閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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前回の遊戯閃乱で失敗してしまいましたが

どうしても書きたくなり遊戯王をやめて普通に書く事にしました




プロローグ

ここはどこかにある山里の林の中

 

辺り一面に草木が生い茂るその場所は今

 

狂気と殺意の気配に満ちていた

 

そんな林の真ん中に背中を合わせた二つの人影があった

 

一人は長身で筋肉質の女性で一人は女性よりは小さく顔一つ分の体格の男で腰に小刀を持っていた

 

「…ふむ」

 

「どうやら囲まれたようですね」

 

「あぁ、そのようだな」

 

二人は辺りを見ると林の影からこちらを狙い、襲いかかる瞬間を図っている無数の光る目があった

 

「ざっと見て5、いえ10匹はいますね」

 

「構わぬ。何匹来ようとも我の拳に砕けぬものはなし」

 

「流石です師匠」

 

二人が話す瞬間をチャンスと思ったのか影たちは林から出てきて二人に襲いかかる

 

それは狼のような外見だがどこか人間の女性の姿もしていて禍々しい気配と殺気に満ちている

 

文字通り人狼、化物だった

 

しかも一体はボスなのか更にでかかった

 

「行くぞ!!」

 

「はい、師匠!!」

 

二人は互いに前を向いて走る

 

「はぁぁ!!」

 

バキン!!

 

【キャイン!!】

 

男が人狼を殴り飛ばす

 

【ガウ!!!】

 

人狼が背後に迫る

 

「はあぁぁ!!!」

 

男はそれに気づき後ろ回し蹴りでそれを撃退する

 

【グアァァ!!】

 

蹴られた人狼は吹き飛ばされた

 

「師匠、そちらは大丈夫ですか!!」

 

男は女性の方を見る

 

「うぬに心配されるほど我は軟弱にあらず!!」

 

そういいながら女性は自身を囲んで飛びかかる人狼を睨みつけると

 

「秘伝忍法、豪炎・螺旋脚!!!」

 

女性は回転しながら炎を帯びた足で廻し蹴りを浴びせる

 

【グラアァァ!!!】

 

回し蹴りをくらい人狼は炎を焼かれ悲鳴を上げながら消滅した

 

「ふん。この程度で我を殺れると思ったか。たわけが」

 

女性の威圧に人狼たちは怯み

 

その目を男に向ける

 

人狼達は男の方なら倒せると思ったのか

 

女性から離れて男に迫る

 

それを見た女性は

 

「ふん。我に勝てぬと踏んで狙いを替えたか…」

 

そう言いながら人狼達と戦う男を見守っておりました

 

「っ…師匠が相手してた奴らも来たか」

 

男を取り囲む人狼、二人と戦い10程居た人狼はその半数になっていた

 

人狼達は男をじっと見詰め、いつ襲いかかってもおかしくない状況でした

 

男は構え襲撃に備える

 

そして

 

【ガオォォ!!!!】

 

ボスの一声を合図に一斉に人狼達が襲いかかる

 

「はいっ、はぁ!!!」

 

男は人狼達の攻撃を避けつつ一撃一撃を食らわしていく

 

だがその時

 

【ガオオー!!!】

 

「はっ!?」

 

背後から大口を開けてボス人狼が迫る

 

「っ!!」

 

男は腰の小刀を抜きボス人狼の攻撃を防ぐ

 

「くっ!」

 

【グルルルル…ガウ!!!】

 

だがボス人狼の攻撃で刀ははじかれ地面に突き刺さる

 

男は一瞬の隙に後ろに下がる

 

人狼たちは再び男を睨む

 

男は次に備え構える

 

【ガオ!!!!】

 

再びボス人狼と部下の人狼たちが襲いかかる

 

「…こうなれば!」

 

男は精神を集中する

 

【ガオオー!!!】

 

すぐそこまで人狼が迫って来る

 

その時男の体から凄まじい赤い気を湧き上がらせた

 

【ガオオオオ!!!!】

 

人狼が男に襲いかかる

 

「うおおおぉぉぉ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

決着は一瞬でついた。人狼の姿は見当たらず、立っているのは男だけだった

 

それを見届けていた女性は男の方に駆け寄る

 

「しっ、師匠…」

 

「まだまだ扱いがなってはおらんぞ」

 

「うっ…はい、すみません。やはり体力の消耗が…」

 

男は落ち込む

 

「案ずるな、力は申し分ない。あとはものにすればいいだけだ。もっと精進せよ」

 

「はい、師匠」

 

教えをもらいお辞儀する男

 

「しかし、依頼されていた妖魔の数よりも今回遭遇した妖魔の数は明らかに多かったですね」

 

「ふむ」

 

「でも。これで村の人達が襲われる事はないでしょう」

 

「だといいが」

 

歩きながら男と女性は会話していた

 

 

その後…

 

 

依頼があった村に戻った二人は

 

その村で一番大きい家に来ていた

 

「二人ともお疲れ様でした。おかげで助かりましたぞ」

 

家の主である70歳くらいのおじいさんが二人に礼をする

 

「いえいえ。村の人たちが襲われる心配がなくなって一安心です」

 

男がおじいさんに答える

 

因みに今二人はおじいさんに出された食事を頂いていた

 

「お二人がこの村に立ち寄ってくれたおかげで村の者たちも襲われずに済みました」

 

「気にするでない。此方としても我が弟子の修行に丁度良い相手であった」

 

食事をあらかた終えた女性はそう言った

 

「お二人はこれからどうなされるんで?」

 

「はい、僕はこれから師匠と別れ半蔵学園に転入することになりまして」

 

「ほ~半蔵に」

 

「こやつにはあらかた我が教えられる忍としての知識や戦闘技術は教えた。だが我もまた学ぶ者であり教えを与える者としては未熟。こやつにはまだまだ覚えるべきものがたくさんある。故にこやつを半蔵学院に転入させることにしたのだ。既に我の恩師に話は付けてある。明日はこやつは半蔵へと向かう」

 

二人はおじいさんに今後のことを説明した

 

「そうでしたか。ならば明日の出発に備えて今夜はゆっくりと休んでくだされ」

 

「ありがとうございます。おじいさん」

 

「感謝する」

 

「なになに。せめてもの礼ですから遠慮なさらず」

 

 

 

そして翌日

 

 

 

荷物を持ち、村の人たちに見送られて山里を後にした二人

 

そして少し歩いて山里近くのバス停に着いた

 

そこにはバスが止まっていて発車時間を待っていた

 

「…これで暫く師匠とはお別れですね」

 

「悲しむことあらず。いずれまた我とうぬはあい見える。それが遅いか早いかの違いだ」

 

「はい。…師匠」

 

「なんだ?」

 

男はおもむろに女性に声をかけた

 

「五年の間ご指導ありがとうございました。師匠の教え、半蔵学院でも活かしていきます」

 

「そうか。期待しておるぞ」

 

「はい!!」

 

そしてバスの発車時刻となった

 

「では師匠、行ってきます」

 

「あぁ、我もあらかた片付き次第半蔵に顔を出す」

 

「はい、それでは」

 

「心していくが良い」

 

男はバスに乗りお辞儀をするとバスのドアが閉まり走り出した

 

「ゆくが良い。己の死ノ美、咲き誇らせよ。我が弟子。佐介よ」

 

女性は男…バスの窓から此方を見る佐介を見ながら呟いた

 

 

 

バスの中で佐介は自身を見送る女性の姿が見えなくなるとバスの椅子に座る

 

「半蔵学院か…ある意味里帰りみたいなものだよね」

 

佐介はそう言うと荷物の中から一枚の写真を取り出した

 

そこには小さい頃の自分と女の子が写っていた

 

「5年ぶりか…元気かな飛鳥ちゃん」

 

佐介は女の子の名を呟きバスの窓から景色を眺めるのだった

 

 

 


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