閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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月閃女学館編 第七章 さぁ、はじめましょう。悪忍との学炎祭を

半蔵学院との学炎祭を開始し、紫苑はその中で、佐介と激戦を繰り広げていた

 

 

佐介は極限魂を使い紫苑を迎え撃つ

 

 

その圧倒的なパワーに最初こそ苦戦を強いられるものの

 

 

紫苑も負けじとうちに秘めし力、自然エネルギーを駆使しこれに立ち向かう

 

 

それにより長引くにつれて逆に佐介を追い詰めていき、ついに重傷を負わすことに成功する

 

 

佐介に止めを刺さんとした紫苑であったが、そこに二人の戦いに乱入するものが現れた

 

 

その正体はかつて佐介が相対し、後に友として友情を結んだ悪忍、光牙だった

 

 

思わぬ乱入、そして佐介との戦いにより消耗していた自分では分が悪いと悟った紫苑は学炎祭を次回に持ち越すと佐介に言い残し

 

 

雪泉たちとともに半蔵学院から撤退したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑たちが半蔵学院に攻め込んだ日から数日が過ぎて、半蔵学園の選抜メンバーたちとの戦いの傷も癒えた紫苑たちは

 

 

当初、王牌から伝えられた学館からの指令通り、学炎祭をしかけるため一路、秘立蛇女子学園を訪れていた

 

 

 

 

「ここが蛇女子学園、悪忍の養成校ですか」

 

 

「……悪忍の住まう学園。この場にいるだけで僕の中から怒りがこみ上げてきそうだよ」イラ

 

 

きっとこう言った場所で育った悪忍たちが今尚、世界のどこかで悪行の限りを尽くしている

 

 

それにより、雪泉たちのような悲しみに暮れるものたちがいるのだと思うと

 

 

紫苑は怒りで拳をギュッと握り締める

 

 

「だからこそ、この因果を僕たちが終わらせるべきなんだ。悪のいない、誰もが喜びや笑顔に満ち溢れた世界を作るために」

 

 

「えぇ、そうですね」

 

 

自分たちのすべきことを紫苑たちは再確認した

 

 

そしてそんな時だった

 

 

 

シュン!!

 

 

 

「「!?」」

 

 

「貴様ら、なにものだ?」

 

 

紫苑たちのもとに白髪の女性が現れ

 

 

女性は紫苑たちを睨みつける

 

 

「あなたは…?」

 

 

それを雪泉が女性に誰かと尋ねる

 

 

「蛇女子学園3年、雅緋。どうやら迷い込んできたわけではないようだな?」

 

 

「私の名は紫苑、そしてこちらは雪泉。私たちがここに来たのは…あなたたちに学炎祭を申し込むためにです」

 

 

紫苑は雅緋に学炎祭を申し込んだ

 

 

「学炎祭を?……面しろい。その申し出、受けてやろうではないか。新たな蛇女とその選抜メンバーである私たちの力を存分に思い知るといい」

 

 

雅緋もまんざらではないらしく、むしろ受けて立つと言い出し

 

 

自分たちの力を見せつけると宣言した

 

 

「いいえ、思い知るのはあなたたちのほうです」

 

 

「……忌まわしき悪に鉄槌を下す、我ら、真の善忍の力をね」

 

 

「ふん。やれるものならやってみろ。…お前たち!」

 

 

戦いの幕は開いた

 

 

雅緋が高らかに叫ぶと

 

 

 

シュンシュンシュンシュンシュン!

 

 

 

彼女のもとに五人の人影が降り立つ

 

 

「これが我ら、新たな蛇女子学園の選抜メンバーだ」

 

 

並び立つ選抜メンバーの面々が姿を見せたことに驚いているが

 

 

しかし、紫苑たちはそれ以上に驚いていた。なぜなら

 

 

「両備さんに両奈さん…!?」

 

 

蛇女の選抜メンバーの中に自分たちとともに月閃の忍学生であった両備と両奈がいた

 

 

突然、月閃から姿を消していた彼女たちが蛇女子学園の制服をまとって自分たちの目の前にいることに紫苑たちは驚いていた

 

 

「久しぶりね紫苑、あと雪泉たちも」

 

 

「わ〜、紫苑ちゃんにみんな〜。久しぶり〜♪」

 

 

自分たちの方に目を向けると両備と両奈は再会の挨拶を告げる

 

 

「どういうことですか両備さん。なぜあなたと両奈さんが悪忍などに…?」

 

 

「簡単なことよ。両備たちには両備たちの目的がある。そしてそれを成すためには善より悪のほうが両備たちに合ってた。だから両備たちは蛇女に入った。それだけのことよ」

 

 

「自ら悪に降るなんて…なんと愚かなことを、両備さん、両奈さん。あなたたちは間違っています!今からでも遅くはありません。私たちの元に戻ってきてください!」

 

 

紫苑は両備と両奈に戻ってくるように説得を試みる

 

 

しかし両備たちはそれに応じようとはしなかった

 

 

「…なぜ?」

 

 

「紫苑、あなたたちは口を開けば悪忍は悪だ、この世界の害悪だとか言ってるけど。はっきり言わせてもらうけど、あなたたちは悪忍のなにを知ってるというの?」

 

 

「っ?」

 

 

両備の突然の質問に全員が言葉を失う

 

 

「両備は、両備たちは蛇女に転入したことで悪とは何かを知った。でもあなたたちは外見だけしか見てない。内面を知ろうともせずにね。言うなればあなたたちは井の中の革ってとこかしら」

 

 

「もういい。これ以上は時間の無駄だ」

 

 

「叢?」

 

 

話に割って入るような形で叢が紫苑たちよりも前に立ち、両備を睨みつける

 

 

「あら、何かしら叢?」

 

 

「……これ以上、裏切り者の戯れ言を聞く気はない。両備、我が相手だ」

 

 

やる気に満ちた叢は両備にむけて武器を構える

 

 

「はん。両備の言葉が戯れ言ですって?全く、だからあなたたちは井の中の革だって言うのよ」

 

 

「それがどうした?」

 

 

「えっ?」

 

 

「……悪は正しくない。悪は間違っている。それ以上の理由など、必要もなければ興味もない」

 

 

叢は自身の信念に従い、両備の言葉を論破する

 

 

「はぁ…もういい、もういいわ。あなたたちのような石頭たちに言い聞かせられると考えた両備がバカだったわ。だったらもう話しは終わり、両備たちの目的の邪魔をするというなら、かつての仲間でも斬る!」

 

 

「望むところだ!悪は切り捨てるのみ!」

 

 

「ふん。両備たちはやる気十分なようだな。…ならば我々も始めるとしよう」

 

 

両備と叢の闘志を見た雅緋は急かすように学炎祭を始めようと言い出す

 

 

「えぇ、望むところです」

 

 

「では、それぞれの戦いの場に移動するぞ」

 

 

 

シュンシュンシュンシュンシュンシュン!

 

 

 

そう言うと雅緋たちは先に戦いの場所へと飛び去っていった

 

 

「…みんな」

 

 

「どうしました紫苑?」

 

 

後を追おうとした雪泉たちを紫苑が止める

 

 

「今回は半蔵の時のようには行かないかもしれない。でも、それでも僕は信じてる。みんなが無事でいてくれることを」

 

 

「紫苑…」

 

 

「紫苑ちん…」

 

 

雪泉たちのことを大切にしているからこそ紫苑は

 

 

これから悪忍との戦場の場に赴く雪泉たちが無事でいることをなによりも強く望んだ

 

 

「紫苑」

 

 

「雪泉?」

 

 

不安そうな顔をする紫苑に雪泉が寄り添ってきた

 

 

「私たちのことをそんなにも思ってくれて嬉しい……ですが、それは私たちも同じです。私もみなさんや、紫苑が無事に帰ってくると信じております」ニコ

 

 

「雪泉、みんなありがとう……さぁ行こうか。僕たちの、黒影さまの悲願を叶えるために!」

 

 

「「「「「おー!!」」」」」

 

 

こうして紫苑たち6人はお互いの気持ちを確認しあい

 

 

それぞれの相手が待つ戦いの場所へと向かうのだった

 

 

 

 


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