供養作品群   作:火野ミライ

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2022/07/02_ウルトラマンG/R/B

改めて俺は【湊 活海(ミナト カツミ)】、ウルトラマンだ。

地球外生命態【チェレーザ】に憑依されていた【愛 染誠(アイゼン マコト)】の実験により、【綾香(あやか)市】に出現した巨大生物【火炎骨獣 グルジオボーン】。暴れまわるグルジオ、その現場に偶然___今思えば運命に導かれたのかもしれない___居合わせた俺と弟の【湊 勇海(ミナト イサミ)】はグルジオの炎に包まれる中、俺たちは光を手にする。

 

俺が手にした光(力)の名は【ウルトラマンロッソ】。

その日から俺たちの日常は変化していく。次々と現れる怪獣と戦い、独りよがりな正義を止める為、兄を失った事により歪んでしまった者を止める為、狂った守護者を倒す為、夢に挫折し道を踏み外した友を救う為、仮面を被ったピエロの野望を止める為………… 最初は身近な物を守る戦いが気が付けば果てしなく遠い並行宇宙(マルチバース)を超え、様々な星で苦しむ住人達を助ける戦いへと変わっていった。

 

【デビルスプリンター】によって凶暴化した怪獣や悪用する宇宙人、【アブソリューティアン】と呼ばれる時間を、宇宙を超え全てのウルトラマンと敵対する種族との戦い。激化する戦いの最中、俺たち兄妹(きょうだい)は暇を見ては、定期的に自分達の地球へと帰省していた。互いに夢を追いかける為にだ。

 

本来なら事情が事情なだけに戦力を削る余裕はないはずなのだが、【宇宙警備隊】の人達は潔く送り出してくれている(流石に3人一緒には行かないが)。彼らの優しを背に受けて俺たちはそれぞれの場所で夢に向けての勉強が出来ている。

 

だが不意に思うことがある、「このままでいいのか?」と____ ウルトラマンと夢であるデザイナーの勉強、この二足のわらじ生活を続けて行っていいのかと。

 

俺たちがウルトラマンと知っている両親は気にするなと言う。デザインの仕事を教えてくれるミラノに居る父さんの知人はカツミ君にとってどちらも捨てがたい事なんだろうと何も聞かずに送り出してくれる。それが今君がするべき事なのなら迷わず進めと恩人は笑みを浮かべる。忙しい自慢かよと友人はいつも通りに接してくる。

 

理解ある周りの人達の助けもあって、なんとか今の生活をやっているが正直に言うと不安だ。

 

ー 君はウルトラマンか、湊カツミか? ー

 

ふと蘇る奴の声。人の感情をもて遊ぶ奴の言葉。その言葉の答えを決めなければいけない時なのかもしれない。人間を捨ててウルトラマンとして宇宙の平和の為に戦い、人間にとって永遠にも近い時間の中で命を救い続ける道。ウルトラマンの光を捨て湊カツミとしてデザイナーの道を進み、父さんの店を継ぐ道。

 

妹を鍛えている戦士は言った「掛け替えのない仲間たちと共に過ごしてきた時間は自分の胸の中にあり、どんなに離れていても絆は途切れやしない」と。宇宙の果てで野球と言う共通点で仲良くなった人は教えてくれた「結局、自分で探し出すしかない。人としてできる事を」と。

 

他にも様々な先人たちの言葉を聞き、弟が【科学技術】、妹が【銀十字軍】の見学している様子を一目見てから【ゼロ】さんに頼んで自分の宇宙へと送ってもらい、一人綾香市に帰って来た。

 

「やっぱこの空気だな~」

 

頬を優しくなでるそよ風、草木は踊り、芝生がお生い茂る地面の上を小さな子供たちが走り回り、高校生づらいの男女が互いの思いを伝え合う。どこにもあるありふれた平和。しばらく戦い続きで見られなかった景色が目の前に広がる。

 

皆が皆、思い思いの時を過ごすこの広場は俺たち兄弟が光を手にした場所であり、あの時の出来事は今なお色褪せる事ない記憶だ。両腕を上げて全身の疲れをほぐし、俺自身のイメージカラーでもある赤のシャツを整えて実家に向かって歩みを進める。

 

俺の実家は【クワトロM】と言うセレクトショップを営んでいる。そこで売られている服の殆どが父さん【湊 潮(ミナト ウシオ)】の考えたデザインなのだが…………… 宇宙人たちの間ではその独特デザインが大好評で、ひどい時には国が2つに分断されるほど。でもメイン層の地球人には______

 

うん。多分、今日も在庫が増えている。まぁ、母さんがなんとかして___る暇ないよな……

急に実家に向かう足が重くなったが、きっと気のせいだ、うん。別の意味で頭を抱えそうだが、きっと大丈夫なはず。




メモ

 いままでクロスオーバー抜きの「ウルトラマン」二次創作をした事が無いなとふと思ったが為に執筆し、自分の中で違うとなって放置してたやつ。カツミ→イサミ→アサヒと章ごとに主役を変えていくつもりだった。ちなみにタイトルの「G/R/B」は「グルーブ」と読む。
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