目が覚めたら町が燃えて、しかも国が地図から消されたお話する?   作:Yuri_____

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1-②

 

 

 

 

 

 

 

故郷が燃やされ、白ひげ海賊団の一員となってもう十二年の年月が経ち、オレも二十二歳と前世の年齢を超えてしまった。

だがそんな長い年月を経ても未だにローの情報を掴めずにいる。

こういうことなら小説読んどけばと何回も思ったが、そもそも転生するとか思ってなかったから仕方ない。

 

この十二年でオレは見習いから戦闘員へとレベルアップした。

戦闘スタイルとしては持ち前の両利きを活かして拳銃と刀の二刀流スタイル。

白ひげ海賊団にはそういった方面のスペシャリストが何人も居るのでオレはとてもがんばった。

ウン、ホントに…ガンバッタ。

 

獅子は我が子を千尋の谷に落とすという諺を身をもって知った。

シャンクスもこんな風にレイリーに扱かれたんかな……バギーはちょっとわかんねーけど。

 

今は新世界ではなく、”偉大なる航路”で船旅を満喫中。そして美味しいご飯を口いっぱいにして食べる。

うーん、やっぱり平和最高。

 

 

「おぉーい、ラベルー!」

 

 

「ん? どったのサッチ」

 

 

「いや何。お前の故郷の”北の海”で最近名を上げ始めている海賊がいるっぽくてさー。同じ出身者として気にならねーか?」

 

 

「ふーん。名前は?」

 

 

「トラファルガー・ローって言うらしいんだが」

 

 

 

ガダンっ、と食事中に行儀が悪いが立ち上がり、目を開いた。

他の仲間がなんだなんだ、と言っていたがオレはそんな声が耳に入らずサッチに詰め寄った。

 

 

「手配書は!?」

 

 

「お、おう。ここに」

 

 

「悪ぃ、貰う」

 

 

オレはサッチから手配書を貰うと、前世でよく見たカッコイイ顔をしたトラファルガー・ローの写真があった。

その顔を見た瞬間オレは手配書を強く握り、目からはポロポロと涙がこぼれてきた。

 

 

 

「良かった……本当に、よがっだ…」

 

 

 

生きていることは知っていた。

でも、こうやって名前を聞くと本当に生きていると実感できた。

その後、年甲斐もなくずっと泣いてるオレを皆が慰めてくれて、次の日目が真っ赤になったオレを見てめちゃくちゃ笑っていやがった。

 

 

 

「お前ら昨日の優しさはどこいったんだよ!!」

 

 

「そんな真っ赤に腫れた目ェ見て笑わねぇやつの方がいねーだブハッ」

 

 

「脳天ぶち抜くぞ!?」

 

 

ビスタが吹くと、更に笑い声が高まる。

そのまま腹が痛くなるまで笑い転げて、明日起きれなくなればいい。

オレは恥ずかしくて目から血涙が出そうなのを我慢し、オヤジに会いに船長室に来ていた。

 

 

 

「グラララ…どうしたラベル。湿気た面ァしやがって」

 

 

「オヤジ…ごめん。オレはこの船を降りる」

 

 

「探してた野郎が見つかったのか」

 

 

「ああ…オレのたった一人の親友が生きて、見つかったんだ。オレはそいつに会いに行く」

 

 

 

オレは真っ直ぐオヤジの目を見つめる。

この十二年、怖いこともあったがそれ以上に楽しいこともあった。

それはこの白ひげ海賊団に乗っていなければ経験出来なかったことだ。

 

 

 

「オレ…おれ、本当に…感謝してるんだ。よく知りもしないオレを船に乗せて、息子と呼んでくれた。故郷を、家族を亡くしたオレにとって、その言葉が…何よりも嬉しかった」

 

 

 

昨日泣いたばかりだというのに、また涙が出てきた。

すると、オヤジが立ち上がってオレに近づいてきた瞬間。

ギュッ、と包み込むようにオレを抱きしめてくれた。

 

 

 

「オヤジ…」

 

 

「例え離れていようとお前はおれの大切な息子だ。おれたちの親子の絆はそう簡単には切れねぇよ」

 

 

「っ…ありがとう!」

 

 

 

 

その日、オレが船を降りることを皆に知らせてオレにとって最後の宴が開かれた。

こうして馬鹿騒ぎ出来るのもこれで最後か…としみじみしながら酒を飲む。

 

 

 

「ラベルぅ! オメェ、船降りても元気出やれよォ…」

 

 

「生意気なガキがここまで成長したのは俺達のおかげだからな! 心に刻んどけよ」

 

 

「忘れたら承知しねぇからな!」

 

 

「分かってるって」

 

 

 

 

宴は夜が明けるまで続き、片付けや降りる準備をしてからオレは”北の海”にあるとある島に降ろしてもらった。

ここからは一人で情報を集めないといけないから大変だ。

一応航海技術は教えてもらっているから特に問題はないが、一人旅は初めてだから寂しいけど少しワクワクしている。

 

 

 

「皆ァー!! 本当にありがとう!! おれ、皆に会えて幸せだった!」

 

 

「ラベル!!」

 

 

「ん?」

 

 

「急にそんなこと言うんじゃねーよォ!! 泣いちまうだろ!!」

 

 

「既に号泣だよい」

 

 

「マルコお前いっぺん鏡みてこい!!」

 

 

 

 

サッチやティーチ、それに加えてマルコやジョズ、ハルタまでも泣いている。

イゾウやビスタは泣いてはいないが、少し表情を崩している。

最後は笑って。涙はみせ────ないとか無理なので顔がベチョベチョになるまで涙と鼻水を出しまくった。

皆オレの顔を笑ってるが、人のこと言えねぇからな??

 

 

 

 

「じゃーな! 皆!!」

 

 

「ラベル!」

 

 

「…! オヤジ、」

 

 

「頑張れよ」

 

 

「っああ!!」

 

 

 

 

オレは去りゆくモビー・ディック号に手を振って、船が見えなくなるまで見送った。

しんみりした気持ちを無くすため、オレは思いっきり頬を叩く。

 

 

 

「いっだ……!!」

 

 

 

 

だけど、これで決心がついた。

オレはオレがやるべき事のために。

海から反対方向に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────いっちまったな、ラベルの奴」

 

 

「ああ。寂しいか?」

 

 

「皆寂しいに決まってるよい。ちびっ子だったラベルがあんなに成長したんだからな。少しどっかの赤髪を思い浮かべちまったよい」

 

 

「確かに」

 

 

「次は敵同士、だろうな」

 

 

「グラララ…そうかもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

▼▼▼▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キャプテン、キャプテーン!! 大変だよ!!」

 

 

「…どうした、ベポ」

 

 

 

男は読んでいた本を閉じて、部屋のドアを開けたシロクマ──ベポの名前を呼び、そちらを向いた。

ベポは走ってきたのか息遣いが荒く、はぁ、はぁ…と息を吐いてからごくんと唾を呑みキャプテンと呼ばれた男を見る。

 

 

 

「今ね、この島にいるらしいよ!」

 

 

「居るって…誰が」

 

 

「キャプテンが探してるって言ってた白ひげ海賊団のクルー 『死雨のラベル』が!!」

 

 

「!!!」

 

 

 

ラベルの名を聞いた途端、男は目を見開いてソファから立ち上がった。

 

 

 

「アイツが…この島に…?」

 

 

「さっき、白ひげの船が止まっててその時に降りてたって!」

 

 

 

男は唇を噛むと、被っていた帽子を深く被りソファに座る。

そして目元に手を当て、ベポに表情が見せないようにしてから部屋を出るように伝えた。

一人になった男は肩を震わせて、口を開いた。

 

 

 

 

 

「……ラベル」

 

 

 

 




おまけ


人生ハードモードとかまじワロエナイ(白目):アリアンス・D・ラベル

出身地は”北の海” フレバンス王国。出生地はドラム王国。
フレバンスには五歳の頃に移住し、両親の関係でローと知り合う。
初めは仲は良くないと言うより、お互い興味がなかったがラベル(記憶なし)がローを「おもしれー女()」認定したことにより距離が縮まって親友に。

白ひげ海賊団に入って一番仲が良いのはサッチとビスタ。
戦闘スタイルとしては拳銃と刀。
刀は妖刀という設定で名は「緋雨」。
能力者になる予定はないが、刀で例のアレを使える。
考えるのが面倒なのでアレにしました。
異名でわかる人にはわかる技です。

発音としてはラベルシールとかの「ラ→ベ↑ル↑」じゃなくてトラベルとかの「ラ↑ベ→ル→」

名前の由来はワーテルローの戦いのドイツ語読みのラ・ベル・アリアンスの戦いから


パイナップルヘアーによってハイスペックさとの均衡を保ってる:マルコ

漂流をしていたラベルを見つけて、助けた本人。
しかも怪我を治してくれる優しい船医。しかしとんでもなく強い一番隊隊長。
フレバンスの事件はもちろん知っていたし、まさか珀鉛病の事実を知れるとは思ってなかった。
ラベルのことを一番可愛がっていたため、後に入団するエースによく話す。


大物は特徴的な笑い方をする:エドワード・ニューゲート

初対面で「かっけぇ…」と零したラベルに少し驚いたが、ガキの癖に肝座ってんなぁとなった。
まだ10歳そこらの子供が大人のような事を言い、更に目的を聞いて息子する。


白ひげさん家の愉快な息子たち

マルコが助けたちびっ子が船に乗るということで驚いたが、宴で一気に距離が縮まった。
それから少し大きくなって剣術や銃術、航海術等を教えるが飲み込みが早くて教えがいがあった。
別れ際は皆で泣いた。


前世の親友

友達が死んで悲しいし、約束は普通に忘れていたため小指をタンスの角にぶつける呪いをかけられた。


アイアイキャプテン!:ベポ

一家に一匹ほしい
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