蓮とましろが小さい頃に別れた幼馴染だったら   作:レオ2

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こんにちはこんばんわ。
という訳で,一応この小説の最終章突入です。今日は導入部分だけですね。

ではどぞ!


貴方と紡ぐ群像劇編
変わりゆく関係


 昨日のカップルデュエット大会から一夜明けて,私と蓮君はそれぞれまた新しい日常を歩き始めた。

 

「んんっ……」

 

 火照っていた身体はいつの間にか熱が冷めて,昨日の夜みたいな情動はもうなくなっていた。その事にどこか安心感と残念な気持ちが入り混じっていた。

 これまでの毎日とは違う……新鮮な気持ちで私は学校にやって来た

 

「ごきげんよう」

「あ……ごきげんよう」

 

 月の森女子学園では皆お嬢様だから挨拶は『ごきげんよう』で今も私は慣れていない。……だってどうしてか今日は色んな人から挨拶されたり,少し遠目にこそこそ話されてるのなんて初めての事だったから。

 

(み……皆どうしたんだろう? 変な事したかな……?)

 

 入学してからこんなに私の事が見られてるのは私達がモニカを結成して,月の森音楽祭で初めて演奏した時の雰囲気に少し似ていた。

 ……やっぱり少し違う,どこか皆浮ついた感じでお嬢様というよりどちらかというと普通の女子高生みたいなそんな雰囲気を感じた。

 

「あら,倉田さん。ごきげんよう」

「あ……! こ,こんにち……じゃなかった。ごきげんよう」

「ふふっ,そんなに緊張しなくて良いのよ」

 

 教室に向かう私に挨拶してくれたこの綺麗な女性はこの月の森の生徒会長で……1学期の時に瑠唯さんの生徒会のお仕事を手伝った時に初めて出会ったんだ。

 全国模試で10以内……この前の模試じゃ1位を取ったって聞いてる凄い人。私とは根本的に色々違う人で才色兼備なこの人からはライオンみたいな雰囲気を感じて……私は勝手に苦手に感じてる。……いい人だって分かってるけどね? 

 

「あ……えっと,どうしましたか……?」

 

 いつもならそのまますれ違う筈なのに,挨拶をしてくれたこともそうだけどいつもと少し雰囲気が違ってつい問いかけたら会長は優し気な笑みを浮かべたまま首を振り私達だけに聞こえる声で言ってきた

 

「好きな人と一緒なのが嬉しいのは分かるけれど,月の森生として恥ずかしくないようにね」

「……へっ?!」

 

 その言葉に焦りを感じて会長の方を見たら,会長はもう先に歩いていて優しい手つきで手を振っていた。

 

「も……もしかして……昨日の見られて」

 

 ……そう言えば配信もされていたって言ってたっけ? でも私てっきりあれは歌唱の時だけだと思ってた……。だけれどそうじゃないと会長がそんな事を言う理由が無かったから……察してしまった。

 だけど不思議と私の胸は落ち着いていて,前まではどこか怖い雰囲気を感じてた会長の事を余り怖いとは思わなくなってた。

 

「あ,えっと……ましろちゃんおはよう!」

 

 教室に着いたらつくしちゃんが学級委員長のお仕事をしててどこか眼を泳がせながら挨拶してくれた。私も鞄を机にかけてつくしちゃんの机に向かった。

 

「おはようつくしちゃん。何してるの?」

「えっ?! えーっと……今日先生に集めといてくれって頼まれたプリントの確認!」

「……,つくしちゃんどうしたの?」

 

 いつもと凄く様子が違ってどこか私との距離を測りかねているように見えた。つくしちゃん,顔に出さないって事が出来ない子だから凄く分かりやすい。

 ……私も人の事言えないんだけど。

 

「えっと……その……昨日ましろちゃん,蓮さんに……き……」

 

 そう言葉を凄く恥ずかしそうに顔を紅くして詰まらせて,つくしちゃんがどんな事を言いたいのか分かっちゃって……そっか,えへへ。蓮君とキスしたの夢じゃなかったんだ。

 

「うん,したよ? 蓮君とキス」

 

 そう言って私はつくしちゃんがその時の事を思い出す事が出来るようにそっと自分の唇に指を触れた。そうしたらつくしちゃんはもっと顔を紅くして口をパクパクしてた。

 つくしちゃん可愛いなぁ

 

「だだだって……キスって……キスって……こここ恋人同士がするものでしょう?!」

 

 きっと全部の精神力を使って叫んだそれは力は宿ってなくて,きっと自分でも何を言いたいのか分からないんだと思う。今のつくしちゃんはきっと昔の私と同じなんだ。

 そう言った事に全然慣れていなくて口に出すだけで凄く恥ずかしくなる時期なんだ。

 

「うん,そうだと思う。だから……私はもう迷わない事にしたよ?」

「え……?」

「蓮君がもし私の事好きじゃなくても……蓮君が私の事好きになるようにしよって……頑張る」

 

 昨日より前の私ならきっと蓮君との関係が壊れるのが怖くてそれ以上一歩に踏み込めなかった。だけど……昨日のキスをして私の気持ちは変わった。

 例え蓮君が今私の事を好きじゃないんだとしても……どんな手を使っても好きにさせようって。

 

「なんか……ましろちゃんがましろちゃんじゃないみたいだよ……?」

 

 つくしちゃんはきっと私の事を重い女の子って思ったんだと思う。私も自分でも思う。こんな事前までならきっと思わなかった。

 だけどそれを変えたのが何なのか私は知ってる

 

「つくしちゃんもいつか好きな人出来たら分かるよ? 恋病って……みんな私みたいになっちゃうんだから」

 

 そう言ったらつくしちゃんは恥ずかしそうに顔を伏せてしまった。きっと心の中で凄く悶えていて言葉が出てこないんだろうなって思いながら私は自分の席に着いた。

 

 

 ★

 

 

 放課後,今日の練習は皆が私の休憩期間って事で無しなっちゃった。練習がない日は七深ちゃんや透子ちゃん,それにつくしちゃんが放課後にどこか連れて行ってくれることが多かったけれど今日はつくしちゃん以外のモニカのメンバーに会う事は無くて久しぶりに私は1人帰路についてた。

 

「はぁ……」

 

 ため息がつい出ちゃった。一週間前ならきっと練習がない日は蓮君と会って2人で一緒に歌っていたから……何も約束もない,蓮君とも会わない1日が本当に久しぶりで……私の胸に虚無感が渦巻いていた。

 

(会いたい……蓮君……会いたいよ……)

 

 昨日のキスを思い出すみたいにそっと唇に指を触れたら,昨日の蓮君とのキスがビデオみたいに流れてきて蓮君のちょっと固い唇のと蓮君の凄いビックリして顔を紅くした姿を思い出してつい微笑む。

 

(……やっぱり,返事直ぐにしなくていいなんて言わない方がよかったかな)

 

 昨日別れ際に蓮君が何か言おうとしたのを遮って……私の気持ちだけ告げて昨日は別れた。

 蓮君と出会って分かったけれど,蓮君はきっと今まで誰とも付き合った事ないし多分女性との関りもそれこそ授業とかのグループ演習とかだけだと思う。

 ……だからちょっと余裕を感じて先延ばしにしちゃった事に後悔した。

 

 

「しろちゃん!」

 

 

 だから……彼の声が聞こえた時,勝手に身体は悦んでビックリしながら前を見たら月の森生が大体皆使ってる最寄り駅で蓮君がちょっと寒そうに手を合わせながら嬉しそうな表情を見せてくれてた

 

「蓮君?!」

 

 会いたい……そう思っていた時に蓮君の方から会いに来てくれたことに私は喜びが身体を満たして,速く蓮君に触れたくて駆け寄った。

 

「蓮君どうしたの……?」

 

 本当はそんなのはどうでも良い,蓮君が来てくれただけで凄く嬉しくて身体が弾けそうになる。

 

「その……昨日の優勝賞品……行く日の事相談したくて……」

 

 蓮君は私の顔を見た瞬間に……正確にはきっと私の唇を見た瞬間に昨日の事を思い出したのかボンっと顔を紅くして言葉が濁った。

 その初々しい反応に私はつい微笑んで

 

(蓮君……かわいい)

 

 こうして最寄駅じゃなくて密室だったらきっと耐えられなくて蓮君を押し倒しててかもしれない……凄い犯罪すれすれな事言ってる。

 でも……枷から外れた私は自分でも引いちゃうくらい嗜虐的な感情が湧いて来てしまう

 

「LINEでも良いのに……わざわざ来てくれたの?」

 

 そう言って私はわざとらしく……煽るみたいにこてんって首を傾けてみたら蓮君は凄く分かりやすく耳まで紅くした。

 本当に可愛いなあ……蓮君。

 

「だ……だってその……しろちゃんに……会いたかったから」

「……?!」

 

 だけど,蓮君のそんなピュアな言葉を小悪魔みたいに流せるほど私の心も進化はしてなかった。

 

「そ……そっか。えへへ……」

 

 私は何だか嬉しくなって蓮君の寒そうにすり合わせている両手の内右手を私の手で包み込んだ。

 

「し,しろちゃん?」

 

 昨日は当たり前のようにしていたこの手を繋ぐことも……きっと今の蓮君には別の意味を感じてるんだと思う。

 蓮君の手はとっても冷たくて,もう12月にも入るこの時期だから当然だと思う。

 

「カフェ,行こう?」

「う……うん」

 

 私は蓮君の手を引っ張ってそのまま駅に入場した。

 

 

 ★

 

 

 シェアハウスArgonavis,蓮は自室で今日の事を思い出していた。

 ましろと合流した蓮は,その後ましろに連れられていつか来たカフェでお茶をしながら昨日のデュエット大会で優勝賞品であるものについての話し合いをした。

 

「……」

 

 蓮はその商品……というよりもチケットに近いそれを掲げた。それは2人にとって馴染みの深い場所へのチケットだった。

 ホテル,そして街のお店の割引券などなど様々な特典が付いていて……カップルには人気な所だった。

 昨日のキスの一件で頭から吹っ飛んでいたが,このチケットの期限も決まっていたので決める事にしたのだ。そして……その日程が……

 

「クリスマス……」

 

 冬休みが始まるクリスマスの時期に1泊2日の旅行に行く事になった。ましろはテストがあるしでこの時期になった。

 さっき結人達に言ってみたら,結人達もついて行くならOKという条件で許可してもらえた。その事をさっきましろに言ったら,一瞬冷たさが垣間見えたけれど一応の納得をしてくれた。

 

「……好きだって,伝えられるかな?」

 

 昨日自覚した自分の気持ち,ましろはあんな大勢の人が見ている中でも自分の気持ちを伝えてくれた。その上で返事はまだしなくても良いって言ってくれた。自分がましろの事を考える時間をくれた。

 だから次は……

 

「僕の番だ」

 

 密かな決意を胸に秘め,蓮はライブのイメージをするように旅行の時の事を考え始めたのだった。

 

 

 

 

 




お疲れさまです!
ましろの性格が徐々に変わってます。枷から放たれた彼女は積極的なのです。

そしてつくしを手玉に取る位には良いのか悪いのかよく分からない成長をしています笑。本作品のましろは蓮を骨抜きにしそうで怖い()。

ではまた次回!来週には出せたらいいなと思ってます!

恋人になった2人の関係性どんなのが良い?

  • 今まで通りましろから蓮に激攻め
  • 逆に蓮がましろに激攻め
  • 寧ろお互いがお互いに激攻め
  • というか全部やれ
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