閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十三章 命を吸う魔の植物の脅威

半蔵学院を襲った死塾月閃女学館に乗り込んだ光牙たちは

 

 

待ち構えていた月閃の選抜メンバーたちとの学炎祭を繰り広げる

 

 

そして光牙は佐介を倒したという紫苑と相対することになる

 

 

序盤は紫苑のクリア・ウォールなよって全ての攻撃が無効にされていたが

 

 

技術と知識を武器に戦う光牙は紫苑のクリア・ウォールを打ち砕くことに成功した

 

 

これにより掲載は五分と五分になり、戦いは加熱して行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…」

 

 

「どうだ?自慢の防御壁がお前のいう貧弱な力で破られた気分は?」

 

 

「…確かにクリア・ウォールを破壊したことは素直に褒めてあげましょう。…ですが所詮はクリア・ウォールを破壊しただけに過ぎません。この程度で僕を打ち取れる気にはならないことですね」

 

 

「そんなことは貴様に言われなくてもわかっている」

 

 

互いに相手を睨み据えながら次の相手の出方を模索する2人

 

 

「次はこちらの番です!」

 

 

そういうと紫苑は構えを取り力を高めるとともに両手を地面についた

 

 

「…生地の奏でし命の聖歌に誘われ……眠りなさい!大地の狂詩曲(ラプソディ)第二楽章!!」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

そして紫苑が力んだ瞬間、周囲が激しく揺れる

 

 

「はぁ!」

 

 

紫苑が力み叫んだその瞬間

 

 

 

ガキンガキンガキンガキン!

 

 

 

地中から鋭く違った岩が盛り上がり、光牙に迫り来る

 

 

「っ!?」

 

 

光牙は慌てつつもそれらを避けていく

 

 

しかし、次の瞬間。岩が光牙の前後に出現し、気づいた時には既に退路を断たれていた

 

 

「っ、退路を断たせ、逃げ場を潰しに来たか」

 

 

「ふっ!」

 

 

光牙の身動きを封じたとともに紫苑が両手を合わせた

 

 

すると光牙の退路を塞いでいた岩が一斉に光牙を押しつぶそうと迫り来る

 

 

「小癪なっ!」

 

 

光牙が弓をスライドさせると弓の刃先が光を浴びる

 

 

「フォトン・スライサー!!」シャリリリジャキィィン!

 

 

そして勢いよく回転斬りを決めるとともに迫り来た岩を粉々に砕いた

 

 

「……っ?」

 

 

 

シュゥゥゥン!

 

 

 

「っ!?」バッ

 

 

岩を切り刻んだ光牙、しかしその時、自分に向かって一直線に飛んでくる光の球体があった

 

 

光牙は咄嗟に身を守ろうと左手でガードしようとした

 

 

そして球体が光牙に触れた瞬間、弾けるとともに手の甲に何やら種のようなものがくっついていた

 

 

「…ち、ちまちまと小細工を!」スッ

 

 

光牙はすかさず弓を構えると紫苑を射抜こうと狙いを定め、今まさに矢を放とうとした

 

 

「ふふ、そう簡単には行きませんよ」

 

 

「なに?」キョトン

 

 

「咲け…ドレインフラワー!」

 

 

 

 

パカッ…シュルルルルルルル!

 

 

 

 

「な、なんだ…っ!?」シュルルル…ギュイッ!

 

 

光牙の手のひらにくっついていた種から蔓が伸び、それは瞬く間に光牙の左腕を覆い尽くした

 

 

「これはいった……っ!?」

 

 

なにが起こったという顔をする光牙

 

 

 

ズゥゥゥゥゥン

 

 

 

「っ!?」

 

 

だが、すぐに自身の体に起こった異変に気づいた

 

 

「ぐぅ!?…か、体から力が抜けていく…この種のせいか?」ユラ

 

 

「その通りですよ」

 

 

「っ!?」

 

 

「そのドレインフラワーは相手の体力を吸い成長を続け、相手を仮死状態にまで追い込むのです」

 

 

自身の体力がじわりじわりと吸われていくのを感じた光牙は原因が自分の手の甲についた種だと気づいた

 

 

そして紫苑が言うにはこの花は自分の体力を搾り取るまで成長し続けると言う

 

 

「きっ…きさま!」

 

 

「今までのは囮だったんですよ。君に決定打な隙を作るための…ねっ」

 

 

これまで光牙に使った技は全て紫苑が光牙に隙を作らせるためのフェイクだったのである

 

 

そうとも知らずに光牙は紫苑の戦略にはまってしまったのである

 

 

「このおれを…はめるとは…ぐぅっ!?」ズゥゥゥン

 

 

ドレインフラワーが光牙の体力をどんどんと吸っていき

 

 

直後、あちこちに花が咲き始めた

 

 

「こ、こんなもの!」ガシッ

 

 

右手で力強く引きちぎろうとするも

 

 

「な、なんだこのツタ、引きちぎらない!?」グイグイ

 

 

いくら引きちぎろうとしてもビクともしなかった

 

 

「それなら!」

 

 

引きちぎるのが無理なら切ってしまおうと光牙が矢を手にする

 

 

「僕がそんなことをそう簡単にさせるとでも?」

 

 

「っ!?」

 

 

「花よ、咲き乱れよ!!」

 

 

紫苑が空に手を翳すと、風が吹くとともにその風にあおられた花びらが紫苑の周りを舞う

 

 

「花風の舞!!」

 

 

そしてその無数の花びらを光牙に向けて飛ばした

 

 

「ぐぅぅぅ!!??」

 

 

飛んできた花びらがまるで刃のごとく光牙の体を傷つけていく

 

 

「このぉ!…ぐうっ!?」ズゥゥゥン

 

 

攻撃は止んでも腕に付いているドレインフラワーは尚も光牙からエネルギーを吸い取っていく

 

 

「いかがですか?さぞ苦しいことでしょう…せめてもの慈悲です。無駄な抵抗はやめて負けを認めなさい、そして今までの非礼を詫びなさい、そうすれば今すぐその苦しみから解放してあげますよ」

 

 

紫苑は光牙に自身の敗北と非礼を詫びればすぐに攻撃をやめると言いだした

 

 

 

 

 

 

「……冗談は顔だけにするんだな」グヌヌ

 

 

 

 

 

しかし、光牙から放たれたその一声に紫苑は驚く

 

 

そして苦しみながらもゆっくりと立ち上がり、紫苑を睨みすえた

 

 

「この程度の技で俺を倒せる気になっているなど片腹痛いわ。それに…こんな程度でやられてたら焔たちや佐介たちに会わせる顔が無いんでな」

 

 

「ふっ、ふん。強がりを…せっかくの行為を無に帰すとは、やはり悪はどこまでいっても悪なのですね。ならばもう容赦はしません!」

 

 

紫苑が再び花風の舞を発動させ、光牙を狙う

 

 

「……」スゥゥ

 

 

花びらの刃が迫り来る中、光牙は逃げもせずその場に留まりゆっくりと目をつぶった

 

 

その行動に紫苑はキョトンとしていた

 

 

そして花びらが直前まで迫り着たその刹那

 

 

 

 

 

 

真・粒子変化(ネオ・フォトランス)!!」

 

 

 

 

 

 

ブォォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

「なっ!?ぐっ…ま、眩しい!?」

 

 

光牙を中心に光が発生し、さらには直前まで飛んできていた花びらが到達することなく消滅してしまった

 

 

さらには腕についていたドレインフラワーも急激なパワーの上昇により、耐え切れずに朽ち果ててしまった

 

 

「一体、何が!?」

 

 

この事態に紫苑が驚いていると

 

 

 

ジャキィィィィィィン!!!

 

 

 

「っ!?」

 

 

光の中から自分めがけて斬撃らしきものが飛んできた

 

 

危険と判断した紫苑は辛くもそれを回避した

 

 

そして光が晴れるとそこには

 

 

白い服装に身を包んだ光牙の姿があった

 

 

「な!?…あの姿、佐介くんのものと似ている」

 

 

佐介と対峙した紫苑はその時、今の光牙に似た姿をしていたことを思い出す

 

 

「……はぁぁ」プシュゥゥ

 

 

変身が完了した光牙は肩の力を抜くようにひといきついた

 

 

「なるほど、たいしたものですね。しかしいくらパワーアップしようとも無駄です!!」

 

 

紫苑が手を合わせると地鳴りとともに地中から巨大な岩石が浮かんできた

 

 

「これでも喰らいなさい!!」

 

 

そして紫苑が巨大な岩を投げつけた

 

 

「……クラウ」スッ

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥ!!!

 

 

 

「ソラス!!」

 

 

 

ジャキィィィィン!!

 

 

 

光牙が右手を振り下ろす、そこから斬撃が発生し、あっという間に巨大な岩を真っ二つにしてしまった

 

 

「っ!?」ザシュン

 

 

さらに斬撃は岩を貫通して紫苑までも切り裂いた

 

 

「ぐあっ!?」ドサッ

 

 

紫苑は思わぬ攻撃により、その場に膝まづく

 

 

「…さっきまでは手こずったが、こうなったからにはもう得意な小細工は俺には通用せんぞ。覚悟するんだな」

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

真・粒子変化(ネオ・フォトランス)へと転身し、全力で紫苑との戦いに望む光牙

 

 

果たしてこの戦いの行方はいかに?

 

 

 

 


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