蓮とましろが小さい頃に別れた幼馴染だったら   作:レオ2

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おはようございます。
取り合えず今回のお話で再会編は終了です(終わってなかったの?とか言われそう笑)。
ヤンデレ・メンヘラのアンケートは終わり,シチュエーションのアンケートまた始めますので良かったら是非投票していってください!
では!


2人の群像劇

『蓮の気持ち』

 

 ましろとのデートを終えた蓮は和泉多摩川駅まで戻り再び電車に揺られていた。その彼の頬は心なしか紅く,片手には彼のスマートフォンが握られていた。

 

「僕……なんであんな事言ったんだろう」

 

 さっきましろに今日の事のお礼とまた一緒に出掛けようって話と……今日のましろの服装とそのましろ本人に『可愛い』と言ってしまった事に戸惑いを覚えていた。女の子に可愛いって言う意味を,特別なものだと思っていたから。

 

 ──今日のしろちゃん,いつもと違った

 

 それだけは分かっていた。今日ましろが着ていた純白のワンピースは飾り気が無かったからこそましろという人間がよく出ている格好だった。身体のラインも浮き出て,元々彼女肌も日焼けがそれほどないので余計に親和性が高く今日1日落ち着かなかった。

 

「しろちゃんが……凄く大人っぽくなってた」

 

 髪をかき上げる動作も,ダージリンを飲む姿も……もはや11年前のましろの影が薄れていた事に戸惑いを覚えていたが,それすらも自分は受け入れている事に気が付いた。

 妹のように思っていたましろが……大人になっているんだと分かったから。

 

「~~,今日のしろちゃん……可愛かったな」

 

 そんな言葉が無意識に出てしまくらいには,蓮はましろに感情の矢印が向き始めていた

 

 [newpage]

 

『うちのボーカルの様子がおかしくなった件』

 

 練習スタジオ,Argonavisの演奏が行われていた。

 結人のギター,航海のベース,万里のドラム,そして凛生のキーボードと蓮のボーカル。5つの要素が重なった音楽は概ね好調だった。

 

「よし,今の良かったんじゃないか?」

「うん! 形になって来たよね」

「蓮も声の伸びが一昨日よりよくなったよね」

 

 航海がそう言うと蓮は照れたように頬を紅くして言葉を紡ぐ

 

「うん。どうしてかな,凄く自由に歌えてる気がする」

「そうだな。昨日倉田と出かけた事が蓮の歌を進化させたのかもな」

 

 そう微笑ましく凛生が言うと蓮は嬉しそうに頷く。

 

「うん! 昨日はとっても楽しくて……航海と凛生が僕に歌を禁止にした理由も分かったから」

 

 昨日の夜,ましろとのお出かけから帰って来た蓮はさっそく航海と凛生,そして結人に万里にどうして自分が歌うのを禁止にされたのかを答え合わせをした。

 激しい練習の果てに歌えなくなってしまったら,昨日感じた”歌いたい”という思いを永遠に抱え続け中ればならないと言う事,凛生が蓮の事を心配したからこその練習禁止令だったのだと。その答えを合わせたからこそ改めて蓮は歌う事を解禁され,また新たな歌声を得る事が出来たのだ。

 

「それが分かっていればいい」

 

 しかし,それとは別にArgonavisの面々は蓮に対してまた違う事を思い始めていた。

 昨日の夜,シェアハウスに帰って来た後の蓮は先程の答え合わせの後いつもの様に晩御飯を食べて,お風呂に入って,航海と作詞の話をしてぽんちゃんを連れて就寝したのだがその行動の端々の間に蓮はよくため息をついていたのだ。

 練習を終えて,夕方のぽんちゃんの散歩を蓮に任せた一行は航海が料理をしている間に色々話していた

 

「なあ,なんか昨日から蓮のやつため息が多くなってないか?」

「そりゃあ結人君,蓮君が歌以外でああなるなんて1つしかないでしょ」

「倉田の事を好いている……か」

 

 ここ数日の蓮の反応からその可能性が最も高い。まあそれがバンド活動に何かしらの影響を与えるのならば何か考える必要があるが,むしろ今日の練習では一昨日よりも進化していたので考える必要はないのだが今までにこう言った経験がない結人はどうしたものかと首を捻る。

 

「もういっそ蓮君とましろちゃんをくっつけた方が良いんじゃない」

 

 この白石万里,実家は酪農農家なので親からは嫁も早く見つけろよー的な事を言われているのでそう言う考えがポンと出てくる。

 

「それは良いのか,本人の気持ち的に」

「良いでしょ。どう見ても蓮君もましろちゃんのこと好きなんだから」

「七星が自覚してるのかは微妙だが」

 

 むしろ自覚はしていない気がする。ただ漠然とましろと一緒にいると楽しいって事が分かっているだけで。

 

「前は様子見って言ったが……」

「そうだな。少し考えを変える必要があるかもしれないな」

 

 そこで戻って来たのは晩御飯の下ごしらえを終えた航海である。

 

「正直燻っている蓮を見ている方が不安になるんだけどね」

 

 蓮はこう……バンド活動においての行動力はピカ一だが自分のこととなると特撮と歌以外にはあまり積極的な活動を見せない。

 ましろとの関係も,何か一歩間違ってしまったら蓮が落ち込んでしまう可能性が高くなるためそう言う意味なら蓮とましろをくっつけてしまうのは存外悪いアイデアではないのではないかと航海は思った。しかしそこは男子大学生連中,誰も彼女がいたことがなかったのでどう2人をくっつけるのかが分からず取り合えず出来るだけ2人を一緒にさせてみるかという案で落ち着いた

 

 [newpage]

 

『私達のボーカルが可笑しくなった件』

 

 広町七深のアトリエ,Morfonicaの練習場所として七深が提供しているこの場所でも今日の練習が行われていた。Argonavisの楽器構成とは1か所違い瑠唯がヴァイオリンを弾いていると言うのがこのバンドの大きな特徴である。

 そんな彼女たちが奏でるのはバイオリンロックバンド,彼女たちのボーカルが奏でる幻想的な歌詞が観客たちを空想の世界へと連れていく。

 一曲が終わりましろはマイクを持ったまま少し息をついた

 

「お疲れさまましろちゃん。すっごく良かったよ」

 

 そう言いながらつくしはましろに水を差しだす

 

「ありがとうつくしちゃん」

 

 お礼を言いながら受け取り飲む。他のメンバーも各々水分補給は欠かさない。

 

「ていうかシロどうしたんだよ,一昨日よりも声がよくなってんじゃん!」

 

 その水分補給を終えた透子が先程の演奏について興奮冷めない口調でましろに言った。確かに一昨日練習した時よりもましろの歌が良くなっていたし,ましろ本人もとても活き活きと歌っていたので透子自身もギターが少し走り過ぎてしまった。

 

「確かに倉田さんは一昨日よりも声の伸びが良くなってたわね」

「うんうん。しろちゃんたったの1日で何があったの~?」

 

 たったの1日でこれ程の変化をしたましろにメンバーは驚きを禁じ得なかった。しかしそれを聞かれた本人であるましろは困ったように眼を泳がせる。

 

(何がって……昨日は1日蓮君とデートしてただけだし……)

 

 帰った後は蓮のメッセージに悶えまくっていてその後の記憶は飛んでしまっているが,何か変な事をした覚えはない。

 そして,昨日のデートのおかげで皆が褒めてくれているのだとしたら大変複雑な気分である。

 

「あ,それ私も聞きたいな。ドラムにも使える事かもしれないし」

 

 そう言ってつくしまでワクワク顔でましろに詰め寄ってしまう始末。ましろは昨日のデートの事を思い出す。いつも皆と一緒に行く喫茶店に2人きりで行った事,2人でポピパのライブに行った事,モニカの思い出の地でもある河川敷で2人で濃厚な時間を過ごしたこと。

 それを思い出すだけで心臓の音が段々と早くなってしまい後ずさりするが,つくしたちはその分詰めてきてしまい逃げ道が無くなったましろはぼそぼそと言葉を紡いだ。

 

「き……昨日は……その……しただけだよ」

「え,なんて?」

 

 途中で恥ずかしくなってしまい大事な所は語尾が小さくなってしまった。しかし逆にそれが透子たちの興味をそそり余計に迫られる。

 今にも爆発してしまいそうなほどに頬を紅潮とさせたましろは逆に……

 

「で,デートしただけだよ…!」

 

 何を思ったのか聞くだけなら凄まじい誤解を生んでしまいそうなワードを叫んでしまった。

 

「え,デート?! 誰と誰と?」

「蓮さんだよね! ね!」

 

 この時期の女子高生なんて恋愛に多感な時期,それは 別に本人じゃなくとも友達お恋愛のお話は大好物なのだ。それも普段は引っ込み思案のましろが,一番恋愛しているかもしれないなんてそんな面白そうな話を見逃すはずが無かった。

 そしてつくしの問にましろは……口元に少し手を添えて頬を染めながら一言

 

「う……うん」

「「キャーっ!!」」

 

 ましろの純情な反応に思わず悲鳴をあげる透子とつくし,「おー」と手を叩いている七深,そして感情が読めない表情の瑠唯である。

 しかし,瑠唯はましろが道を間違えない様に一言だて注意した

 

「倉田さん,月の森では不純異性交遊は認められていないわよ」

 

 元々月の森女子学園が超名門校のお嬢様高校なのでとりわけ他の高校よりかは厳しい……いやどの高校も良しとはしていない気がするが。

 それを言われた本人であるましろは身体の足から顔まで真っ赤に染まりながら情緒が崩壊した

 

 

「ふ,不純じゃないもん! うわあああん瑠唯さんの意地悪~ッ!!」

 

 

 そんな事を叫びながらましろは恥ずかしさの余りアトリエから飛び出て行ってしまったのだった。ドタバタと出て行ったしまったましろを呆然と見送ったメンバー一同,残ったつくしと透子と七深と瑠唯はましろが出て行ってしまったドアの先を見ながら呟いた

 

「ましろちゃん,純愛だって」

「あんなシロ見た事ねえな」

「しろちゃん,とっても幸せそうだったね」

「意地悪……」

 

 四者四様の様子でましろのこれからについて思いを馳せるのだった

 

 

 




お疲れさまです!
意地悪と叫ばれたことに微妙にダメージを受けた瑠唯()。取り合えず再会編は章分けしときますね。

という訳で次回からほぼ短編集的な感じになります。いわゆるオムニバス形式ですね。あれの方が書いてて多分楽なので。
連続性の話し出すときはまた章分けします!

ましろの性格原作寄り圧倒的でしたな,まあそりゃそうかと思いました笑。ましろの性格変える時は普通にIF章でも作ってやります(いつになるか分からんけど)
という訳でアンケートやります~。蓮ましシチュエーション!リクエストとかあったら言って貰えたらやります~。
では!

恋人になった2人の関係性どんなのが良い?

  • 今まで通りましろから蓮に激攻め
  • 逆に蓮がましろに激攻め
  • 寧ろお互いがお互いに激攻め
  • というか全部やれ
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