~アストラル・ライフ~『~天に召される瞬間、ガイコツ少女に異世界召喚されました~』   作:LUCIOLE

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大変だった戦闘も終了!少しの間はゆっくりのんびりライフですw

謁見の間とは思えない、賑やかな状況。その中心でエリアが叫ぶ。


第二十四話 『せっかく転生したのに死んでました』

 

 「と、兎に角、お風呂には汚れてたので入れました。ベッドは貸しただけです。角も、そもそもある事も知らなかったし、この髪の量です当たったとしても髪の毛越しだと思います」と角に触れない様に気を付けてファムの頭を撫でた。

 

 ファムは膨らませた頬も元通り、嬉しそうに撫でられてる。

 

 「そ、それに、私は同性ですよ」と言い難そうに口にしたものの目を逸らした。

 

 「それは・・・」

 

 アフィが妙な顔をしている。いや、表皮ないけど。

 

 (それは・・・?)

 

 「微妙な話ね」とミリィ。

 

 「微妙な話だな」とヴァリウ。

 

 「微妙な話じゃの」とブランバイス。

 

 「微妙な話ではないか?」とダイン。

 

 え、なんでそんな反応?

 

 「あ~・・・」とアフィはダリウスに視線を向けた。他の者達も哀れみや同情、諦めや喜憂等の目を向ける。

 

 ダリウスは本能的に危険を察し咄嗟に目を反らした。

 

 「まぁ、ここまで知ったらもう1つや2つ増えたって一緒よねw」

 

 「アフィ様!?楽しそうに言わないで下さい!もうとっくに一杯一杯なんですよ」

 

 まるで国の暗部を見させられた様な顔をしているダリウスの顔から更に血の気が引いていく。もう脂汗が凄い。

 

 「ここに居る人以外にバレ無ければ大丈夫だよ」

 

 ルルが涙を拭きながら観念しろとばかりダリウスの肩をぽんぽんと叩いた。リリはまだ笑いを堪えてて、無言で頷く事しか出来なかった。

 

 「貴方の話は大方アフィから聞いてます。知っているのはここに居る者だけですが」と3大臣を見た。それに答える様に頷く3人。

 

 「え!?」

 

 「貴方は異訪人(いほうじん)なのでしょう?」

 

 「異訪人?」

 

 「この世界以外から来た者達を私達はそう呼ぶの異なる世界から訪れた者、異訪人と」

 

 ビクリと身を硬くする。

 

 「まぁ、私の立場上仕方無いでしょう」

 

 アフィは抑揚無く言ったのは少し申し訳なく思っているのだろう。

 

 「異訪人なんて、御伽噺の様です!」

 

 ファムはまるでお話の英雄を見る様に目を輝かせてる。

 

 3大臣は訝しげだ。

 

 ダリウスは・・・うん、思考が停止してるね。

 

 エリアが、涼が色々と言いたそうにジト目でアフィを見る。

 

 アフィは何も語らない。ただ、フンと顔をそっぽを向くだけだ。

 

 「はぁ~」 

 

 溜息を吐いて視線を落して沈黙するエリア。その姿を不安な表情でリリとルルが見ていた。

 

 顔を上げたエリアはミリィに向き直り真剣な顔で口を開いた。

 

 「みなさんは国の重役に付いてるのに何故アフィは無職なんですか?」と。

 

 これにはミリィも3大臣や他の者も、へっ?と呆気に獲られた。ファムも目を丸くしている。

 

 「な!?」

 

 アフィが顔を真っ赤にして震えてる。赤くなる皮膚無いけど。

 

 「誰が無職ですって!?」

 

 突然の言葉に憤慨するガイコツ。

 

 「いや、だって他のパーティメンバーは女王様や大臣なのにアフィだけ隠居じゃないか」

 

 「隠居じゃないわよ!私はホムンクルスの研究に忙しいのよ!」

 

 「でも何か役職が有る訳じゃないでしょ?」

 

 「有るわよ!」

 

 「どんな?」と聞かれ、ピタリと動きが止まる。

 

 目を逸らし、もじもじとしている。

 

 エリアがジ~と見詰めるとやっと口を開いたが、ごにょごにょとしてはっきり聞こえない。

 

 「なに?」

 

 「う~・・・国家相談役よ」

 

 「それって・・・天下り?」とジト目。

 

 「何よ天下りって!?何か良くない感じがするわ!馬鹿にしてるでしょ?」

 

 鋭いな。 

 

 「私は女王にすら意見出来る役職なのよ!」

 

 「へぇ、アフィの意見ね~」

 

 「馬鹿にしたわね!」

 

 「してない、してない」

 

 勝手に色々喋られた。個人情報漏洩に現代人として少し、ほんの少しご立腹なだけだ。ただ、ほんのちょっとからかってやろうと思っただけ。

 

 「笑ってるじゃない!」とエリアをぽかぽかと叩いた。2人が周りを放置してギャーギャーと騒いでると、ファムがエリアの腕を引っ張って、アフィとの間に入り「エリア様は私のです!」と言い切った。

 

 「「へ?」」

 

 エリアとアフィが固まると、なんでそんな反応なんですかー!と腕を振って怒るファム。

 

 そして、謁見の間に笑いが再び起こって、場が和んだ。

 

 

 

 「まぁ、エリアさんの話は後にするとして事件の話を先に終らせましょう」

 

 ミリィは侍女と呼んでテーブルを用意させると全員に座る様に促した。

 

 「ファム、取り敢えずこちらに座りなさい」

 

 エリアから離れたくないと抵抗したがエリアが促したので、渋々女王の横に座って体裁を整えた。

 

 ミリィはヴァリウに話をする様に合図する。頷くとヴァリウはスクロールを開いて読み上げた。

 

 「あの村は現在も調査中だが祭壇とジョン・スミス、これは偽名だろうが、その者の遺体以外目ぼしい証拠は何も無かった。グラージドラゴンの死体もないしな」と、溜息1つ。

 

 「あとアフィから提供された乖離剣とグラージドラゴンに埋め込まれてた魔法具は現在調査中だ」

 

 「あれだけの希少な魔剣じゃ、直ぐに分るんじゃないのか?」

 

 魔法が専門のブランバイスでも知っている程有名な魔剣。その伝説では全ての事象を乖離させる事の出来る魔剣でこの世界に現れた邪神を倒し、邪神達がこの世界と異界を繋ぐゲートを世界から切り離した剣でもある。

 

 「あれはもう何百年も行方不明だったんだよ」

 

 ダインは武器の類に精通している。戦士としてだけでなく趣味も入っているのだが。だからこそ何百年も前に有ったという伝説以降、剥離剣が使用されたと言う話は何度と有るが確固たる資料は無く、実在を疑われている剣だという事も知っている。

 

 そんな魔剣がアフィに因って突然持ち込まれた訳だが、当然現在の所有者やこれまで保管されてた場所、何故人間至上主義者に渡ったかなど皆目見当も付かないのだ。

 

 「取り合えず、今部下や文官に調べさせているが何処まで糸を辿れるか・・・」

 

 難しい顔をする3大臣、その3人に申し訳無さそうにエリアが話しかけた。

 

 「あの~、あの魔剣は模造品ですよ」

 

 「なにぃ!?」

 

 3大臣一同がエリアの言葉にどよめく。勿論一番驚いたのはダインだ。

 

 「何故そんな事が分る?鑑定士にでも見せたのか?」

 

 剣に付いて調べているダインがその理由を問い質した。

 

 「いえ・・・えっと、私の話って何処まで聞いてますか?」

 

 エリアは女王達を見回して答えを待つ。

 

 「貴方が来た経緯と私の推測、簡単な能力。私やララ達がこれまで感じた人柄とこれまでの行動かな?」

 

 ほんの少しだけ申し訳無さそうにアフィが話した内容を教えてくれた。

 

 (・・・ほとんどじゃん)

 

 「じゃあ、私に憑依に似た能力が有る事は聞いてますね?」

 

 「詳しくは聞いていませんが、知っています」

 

 女王が代表して答える。

 

 「私はあの戦いの中でその乖離剣に憑依しました。その時あの剣に残ってた残留思念を感じたんです」

 

 「剣に憑依!?だからあの時私は無傷だったのですね!」

 

 殊更ファムは目を輝かせた。自分を守ったのがエリアなのだ。

 

 因みに、あの瞬間アフィも周りの空気を使って圧縮した空気の壁を作っていたお蔭もあるのだが。

 

 「で、残留思念とは?」

 

 ブランバイスが話の続きを促す。

 

 「道具に込められた強い記憶と思って下さい」

 

 「それで、模造品と分ったと?」

 

 「はい」

 

 「犯人は分らなかったのか?何か手掛かりだけでも」

 

 ヴァリウが身を乗り出す。それが分れば事件は一気に解決の向かうのだ。

 

 「誰かが儀式で作った事と、覆面の男がジョンスミスに渡したって事ぐらいしか・・・」

 

 「ふむ、その覆面とは・・・」

 

 「ジョンの物と同じでした」

 

 「つまり、手掛かりらしい手掛かりは無しか・・・」

 

 ヴァリウは残念と手を広げた。

 

 「すみません」

 

 「いやなに、気にせんで良い」

 

 ブランバイスはエリアを気遣い優しく微笑む。

 

 「エリア様、憑依とはどの様なものなのですか?」

 

 ファムは憑依そのものに興味を思った。憑依とは精神体の魔物等が持つ能力だからだ。

 

 「ん?えっとね、私はこのエリアの体を借りてるだけで、本体は別なの」

 

 そう答えると、ファムは更に身を乗り出して聞いてきた。

 

 「では、本当の姿は別なのですか?」

 

 「ん~、リリちゃんちょっと良いかな?」

 

 リリを呼んだエリアは失礼しますと言って、床に座るとリリに体を預けて、よろしくねと目を瞑る。

 

 すっと体から力が抜ける。すると、エリアの胸の辺りから魂モードの涼が抜け出し空中でクルクルと回り、ぱっと止まって目を開いた。

 

 「これが本体、今の葛城涼の姿だよ」と、皆を見下ろした。

 

 ファムが両手を伸ばして涼を受け止め様としていたので、その手の平の上に降りる。

 

 「これが涼さま・・・」

 

 「そう、驚いたかな?」

 

 少し不安げなエリアの問いにファムはかわいいです!と微笑んだ。

 

 「何故その様な姿に?」

 

 ブランバイスま目を丸くしている。

 

 「異世界転生?いえ転移かしら?」

 

 全てを見通そうと見詰めながら、興味深そうにミリィが訊ねた。

 

 「それは私にも分りません。元の世界で死んで、気が付いたらこの世界に居ました。ただ死んだ直後だった所為か、本来の人の姿ではなく、魂みたいな姿ですが」

 

 「つまり?」とファムが涼を覗き込む。

 

 「ん?せっかく異世界転移したのに死んでました。かな?」

 

 




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