ソードアート・オンライン〜キルバスの軌跡〜 作:鐘楼卿(ベル卿)ベルフェスティフ
あの日。そう、迷宮に入ってからおおよそ一月。
俺たちは始まりの街に戻っていた。
「ほう!ここが一層攻略会議の地か!」
「そうだなエボルト。だが大声を上げるな。周りに迷惑だろう?」
「ああ、わかった兄さん」
どうやら俺たちがついたのは一番遅かったらしく、周りからキツイ視線を受ける。
「妹が騒がしくしてすまないね。さあ、続けてくれ」
俺がそう言うと一応納得したのか、視線をみんな噴水に立つ男へと向ける。
「ちょ、ちょっとアクシデントもあったけどそろそろ始めさせてもらいます!」
「みんな!もうちょっとこっちに、、よし!」
男をよく観察すると、青髪で、ウェーブが少しある。
「今日は、俺の呼びかけに応じてくれて、、、、」
そこからは、最もそうな理由や、笑いも挟みながら、最後に俺たちに問いかける。
「それが、今この場所にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ!そうだろ、みんな!」
無駄の多い話し方。だが人心掌握に長けているようで、拍手が鳴り始める。
そうして、拍手が数秒続いた時、低い声が流れた。
「ちょお待ってくれへんか、ナイトはん」
頭に文字通り棘のある男が話す。
「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」
青髪、ディアベルはあくまで余裕を持った表情で対応する。
「こいつってのは何かな?まあ何にせよ、意見は大歓迎s「一つ聞きたい」、、君もなんだい?」
「言わして欲しいんだが、君、ここは攻略のための場だ。勝手な被害妄想で元ベータテスターを晒し上げようとするってんじゃあないだろうな」
俺は言いながら男の元へと向かう。
「、、なんやて?わいのこの怒りが、、なんもかんも独占したせいで今まで死んでしもた二千人の怒りが被害妄想やとぉ?」
最初は言おうとしたことを読まれて少し驚いた顔をするが、直ぐに男は俺に近づいてきて下から見上げるようにして俺のことを睨みつけてくる。
「ああ、そもそもここは攻略のための場だ。過去のことを話す場ではない。それに、死者の中にだって元ベータテスターはいる」
「それに、死んだ奴らは、」
そこで俺は一息すい、言う。
「弱かったのが悪い。弱かったくせに情報を極限まで集めなければ死ぬのは必死」
「それに、私怨で今足並みを乱す必要はない。指示に従い、どのように攻略するかを早く話し合うべきだ」
「なんやとッ⁉お前ッ!」
男は殴りかかろうと近づいてくる。
だがそれをディアベルは途中で止める。
「ストップ。つまり、君の言いたいことは過去なんて見てないで先に早く進もう。ってことなんだろうけれど、、それで納得できる人なんていないんだよ。少なくとも、今はね」
フム、、まあ、こんなところか。
「そうか、、まあ、今はいい。だが、今のように仲間を晒上げるようにして軋轢を作れば、攻略時に致命的なミスを犯す可能性が非常に高くなる。それだけは覚えておけ」
そして俺はエボルトが立っているところに戻る。そして天を見上げようとすると、アルゴの顔が見えた。
アルゴは何か企んでいるようなミステリアスな笑みで手を振ってくる。
俺は無言で下を向いた。