞級は一撃が重いが、冷静に動きを把握すれば避けられる。2人1組で関節部を狙うぞ!」

 

「了解!」

 

ティターン2がティターン5、ティターン8、ティターン11を率いて奥に点在する要塞級に突撃をかけた。

 

ウーン!!ウーン!!ウーン!!

 

「レーザー警戒警報!?b小隊各機高度を下げろ!!」

 

「えっ…………ぐぁ〜〜〜」

 

「ティターン8!!」

 

ティターン8の『(TSF-TYPE77/F-4J)撃震(げきしん)』がみるみる溶け地面に落下した。

 

「真壁大尉!ティターン8が!?」

 

「落ち着け!奴らは味方を誤射しない。奴らの死骸を盾にして回避するんだ!!」

 

「ティターン2。光線級が現れた以上深追いは危険だ。先行を中止しこちらに戻れ!!」

 

「……………了解」

 

ティターン中隊は光線級から逃れる為に南に800m後退。小山の陰に身を寄せた。3人は状況打開の一手を話し合う。

 

「幸い突撃級の死骸で奴らの侵攻は停滞してる。部隊の再編をするか?」

 

「そうね・・・・航空支援を充てに出来ない以上『光線級吶喊(レーザーヤークト)』も視野に入れないとその場合。ティターン2率いるb小隊に人員を・・・・・・」

 

「俺だけで充分だ」

 

「!?」

 

ティターン2の発言を即座にティターン1は否定する。

 

「それは認められない。1機で『光線級吶喊(レーザーヤークト)』なんて自殺行為よ」

 

「半端な奴らが一緒に来たところで足手纏いだ」

 

「真壁!?」

 

「落ち着いて史彦。・・・・・ティターン8撃墜は貴方だけの責任じゃない。光線級の存在への考慮を怠った隊全員の責任よ」

 

「だが、これ以上失うわけには・・・・・・」

 

「・・・・・なら私と貴方の『2人1組(エレメント)』で行きましょう」

 

「何を馬鹿な事を!?」

 

「そうだぜ紅音ちゃん!隊長と副隊長が一緒に『光線級吶喊(レーザーヤークト)』して、失敗したら部隊は総崩れだ!!」

 

「この部隊で近接格闘戦の実力は私と史彦がトップだわ。これ以上部隊員を死なせないと言う史彦の意見には、私も同意よ。だったら私達で確実に成功させるわ」

 

「紅音ちゃん……………」

 

2人の画面越しに映る決意の瞳にティターン3は頭をかく。

 

「だぁーーーわかったわかった!そういう目の時の2人は絶対譲らないもんな!支援砲撃と部隊の指揮は俺に任せろ」

 

「すまん」

 

「ありがとう。溝口君」

 

「ただし」

 

「!?」

 

「どちらか片方でも撃墜されたら。俺は部隊に総突撃を指示するからな」

 

「…………」

 

「そのつもりで必ず2人で成功させてこい!」

 

「わかった」

 

「勿論よ」

 

3人での作戦会議を終え、部隊に伝達する。部隊の反応は予想通りであった。

 

「そんなの無茶ですよ!」

 

「せめて小隊単位で実行した方がよろしいのではありませんか?」

 

「ならば、成功させる自信がある奴は志願しろ!」

 

ティターン3が発破をかけるが、志願者はいなかった。

 

「・・・・・これ以上犠牲者を出さず『光線級吶喊(レーザーヤークト)』を成功させるために最も現実的な方法だと隊長も副隊長も判断したんだ。・・・・・・わかるな」

 

「・・・・・」

 

「だから残りの俺達で周りのBETAは片付けるんだ!いいか!!」

 

「了解!」

 

「では、5分後に『光線級吶喊(レーザーヤークト)』を開始する。各自配置について」

 

配置につくティターン中隊。前衛についたティターン1はティターン2に秘匿回線を繋げる。

 

「どうしたティターン1」

 

「・・・・・・」

 

「紅音?」

 

「必ず帰るわよ。・・・・・一騎のもとに、2人で」

 

「・・・・・もちろんだ」

 

オープンチャンネルに切り替える寸前で微笑むティターン1。

 

「・・・・・・。これより『光線級吶喊(レーザーヤークト)』を開始する!行くぞティターン2!!」

 

「了解!」

 

直ぐに部隊長としての顔に切り替えティターン中隊に指示を出す。跳躍ユニットを最大限吹かし、周りのBETAに目もくれず突き進むティターン1とティターン2の撃震(げきしん)。飛びかかろうとする戦車級を寸前のタイミングでティターン3の『87式支援突撃砲』が粉砕する。

 

「ティターン1!まもなく要塞級3体と接敵だ。どうする?」

 

「戦闘の必要は無い!自己防衛の為の最小限の反撃にとどめよ!」

 

「了解」

 

「F-4Jでこんな機動が出来るのかよ・・・・・・」

 

「そうだ。これが俺達の隊長と副隊長だ!」

 

2機の機動に感心する部下達に胸を張るティターン3

 

「オラオラ!手を休めるな!!2機の援護だ」

 

ティターン中隊の援護射撃に勢いが付いた。

 

「ティターン1。レーザー警戒警報!」

 

「わかってるわ!ランダム回避!!」

 

一瞬目視出来る光線級の光線照射を見逃さず不規則に動く2機の撃震(げきしん)。狙いの定まらない光線級から照射される光線は数の割りに少なかった。2機の『87式突撃砲』から放たれる36㎜砲弾が確実に光線級を仕留めた。

 

「ティターン1より各機。『光線級吶喊(レーザーヤークト)』により光線級計20体掃討完了。ここからが正念場だ!暴れ回れ!!」

 

「了解!!」

 

(あの2人・・・・・本当に2人で『光線級吶喊(レーザーヤークト)』を成立させやがった!)

 

「よし!隊長からのお達しだ!!行くぞお前ら!!!」

 

「ウォォォォ!!」

 

ティターン3の号令で、後方での支援攻撃に勤しんでいたティターン中隊が一気に残りのBETAとの距離を詰め掃討していった。

 

 

 

ティターン中隊は半日かかり防衛拠点のBETA掃討を完了した

 

「ティターン1よりHQ・・・・・」

 

ティターン1がHQ(司令所)に作戦の報告を取り始める。

 

「やったな真壁!」

 

「あぁ。お前達の援護のお陰だ。感謝する」

 

「しかし流石は紅音ちゃんだぜ、光線級キルスコア12体ってちゃっかりお前より落としてやがる」

 

「・・・・・・」

 

「なんだ?そんな怒るな・・・・・」

 

「怒ってなどいない。流石だと感心しただけだ」

 

固い表情を崩すティターン2。

 

「・・・・・他の場所は上手くやれてるのかね~」

 

「今それを確認しているんだろ?」

 

「はは、そうでした」

 

「・・・・・おかしい」

 

2人の通信にティターン1が介入する。

 

「どうした?」

 

「HQと連絡がつかない」

 

「なんだと!?」

 

思わぬ事態に息を呑むティターン中隊。厚く覆われた雲から雷鳴が響き渡った。

 

 

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