う~ん………目が開かない。目垢のせいかな?
寝起きの頭でボーっと考えながら、目元を擦ろうと腕動かそうとして初めて気づいた。一切手足が動かない事に。いや、正確には何かカプセルよな物の中に閉じ込められている気がする。
体が丸められた状態で皮膚に壁?がぶつかるあたり、かなり小さい物に入れられているのかもしれない。元々男子より身長が低くて軽いのを考えれば、二人ぐらいで出来るレベルかな?…と言うかなんで僕、冷静でいられるんだろう??
はぁ、考えても仕方ない。幸い話し声も聞こえないし、この体制も疲れてきたから出れるか試そう。取り合えず、壁を適当に殴って出れそうな場所を探す、見つからなかったら別の方法を考える。作戦のさの字も無いような気がするがしかたない、当たって砕けろだ!
動かせる体の部位すべてを使って、あちこち叩く。頭突き・蹴り・拳・頭・手・足・尻尾……
尻尾!?と、とにかく殴る。壁を攻撃するたびに揺れるが気にせず攻撃。次第にひびが入り、外の光が目に入る。と言うか、単純にこの空間が真っ暗だったのか。
ここまで来たら後は穴を広げるだけ……… 大変だなぁー(絶望)
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私には親が居ない…… 少し前、中学校入学の前に変えらぬ人となったから。
親戚の叔父さん達は私を引き取ることを嫌い、友人は憐みの視線を向ける。
そんな視線が嫌になったから学校に行くのをやめた。今は親の遺産で何とか生活しているけど、ただ生きているだけで楽しみも趣味も無い。
そんなつまらない毎日を過ごしていたある日お昼時、私はふとコンビニの帰りにある小さな脇道に目を向けた。何気なく見たその道はあまり使われて無く、ゴミが散乱している。そんな中で異質な雰囲気を醸し出している綺麗なダンボールが一箱。
恐怖よりも好奇心が勝ったのか、恐る恐る箱の中身をのぞき込む。そこにあったのは大きな卵。スーパーで見かける卵より大きく、そっと触れるとわずかに揺れているのがよく分かった。
動画で見たダチョウの卵よりも小さいと思われる卵だが、そこに置かれているというよりも、捨てられているといったほうがしっくりっとくる。現に普段人が通らない、店のごみ置き場として使われいる道のボロボロのダンボールに入れられていた。
本当だったらこれを見てないことにして立ち去るのが賢いの判断というのだろうけど、どうしても放っておけず、気が付いたら買ったサンドイッチを箱の中に入れダンボールごと持ち帰ってしまった。
幸いの内は田舎の一軒家のこともあってペットを飼うには問題ない。生活費も親の少ない遺産や母方のおじいちゃんおばあちゃんの遺産、それに引き取るのを嫌がった親戚の叔父さん達から仕送りもある。
あと3年すればバイトも出来るようになるし、大丈夫。なんて思いながらも心の奥底では失った家族を埋めるナニかが欲しいだけなのかもしれない。そんな考えの自分をよそに捨て、卵を眺める。
「早く生まれてきてね………」
そう呟く私の声は久々に感情がこもっている気がした。