月閃との戦い中、自らの身に宿った覇王光竜に体を乗っ取られ
ドラゴンの姿となり、敵味方見境なく力の限り、破壊と暴虐を尽くした
焔たちは光牙を救おうと戦うも結果は返り打ちにあってしまった
もはやこれまでかと思っていたが
だが、一同を思わぬ人物が救い、光牙を覇王光竜の支配から一時的に開放した
謎の人物の正体はなんと光牙の父であった
そして光牙の父は光牙に覇王光竜を完全に支配するよう命じるとともにそれを実行すべく彼らをある場所へと連れてくのだった
あれから光牙は学園長に焔たちと一緒に連れられ、とある場所に来ていた
しかし、たどり着いた場所を知った彼らはマジかという顔をしながら若干苦笑いをしていた
「……父さんがやつを支配するためにどこへ連れてくのかと思えば」チラッ
「あ〜…えへへ♪」苦笑い
「よりにもよってこことはな」
「ちょ、ちょっと光牙くん!その反応は酷くありませんか!?」ガビーン
学園長が連れてきたのはなんと半蔵学院、しかも事情を知っていたのか皆、入口で御出迎えしていた
またこうして楽しい会話ができることを皆それぞれが思っていた
「ふっ、本当にお前たちは仲が良いのだな…安心したぞ、彼女たちだけでなく、善悪の枠を超えて素晴らしい友達を持ってくれたことに」ナデナデ
「っ///!」
周囲の様子を見ていた学園長は息子がたくさんの友達を持ってくれたことが嬉しくて頭を撫でた
しかし、その瞬間、その場の全員の目が光牙に集中する
「あらあら~光牙くんたら~♪」ムフフ
「ぷふふ~、よかったな光牙ww」
「よっ、光牙ちゃんってばかわいい~♪」
「あっ…あぁ…」アセアセ
恥ずかしい、今の彼の頭に浮かぶのはただその一言のみだった
「恥ずかしがること無いですよ光牙くん、親子ならそれくらい当然ですよ」
見かねた佐介がフォローしようとするも、今の光牙には逆効果だった
しかも顔は超がつくほど真っ赤になっていた
「…お」ピクピク
『お?』
「俺を恥ずかしめてどうするつもりだ~~!!!!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
「光牙くん!?」アセアセ
ついに限界を迎え大慌てで駆け出していってしまうのだった
そんな些細なことがあってからしばらくしてことを本題に移すこととなり、光牙と学園長は佐介に案内されある部屋に来た
「こちらです」
佐介はそう言いながら戸を開ける
「半蔵さま、蛇女子の学園長さんと光牙くんをお連れしました」
「うむ。ご苦労じゃったの佐介、遠慮はいらんぞ。自由に腰掛けい」
「はい、ではお言葉に甘えさせてもらいます」
部屋の中にはあぐらを組んで座っている半蔵とその隣で佇む霧夜がいた
「半蔵殿、今回の件、協力を引き受けてくれたこと誠に感謝します」ペコ
「なに、お前さんの息子やその仲間たちには飛鳥や佐介に斑鳩たちも世話になっとるからの」
「…忝ない」
敵であるはずの自分の頼みを聞いてくれた半蔵に学園長は深々と頭を下げた
逆に半蔵たちも自身の立場、プライド、それらを捨ててでも息子や生徒達を思いやる彼に感心を示していた
「……っ!?」ドックン!
その時、光牙に異変が生じる
「ぐっ、ぐあっ!?」グヌヌ
「こ、光牙くん!?」
「まずいな。そろそろやつを封じていられるのも限界が近いようだ!」
光牙の苦しみようからして学園長の封印を破り、再び覇王光竜が出てこようとしているのである
「ことを急がねばならぬの…霧夜よ。わしは早速、学園長と一緒に事を始めることにする。その間に飛鳥たちや焔たちの修行の手伝いをしてやってくれ」
「わかりました!」
半蔵からの指示で霧夜はその場を後にした
「光牙、落ち着け、気をしっかりし持て!」
「ぐうっ、ぐぅぅぅぅぅぅ!」
父の励ましもあってかどうにかここは収まった
「よし、よくやったぞ」
「…どういうこと、なんだ…父さん。俺がやつを封じ込めるのになぜ半蔵の協力が?」アセアセ
「そもそも私がここに来た要件は2つあるのだ」
光牙父が光牙たちを半蔵学院に連れてきた二つの理由
まず一つはもちろん光牙の中に封じ込めた覇王光竜を光牙の意思のみで封じ込めるようにすることだ
しかし、先の戦いでもわかったとおり、光牙の父の力だけでは仮に儀式が失敗して再び覇王光竜が解き放たれた場合、今度は止めることは不可能なのである
そこで学園長は伝説の忍である半蔵に協力を申し出た。これが第一の理由
次に第二の理由は紅蓮竜隊の他のメンバーに強くなるための修行をさせるため、その対戦相手を半蔵学院の選抜メンバーにしてもらうためであった
「なるほど…そこまではわかったが……なんで佐介もいる必要があるんだ?」アセアセ
「佐介は大道寺との修行を経験し、お前さんらの中でわしが気の扱いに長けているのは佐介と踏んでおっての。コヤツにはいろいろサポートを頼んでおるのじゃ」
「光牙くん大丈夫です。僕たちが絶対に何とかしてみせます」
「ぐっ…ふっ、まぁ少しは期待してやる」アセアセ
みんなの協力を得て、光牙の覇王光竜完全制圧作戦が幕をあける
あれから光牙たちは半蔵に連れられてやって来たのは半蔵学院の地下にある特殊な部屋だった
「この中に入るんじゃ」
「何だここは?」
「ここで精神を集中させることで己の内に秘めしものと合うことが出来る」
「…だが、俺は何度かやつと心の中で会っているが?」
光牙が覇王光竜と会うことはこれまでもいくつかあった
「そうか、じゃがのここはお前さんの知るそれとは少し別の意味がある。今回はそれがなにより重要なのじゃ。とりあえずそこに座りなさい」
「そこに座るんだな」
半蔵の指示に従い、光牙は部屋の中心にまで来るとそのまま腰掛けた
「ここでお前には自ら封印を解いてもらう」
「なんだと…?しかしそんなことすれば」
「だからこの場合に連れてきたんじゃ…ここは特殊な結界が張り巡らせてある。もしお前さんがコントロールに失敗し、覇王光竜になった際には、残念じゃがその時はお前さん諸共この空間に封じ込めさせてもらう。ここはそういう場所でもある」
「俺諸共封印…っ!」ドックン
封印されると聞いた瞬間、再び光牙が苦しみ出す。まるで光牙の中にいる覇王光竜がそれを拒もうとしているかのように
「光牙くん!」
「ふっ、そう…取り乱すな…俺はお前とけりをつけるために来たんだ。今からそっちに行くから黙って待ってろ…」
光牙が自分の中の覇王光竜にそう言い聞かせた
「…ちんたらしてる余裕はないな。さっさと始めようぜ」
そういうと光牙は再び座り直した
「各語はいいようじゃの…っ!!」
半蔵が印を結ぶと光牙を囲うように封印の石柱が出現する。これでいつでも封印の準備は整った
「では始めるとしよう」
「待たれよ半蔵殿」
儀式を開始しようとした時、ふと学園長が呼び止めるとともに光牙に近づく
「光牙、お前に渡すものがある」
「俺に?」
キョトンとする光牙を他所に学園長が一本の巻きものを開く
巻きものには何やら鍵らしきものが絵がかれていた
「これは?」
「…お前の母さんが生前、この日のために残してくれていたお前の封印を開け閉めするための鍵だ。そもそもお前の封印は母さんが施したものだからな」
「母さんが俺に…」
この封印をかけて今まで覇王光竜を押さえ込んでくれたのは母さんだったと聞いて光牙は驚く
「お前がやつをコントロールした時にはこれは欠かすことのできないものだ。…これをお前に渡す」
「どうやって?」
「巻きものに手をかざせ」
「こうか?」
光牙が巻きものに手をかざした瞬間、巻きものが光り出し、光牙の腕に吸い込まれた
「っ!?」
「…これで鍵はお前のものだ。…受け取ったからには必ず成功させるのだぞ?」
「…わかった」
父の想い、なにより封印を施し自分を守ってくれていた母のために、そして今まで迷惑をかけてしまった仲間たちのためにも負けないと決意を新たにする
「さて、最後におさらいじゃ、ここですべきことはお前さんの内に潜む覇王光竜の力のコントロール。奴の力とは即ちやつの意志と奴のチャクラで構成されておる。今回、お前さんがすべきはやつのチャクラを己に吸収させ、やつが抵抗できないほど強くなることじゃ。じゃがそう簡単な話ではない、力を引き抜こうとすればやつの意志もついてくる。その意志に乗っ取られてしまえばそれまでなのじゃ。そのことをキモに命じておくがよい」
「あぁ、わかった」
「では皆の者、スタンバイせい」
半蔵の支持のもとみなが持ち場に着き、準備は整った
「…じゃあ、いってくるぜ」
光牙は後を託して決着をつけるべく精神を集中させる
目を開けるとそこは光牙の心の世界、同時にやつのいる場所である
そして目の前には門、さらに中には父が施した鎖を引きちぎろうとする幼女の姿の覇王光竜がいた
「よぉ」
「…お前さま~!!」
覇王光竜は怒りの眼を光牙に向けていた
「よくも今まで俺をはめてくれたな」
「ふっ、騙されるのが悪いんじゃよ、後一歩で自由を手にできたといのにお前さまの仲間たちに邪魔され、挙句にはやつにまたここに戻された。許さん…許さんぞ!」
縛られながら激しいもがく
「…お前の気持ちはわかった。だったら…」
ボソリと呟くと腕を伸ばす
「早いとこ、けりをつけようじゃねぇか」
光牙は先ほど父から受け取った母の形見とも言える鍵の力を使い、封印の門を開けた
さらに覇王光竜に手をかざし、彼女を縛る父が施した封印を解く
「ふっ、お前様、お前様はとんだ愚か者じゃ、不完全とは言え身動きを封じられている間にやろうと思えば手はいくらでもあったじゃろうに、それをざわざわ棒に振り、わしを自由にするとは…呆れて声もでんわ」
「言っただろ、けりをつけようって、縛られて身動きが制限されてるお前を倒したところで意味はない、これは俺とお前、食うか食われるかの真剣勝負だからな!」
そう言うと光牙は弓矢を構える
「お前様と言うやつはどこまでも愚かな奴じゃ…ならば遠慮はせん!お前様を倒し、今度こそわしは自由を手にするのじゃ!」
「こい…覇王光竜!」
ついに因縁に決着を付けるべく光牙と覇王光竜の戦いが幕を開けるのだった