御台場と実力一位   作:紅の龍

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再会

「これで終わりだ」

そう言いながら、俺は男に銃口を向ける。

 

俺がリリィを守るものとしてG.E.H.E.N.Aの研究員殺しを実行してから四年経つ。

今まで何人護送車送りにしたかなどもう覚えていない。

この力を誰かのために使いたい。そう思い始めたのは、初等科にいた頃俺の友人を傷つけてしまいそのことを後悔していたときに見たとあるヒーローへの憧れであった。

その男はある都市で最強に君臨していた男であり、多くの人間を手にかけたものでもある。最初は人の命を軽くみてクローンとは言え一万人を屠ってしまった男であったが、男はある人間との出会いをきっかけにヒーローとしての道を歩みその人間を守る決意を固めたと言う。

 

「ひぃ!!た、頼む!!命だけは助けてくれ。

私はG.E.H.E.N.Aから抜け出して今はまっとうな研究をしてる。君の言う強化リリィなどリリィに関する実験からは手を引いた。だから……」

 

「モブのくせによく喋るな」

 

そう言い終わったあと、そいつの腹部に弾丸を撃ち込む。その後チームに連絡し護送車の手配を頼みアジトへと向かう。

 

「お疲れだにゃー」

 

「お疲れ様です」

 

「おつかれ」

「あぁ…じゃ俺は寝る」

 

外から帰ってきて、ソファに乗ってから布団を掛けようとすると、グラサンをかけた男とツインテールの女からから待ったをかけられた。

 

「そんなオネムなあなたにお仕事が舞い込んだわよー」

 

「お仕事の赴任先はー?じゃじゃん!」

 

《御台場女学校》

 

この学校は東京御三家の一角でありなおかつ強化リリィを受け入れているところで『成功は苦しみからこそ得られる』というものを校訓にしている学校であり、俺がかつて所属していたのはそこの初等科だった。

中学生の頃は仕事の合間に好きな女の見舞いもしていたが、その女は1年前に病死をした。

俺にとって嫌な記憶しかない場所でありできれば二度と関わりたくなかった学校でもある。

 

「…そこでクライアントは何をしろってんだよ」

 

業務内容を聞く前に質問するのはよくないことなんだろうが俺にとってはそんなことどうでもよいと思えるほど早めに終わらせて帰りたいと言うのが、実際の気持ちだった。

 

「今回の任務は二つそれはリリィを守ながらリリィとの絆を育むこととある学校医の調査をして欲しいとのことです」

 

《絆を育む》

 

今回の任務において俺が重要視するもののひとつであり、もっとも俺の苦手とする分野である。

しかもその相手がリリィ以外ならとても組みやすいのだが、それがリリィであるため俺にとってはやりにくいことこの上ないのだ。

 

「くだらねー…絆を育むって言うのはよ……報酬はいくらだ」

 

「やれやれ…絆を育んだ上で学校医の調査を完了した場合900万円どちらかをは達成しだ場合それぞれ後者のみは500万前者のみは400万です。

それから貴方には護衛を付けさせていただきます」

「仕事上なら行ってやるし、会ってやるよ」

 

護衛を付けることを不服とは思いつつも、会ってみることにした。

 

「テメーが護衛のやつか……」

 

「あんた久しぶりじゃない?ねーもっと美魔とお話しする?それとも殺しあおうか?」

 

仮面を被っていた女はそんな馬鹿げたことを口にしたそこで俺はすかさず「脈絡のねーこと言ってんじゃねーよ」と言うと、そいつは笑いながら仮面をはずした。

 

そもそも美魔というのは俺が自身のスキル《リフレクト》を安全に利用するための訓練をしたときのクローン人形である。俺はその目的はわかっていたが、クローンとは言え人を殺すことに抵抗のあった俺はクローンを使わずに安全を考慮した上で、安定してスキルを使える環境に変えたため、その実験自体は5000回で凍結し、そこから機械を使った制御プログラムに切り替えられた。

戦闘準備をすると美魔を名乗るそいつは高笑いし、仮面を外したのち笑いで出てきた涙を拭う。

 

「なんの真似だ!!てめーあいつらと同じように殺させるかも知れねーんだぞ」

「いやー、本気で戦闘態勢に移行するところがマジで面白くて」

 

そういうとまた高笑いを始める。

話を聞くと、この美魔は本来俺の実験で使用が許されているのはクローン人形が一万人以上殺されたときに俺を殺すというプログラムを用いられている番外個体であるとのこと。しかし、俺がこの実験を5000回で凍結させたため『護衛』という本来の使用と異なる点での運用にしたという。

 

「彼女はまぁ…性格に難ありですが、仕事はきっちりこなすので馬が合うと思いますよ。

それと仕事は明日からになりますので、本日はゆっくり寝てください」

 

「こいつ…」

 

その日は挨拶をすませた後、眠った。

 

ーーーーーーーーー

「ここはどこだ?病院か」

 

一言そう言うと、薄い金色の髪色を持つ少女に手招きされそいつのもとへと向かい、その中に入る。

俺が今いる部屋はいつも見舞っていたとある女の病室であることを確信した。

花瓶の中に入れられている赤いバラさらに箪笥の上に置いてある妹の写真と仲の良い友人と撮影とされる写真そして病室で撮った俺が隣にいる写真この三つが飾られていた。

 

「咲魅《さくみ》…久しぶりに会えたな」

 

「久しぶりだね…勇利君少し変わった?」

 

「お前はあの日からちっとも変わらねーな」

 

 この女は俺が恋した人間今村咲魅《いまむらさくみ》。

彼女は昔から優しい言葉で俺を励ましてくれた。

見舞いをしていた頃自分のやるべきことに不安を覚えた時のためそうしていたのだろうと考えていた。

彼女が亡くなってから一年以上たっているので、もう見ることはないと思っていたのだが、 久しぶりに彼女に会えたことで顔が緩み笑っていたらしい。

 

「ふふっ…勇利君の笑った顔は久しぶりに見たなー私が悲しくならないようにずっと笑ってくれてたよね」

 

彼女の笑顔を見た後少し心の枷が緩くなり、仕事の話をした後彼女から『妹と友人をよろしく』と言われ、その後俺が見ていた景色は白く光って消えた。

ーーーーーーーーー

 

「夢かよ…」

 

翌日俺は仕事があったのを思いだし、すぐに服を替えた。

いつもの仕事服ではなく出張先の服を着るそこは女子校であったため、特注の男子用の服を着る初等科の頃から考えたら約7年通したことのなかった袖。

鏡で見るとあまりに似合っていなかったが、学校の指定したものなので割りきってそれを着た。

 

「動きにくくなりそうだな」

 

着替え終わり、 車に乗ると護衛役の人間が先に乗っていた。朝飯は車の中で済ますことのできるパンとブラックコーヒーだけにしてある。

 

「ところでさ一位これから行くところでちゃんと仕事できるのー?」

突然そいつから投げられた疑問しかし俺はこう返した。

 

「私情と仕事はわけてる失敗はしねーよ」

 

車で30分ほど経って、車はトンネルを抜けるその後に車の窓ガラスから海岸を眺める。

穏やかな波なにもない綺麗な青色をしている海窓を開けたら涼やかな風を感じることができるのかなどと考えていると出張先に着いた

『仕事が終わるのは一ヶ月ほどになるだろう』とドライバーに伝えた後学校の校門へ歩を進める。

すると突如門が開く。

 

「お待ちしておりましたどうぞこちらへ」

 

案内人がいたのは知らず言われるがままに応接室のような橋よで待機していると、校長と呼ばれる人間から自由行動権の付与と契約内容の確認をとられそれで解散となると思っていたのだが最後の方でこの学園に存在するトップレギオンのメンバーに会って欲しいと頼まれたので会ってみることにした。

 

「ここか…」

 

「なんか見るからに堅そうなところだね」

 

俺たちのいる扉の上のには《生徒会室》という名前の札が掛けられていた。扉に手を掛けドアノブを捻る。そこにいたのは黒髪ロングの女とヘッドホンを掛けている茶髪の女そして紫髪の女と白髪の女の四名がそこに立っていた。

 

「ようこそおいでくださいました。 私(わたくし)はこの学校の生徒会長をしています月岡椛《つきおかもみじ》です。貴方がたのことは学校長から聞いております今日から四週間よろしくお願いいたします」

 

一から十まで全てを知っているような口調そしてその丁寧さそこから発せられる言葉はまるで会社での大人の対応をしている人間のそれにしか聞こえない。そしてそいつは右側を指差し茶髪の女の自己紹介が始まった。

 

「私の名前は川村楪《かわむらゆずりは》ここの副会長をやってるんだ。さっき自己紹介してた椛とは長い付き合いなんだ何かあったら私らを頼れよな」

 

先ほどとは打って変わってため口でのみ話すやつまぁ悪いやつじゃなさそうだ。まぁ関係ないけどな。

次に月岡から見て左側の奴らの自己紹介に移ると思っていたのだが、先に俺の方からやれと言われたのでしょうがないとは思いつつ促され名前だけは伝えることにした。

 

「岸元勇利」

 

名前だけ伝えると、紫髪の女と白髪の女は互いに顔を見合わせながら驚いた様子でこちらを見ていた。

そしてその二人は咳払いをして、一から自己紹介を始めた。

 

「わたくしの名前は船田純《ふなだきいと》よろしくお願いしますね」

 

「わたくしの名前は船田初《ふなだうい》よろしくお願いします」

 

二人とも俺と同じように名前だけ伝えた後初の方が続けて「私たちのことを覚えていらっしゃいますか?」と言っていた。もちろん俺は全て覚えている白髪ロングは双子の姉妹の姉船田初そして紫ロングは妹の船田純俺の大切な幼馴染みであり、俺の守れなかった存在であるということも。しかしこの事を話すと一つ目の仕事ではなく二つ目の仕事に支障が出るため、俺は嘘をついた。

 

「組織の情報で名前は知ってるだけだ。お前らみたいなやつは俺の知り合いには居ねーよ」

 

突き放すような言い方であいつらとの会話を終えた俺は

次に保健室に来ていた。調査対象にこの学校の学校医である女がいるからだ。

 

「あら、あなたがダークネスから派遣された子ね。はじめまして…私はここでリリィの治療とカウンセリングを行っている中原・メアリィ・倫夜です

よろしくね」

 

調査対象と会話するというのは出きればしたくなかったが、俺の私情で調査に遅れが出た場合厄介なことになりかねないためとりあえず自己紹介はすることにした。俺が名前を言い終わった後、少しして倫夜がさっきの紹介には訂正する箇所があるとか言い出してその箇所にはカウンセラーの部分のみ訂正した。

 

「これからここでの仕事が始まるのかよ……ったく嫌なことを思い出したぜ」

 




久々に新規で投稿しました。紅の龍です。この作品を含め現行の連載のやつは気が向いたら投稿するのでそれまで気長にお待ちを
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