閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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ようやく光牙くんの回だ…楽しみにしていた人たちには本当に申し訳ございません


第二十五章 焔紅蓮竜隊VS蒼馬 

蛇女子学園に乗り込んだ光牙は仲間の後押しによって焔と共に中央にたどり着た、そして待ち受けていた雅緋と紫と対峙する

 

 

怨櫓血の邪気に支配され、強化された彼女たちに苦戦を強いられる2人だったが、持ち前の負けん気と思いの力を武器に見事撃退することに成功した

 

 

そして2人を打ち負かした光牙と焔はようやく学園長室にたどり着き、そこで今回の事件の黒幕にして彼らにとっては憎き奴、道元と再会した

 

 

道元を討ち取り、学園を救おうとする光牙たちだったが

 

 

2人の前に道元を守るべくして現れたのは光牙を苦戦させたあの蒼馬だった

 

 

光牙たちを始末するよう道元からの命令を受けた蒼馬が光牙たちを排除すべく動き出し、それを迎え撃つべく光牙たちも蒼馬と対峙するのだった

 

 

 

 

 

 

学園長室は今、とてつもない緊張感に包まれていた

 

 

道元を守護すべく立ちはだかる蒼馬の威圧感に光牙も焔もたまらず息を呑む

 

 

「さぁ蒼馬よ。お前の力を存分に思い知らせてやるのだ」

 

 

「了解しました。マスター……はっ!!」ゴォォォォォォォォォォ

 

 

命令を受けた蒼馬は全身から気をあふれださせる

 

 

「ッ!!」

 

 

「「っ!?」」バキン!

 

 

 

 

 

ドガアァァァァァァァン!!!! 

 

 

 

 

 

 

飛び出した蒼馬の豪腕に捉えられそのまま理事長室の壁を突き破り、そのまま学園内の外へと投げ出されていく

 

 

「うえぁぁっ!!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 

「うわあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぬああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そして蒼馬が二人を投げ飛ばす

 

 

「「ぐっ!!」」

 

 

二人は咄嗟に体を回転させ、地面を引きずり衝撃を和らげ、壁への激突を防いだ

 

 

「焔、大丈夫か?」

 

 

「あぁ、このくらいなんともないぞ」

 

 

「そうか…っ!」

 

 

無事であることに安堵するも、向こうはそんな暇を与えてくれようとはしない

 

 

「貴様らを…殺す」

 

 

ゆっくりとこちらに向かって蒼馬が歩み寄ってくる

 

 

「さっきはよくもやってくれたな。今度はこっちの番だ!!」

 

 

「焔!!」

 

 

「やあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

背中に背負う炎月花を抜くとともに焔は紅蓮の焔へと変身し、蒼馬に斬りかかる

 

 

「はっ!せいっ!やああぁぁっ!!」

 

 

「ッ!!」カチーン!

 

 

 

ガキィィン!

 

 

 

「な、なにっ!?」

 

 

しかし、渾身の力を込めた斬撃は奇しくも蒼馬のヴァイザーにはじかれてしまった

 

 

「はっ!!」

 

 

「ぐほっ!?ぐあぁぁ!!」

 

 

その隙に蒼馬がエネルギーを足の先端に集約させた強烈なローキックを焔にぶつけた

 

 

焔はそのまま後方へと吹き飛ばされ、壁に大きく減り込んだ

 

 

「焔!くそっ!」

 

 

それを見た光牙が蒼馬の背後から弓矢を構え攻撃を仕掛けようとする

 

 

「っ!」バキュウゥゥゥゥゥゥン

 

 

「なっ!?」

 

 

だが、攻撃が当たる直前、蒼馬がそれよりも先に銃口から光弾を放ち光牙を狙撃する

 

 

「ちっ!」ハッ

 

 

咄嗟に光牙がよける

 

 

「こいつ…っ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

光牙は急ぎ矢を向けようとするも

 

 

「っ!」ガシッ

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

時すでに遅く光牙は蒼馬の強靭な腕によって首をしめられてしまった

 

 

「がっ!ああぁぁぁぁ!!!」

 

 

凄まじい力で光牙の首を締め上げる

 

 

「うっ、ぐぅぅっ!!」

 

 

弓を使い抵抗を試みる

 

 

「ふんっ!」ガシッ

 

 

「なっ!?があぁぁっ!」グイィィィィ

 

 

だがそれも容易く蒼馬に防がれ、完全に身動きがとれなくなってしまった

 

 

そして仕上げと言わんばかりに蒼馬は光牙を窒息死させようと腕の力をさらに強める

 

 

首がしまり、呼吸ができなくなっていく

 

 

時間が進むにつれ意識が薄れていき、身に力が入らなくなっていき、やがて抵抗する力もなくなってしまった

 

 

光牙の命が尽きるのも時間の問題になっていたその時だった

 

 

 

ボバン!

 

 

 

「ッ!?」グラッ

 

 

突如、蒼馬が背後から爆撃を受け、それによってよろける

 

 

蒼馬が振り返ってみるとそこには装備した砲弾の銃口を向けている詠がいた

 

 

「光牙さんを離しなさい!!」

 

 

 

ボバババババババ!

 

 

 

「ッ~~~~!!!???」

 

 

 

そこからさらに追撃の砲弾を背中に浴び続けた

 

 

あまりのダメージにさすがの蒼馬もぐらつく

 

 

「今です日影さん!」

 

 

「ほ~いまかしとき」

 

 

 

シュン! バッ!

 

 

 

さらにその隙を突いた日影が素早く蒼馬の手から光牙を奪い返す

 

 

「大丈夫か?光牙さん?」

 

 

「ゲホッゲホッ!~…あぁ、なんとかな」

 

 

「よし、次、春花さん!」

 

 

「言われなくても、こっちは準備OKよ~♪」

 

 

光牙を救出したことを確認した詠が呼びかけると同時に蒼馬の真横に春花が現れた

 

 

「っ!?」

 

 

「これでも、喰らいなさい!」

 

 

 

ウィィン バキイィィィィン!

 

 

 

春花が傀儡に指示し蒼馬を殴りつけた。先とは違い、鋼鉄化を解けているため傀儡の拳を生身で受けてしまった

 

 

鉄の拳が蒼馬の顔にめり込む

 

 

「はあっ!!」

 

 

そして春花は全力を乗せた勢いで蒼馬を遠くまで吹き飛ばした

 

 

「さすがですね春花さん」

 

 

「うふふ、ありがとう」

 

 

「みんな~!こっちも大丈夫だよ~」

 

 

声のする方を向くと焔を抱えた未来がやってきた

 

 

 

 

 

 

「光牙くんも焔ちゃんも無事で良かったわ」

 

 

「あぁ、すまないみんな。助かった」

 

 

「お前たちがここにいるということは忌夢たちを倒したんだな」

 

 

「はい、少し危なかったですがなんとか」

 

 

少し不安はあったが彼女たちなら大丈夫だろうと信じていた光牙は彼女たちの無事な姿に安堵の表情を浮かべた

 

 

 

バコォォォン!!

 

 

 

『っ!?』

 

 

その時、春花に吹き飛ばされいた蒼馬が壁を突き破り戻ってきた

 

 

「貴様ら全員、排除する!」ゴォォォォォォォォォォ

 

 

蒼馬が勢揃いした紅蓮竜隊の抹殺を宣言した

 

 

「…やるぞ!」

 

 

『おう!!』

 

 

光牙の合図とともに焔、詠、日影、未来、春花が一斉に構える

 

 

「排除する!!」

 

 

すると蒼馬が勢いよく駆け出した

 

 

「はあぁぁぁぁ!!!」

 

 

『やあぁぁぁぁ!!!』

 

 

光牙を先頭に焔たちもそのあとを追うように走り出す

 

 

「はあっ!!」

 

 

「ふん!!」

 

 

先陣を切った光牙の斬撃とそれを迎え撃つ蒼馬の拳がぶつかり合うのを合図に他の5人も戦闘参加する

 

 

6対1という状況にも関わらず、戦況は五分五分と言ったところだった

 

 

「やあっ!!」

 

 

詠が大剣を振落し蒼馬を攻撃する

 

 

それに合わせ蒼馬がヴァイザーをバンカーにチェンジし攻撃を防ぎつばぜり合いに持ち込む

 

 

「くそっ、あの武器遠距離だけじゃないのか!」

 

 

「落ち着いて焔ちゃん、確かに彼は強いけど詠ちゃんが足止めしてくれてるおかげで後ろがガラ空きよ」

 

 

春花の推察通り、蒼馬はつばぜり合いのせいで身動きがとれない

 

 

「今のうちに仕掛けるわよ!」

 

 

「せやったらここはわしが!」シュン

 

 

日影が高速で移動し、蒼馬の懐に入った

 

 

「もろたで!!」

 

 

「っ!」

 

 

手にしているナイフを振りかぶる

 

 

「っ、ふん!」

 

 

「きゃあっ!?」

 

 

 

カキーン!

 

 

 

「っち!」

 

 

蒼馬は当たる直前、強引に詠を押し飛ばし直ぐ様日影を迎え撃つ

 

 

次の手のこないうちに蒼馬が蹴り攻撃を仕掛ける

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

反撃の一撃によって日影は皆のもとに飛んできた

 

 

その隙きにヴァイザーを再び銃モードに変える

 

 

「っ!!」

 

 

ヴァイザーにエネルギーをためそから高出力の光弾を放つ

 

 

「きゃあっ!!」

 

 

「うにゃっ!!」

 

 

「いやあぁん!」

 

 

そして日影のもとに駆け寄っていた詠、未来、春花を次々と蹴散らしていった

 

 

「みんな。このぉぉ!」

 

 

焔が敵を取るべく蒼馬に仕掛ける

 

 

「ッ!!」

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

「はっ!」

 

 

「ぬああぁぁっ!!」

 

 

しかし蒼馬の柔軟な態様に惑わされ返り打ちをくらい詠たちの二の舞を演じる羽目になってしまった

 

 

「く、クソッ…」

 

 

「…死ね」ガッチャン!

 

 

焔のもとへやってきた蒼馬がヴァイザーで焔を串刺しにしようとする

 

 

「これ以上はやらせん!!」

 

 

それを見ていた光牙が蒼馬を止めるべく抜き足で速度をあげる

 

 

「はっ!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

「せぇい!!」

 

 

攻撃を繰り出そうとしていた蒼馬に逆に斬撃を喰らわせた

 

 

思わぬ攻撃によって蒼馬は地面を転がる

 

 

「みんな、今だ!」

 

 

「よし、みんな!修行の成果をみせるぞ!」

 

 

『おー!!』

 

 

光牙の言葉を合図に焔たちが蒼馬を囲むように全員が力を高める

 

 

『絶・秘伝忍法!!』

 

 

凄まじい力が湧き上がる

 

 

「行くわよ!The World is mine!!」

 

 

春花が取り出した複数の試験管を投げつける

 

 

試験管が着弾するとともに球状の爆発を引き起こす

 

 

「くっ!!」

 

 

「にげても、無駄よ!」

 

 

360度全域に試験管を投げつけるため逃げようにも逃げ切れない

 

 

 

ドバァァン!

 

 

 

ついに試験管が蒼馬に着弾するとともに爆発し、その衝撃によって空高く吹き飛ばされる

 

 

「未来!!」

 

 

「はい!」

 

 

春花に番を回された未来がすかさずスカートをめくり上げる

 

 

スカートの中から出てきたのはくまのマスコットが砲塔についている様々な火器を装備した戦車だった

 

 

「行くわよ~!フルバースト…バーン!!!」

 

 

その言葉が引き金となり、戦車が全ての火器を一斉放火する

 

 

凄まじい火力と爆発の直撃によって蒼馬は黒焦げになりながら地面に倒れた

 

 

「ぐっ…ううっ!」

 

 

「おっと、まだ倒れるには早いで!!」

 

 

未来の攻撃に続き、今度は日影が攻める

 

 

「覚悟しいや!」

 

 

内なる力、狂乱を発動させ、素早い動きでジグザグに蒼馬を切り裂いていく

 

 

「終わりや!!!」

 

 

そして最後の一撃に飛び上がるとともに蒼馬めがけてナイフを投げつけ、落下の勢いで蒼馬を突き飛ばす

 

 

「ここからはまかせて下さい日影さん!」

 

 

蒼馬が飛んでいった先には詠が待っていた

 

 

詠が力を集中させると手にしている大剣がその倍以上の大きさまで巨大化した

 

 

「ええええい!!!」

 

 

そしてその巨大化させた大剣を振るい、大回転する

 

 

凄まじいその回転に巻き込まれ蒼馬がダメージを受けていく

 

 

「仕上げです!!」

 

 

あらかたダメージを与え終えた詠が勢いよく上空へと飛び上がる

 

 

「やああぁぁっ!!」

 

 

急降下とともに大剣を地面に突き刺す

 

 

大剣が突き刺さった瞬間ゴゴゴという音が鳴り響き、次の瞬間、地面が破裂するかのごとく爆発

 

 

同時に蒼馬も岩とともに吹き飛ばされる

 

 

「決めてください焔さん!!」

 

 

「おう!!」

 

 

最後の仕上げと焔が詠が吹き飛ばした岩を足場にして蒼馬の元に飛んでいく

 

 

「はっ!!」

 

 

そのまま蒼馬を追い越すように天高く飛ぶ

 

 

「行くぞ炎月花!!」

 

 

愛刀をしっかりと握り締め力を集中する

 

 

「はああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

そして急降下の勢いを乗せ、焔が蒼馬を切り裂く

 

 

地面に着地するとともに刀を軽く振るう

 

 

 

ジャキィィィィン!!

 

 

 

それと同時に蒼馬の体が勢いよく切り裂さかれ地面に落下した

 

 

今、ここに焔たち全員の究極忍術が炸裂したのである

 

 

ゆっくりと確認してみるとそこには蒼馬が横たわっていた

 

 

「おっしゃ!」

 

 

「やった!」

 

 

「やりましたわね!」

 

 

「あぁっ、へへへ」

 

 

自分たちの勝利と未来と詠が焔に抱きついた

 

 

「終わったみたいね」

 

 

「ちょい危なかった気もしたが、まぁ、何とかなったな」

 

 

春花と日影もそれを微笑ましそうに眺めていた

 

 

「対したものだな」

 

 

「おお光牙」

 

 

そんな彼女たちの元に光牙が歩み寄ってくる

 

 

「ふっ、見事なものだな…あれがお前たちの修行の成果というわけか」

 

 

「ふふ~ん。その通りだ。すごかっただろ!」

 

 

「あぁ、とてもな」

 

 

いつも自分たちの一つ上を言っている光牙に褒められ悪い気がしない焔たちだった

 

 

「さて、思いの外手こずったが、これで奴を守る奴は誰もいなくなったな」

 

 

「あぁ、後は奴を倒せば全てが元に戻る」

 

 

早く道元を倒して雅緋たちや生徒たちを元に戻そうと意気込んでいると

 

 

「ふっふっふ、なかなかやりますね」

 

 

「その声は道元!」

 

 

全員が振り向くとそこには道元が立っていた

 

 

「いよいよ年貢の納め時だな。お前を守っていた蒼馬は私たちが倒したぞ」

 

 

「蒼馬を倒した……ふふふふ」

 

 

「何がおかしい?」

 

 

蒼馬を倒されたというのに余裕の表情を浮かべる道元に光牙たちは不気味さを感じた

 

 

「君たちは何を勘違いしてるのだね?」

 

 

「勘違い?どういう意味だ?」

 

 

「どうもなにもそのままの意味だ。後ろを見てみるがいい」

 

 

道元の言っている意味がわからないが言われた通り後ろを向いて見みると

 

 

光牙たちは我が目を疑った

 

 

そこには焔たちの絶・秘伝忍法を食らって倒したと思っていた蒼馬がゆっくりと立ち上がり始めていた

 

 

これには光牙たちも驚きを隠せなかった

 

 

「さぁ、ここからが第2ラウンドですよ」

 

 

不敵な笑みを浮かべる道元と、立ち上がり俯いている顔をゆっくりとあげ、怪しい眼光を光らせる蒼馬だった


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