ソードアート・オンライン〜キルバスの軌跡〜   作:鐘楼卿(ベル卿)ベルフェスティフ

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月夜(つくよ)に変ずるクローズドラゴン

アインクラッドがデスゲームとなってからしばらくが経ち、プレイヤーたちはその歩みを37層まで進めた。

 

そしてそこから進む前のことだった。

 

ビィーッ!ビィーッ!ビィーッ!

 

研究所で警報が鳴り響く。

 

「エボルト!原因は!」

 

「キリトさんがクローズを使ったっぽい!階層は…27層!」

 

「分かった!」

 

エボルトがPCを叩いて情報を俺に伝える。

 

「転移!ロンバール!」

 

俺は大声でその町の名を叫び、結晶で転移する。寸前、

 

「兄さん!忘れ物!」

 

エボルトがキルバススパイダーを投げ渡す。

 

「お!サンキュー!」

 

そうして、転移が完了する。

 

<><><><><><>

 

「マズイマズイまずいなぁー…こんな段階で使うかぁー…」

 

今現在俺は俺はクローズにつけたGPSで迷宮区を駆けずり回ってキリトの場所に向かっている。

 

「っと…この隠し扉だな」

 

俺は扉を叩き開け、隠し部屋の中に入る。

 

そこには、おびえて部屋の端で縮こまる四人と、血まみれのクローズがたたずんでいた。

 

「キリトお前…」

 

「……………………」

 

キリト(クローズ)は無言のままこっちに歩いてくる。

 

「と、とりあえず…お前ら、街戻ってこいつ何とかしろよ…」

 

四人のプレイヤーに声をかけると、コクコクと頷いてキリトに近寄る。

 

「後キリト。こいつらの仲間全員連れて俺の研究所来い。いろいろと説明する」

 

「…分かった」

 

俺はアスナのことも聞こうかと思ったが、さすがに酷かと思い、その場を転移結晶で後にするのであった。

 

ま、研究結果のクローズが残ってたしそれだけでもよかったってとこだな。

 

<><><><><><>

 

「さて、君たちには二つの選択肢がある」

 

キリトの入っていたギルド。月夜の黒猫団のリーダー、ケイタに研究所に来てもらい、他のメンバーとキリトは前室でエボルトが出した珈琲(俺が注いだ)を飲んでいる。

 

「ケイタ君。キリトが持っていたのは俺の研究品【ビルドドライバー】で彼が変身したのは仮面ライダークローズ。現実世界で仮面ヤイバーというのを見たことあるかい?あれに近いものだな」

 

「え…?あ…はい…」

 

「さて本題だ」

 

ケイタ君が憂鬱な感じの表情のまま返事をしたところで本題に入る。

 

「今回の件だが、秘密にしておいてほしい」

「この件に関してはまだ秘密にして欲しい…いや、しなければならない」

 

俺は久しぶりに真面目な顔になってケイタ君に話し出す。

 

「この力は欲望に任せれば非常に危ないことになる…青龍連合や軍に情報が渡ってしまえば強奪されるのは目に見えている」

 

「分かり…ました…」

「では…」

 

「そしてもう一つ」

 

ケイタ君は立ち上がろうとしたところに声をかける。

 

「キリトを…気にかけてやってくれ…あいつは精神が壊れかけで…癒しを求めている」

「どうかあいつを、一人にしないでやってくれ」

 

ケイタ君は、そのまま無言で歩き出て行った。

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