閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十二章 白き狩人VS白銀の姫

佐介たちを襲撃した輩と勝負をすべく

 

 

その母校である死塾月閃女学館へと訪れた光牙たちは

 

 

現れた紫苑たち月閃の選抜メンバーに学炎祭を申し込み

 

 

紫苑たちも受けて立つ意思を示すとともに自分たちを迎え撃つべく散らばっていった

 

 

それを見た光牙たちはそれぞれの相手と相対するため、そして無事に帰ってくることを誓い

 

 

いざ、戦いの地へと赴くのであった

 

 

 

 

 

 

 

シュタ!

 

 

「……気配はここら辺だったな」

 

 

光牙は佐介を倒したという紫苑を追っていった

 

 

そしてたどり着いた場所は雪景色が一望できるようなそんな場所であった

 

 

「来ましたか」

 

 

「…ふぅん、あぁ、来てやったぞ」

 

 

背後から自分に語りかける声が聞こえる

 

 

光牙は振り向かなくてもそれが誰の声か気づき

 

 

ゆっくりと振り返るとそこには紫苑がいた

 

 

「君だけはこの手で倒さなければ気が済みません。私たちの…黒影さまの正義を愚弄した君だけは私自らの手で完膚なきまでに叩きのめします。そして黒影さまの掲げし正義が本物であることを思い知らせてあげましょう!」ビシッ!

 

 

紫苑は光牙をビシッと指差しそう高らかに告げた

 

 

「なるほどな。それが貴様らのこだわりか……案外くだらないものだな」

 

 

「く、くだらない!?」ピキッ

 

 

「あぁ、これではっきりと理解した。やはりお前は、いや、お前らは善としても忍としても俺たちは愚か佐介たちの足元にも及ばない!」ビシッ

 

 

「なんですって!」

 

 

紫苑の話しを聞いた光牙は紫苑たちを否定した

 

 

「お前らが言っていることは全て空論でしかない、貴様らの言うそいつがどんなやつかは知らんが、そいつの理想ばかりを追いかけるだけで自分の道を歩もうとしないお前は、お前たちは戦う前から既に負けている!」

 

 

「っ!?」

 

 

自身の思いで何かをするでもなく、他者の夢物語をさも自分の夢のように語り、それ叶えるためだけに動く紫苑たちを光牙は許せなかったのである

 

 

「……黒影さまの理想を愚弄するばかりか、僕たちの志しすら否定するとは!…覚悟しろ!今すぐお前を叩き潰してその場に跪かせてやる!」ゴォォォォォォ!

 

 

堪忍袋の尾が切れ、怒りとともに紫苑が闘気を全身からわき上がらせる

 

 

「ならやってみろよ…っ、はあぁぁ……はあぁぁぁぁ!!!」ゴォォォォォォ!

 

 

紫苑の闘気を感じ取った光牙は負けじと紫苑の放つのと同等の闘気をたぎらせる

 

 

両者構えをとり、身構える

 

 

 

「っ!!」チャキ ヴォォ!

 

 

「っ!」

 

 

 

そして先に沈黙を破ったのは光牙だった

 

 

「……っ!」パシュン!

 

 

紫苑へ向けて光牙は的確に矢の照準を合わせるとともに弓を弾く

 

 

「っ!?」

 

 

光牙が矢を放ち、矢はまっすぐ紫苑に向かって飛んでいく

 

 

「そんなもの!…はぁぁ!クリア・ウォール!」バッ!

 

 

 

ヴゥゥゥン!!

 

 

 

矢が迫り来る中、紫苑は冷静さを保ちながら手を前にかざした瞬間

 

 

紫苑の前方に透明な光の壁が出現した

 

 

 

バシュ! ジジジジジジジ パキィン!

 

 

 

光牙の矢は紫苑のクリア・ウォールに弾き返されてしまった

 

 

 

「っ?」

 

 

「ふふっ…残念でしたね。その程度の攻撃ではこのクリア・ウォールを破ることはできません。この絶対なる強固なる鉄壁の守りがある限り、そんな貧弱な攻撃では指一本すら触れることはできません」

 

 

クリア・ウォールを解除するとともに紫苑は光牙にそう告げた

 

 

蒼馬との戦いでは不覚にも砕かれてしまったが、2度はないと自信ありげな表情を浮かべながら

 

 

「貧弱…ねぇ」

 

 

「おや、どうしましたか?もう負けを認めるのですか?」

 

 

「ふん、冗談は顔だけにしろ。…っ」ヴォォ!

 

 

そう言うと光牙が再び弓を弾く

 

 

「なんの真似ですか?」

 

 

「俺の攻撃が本当に貧弱かどうか、そのご自慢の壁で試してみろ…っ!」バシュン!

 

 

光牙は紫苑に向けて矢を放つ

 

 

「無駄な足掻きを…クリア・ウォール!」ヴゥゥゥン!

 

 

再びクリア・ウォールを展開した紫苑は、再度光牙の攻撃を防ぐ

 

 

「どうですか?これでわかったでしょう、その程度の技ではこのクリア・ウォールの防御力を破ることはふk『バシュン!』っ!?」

 

 

紫苑が語っている途中にも関わらず、そこからさらに光牙か矢を放ってきた

 

 

「なにをするのかと思いきや同じことの繰り返し、どこまでも往生際の悪い!…そんなことをしてもこの鉄壁の守りを破ることなどできないと言うことがまだわからないのですか!」

 

 

光牙の行為を見て紫苑はこんなことは無駄な動きだと言い放つ

 

 

だが、光牙はそれでも矢を放つことをやめなかった

 

 

「(なぜだ?放っても防がれるだけとわかっているであろうに、それでもやめようとしないなんて…なにを考えているんだ?)」

 

 

紫苑には光牙がなぜ同じことを繰り返すのかがよくわからなかった

 

 

しかし、紫苑はまだ気づいてはいなかった光牙はただ闇雲に矢を放っているわけではないと言うことを

 

 

なぜなら先ほどから光牙は全ての矢を一箇所に向けて連続で放っていたのである

 

 

それに気づかないまま紫苑はクリア・ウォールを使い続けていた

 

 

そしてついにその時が来てしまった

 

 

「…っ!」バッ!

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

光牙か今まで放った矢よりも少し力を込めた一発の矢が当たった瞬間

 

 

 

バシュン! ジジジジジジジ!

 

 

ピキッ…ピキキ!

 

 

バリィン!

 

 

 

「っ!?」

 

 

「ふっ」ニヤ

 

 

徐々に徐々に蓄積していったダメージにより、脆くなっていったクリア・ウォールの壁を突き破って先端のみが内側に入って来た

 

 

「(バカな!たかが矢でクリア・ウォールに亀裂を!?)」

 

 

驚きのあまり唖然とする紫苑だったが、そんな余裕はなかった

 

 

 

ビシュウゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「っ!?」

 

 

なぜなら既に放たれていた追撃の矢が紫苑に迫って来ていたのだから

 

 

当然、防御をするにあたりクリア・ウォールを貼り続けなければならない

 

 

したがって矢はまっすぐ亀裂を作った矢に向かって飛んで行く

 

 

 

バシュン! ピキキキキキキキ!

 

 

 

ぶつかるとともに2本目の矢は消滅こそするが最初に放った矢を押し込んでいく

 

 

亀裂がさらに広がると共に先端しか出てなかった最初の矢は半分まで内部に入って来ていた

 

 

「なっ!?」アセアセ

 

 

さらにこれで終わりではなかった

 

 

「さぁ、こいつで!」バシュン!

 

 

光牙がもう一本の追撃の矢を放ち、同じく矢は壁を突き破ろうとしている矢に向かって飛んで行く

 

 

そして3番目の矢が2本目の矢の時と同じように最初に放った矢を押し込んだ瞬間

 

 

 

 

 

 

バリィィィン!

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

三連続の矢が見事にクリア・ウォールを砕いた

 

 

ヒュゥゥン!カスッ!

 

 

「っ…?」ピタッ

 

 

それと共に2本の矢に押されて勢いを取り戻した最初の矢が紫苑の頬をかすめながら後方へと飛んでいった

 

 

紫苑はなにが起こったかわからない顔で頬を手で触ってみた

 

 

すると触れた手は頬から流れ出る自分の血で赤く染まっていた

 

 

血に染まる手を眺める紫苑が次に浮かべたのはありえないと言う顔だった

 

 

「(馬鹿な。僕のクリア・ウォールをこんなにもたやすく!?)」アセアセ

 

 

蒼馬のように純粋に力でゴリ押ししたわけでもなく

 

 

単純な戦法のみで自分の技が破られたことに紫苑は驚きを隠せなかった

 

 

「どうだ?貧弱だと言っていた攻撃で自慢の防御壁を破られた気分は?」

 

 

「くっ…」

 

 

「俺たちをなめるなよ。地に堕ち、そこから強くなり這い上がってきた俺たちがこの程度で終わると思ったら大間違いだ」キリッ

 

 

「……いい気にならないでください…私の力はまだまだこんなものではありません」

 

 

頬についた血を指で拭うように取るとともに光牙を睨み据える

 

 

息づまる攻防に身を投じる光牙と紫苑、果たしてこの戦いの結末は…

 

 




最後に以前、半蔵編に間違えてこの話しをアップしてしまい、不信感を与えてしまったこと深く謝罪させていただきます


※再投稿に伴い、いくつか台詞の内容を変えました

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