蓮とましろが小さい頃に別れた幼馴染だったら   作:レオ2

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おはようございます(__)。
今日から新章…その名もデュエット編!まあ,音楽関係のキャラ同士なら意外と定番なのかなと思いつつやります。
(恋愛系で)成長しない女,倉田ましろ…多分付き合い始めたら結構グイグイ来そうな性格してると思う偏見。蓮みたいな人が相手だったら余計に。
今日は入りです!

それから大天使さん,ローマンさん,目路輪さん本作品の評価ありがとうございます!前回もお話したような気がしますが,こういった評価や感想は割とモチベに繋がるので楽しみにしてます!

では!


デュエット編
[デュエット編] デュエット結成?!


『デュエット結成!!』

 

 LRフェスが終了し,少し肌寒くなって来た今日この頃。ましろ達Morfonicaは今日の練習はCiRCLEで行われていた。月に何日かはこうしなくては現場の雰囲気を忘れてしまいそうになると言うのが理由の1つではあるのだが,こうして七深のアトリエではなくスタジオに来るのは情報収集の為でもある。

 CiRCLEはここらの地域では一番大きなライブハウスの為,掲示板などにも様々なライブの情報やイベントの情報も掲載される。SNSでインフルエンサーとなっている透子の情報収集能力も決して悪いものではないのだがこうして現場に来て初めて知る事が出来る情報も確かに存在する。それは先程の掲示板だったり……

 

「商店街の……カラオケ大会……?」

 

 スタジオ練習の休憩中に偶々会う事が出来た近所の羽丘女子学園に通っている幼馴染バンド……Afterglowの1人,キーボードを担当している羽沢つぐみからもたらされたその情報はほんの少しだけ,ましろの興味をそそるものだった。

 

「うん。商店街の会長さん達が今月の終わりにやるって決めたんだ」

「会長さん達,いつも急だよな~」

 

 掲示板に商店街のイベントについてのポスターを貼っているつぐみの後ろにいた同バンドのドラム,宇田川巴が”しょうがないな”と言いたげに首を竦める。

 しかし,そう言った商店街のイベントを楽しむのはこのAfterglowにとっては決定事項も同然,リーダーとベースである上原ひまりはやる気十分に拳を握った

 

「でも,商店街で音楽のイベントなんて私達が出ない訳にはいかないよね!」

 

 バンド活動を通じて商店街の皆さんにはお世話になっている身,それに自分が生まれた時から通っている商店街の繁栄の為に自分達の力を出し惜しみをしない。それがこの生まれた地に対する恩返しだと思うから。

 

「よーし,やるぞーッ! えいえい,おー!」

「でも,本当にいきなりだね」

 

 ひまりの合唱をスルーしたAfterglowのギターボーカル,美竹蘭は意外そうに呟いた。普段お世話になっている商店街の会長達は羽沢つぐみに絶大な信頼を寄せているため,この前のようなお祭りの時にポピパと一緒にステージをする時には事前につぐみに話していた事もあって,今回はつぐみに通されていなかったことを意外に思ったのだ。

 しかし,それは少し違うようでポスターを張り終えたつぐみは首を振った

 

「ううん。構想自体はこの前のお祭りの時にあったみたいなんだけど,それじゃあお正月にあるのど自慢大会と変わらないってなったんだ」

 

 商店街では毎年お正月にのど自慢大会が開催され,風物詩の1つとなっている。しかし,今回のカラオケ大会をやったとしても名前が違うだけで内容が似たり寄ったりなものになってしまう。

 確かにと頷いた蘭だったが

 

「え,じゃあなんで結局開催されることになってんの?」

 

 それである。つぐみは今そのカラオケ大会のポスターを貼っているのだ。だったら少なくとも開催される事は決まったはず。でも名前が違うだけでほぼのど自慢大会と同じ内容になってしまうし,そののど自慢大会だってもう冬に入ってきた季節なのだから日程も近い。

 それなのに今回のカラオケ大会を開く意味が純粋に分からなかった。そんな蘭の背後からひょっこりと顔を出す1人の少女……鼠色の短髪な少女は口に商店街のパン屋さん……山吹ベーカリーのパンを咥えながら呟いた

 

「蘭,ポスターちゃんと見なよ~」

「え? ……はぁ?!」

 

 鼠色の少女……青葉モカに言われまじまじとつぐみが張ったポスターを見た蘭は,そこに書かれていた一文に思わず大きな声を出したが,それは蘭以外のひまりと巴も同じだった。

 つぐみは唯一知っていたので苦笑している。ましろもポスターを見たかったのだが,背伸びしても前にAfterglowが集まっているので誰かがその驚きの理由を言ってくれるのを待った。

 そしてポスターに書かれている事は開催日時と申し込みページのQRコード,景品の一部と……参加条件。その参加条件の部分に

 

 

「参加条件が……カップル??!」

 

 

 それである。

 どういうことかと蘭はつぐみを見ると,苦笑したままのつぐみが説明した。

 

「商店街の方針としては,やっぱり若い人達を呼びたいってなったんだよね」

「いや,それは分かるけどどうしてそれがカップルになったの?」

「この機会にこの街に住む人を増やしたいんだと思うよ。この為に今回の優勝賞品は豪華にしたって言ってたし」

 

 商店街の一大イベントで要するにカップルを呼び込み,商店街も含めた街に住むことを検討してもらおうという試みなようだ。

 勿論商店街のご老人のカップルも参加するとは思うが,つぐみ曰く優勝賞品はとっても豪華という事なのでそれ目当てに来たカップルが……来るか? 

 

「いや,でもそういう町おこし的なイベントって縦断的にしないと意味ないんじゃ……」

 

 仮に今回のカラオケ大会に他所からカップルが来たとしても,それでこの街に住むとなると話は別だ。商店街の悪口をいう訳では無いのだが,こういったイベントだけを目的に来る人もいる筈。というよりも基本的にそんな人が大半だろう。

 そう言った層を取り入れるために継続的にこういったイベントを開かなければ効果は薄い。

 

「うん。そうなんだよね。だから定期的にこういったイベントを増やそうと思うって会長さん達が言ってたよ」

「おー! それは楽しみだな!」

「うーん……でもこれじゃあAfterglowは出れないね……」

 

 ひまりがそう言うと,盛り上がっていた巴がテンションをダウンさせる。

 ひまりの言う通り今回のイベントはカップルが前提なのでAfterglowでの参加は不可能。各個人が男性を捕まえて参加する事は出来るだろうが,そもそもずっと女子高に通っているAfterglowの面々に男性の知り合いなんて殆どいない。

 

「あ,でも蘭はお父さんとなら出れるんじゃない?」

 

 ここ最近は前よりもましになった親子関係を思い出しながらモカが言うと,顔を真っ赤にした蘭が頭を振った

 

「絶対に嫌! 恥ずかしいし……っていうか親子はダメでしょ!」

「うーん,それはやめた方が良いかも」

 

 つぐみもそう言うと諦めたのかモカはパンをかじる。

 そんなAfterglowの面々の背後から瑠唯を除いたMorfonicaの面々もポスターを覗き込み,反応したのはつくしだった

 

「ホントだ,男女ペア……というかカップルだけ」

「あたしたち男の知り合いそんなにいないしな~」

「あ,でもしろちゃんなら出れるんじゃない?」

 

 つくし,透子,七深が後ろにいたましろに振り返ると,ビクッと肩を揺らしたましろが顔を真っ赤にしながら頭を横に振った

 

「むむむむりだよ!!」

「でもましろちゃんには蓮さんがいるじゃない」

「蓮って……Argonavisの?」

 

 その名前に反応したのは蘭だった。

 Argonavisの名前は既に音楽関係の人達には結構な範囲で知られている。あのLRフェスに名を挙げたのは,それだけの価値があったと言う事だ。

「あわわ」と慌てるましろの事なんて露知らず,透子がさらっと暴露する

 

「そうなんですよ! シロと蓮さんはいわゆる幼馴染って奴なんです!」

「「おーっ!!」」

「と,透子ちゃん!」

 

 年上の男の子の幼馴染……それは恋愛のドラマや小説,アニメではもはや定番中の定番とでも言うべきシチュエーション。普段は素直になれない2人が何かを通して恋を自覚する展開はいつの時代の女子高生も大好物なものだ。

 ひまりはとってもわくわくした表情で,元々白い肌をトマトのように紅く染めたましろに近寄った

 

「ましろちゃん幼馴染いたんだ! 良いなー!!」

「って私達も幼馴染だろ」

 

 巴が突っ込むが,興奮したひまりは振り返って

 

「そうだけど,男の子の幼馴染はいないでしょー!」

「じゃあ蘭が男になれば……」

「モカ,ちょっとこっちに来て」

「あーれー」

 

 蘭を男にすればいいと言ったモカは,その蘭に連れられて外に連れ出されたのを横目にみたましろは体内温度が急上昇中の為,逃げようとしたが運悪く背後には何故か逃がさまいとつくしがいて進退窮まった。

 

「つ,つくしちゃん」

「良いじゃないましろちゃん。いい加減進展させないとダメだよ!」

 

 夏休みが終わってから始まるましろの見ている側の心臓が爆発しそうな恋愛劇,しかし結局2人の中はまだ”幼馴染”のまま。初々しいましろを見てるのも良いのだが,やはりましろの友達としては蓮と一緒に幸せになって欲しい。

 それに,蓮とデートしただけで何故か歌唱力が伸びるのだからくっつかないと言う選択肢はモニカ的にもそれほどないのだ。……まあ瑠唯はバンドに集中が出来ないのならやめなさいと言うかもしれないが。

 

「え,ましろちゃん蓮の事好きなの!?」

「あ……はわわわ」

 

 ”好き”というワード……メンバーに対しての好きはもう既に何度か口に出しているが,蓮に対しての”好き”を口にする時だけ頭が可笑しくなりそうな熱が襲ってくる。

 そして,今時の女子高生であるひまりはそんなましろを見て飛びつかない筈がなかった。

 

「あ……ああう」

 

 羞恥のオーバーヒートをしてしまったましろは,機能を停止してしまったロボットの様に俯いてしまった

 

「ありゃりゃ,これは相当だね」

 

 とか言っているひまりも女子高育ちなので恋愛というものがどういうものかまだよく分かっていないのだが。

 

「ま,ましろちゃん。無理に参加しなくて良いからね」

 

 つぐみがましろの余りに初々しい反応に,なんだか胸やけしながらそう言うとましろはようやく目覚めたのか真っ赤な顔を上げると顔を全力で横に振った。

 

「その……恥ずかしいです!」

「ああ……いやそう言う意味じゃなくてね……」

「あーっ!」

 

 つぐみがその真意を話そうとした所,七深が大発見でもしたのか声をあげた

 

「どうしたの七深ちゃん?」

「しろちゃん見てよこの景品の所」

 

 まじまじとポスターを見ていた七深が指刺した所を見ると,

 

「あっ!」

 

 ましろが一瞬で飛びついたように反応した。つくしが気になってその場所を見ると,それは景品の一部の欄にあった。

 

「今大会限定の……ミッシェル人形……?」

 

 ミッシェルとはこの商店街にいるマスコットキャラクターである。いつかあったふわキャラ選手権に出場したこともありその時からましろはミッシェルの大ファンなのだ。

 例え商店街にミッシェルの為に並ぶ子供達と一緒に並ぶことになったとしても,ミッシェルの事が大好きなのだ! 

 そして,そのミッシェルの人形が今大会の為だけに作られると言う事だ。それにましろが反応示すのは当然の事だったのである。

 

「あー,ハロハピのおかげもあってミッシェルの知名度も上がっているからね」

 

 世界を笑顔に! というテーマのもと活動しているバンド,ハローハッピーワールド……略してハロハピのDJとしてもミッシェルは活躍しており商店街に留まらず知名度は上昇中だ。

 そんなミッシェルが景品になるのはある意味当たり前だった。

 

(うぅ……ミッシェルさんの限定ぬいぐるみ欲しい……。でも……)

 

 参加条件はカップル……そもそも蓮と自分は付き合っている訳では無いのだからカップルではない。……いつか,本当にいつかそうなりたいと思っているだけで実際は違うのだから今回のミッシェル人形は諦めるべきなのだろう。

 

(ミッシェルさんのぬいぐるみ……ぬいぐるみ……)

 

 しかし,今の自分の部屋にはミッシェルのぬいぐるみがない。このぬいぐるみを部屋に置きたいと言う気持ちも,マグマの様に燃え上がって来てしまっていた。

 でも……蓮と一緒に歌う……理性と欲望に挟まれたましろは……

 

「ていうか,蓮さんに聞けば良いんじゃね?」

「え……」

 

 透子がそう言ってスマホを取り出すとどこかに電話し始めた。

 ましろが何か言う前に出た相手に一言二言話した後,自分のスマホをましろに差し出した

 

「え……あ」

『透子さん? 僕に用ってなに?』

「れ,蓮君?!」

『……? しろちゃん?』

 

 透子の方を見ると「やってやったぜ」とでも言いたげにピースしていた。顔を熟れたトマトの様に紅くしながらましろは慌ててスマホに耳を当てた

 

「えっと……いきなりごめんね」

 

 周囲ではにやにやとした女子高生たちが見ていることに,胸の鼓動が早くなったことが自分でも分かるが既に賽は投げられた。

 

「その……一緒にカラオケ大会に出ない?」

『カラオケ……大会……?』

 

 蓮は不思議そうにオウム返ししたのだった

 

 ★

 

 下北沢にある練習スタジオ,今日Argonavisの面々がいるこのスタジオで休憩中,結人のスマホに透子からの電話がかかってきて蓮に変わってくれませんかという要望に応えた結果

 

「カラオケ……大会……?」

 

「「え?」」

 

 いきなりそんな事を呟いた蓮はとっても清々しい笑顔でそれを承諾した後,後で連絡すると言う事で電話を切って結人に帰した。

 

「蓮,カラオケ大会ってどういことだ?」

「うん。実はね」

 

 そうして話したカラオケ大会の事,それにましろが一緒に出てくれないかといってきたことを。

 

(ましろちゃん頑張ってるなー)

 

 と蓮の保護者である万里は思った。

 

「あ,もしかしてダメだったかな……?」

 

 捨てられた子犬のような不安気な眼で呟いた蓮,勝手にそう言った事に出場すると決めたことに何か不都合があったのかと思ったのだ。

 しかし,リーダーの結人は首を振って否定した

 

「いや,良いんじゃないか。一昨日ライブして今は大きなライブもないからな」

「Argonavisの活動に影響がない範囲でなら誰も止めないよ」

「倉田に七星のデュエットか,興味があるな」

 

 順に結人,航海,凛生の言葉である。最後の凛生の言葉は実の所メンバー皆が思っている事である。Morfonicaで歌うましろは普段の雰囲気と結構違うし,その雰囲気の変化がどこか蓮に似ている。

 また,ましろは蓮のような天才ではないかもしれないがその努力に裏打ちされた歌唱力は普段の大人しい彼女を知っている人間には驚くものとなっている。

 そんな雰囲気が似ている2人のデュエットというのは結構楽しみなものだ。

 

「ほんと? 良かった!」

 

 心底嬉しそうな蓮に万里は思わずと言ったような口調で

 

 

「蓮君ってほんっとましろちゃんの事好きだよね~」

「えぇ?!」

 

 

 万里の一言に珍しくビクンっと震え,顔を紅くした蓮にメンバーは

 

((倉田さん,あともう少しだ))

 

 などと思ってこれが結婚する子供を見送る親の気持ちか……などと思っていた。

 

 

 

 ……冗談

 

 

 

 ★

 

 蓮君にyesって返事をもらって,身体が飛び跳ねながら私はお家に帰って来た。

 

「ただいま」

 

 蓮君の事を考えて熱い身体が,私の”嬉しい”って気持ちを体現してるみたいに体中を駆け巡ってた。

 私の部屋に戻って,鞄を机に置いて……制服を脱いだ私は不意に姿見に映る自分を見た。水色の下着を付けている私の姿,きっと……これから蓮君にだけ見せたい私の姿

 

「こんなに紅くなって……」

 

 そこに反射している私は,肌も肩も顔も火照っていて……本当に真っ赤だった。こんなに私分かりやすかったんだ……。

 うぅ……本当に,蓮君の事好きなんだ……わたし。

 蓮君と4歳の時よりも大きくなった胸に手を当てて,目を閉じてみたら鼓動が聞こえる……気がした。

 

「蓮君とデュエット……」

 

 詳しい話はお互いの練習がない次の週末にしよって言われたから……今から凄く楽しみだな

 

「ふふっ♪ 蓮君とデュエット……蓮君と……」

 

 ミッシェルさんの人形も勿論楽しみだけど……蓮君と一緒に歌える事が一番嬉しかった。

 

「週末はどんな服で行こうかな……?」

 

 クローゼットの服を覗き込んだ私は,週末の事を楽しみにして……早く週末にならないかなって思いながら私は蓮君の事を週末着る洋服の事を見繕いながら考えた。

 




おつかれさまです。
という訳で,蓮×ましろのデュエット結成でございます。この2人,実行委員側のつぐみの前でカップル詐称してるけど大丈夫かな笑。
因みにつぐみは何度かましろを止めようとしていましたが,その理由は…?

あ,このデュエット編,アンケートにあるお話にも繋がって…というか布石みたいなお話でもあります。
実際この2人が歌ったらどんな感じなんだろうなーって思いながら続き書こうと思います。次回,デュエットの打ち合わせと言う名のデート回です。ましろの着る服が全く思いつかなくて難儀してます!

因みにアンケートはあと4日で締め切ります。現在1位はくっつく話,2位は同率で看病のお話とボイトレする話,3位も同率でましろのお泊りと那由多と取り合う話です笑。良かったら投票していってくださいね。

ではでは!

恋人になった2人の関係性どんなのが良い?

  • 今まで通りましろから蓮に激攻め
  • 逆に蓮がましろに激攻め
  • 寧ろお互いがお互いに激攻め
  • というか全部やれ
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