供養作品群   作:火野ミライ

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第2カイ!ガオな野獣がごやっかい!(A)

「う~ん?」

 

手元にある2枚のギアを見比べる。どちらも緑色に描かれているが、絵柄が違う。

介人お兄ちゃんやジュランさんと違い、私には変身用のギアが複数枚ある。いったいどういう事なんだろう?

 

「セッちゃんに聞けば、教えてくれるのかな?」

 

呟いてから慌てて辺りを見渡す。どうやら見られてはいないようだ。トジデンドとの戦いの後、私は後から帰ることを伝え、一人で公園に居る。

 

「‥‥‥ゾワゾワだ!」

「キノコ?」

「へ?」

 

ギアを懐にしまい立ち上がった時、辺りの人や地面からキノコが生えていた。(私には生えてきてない。)どうなってるんだろう?

………取り合えず、ゾワゾワの所に向かおう。

 

 

 

~少女移動中~

 

 

 

「隣の野郎、イジルデじゃねえか!」

「友達?」

「トジデンドの奴らだ。」

 

未知を疾走していると何故か、ジュランさん達の話し声が聞こえた気がする。

曲り道を右折するとキノコのキカイノイドと戦っている介人お兄ちゃん達の姿を見つける。

 

「キノコさん、お入りなさい!」

「‥……どういう状況?」

 

なんか、介人お兄ちゃん達が赤と白のリボンかな?それを合わせて大縄跳びの縄みたいに回し、タイミングをうかがうキノコのキカイノイド。戦っているというより、遊んでない?気のせい?

 

「‥‥っ!」

 

近くの建物の屋上から嫌な気配を感じ、振り向く。白色が際立つボディに右目にモノクルを着けていて、下半身の部分は可動式で動きそうなやつが、戦いを見つめていた。あ、目が合った。

がとリンガーを取り出そうとして、突然周囲に煙幕が貼られ‥…これ、キノコの胞子だ。取り合えず姿を見失ってしまった。

 

____________________________________________

 

ー 『ボッコワウス大王』が君臨している限り、俺達キカイノイドは幸せには慣れないんだ。 ー

 

「‥‥‥朝?」

 

昨日の夜、ジュランさんが言った一言が頭の中に響、それによって目が覚める。一人部屋として割り振られたこの部屋から出て、セッちゃんの元に向かう。

 

「ねぇ、セッちゃん。聞きたい事が有るんだけど。」

「おいらに何でも聞いてくれチュン。」

 

寝起きで呂律が回ってない中、昨日気になってたことを質問する。

 

「風香が、使っているギアガトリンガーはな元々開発予定はなかったんだ。けれどスーパー戦隊の中には状況に合わせて姿を変える戦士たちが居て、それを知った博士たちはその力をゼンカイジャーでも再現しようとしたんチュン。その結果、フォームチェンジの試作型として6個目のギアガトリンガーが開発され、変身用のギア追加でも作られたチュン。」

「それが‥‥私の使っている奴。」

「ちなみにちゃんと、スーパー戦隊のイメージした力も使えるし、後から作られたから、介人たちのよりもパワーアップしてる部分もあるチュン。」

 

だから、介人お兄ちゃんやジュランさんの使用が違ったんだ。

 

「そう言えば、介人お兄ちゃん達は?」

「あぁ、それならゼンカイジャーの新メンバーを募集しに行ったチュン。」

 

そう言えば昨日そんなこと言ってたような‥‥…様子、見に行こうかな?

 

 

 

と言う訳でやって来たんだけど……

 

「‥………駄目っぽい。」

「あ、風香。」

 

無意識に呟いた言葉が介人お兄ちゃんに聞こえたようで目が合う。なんて声をかけたらいいんだろう(汗)

 

「あ~、風香。仲間集めの方なんだが‥‥…」

「言わなくても良いよ、ジュランさん。見たらわかるから。」

「‥‥…はぁ~」

 

近くにあったベンチに倒れるように座る介人お兄ちゃん。

 

「まぁまぁまぁ。急に戦えと言われても、ぶちゃっけな~」

「うん。怖いよね‥‥…」

 

私達もベンチの上に座りながら考える。あ、介人お兄ちゃんがちょっと端に寄ってくれた。

昨日必要になった、戦う選択肢しかなかった。そんな私達と違って、自から命のやり取り(戦い)に関わりたって思う人は少なくとも、この国では難しいと思う。‥‥‥一ヶ月でほとんどの人が未知の存在を受け入れた人達ならなおさら‥…

 

「はぁ~」

「ねぇー、君達。」

「「「?」」」

 

突然声をかけられ、視線を向ける。そこには髪のように伸びたコードが特徴の黄色いキカイノイドがこちらを見つめていた。ジュランさんが恐竜みたいな感じなら、あのキカイノイドはライオンみたいだな~

 

「おぉー、青年!あれ!もしかして仲間に‥…」

 

キカイノイドはジュランさんの言葉に反応せず、私達の元にやって来る。

 

「僕と友達になってくれるかな?」

「え!」

 

キカイノイドの言葉に介人お兄ちゃんが立ち上がる。関係ないけど、トジデンドが生やしたキノコから嫌な臭い……ゾワゾワを感じる。そもそも何で、キノコを生やしただけで逃げたんだろう??う~ん……

 

「一緒にゼンカイジャーやってくれるって事?」

「あ~それは、ちょっと‥…」

 

思考する私をよそに話は進んでいた。取り合えず考えるのは、後にしよう。セッちゃんいわく、キノコのトジデンドを撃破すれば、何とかなるみたいだし。

 

「キカイノイドとは、関わりたくなくて。」

 

ジュランさんをチラ見した後、顔を背けなら言うキカイノイド。

 

「いや、ちょ待てよ。お前も、キカイノイドだろうが!」

「だって可愛く無いじゃないか!」

「「「うん?」」」

 

意外な言葉に疑問を浮かべる私達。

 

「硬くて、ゴツゴツして、ヒンヤリして。トジデンドなんてやる事まで最悪!全く愛せない!!」

 

多分今の私は、何とも言えない顔をしている。

 

「でも、この世界に来たらどうだ!息も達は丸みがあってキュート!触れたら柔らかそうで、温かそうで、見てるだけでこの胸に愛が溢れてくる!」

 

そう言って自身を出来抱えるようにうずくまる‥‥と思ったら、立ち上がった。

 

「僕はもう!この世界の生き物だけを見て、生きていきたいんだよ!」

 

要約すると、この世界に来て自分たちとは違う命を見たら、キカイノイド(自身)にコンプレックスを感じた。さらに同族(トジデンド)のやる事もあって、本格的に嫌になったって事………だよね?

 

「あ~、そうすっか。」

 

あ、ジュランさんのテンションが落ちてる。

 

「キカイノイドもカッコイイと思うけど。」

 

そういう問題じゃないと思う……

 

「まぁ、いいや。嫌なら無理には誘わない。」

 

………昨日、ヤツデおばあちゃんを(根強く)誘ってなかった?私、止めるの大変だったよ。

 

「でも、友達にはなれるんだろ?ほら、風香も。」

「‥…ん。」

 

そう言って、右手を伸ばす介人お兄ちゃん。私も介人お兄ちゃんに見習って、左手を伸ばす。

その手を嬉しいそう握る。そうじゃなくて、本当にうれしんだろうな~

 

「ぜひ!僕は『ガオーン』。」

「俺は五色田介人。介人で良いよ。」

「妹の風香。私も名前で良いよ。」

 

苗字だと、どっちが呼ばれてるか分からないからね。

 

「介人!風香!」

「あ~一応。俺は「ねぇねぇ、介人・風香スマホ持ってる?」……」

 

ジュランさん‥…ドンマイです。後でお菓子であげよう、うん。

 

 

 

ガオーンさんと別れた、私達。今は家に向けて帰っている途中。ちなみに介人お兄ちゃん達は私の歩幅に合わせてくれている。

 

「なんなんだ、あいつ!」

 

ジュランさんは大分、ムキャムキャしてるみたい‥…

 

「面白い人だったな~」

「そうか?パーティーでもして、スカッとしてぇな~」

「じゃあさ、キノコパーティーする?」 「‥…え?」

「キノコパーティー?」

 

介人お兄ちゃん達の会話を聞きなら歩いていたら、何やら不吉な言葉が聞こえた気がする。しかも、私の驚きの声は小さすぎて、私にしか聞こえて無いようで、介人お兄ちゃん達は話を続けている。

 

「だってさ、見慣れたらなんか、食べたくなって来ない?」

「そうね‥‥よっしゃ、スカウトはまた明日!今からキノコ狩りだ!」

「ちょ「おぉー!」て‥…」

 

私が言葉を挟む前に介人お兄ちゃん達はキノコ狩りに走る。‥…完全に置いていかれた!さっきまで歩幅を合わせてくれてたけど、今は自分たちのペースで走ってる。

 

「‥‥!ゾワゾワだ!」

 

介人お兄ちゃん達は……もうだいぶ離れてる。もういいや、一人で行こう。

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