閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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新・蛇女子学園編 第五章 半蔵を攻める

両備たちが転入のために蛇女にやって来て

 

 

この学園のレベルを確かめたいと言い出した両備は姉の両奈とともに

 

 

雅緋の提案に乗り、蒼馬と戦うことになった

 

 

序盤こそ、姉妹としてのコンビネーションによって蒼馬を攻撃する2人だったが

 

 

その攻撃全てが蒼馬を倒すには至らず

 

 

逆に蒼馬が装飾品から変化させて作ったボウガンから放たれた空気砲で両奈が戦闘不能となった

 

 

残された両備は蒼馬の実力の差を見せつけられるも

 

 

蒼馬に挑んでいったが力及ばす両姉妹は蒼馬の前に崩れ去っていった

 

 

しかし、蒼馬との戦闘を見ていた雅緋が2人の実力を認め

 

 

2人を選抜メンバーに引き入れたことにより6人全員が辿った

 

 

これにより、蒼馬たち新・蛇女子学園の選抜メンバーたちの悪の誇りを掲げる物語が真に動き出すこととなるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、蒼馬たち蛇女子学園選抜メンバーたちは初の任務として、蛇女の汚名返上のため

 

 

半蔵学院へ学炎祭を仕掛けることとなった

 

 

そして半蔵学院の選抜メンバー達のうち二名が不在という情報を耳にし

 

 

その二人の相手は両備と両奈が引き受けることとなり

 

 

残りの面々は半蔵学院に乗り込むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここが半蔵学院」

 

 

「紫、まさか怖気付いてないよな?」

 

 

「えっ?えっ?お、お、お、お、怖気付いてないよ」アタフタ

 

 

紫の様子に気づいた忌夢が尋ねると

 

 

慌ててそれを否定する紫だったが、様子からして同様しているのは明らかだった

 

 

「ね。べべたん。わ、わ、わたし、怖気付いてないよね?」

 

 

紫は不安そうな顔で持っていたくまのぬいぐるみに話しかけた

 

 

「…おい」

 

 

「っ?」

 

 

「ひぃっ!?」ビクッ

 

 

突然、背後から現れた蒼馬に驚き、紫は慌てて忌夢の後ろに隠れた

 

 

紫は匂いを嗅いだだけでその人がどういう人物なのかを知ることのできる特殊な力を持つ子であり

 

 

蒼馬が転入してきた時、蒼馬の匂いを嗅いで

 

 

彼が異形の存在であることを理解した彼女は恐ろしさでいつも忌夢の後ろや物陰に隠れていた

 

 

「なんの用だ蒼馬?」

 

 

「…前から気になっていた。お前はなぜそのぬいぐるみを持って歩いているのだ?」

 

 

出会った当初から常にぬいぐるみを持ち歩いているのかが気になっていた蒼馬は訪ねてきたのである

 

 

「……べっ、べべたんは、わたしのおともだちなんです」ガクブル

 

 

「ぬいぐるみが……友達?」

 

 

紫の言う言葉の意味が理解できない蒼馬は小首をかしげる

 

 

「友達というのは親しい者同士というこのではないのか?参考書にはそう書いてあったのだが?」

 

 

そう言うと蒼馬は懐から参考書を取り出した

 

 

蒼馬は転入して以来、選抜メンバー以外の生徒達から

 

 

その無愛想、というより人としての感情がないので、あまり生徒達とのコミュニケーションがうまくないので

 

 

見かねた凛から参考書を渡され、人間関係を知るためにそれを使って勉強しているのである

 

 

「…べべたんは、わたしと光くんをつなぐ大切な存在だから……」

 

 

「なに?」

 

 

「このぬいぐるみは光牙が紫にプレゼントしたものなんだ。それからというもの、紫はこのぬいぐるみを肌に離さず大事に持ってるんだ。紫にとってあれは光牙との繋りなのさ」

 

 

「大切な存在……繋り……っ!?」ズキッ

 

 

紫や忌夢の語る大切な存在や繋りという単語を聞いた瞬間、頭に痛みが走る

 

 

「っ?どうした?」

 

 

「ぐっ…」グヌヌ

 

 

 

ジジジジジジジ…

 

 

 

その時、蒼馬の脳裏に白黒の背景の草腹に1人の女性がニッコリと笑みをむける映像がよぎる

 

 

「おい、蒼馬?」

 

 

「なっ、なんでもない?」

 

 

蒼馬は忌夢の呼びかけにハッとするといつもどおりの表情を装った

 

 

「(なんだったのだ今のは…?)」

 

 

先ほどの映像のことを思い返しながら蒼馬は内心つぶやくのだった

 

 

「忌夢、紫、蒼馬。そろそろしかけるぞ」

 

 

「雅緋」

 

 

「はぁ…始まっちゃうのか……」ショボーン

 

 

「…了解した」

 

 

そこに雅緋が現れ、戦闘準備をするよう促すと

 

 

蒼馬たちは行動を開始する

 

 

 

 

 

 

 

 

そして雅緋たちが半蔵学院に潜入するとともにそれぞれの相手に接触をする中

 

 

 

蒼馬もまた半蔵学院に潜入した

 

 

 

 

 

 

 

 

「半蔵学院への潜入成功。続いて標的の所在を…」

 

 

 

 

シュタ!

 

 

 

 

「その必要はありません」

 

 

「…標的の方から現れたか」

 

 

すると蒼馬の前に現れたのは半蔵学院の選抜メンバーの1人にして

 

 

自分の前任者である光牙を倒した佐介だった

 

 

「あなたはなにものなんですか?」

 

 

「俺は…俺たちは秘立蛇女子学園の者だ」

 

 

「えっ?蛇女ですって!?」

 

 

蒼馬が自分が蛇女から来たという話しを聞いて佐介は驚きの声を上げる

 

 

「俺は貴様を倒すために送り込まれた」

 

 

「僕を倒すために?」

 

 

「そうだ。蛇女の上層部は面目を潰した貴様ら半蔵学院の面々や蛇女を裏切り、抜忍と化した光牙たちを始末するべく俺を派遣したのだ」

 

 

「僕たちや光牙くんたちを?」

 

 

佐介は蒼馬が自分たちを倒すために送り込まれた忍と知り、警戒心を強める

 

 

「よって、上層部の命により、貴様の命、ここで貰い受ける」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

「っ!?」

 

 

邪悪な気を全身から噴出さす

 

 

「僕とて、やすやすと殺されはしません!!忍転身!!」

 

 

忍装束を纏い、学ランをなびかせながら佐介は構えをとった

 

 

「俺の前任者を倒したという貴様の実力、見せてもらうぞ。…転身」

 

 

 

《TransFormation》

 

 

 

蒼馬もまた忍転身する

 

 

「っ!?」

 

 

「行くぞ…」

 

 

蒼馬はそう言うと佐介に向かって歩き始める

 

 

「くっ…でやぁぁ!!」

 

 

「ふん」ガシッ

 

 

「なっ!?」

 

 

迫り来る蒼馬を前に先手必勝と言わんばかりに素速いパンチをかます佐介だったが

 

 

蒼馬はそのパンチを受け止めた

 

 

「ならば、せいやぁぁ!!!」

 

 

「っ!」ガシッ

 

 

「またしても!?」

 

 

佐介は一瞬怯むももう片方の手で再びパンチをかます

 

 

しかしそれもまた受け止められてしまった

 

 

「ぐっ、ぐうぅぅぅぅぅ!!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

両手の攻撃を防ぎ、拳を固める蒼馬に対し、佐介は力を振り絞り、押していく

 

 

「(こいつ、なんて力だ…ならば)」

 

 

押され続ける蒼馬だったが、反撃開始とばかりに駆け出す

 

 

それに対して佐介も身構える

 

 

「っ!!」

 

 

「なっ!?」

 

 

「はあぁっ!!」

 

 

 

ドゴォォォォォォォォ!!

 

 

 

「っ!?」ズルルル

 

 

だが蒼馬とて負けてない、徐々に佐介を押し返していく

 

 

「ぬぅぅぅぅ!」

 

 

「うっ、うぅぅぅ!?」

 

 

2人は力のかぎり押し合いを続ける

 

 

「あっ、あなた、やはりただの忍ではありませんね?」

 

 

「ほう、貴様もわかるのか?」

 

 

蒼馬はそう言うと押し合いをやめ、佐介との距離をとる

 

 

「感じます。あなたからは憎しみ、怒り、憎悪など数多くの負の気が漂っています。まるで妖魔のようだ……これはいったいどういうことでしょう?」

 

 

蒼馬の発する気が妖魔に似た感じがすることに気づき、佐介は困惑する

 

 

 

「そこまでわかるとは大したものだな。ならば教えてやろう。俺の体には妖魔が宿っている」

 

 

「よ、妖魔が!?どういうことなんですか!?」

 

 

「ある男が計画した妖魔を宿した忍の兵士を作るための研究。俺はその実験体であり、その成功例というわけだ」

 

 

「(まさか、その人というのは…?)」

 

 

蒼馬の語ったある男、佐介には心当たりがあった

 

 

「(十中八九間違いありません。そんな恐ろしいことをしでかすのは1人しかいません…)」

 

 

光牙たちを裏で操り、妖魔を兵器として売りさばき、巨額の富を手にしようとしたその男の名は

 

 

「(道元…!)」グヌヌ

 

 

かつて自分たちが倒したその男、道元その人に違いないと思った

 

 

人に妖魔を宿らせ兵士にしようと企むやつの行為に怒りを表す佐介だったが

 

 

「さて、話は終わりだ。貴様を叩きつぶす!」

 

 

「…あなたは被害者かもしれない。でも僕とて半蔵学院を守るために負けるわけにはいかないのです!」

 

 

理由はどうあれ佐介もまた守りたいもののために蒼馬を迎え撃つことを決めるのだった

 

 

 


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