閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第十八章 試練開幕

覇王光竜に体を乗っ取られ、竜の姿となり暴れるとともに破壊の限りを尽くす光牙

 

 

そんな彼を救うべく焔たちが戦いを挑むも、予想以上の力を誇る覇王光竜の前に敗れ去ってしまった

 

 

もはやこれまでと窮地に追い込まれた彼女たちの前に蛇女の学園長である光牙の父が現れ

 

 

見事覇王光竜を一時的に光牙の中に戻すことに成功した

 

 

その後、意識が戻った光牙に自身の中にいる覇王光竜の力をコントロールさせるべく、訪れた半蔵学院にてその修行に取り掛かることになり

 

 

父、半蔵、佐介が見守る中、光牙は精神世界にて覇王光竜と対峙、彼女を支配し、力をコントロールするための光牙の戦いが今始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

虚無の空間故にか何もない静けさの中、光牙は弓を構えながら相手の出方を伺っていた

 

 

「どうした?来ないのか〜?」

 

 

冷静に振舞ってはいるものの、相手の力は光牙もよく知っていた

 

 

故に攻めないのではなく、攻めに攻めきれないと言った感じだった

 

 

『光牙、聞こえるか?』

 

 

「(っ…父さん)」

 

 

その時、脳裏に父の声が響く

 

 

『やつが封印から出たら、次にすべきはいわば綱引きだ。やつから力を抜き取ることができればこの勝負はお前の勝ちであり、同時にやつをコントロールすることができる。ただし忘れるな。さっきも言ったがこれは綱引き、つまり逆にやつもお前の力を抜き取ることができる。仮にお前がこれに負けてしまえばお前という存在は消えて亡くなり、お前の身体は今度こそ完全にやつに支配される。それを肝に命じておけ』

 

 

「(…わかった)」

 

 

『こちらもいろいろとサポートする。ほかのことは気にせずやるべきことに集中しろ』

 

 

 

「(了解した)」

 

 

この勝負、自分のためだけじゃない、みんなのためにも負けるわけにはいけないのだと改めて覚悟をきめた

 

 

「ふん…よかろう、そっちがその気なら、こちらから行くぞ〜!!」

 

 

「っ!」

 

 

幼女の姿のまま翼を展開し、宙を飛び回り、しばらくしていきなり急降下し、光牙に向かって突進してくる

 

 

それを迎撃すべく光牙が矢を放つ

 

 

「ふっ、そんな虚仮威しがわしに通じるはずなかろう!」

 

 

覇王光竜は言葉通りに光牙の矢を速度を落とさず避けていく

 

 

「そらっ!これでも食らうが良いわ!」

 

 

「ちっ!!」

 

 

最後の矢をかわし、覇王光竜が直前に迫る

 

 

間一髪のところで光牙はそれをかわすことに成功する

 

 

「っ!!」

 

 

すかさず光牙が矢を連射する

 

 

「ふっ、無駄ぞ!」

 

 

しかし、咄嗟に尾っぽを展開し、その尾で光牙の放った矢をなぎ払った

 

 

「っち!」

 

 

「今度はこちらの番じゃ!」

 

 

そう言い放つとともに覇王光竜ががぱっと口を大きく開ける

 

 

さらにそれと同時に覇王光竜から光の粒子が湧き出るとともにそれらが覇王光竜の口元に集合し始める

 

 

徐々にそれらは巨大なエネルギーの塊にへと変わっていった

 

 

「(っ、まずい、あんなものをまともに喰らったらっ!?)」

 

 

危険を察した光牙だったが

 

 

 

「喰らうがよい!!」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

 

 

予想をはるかに超える速度で放たれた光弾が光牙めがけてまっすぐに飛んでいく

 

 

「っ!?」

 

 

『させぬわ!』

 

 

その時、床したから突然ガマが現れ、光牙を守るかのように立ちふさがる

 

 

ガマは大きな口を開き、飛んでくる光弾をその口で飲み込んだ

 

 

 

ボォォォォォン!!!

 

 

 

口の中で光弾が爆発し、役目を終えたガマがドロンと消えた

 

 

「っち、邪魔が入った!」

 

 

仕留め損なったことに覇王光竜が舌打ちする

 

 

「(…今のは)」

 

 

『わしじゃよ』

 

 

「(半蔵か)」

 

 

次に脳裏に聞こえたのは半蔵の声だった

 

 

「(さっきのはやはりあんただったか)」

 

 

『まぁの。間に合ったようで良かったわい、爆発は抑えたぞ…じゃが協力な援護はここまでのようじゃ、あとはお前さんの頑張り次第じゃ!』

 

 

「(あぁ、恩に着るっ!)」

 

 

半蔵のおかげで光弾の直撃を回避した光牙はすかさず次の攻撃に打って出る

 

 

「いくぞ覇王光竜!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「秘伝忍法・輝迅!!」

 

 

高濃度の粒子の夜が覇王光竜目掛けて飛んでいく

 

 

「こしゃくな!!」

 

 

咄嗟に2枚の翼で防御体制を取る

 

 

 

バシュゥゥゥゥゥン!ジジジジジ!!

 

 

 

「っ~~…はあっ!!」

 

 

攻撃が命中するもすぐに力で押し返され、相殺されてしまった

 

 

「はぁっ!」

 

 

しかし、その隙に光牙が間合いに入り込むことに成功する

 

 

「秘伝忍法…」

 

 

弓についた刃先が眩く光りだす

 

 

「輝迅・斬!はぁぁぁーーっ!!!」

 

 

「っ、…タイム・ストリーム・リバース!!」ガチャガチャン!

 

 

光牙の刃が彼女を切り裂かんとしたその刹那、掛け声とともに両翼の翼がスライドした

 

 

 

ギュイィィン!…カッチカッチカッチカッチ

 

 

カッチャン

 

 

そして時間は遡る

 

 

「秘伝忍法・輝迅!!」

 

 

時は光牙が秘伝忍法技を使おうとするとこまでに戻っていた

 

 

「やらせぬぞ!」

 

 

「な、なに!?うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

すかさず覇王光竜は手刀による斬撃波を放ち、技を発動させる前に光牙に攻撃した

 

 

突然の反撃を受け、光牙は後方へと吹き飛ばされた

 

 

「ぐ、っ…がはっ!」

 

 

「ふふふっ……お前様」

 

 

覇王光竜が痛みに悶え苦しむ光牙に歩み寄り、馬乗りするとともに彼のほほに両手を当てながらその顔をじっと見つめる

 

 

「これでわかったじゃろう。お前さまではわしには勝てぬ。そもそも、時を逆巻く力を持つこのわしにお前様程度が勝つ方法などありはせんのじゃよ」

 

 

「くっ…くそぉっ!」

 

 

「…この勝負、わしの勝ちじゃて」

 

 

 

ピタッ…

 

 

 

「…!?」

 

 

「いただくぞよ。…お前さまの全てを」グィ

 

 

光牙の腹部をわしずかみにしその手を引くと、腹部から彼の生態エネルギーが抜け出てき始める

 

 

「ぐあっ…があああぁぁぁぁ!!!」

 

 

自分の命が抜き取られていく感覚に恐怖し、発狂する

 

 

「ふふふふふ、いいぞ!いいぞお前さまよ!もっともっと叫ぶがよい!もがき苦しむそのさまをもっとわしに見せてくれ!」

 

 

「があっ…ぐっあああぁぁぁぁ!!!」

 

 

光牙の苦しむ声に快楽を感じながらもその手を緩まさせず、どんどんと光牙の肉体から生態エネルギーが引き抜かれていく

 

 

「はぁ…はぁ…ぐっ!!」ガシッ

 

 

「…ふ、無駄な抵抗じゃよ!」グィ

 

 

「があぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

これ以上させまいと必死に抵抗するも。所詮は無意味だった

 

 

「いい加減に諦めい!お前さまの身を糧に今度こそわしは真なる自由を手にするのじゃからな!」

 

 

自由を手にすべく光牙の存在を消そうとする覇王光竜は引き抜く力をさらに強める

 

 

「……負け…られない!……俺がやらなきゃ!…俺が勝つと信じ待っていてくれる父さんや佐介、焔たちに顔向けできないっ!…だから」グヌヌ

 

 

「っ、まだ抗うか!?」グヌヌ

 

 

「当たり前だ!…俺はここで終わることなんてできない!俺にはまだやらなきゃならないことが沢山ある。だから、こんなとこで負けるわけにはいかないんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

魂を引き抜かれていく光牙は己の意地とプライドを胸に声を張り上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その刹那

 

 

 

 

 

 

 

 

シャリン…シャリリリリリリリリリリリリ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これはっ!?」ガシャン

 

 

「……っ?」

 

 

突然、光牙の体から無数の鎖が出現し、慌てて距離を取ろうとした覇王光竜を縛り上げた

 

 

「ぬぅっ!この力は…まさかっ!?」

 

 

「……な、何が起きたんだ?」

 

 

 

突然の事態にただただ光牙は困惑するのだった

 


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